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ネットワークスペシャリスト 2018年 午後1 問02


ネットワーク監視の改善に関する次の記述を読んで、設問1〜4に答えよ。

 A社は従業員数200人の流通業者である。A社のシステム部門では、統合監視サーバ(以下、監視サーバという)を構築し、A社のサーバやLANの運用監視を行っている。  監視サーバは、pingによる死活監視(以下、ping監視という)とSYSLOGによる異常検知監視(以下、SYSLOG監視という)を行っている。現在定義されているLANに関するSYSLOG監視は、ポートのリンク状態遷移、STP(Spanning Tree Protocol)状態遷移及びVRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)状態遷移の3種類である。  ある日、“従業員が使用するPCからファイルサーバを利用できない”という苦情が、システム部門に多数寄せられた。調査した結果、ケーブルの断線による障害と判明して対処したが、監視サーバで検知できなかったことが問題視された。
〔A社LANの概要〕  A社は、オフィスビルの1フロアを利用している。A社LANの構成を、図1に示す。
ネットワークスペシャリスト(平成30年度 午後1 問02 図01) ↩設問4(1)
 コアSWには、サーバSWとフロアSWが接続されている。サーバSWは、監視サーバとファイルサーバを収容している。フロアSWには、従業員が使用するPCを収容するSWが接続されている。  A社LANは次のように設計されている。  ・コアSWには、①VRRPが設定してあり、②正常時は、コアSW1がマスタルータで、コアSW2がバックアップルータとなるように設定している。  ・A社LANは、ループ構成を含んでいる。例えば、コアSW1-サーバSW-コアSW2-コアSW1はループ構成の一つである。IEEE 802.1Dで規定されているSTPを用いて、レイヤ2ネットワークのループを防止している。正常時はコアSW1がルートブリッジとなるように設定している。  ・コアSWのp1ポート、p2ポート及びp3ポートはアクセスポートで、③p4ポートをIEEE 802.1Qを用いたトランクポートに設定している。   〔監視サーバの概要〕  監視対象機器は、コアSW、サーバSW及びフロアSWである。  ping監視には、RFC 792で規定されているプロトコルである ア を利用する。  echo requestパケットの宛先として、監視対象機器には イ を割り当てる必要がある。  リンクダウンなどの異常が発生した機器は、監視サーバに対して直ちにSYSLOGメッセージを送信する。監視サーバは、受信したSYSLOGメッセージの分析を直ちに行い、定義に従って異常として検知する。SYSLOGは、トランスポートプロトコルとしてRFC 768で規定されている ウ を用いている。   〔監視サーバの問題〕  ネットワークに異常が発生した際に、監視サーバで検知できなかった問題について、システム部門のB課長は、部下のCさんに障害発生時の状況確認とネットワーク監視の改善策の立案を指示した。   〔障害発生時の状況確認〕  ケーブルの断線による障害発生時の構成を、図2に示す。
 Cさんが行った状況確認の結果は、次のとおりである。  ・障害発生時、フロアラック1の近くでフロアのレイアウト変更が行われていた。その影響で、フロアSW1のp1ポートとコアSW1のp2ポートを接続するケーブル1が断線した。同時に、フロアSW1のp3ポートとSW4を接続するケーブル2が断線した。  ・ケーブル1の断線によって、④フロアSW2のp1ポートのSTPのポート状態がブロッキングから、リスニング、ラーニングを経て、フォワーディングに遷移した。また、監視サーバでは、SYSLOG監視によって、ケーブル1が接続されているポートのリンク状態遷移が発生したことを検知した。  ・ケーブル2の断線に伴って⑤フロアSW1が送信した、リンク状態遷移を示すSYSLOGメッセージが監視サーバに到達できなかった。その結果、監視サーバは、ケーブル2が接続されているポートのリンク状態遷移を検知できなかった。   〔ネットワーク監視の改善策の立案〕  Cさんは、ネットワーク監視の改善策として、新たにSNMP (Simple Network Management Protocol) を使って監視することを検討した。Cさんは、監視対象機器で利用可能なSNMPv2cについて調査を行った。  SNMPは機器を管理するためのプロトコルで、⑥SNMPエージェントとSNMPマネージャで構成される。SNMPエージェントとSNMPマネージャは、同じグループであることを示す エ を用いて、機器の管理情報(以下、MIBという)を共有する.
 SNMPの基本動作として、ポーリングとトラップがある。ポーリングは、SNMPマネージャが、SNMPエージェントに対して、例えば5分ごとといった定期的にMIBの問合せを行うことによって、機器の状態を取得できる。一方、トラップは、MIBに変化が起きた際に、SNMPエージェントが直ちにメッセージを送信し、SNMPマネージャがメッセージを受信することによって、機器の状態を取得できる。  Cさんは、⑦5分間隔のポーリング、又はトラップを使用して監視しても、今回発生したネットワークの異常においてはそれぞれ問題があることが分かった。しかし、SNMPのインフォームと呼ばれるイベント通知機能を利用すれば、これらの問題に対応できると考えた。  SNMPのインフォームでは、MIBに変化が起きた際に、SNMPエージェントが直ちにメッセージを送信し、SNMPマネージャからの確認応答を待つ。確認応答を受信できない場合、SNMPエージェントは、SNMPマネージャがメッセージを受信しなかったと判断し、メッセージの再送信を行う。Cさんは、⑧今回と同様なネットワークの異常が発生した場合に備えて、SNMPマネージャがインフォームの受信を行えるよう、SNMPエージェントの設定パラメタを考えた。    その後、CさんはSNMPのインフォームを用いたネットワーク監視の改善策をB課長に報告し、その内容が承認された。

