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ネットワークスペシャリスト 2017年 午前208


問題文

IPv6のIPアドレスに関する記述のうち、適切なものはどれか。

選択肢

IPv4に比べてアドレスフィールドが拡張されたので、ルータでの中継処理の遅延が増加する。
IPアドレスは10進数を用いる表記が推奨されている。
上位96ビットを全て1としたアドレスはIPv4射影アドレスとして使用される。
ホストはルータからの情報によって自分のIPアドレスを自動設定できる。(正解)

IPv6のIPアドレスに関する記述【午前2 解説】

正解の理由

選択肢エ「ホストはルータからの情報によって自分のIPアドレスを自動設定できる」が正しい理由は、IPv6においてルータ広告(Router Advertisement, RA)を受け取ることでホストが自動的にプレフィックスを取得し、自身のインターフェース識別子と組み合わせてアドレスを生成する機能(SLAAC)が標準で規定されているためです。加えて、DHCPv6を併用して詳細な設定情報を得ることも可能です。

解法ステップ

  1. 各選択肢の主張をIPv6の規格や一般的運用と照らし合わせる。
  2. 「自動設定」の有無や仕組み(SLAAC/DHCPv6)を確認する。
  3. 表記法や特殊アドレス(プレフィックスや埋め込み表現)の正当性を検証する。
  4. ルータ処理負荷や表記の基準など、選択肢が事実に基づくかを判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 「アドレスフィールドが拡張されたので、ルータでの中継処理の遅延が増加する。」
    誤り。IPv6はアドレス長が128ビットに拡張されましたが、実装上はルータ処理が最適化されており、必ずしも中継遅延が増加するとは限りません。ルーティング処理はパケットのヘッダやネットワーク機器のハードウェア/ソフトウェア実装に依存します。さらに、拡張ヘッダや効率的なパケット処理の仕組みで影響を抑える設計がなされています。
  • イ: 「IPアドレスは10進数を用いる表記が推奨されている。」
    誤り。IPv6アドレスは通常、16進数を4桁ごと(16ビットごと)にコロンで区切る表記が標準です(例:2001:db8::1)。10進表記はIPv4のドット十進表記に対応するものですが、IPv6では推奨されません。
  • ウ: 「上位96ビットを全て1としたアドレスはIPv4射影アドレスとして使用される。」
    誤り。IPv4互換/射影アドレス(IPv4-mapped IPv6 address)は一般に上位96ビットが0で、下位32ビットにIPv4アドレスを埋め込む形(::ffff:IPv4)で表されます。上位96ビットを1にするのは別の特殊用途(例えばブロードキャスト的な表現ではなく)であり、記述は混同しています。
  • エ: 「ホストはルータからの情報によって自分のIPアドレスを自動設定できる。」
    正しい。RA(Router Advertisement)によりプレフィックス情報を受け取ってSLAACでアドレスを生成したり、DHCPv6で追加設定を受けることが可能です。

よくある誤解

  • SLAAC=すべて自動で完全に設定されると誤認する:SLAACでアドレスは生成できますが、DNSサーバアドレス取得などはDHCPv6が必要な場合があります。
  • IPv6表記は10進数が推奨と考える:IPv6は16進数での16ビット区切り(コロン区切り)が標準表記であり、10進数表記は用いません。
  • IPv4互換表現と射影(移行)表現を混同する:上位ビットを全部1にする特殊アドレスは別目的で、IPv4互換/射影の正しい表現を理解していないと誤答します。

補足コラム

  • SLAAC(Stateless Address Autoconfiguration):ホストがネットワークプレフィックスをRAで受け取り、インターフェース識別子(従来はMACベースのEUI-64等)を組み合わせてグローバルユニキャストアドレスを作成する仕組みです。プライバシー拡張(乱数による一時アドレス)も導入されています。
  • DHCPv6:ステートフルにアドレスやDNSなどを配布するプロトコル。SLAACと併用可能で、ネットワーク設計に応じて使い分けます。
  • IPv4射影・互換アドレス:主に ::ffff:0:0/96(上位96ビットが0x0000...0000FFFFかつその後にIPv4)など、実際の表現や利用は歴史的経緯があり注意が必要です。

FAQ

Q: SLAACだけでDNSサーバ情報も自動取得できますか?
A: 基本的にSLAACではDNS情報は提供されず、DHCPv6(オプション)やRDNSS(RA拡張)で配布されることが多いです。実装によってはRA内のRDNSSオプションでDNSを配布できます。
Q: IPv6アドレスはすべて16進数で表記しなければなりませんか?
A: はい。標準的な表記は16進数のコロン区切りです。短縮記法(連続するゼロの圧縮 :: など)も許容されます。
Q: IPv6に移行するとルータの処理性能は必ず問題になりますか?
A: いいえ。機器の性能や実装に依存します。多くの現代ルータはIPv6処理をハードウェアで高速に行えるよう設計されています。

関連キーワード: IPv6、SLAAC、DHCPv6、Router Advertisement、IPv4-mappedアドレス、アドレス自動設定、プライバシー拡張、アドレス表記、ルーティング
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