設問1:

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本文中の ア 〜 エ に入れる適切な字句を答えよ。

模範解答

ア:ICMP イ:IPアドレス ウ:UDP エ:コミュニティ

解説

解答の論理構成

  1. RFCとプロトコルの対応付け
    • 【問題文】に「ping監視には、RFC 792で規定されているプロトコルである ア を利用する。」とあります。
    • RFC 792はInternet Control Message Protocolを定義しています。したがって [ア] は「ICMP」です。
  2. pingの宛先に必要な識別子
    • 【問題文】に「echo requestパケットの宛先として、監視対象機器には イ を割り当てる必要がある。」とあります。
    • echo requestはIPレイヤで宛先を指定するため、割り当てるものは「IPアドレス」となります。
  3. SYSLOGのトランスポートプロトコル
    • 【問題文】に「SYSLOGは、トランスポートプロトコルとしてRFC 768で規定されている ウ を用いている。」とあります。
    • RFC 768はUser Datagram Protocolを規定します。よって [ウ] は「UDP」です。
  4. SNMPで同一グループを示す情報
    • 【問題文】に「SNMPエージェントとSNMPマネージャは、同じグループであることを示す エ を用いて、機器の管理情報(以下、MIBという)を共有する。」とあります。
    • SNMPv2cでは “community name” によってグループを識別します。したがって [エ] は「コミュニティ」です。
以上より
ア:ICMP
イ:IPアドレス
ウ:UDP
エ:コミュニティ

誤りやすいポイント

  • RFC番号の取り違え
    RFC 793と勘違いしてTCPを選ぶミスが多発します。RFC 792がICMP、RFC 768がUDPです。
  • ping = MACアドレスではない
    echo requestはレイヤ3のプロトコルなので、宛先に必要なのはMACではなくIPアドレスです。
  • SYSLOG=TCPと決め付ける
    セキュアSYSLOGなど一部TCPを使う実装もありますが、問題文には「RFC 768」と明示されているためUDPが正答です。
  • SNMPの「ユーザ名」と混同
    SNMPv3ではユーザベースのセキュリティモデルがありますが、本問題はSNMPv2cを前提としており、キーワードはコミュニティです。

FAQ

Q: ping監視でARPエントリが無い場合でも監視できますか?
A: できます。ICMP echo requestを送る際にARP解決が行われ、応答が返れば到達を確認できます。
Q: SYSLOGを信頼性の高い転送で行う方法はありますか?
A: あります。RFC 5424以降ではTCPやTLSを利用する実装も規定されています。問題文はUDPを前提にしています。
Q: SNMPインフォームとトラップの主な違いは何ですか?
A: トラップは送信側から一方的に通知して終了しますが、インフォームは受信側からの確認応答を伴い、応答が無ければ再送される点で信頼性が高いです。

関連キーワード: ICMP, UDP, SYSLOG, SNMP, MIB

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設問2:〔A社LANの概要〕について、(1)〜(3)に答えよ。

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(1)本文中の下線①について、PC及びサーバに設定する情報に着目して、VRRPによる冗長化対象を15字以内で答えよ。

模範解答

デフォルトゲートウェイ

解説

解答の論理構成

  1. VRRPの目的を確認
    • 【問題文】「コアSWには、①VRRPが設定してあり、②正常時は、コアSW1がマスタルータで、コアSW2がバックアップルータとなるように設定している。」
    • VRRPは複数のルータで1つの仮想IPアドレスを共有し、ルータ障害時に経路を自動で切替えるプロトコルです。
  2. PC・サーバ側で設定する情報に着目
    • PCやサーバが日常的に設定するネットワーク項目は「IPアドレス」「サブネットマスク」「デフォルトゲートウェイ」などです。
    • VRRPで冗長化されるのはルータ側の機能ですが、ホスト側から見れば「常に同じIPを指す出口」が維持される点が重要です。
  3. 冗長化される対象を導く
    • ホストが通信相手にパケットを送る際、最初に問い合わせるのは「デフォルトゲートウェイ」です。
    • VRRPによりマスタルータが交代しても、ホスト設定は変えずに済みます。
    • よって、PC・サーバに設定する情報の中で冗長化される対象は「デフォルトゲートウェイ」になります。

誤りやすいポイント

  • VRRPが「IPアドレス自体」を冗長化すると誤解し、答えを「仮想IPアドレス」としてしまう。実際にはホストが指定する出口=デフォルトゲートウェイが切れ目なく維持される点が本質です。
  • スイッチやポート番号など機器側パラメータを記述してしまう。設問はあくまで「PC及びサーバに設定する情報」に限定しています。
  • VRRPをHSRPやGLBPなど他のFHRPと混同し、用語の整合が取れなくなる。

FAQ

Q: VRRPで冗長化されているのはIPかMACか、どちらですか?
A: 仮想ルータとして「仮想IPアドレス」と「仮想MACアドレス」の両方が生成されますが、ホストが設定するのは仮想IPを宛先にするデフォルトゲートウェイです。
Q: コアSW1とコアSW2のどちらがマスタかをホストが意識する必要はありますか?
A: ありません。ホストは常に同じデフォルトゲートウェイを利用し、マスタ交代はVRRPが内部で処理します。
Q: ルータが2台ともダウンした場合VRRPは機能しますか?
A: 両機が停止すると仮想ルータも失われるため通信は遮断されます。VRRPは単一障害点の排除を目的としており、全損には対応しません。

関連キーワード: VRRP, 仮想ルータ, 冗長化, デフォルトゲートウェイ

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設問2:〔A社LANの概要〕について、(1)〜(3)に答えよ。

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(2)本文中の下線②について、バックアップルータはあるメッセージを受信しなくなったときにマスタルータに切り替わる。VRRPで規定されているメッセージ名を15字以内で答えよ。

模範解答

VRRPアドバタイズメント

解説

解答の論理構成

  1. 【問題文】では、コアスイッチについて「①VRRP」が設定されており、「②正常時は、コアSW1がマスタルータで、コアSW2がバックアップルータ」と記載されています。
  2. VRRPでは、マスタルータが一定間隔でメッセージを送信し、バックアップルータはその受信が途切れた場合にマスターへ昇格する仕組みです。
  3. RFC 5798などの規定によれば、この監視用メッセージは “Advertisement” と呼ばれます。日本語でも “アドバタイズメント” と表記されるのが一般的です。
  4. したがって、バックアップルータが受信しなくなったときにマスタルータへ切り替わるきっかけとなるVRRPで規定されたメッセージ名は
      VRRPアドバタイズメント
    となります。

誤りやすいポイント

  • メッセージ種別を “Hello” や “Keepalive” と誤記する。これらはOSPFやHSRPで用いられる語であり、VRRPでは “アドバタイズメント” が正しいです。
  • “Advertisementパケット” と英語表記にした結果、15文字以内の条件を満たさなくなることがあるため注意が必要です。
  • VRRPはL3の冗長化プロトコルですが、STPやVRRPの役割を混同し、ポート状態遷移メッセージと誤解するケースがあります。

FAQ

Q: “VRRPアドバタイズメント” 以外の正式名称はありますか?
A: RFC 5798では “VRRP Advertisement message” と表記されます。日本語試験ではカタカナで “アドバタイズメント” と解答するのが通例です。
Q: HSRPとVRRPのメッセージ呼称は同じですか?
A: いいえ。HSRPでは “Hello” メッセージ、VRRPでは “アドバタイズメント” メッセージと名称が異なります。
Q: メッセージが失われたと判定される時間はどのように決まりますか?
A: マスターが送る “アドバタイズメント” のインターバルと “Master Down Interval” で決定され、デフォルトでは3倍のインターバルが経過するとバックアップがマスターへ昇格します。

関連キーワード: VRRP, 仮想ルータ, 冗長化, アドバタイズメント, フェイルオーバ

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設問2:〔A社LANの概要〕について、(1)〜(3)に答えよ。

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(3)本文中の下線③について、p4ポートでトランクポートに設定するVLAN IDを全て答えよ。

模範解答

VLAN100, VLAN200, VLAN300

解説

解答の論理構成

  1. トランクポートの性質
    • 【問題文】には「③p4ポートをIEEE 802.1Qを用いたトランクポートに設定している。」とあります。
    • IEEE 802.1Qで設定するトランクポートは、そのスイッチで利用している全VLAN IDをタグ付きで運ぶのが原則です。
  2. どのVLANを運ぶ必要があるか
    • 同じ箇所の文に続き「コアSWのp1ポート、p2ポート及びp3ポートはアクセスポート」と記載されています。
    • 図1を見ると、p1は「VLAN100」、p2は「VLAN200」、p3は「VLAN300」の各アクセスポートです。
    • したがって、コアSWが扱うVLANは「VLAN100」「VLAN200」「VLAN300」の3つです。
  3. 結論
    • p4をトランクにする以上、タグ付きで流すVLAN IDは上記3つすべてになります。
    • よって解答は
      VLAN100, VLAN200, VLAN300

誤りやすいポイント

  • 「管理VLANだけを流せば良い」と思い込み、VLAN100だけを答えてしまう。
  • VRRPの動作VLAN(今回は特定されていません)だけを流せば良いと誤解し、VLAN200を外してしまう。
  • 図1のアクセスポート設定を確認せず、VLAN300の存在を見落としてしまう。

FAQ

Q: トランクポートに必ず全VLANを流さなければならないのですか?
A: 同一スイッチ内で不要なVLANを明示的に「許可しない」設定も可能ですが、本文にはフィルタリングの指示がなく、p1〜p3が持つVLANをすべて伝送するのが自然な設定になります。
Q: IEEE 802.1Qタグを付けるのはトランク側だけですか?
A: はい。アクセスポートではタグを付けずにフレームを送受信し、トランクポートでタグを付与・除去します。
Q: VRRPが関与するVLANを優先的に流す必要はありますか?
A: VRRPはレイヤ3の冗長化プロトコルであり、動作VLANがどれであっても802.1Qのタグ付けとは独立です。今回の設問は「どのVLANをtrunkさせるか」が論点なので、VRRPのマスタ/バックアップ設定は直接影響しません。

関連キーワード: VLANタグ, トランクポート, アクセスポート, IEEE 802.1Q, VRRP

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設問3:〔障害発生時の状況確認〕について、(1)、(2)に答えよ。

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(1)本文中の下線④について、BPDU(Bridge Protocol Data Unit)を受信しなくなったフロアSW2のポートを、図2中の字句を用いて答えよ。

模範解答

p2

解説

解答の導き方

  1. 問題文の重要な記述から出発します。本文には「正常時はコアSW1がルートブリッジとなるように設定している」とあり、STPではルートブリッジがBPDUを生成してネットワークに伝播します。BPDUはルートから隣接スイッチへ届き、各スイッチは受信したBPDUの向きでルートポート/指定ポートを決めます(例:コアSW1→コアSW2→フロアSW2や コアSW1→フロアSW1の経路で到達する)。
  2. 図2の接続関係を確認します。図2より、フロアSW2は
    • p1でコアSW2のp2に接続、
    • p2でフロアSW1のp2に接続 しています。つまりフロアSW2はp1経由でコア側(コアSW2経由でコアSW1へ)、p2経由でフロア側(フロアSW1経由でコアSW1へ)の二経路を持っています。
  3. 本文の記述「フロアSW2のp1ポートのSTPのポート状態がブロッキングから、リスニング、ラーニングを経て、フォワーディングに遷移した」から、変化前はフロアSW2のp1がブロッキングであり、逆にp2がフォワーディング(ルートへ向かう経路=ルートポート)であったと推定できます。
  4. 本文には「ケーブル1の断線によって、フロアSW1のp1ポートとコアSW1のp2ポートを接続するケーブル1が断線した」とあります。ケーブル1断線によりフロアSW1はコアSW1からのBPDUを受信できなくなります。するとフロアSW1からフロアSW2へ送られていたBPDUも途絶え、結果としてフロアSW2のp2がBPDUを受信しなくなります。BPDU受信が途絶えたためSTPが再収束し、従来ブロッキングであったp1がリスニング→ラーニング→フォワーディングへ遷移した、という流れになります。
したがって、BPDUを受信しなくなったフロアSW2のポートは、図2のp2です。

誤りやすいポイント

  • BPDUの発生源を誤認する:本文の「コアSW1がルートブリッジ」という記述を見落とし、別経路(例:サーバ側経路)を想定してしまう。
  • 物理リンクの断(ケーブル断)したポートと、BPDU受信停止となったポートを混同する:断線したのはケーブル1(フロアSW1のp1–コアSW1のp2)だが、BPDU受信停止はその影響を受けた隣接ポート(フロアSW2のp2)で起きる。
  • 「どのポートがもともとブロッキングか」を問題文の記述から逆算するのを怠ると誤答する。本文の状態遷移記述から初期状態を推定することが重要。
  • STPの振る舞い(BPDUの到達方向に基づくルートポート選定)を理解していないと、誤った経路推定を行う。

FAQ

Q: なぜBPDUは「コアSW1→サーバSW→フロアSW…」のように必ずサーバ側経路を通るとは限らないのですか?
A: BPDUはルートブリッジ(本文ではコアSW1)で生成され、レイヤ2の隣接リンクを通じて伝播します。到達経路は物理トポロジとコストに依存するため、対象スイッチごとに「コアSW1→コアSW2→フロアSW2」や「コアSW1→フロアSW1」など、最短/有利な経路で到達します。したがってサーバ側経路が常に使われるわけではありません。
Q: フロアSW2のp1がブロッキングからフォワーディングに遷移するまでにはどのくらい時間がかかりますか?
A: IEEE 802.1Dのデフォルト設定では、リスニングとラーニングの各状態はforward delay(通常15秒)です。したがってブロッキング→リスニング→ラーニング→フォワーディングの再収束にはおおむねリスニング+ラーニングで約30秒程度要します(環境の設定によって変わります)。

関連キーワード: BPDU、STP、ルートブリッジ、ポート状態、トポロジ変更

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設問3:〔障害発生時の状況確認〕について、(1)、(2)に答えよ。

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(2)本文中の下線⑤について、フロアSW1が送信したSYSLOGメッセージが監視サーバに到達できなかったのはなぜか。“スパニングツリー”の字句を用いて25字以内で述べよ。

模範解答

スパニングツリーが再構築中だったから

解説

解答の論理構成

  1. まず障害の発端は、フロアSW1とコアSW1を結ぶ「ケーブル1」が切断されたことです。問題文には、
    「ケーブル1の断線によって、④フロアSW2のp1ポートのSTPのポート状態がブロッキングから、リスニング、ラーニングを経て、フォワーディングに遷移した」
    とあり、STPがトポロジの変化を検知して再計算(再構築)を開始したことが分かります。
  2. STP再構築中は、ポート状態がブロッキング/リスニング/ラーニングのいずれかにあり、フォワーディングになるまでユーザーフレームは転送されません。
  3. 同じタイミングで「ケーブル2」も切断され、フロアSW1はそのリンクダウンを検知してSYSLOGメッセージを即時送信しました。しかし、問題文には、
    「⑤フロアSW1が送信した、リンク状態遷移を示すSYSLOGメッセージが監視サーバに到達できなかった」
    と記載されています。
  4. 到達しなかった直接の理由は、STPが収束する前だったために、フロアSW1から監視サーバへ至る経路上のポートがフォワーディング状態になっておらず、SYSLOGフレームが破棄されたからです。
  5. よって要求どおり「スパニングツリー」の語を含めると、解答は「スパニングツリーが再構築中だったから」となります。

誤りやすいポイント

  • 「ケーブル2」の断線そのものが原因と答えてしまう
    ─ 到達できなかったのはリンク切断ではなく経路再計算が未完了だったためです。
  • SYSLOGが「UDP」だから届かなかったと誤解する
    ─ トランスポートは問題ではなく、フレーム転送経路が開通していなかった点が本質です。
  • STPの各状態(ブロッキング→リスニング→ラーニング→フォワーディング)の役割を混同する
    ─ リスニング/ラーニング中はデータフレームが転送されないことを押さえましょう。

FAQ

Q: STPの再構築はどのくらい時間が掛かるのですか?
A: IEEE 802.1Dの標準設定では最大50秒程度ですが、Rapid STPなど高速収束プロトコルを用いれば数秒に短縮できます。
Q: SYSLOGに代えてSNMPトラップでも同じ問題は起きますか?
A: はい。トランスポートがUDPである点は同じなので、STP収束前はフレーム自体が転送されず届きません。
Q: 再送機能を持つプロトコルなら解決できますか?
A: 経路が開通後に再送する仕組み(SNMPインフォームなど)を併用すれば、収束後に通知を確実に受け取れる可能性が高まります。

関連キーワード: STP, ポート状態, フレーム転送, SYSLOG, 経路収束

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設問4:〔ネットワーク監視の改善策の立案〕について、(1)〜(3)に答えよ。

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(1)本文中の下線⑥について、SNMPエージェントとSNMPマネージャに該当する機器名を、図1中の機器名を用いてそれぞれ一つ答えよ。

模範解答

SNMPエージェント:コアSW1又は コアSW2又は フロアSW1又は フロアSW2又は フロアSW3又は フロアSW4又は サーバSW SNMPマネージャ:監視サーバ

解説

解答の論理構成

  1. 監視対象機器の確認
    【問題文】には「監視対象機器は、コアSW、サーバSW及びフロアSWである。」とあります。図1を見ると該当機器は
    ・「コアSW1」,「コアSW2」
    ・「サーバSW」
    ・「フロアSW1」~「フロアSW4」
    です。
  2. SNMPの役割分担
    【問題文】の下線⑥には「SNMPエージェントとSNMPマネージャで構成される」と記載されています。一般に
    ・SNMPエージェント:監視される側(機器内でMIBを保持)
    ・SNMPマネージャ:監視する側(ネットワーク管理ソフトを搭載)
    で動作します。
  3. A社でマネージャを担う機器
    同じ段落の直前に「Cさんは、ネットワーク監視の改善策として、新たにSNMP … を使って監視することを検討した。」とあり、従来監視を担当していたのは「監視サーバ」です。したがってSNMPを導入しても、管理を行うのは「監視サーバ」になります。
  4. A社でエージェントを担う機器
    ポーリングやトラップ/インフォームの送信元は各スイッチ・サーバです。よって1. で列挙した機器がすべてSNMPエージェントに該当します。
  5. 結論
    SNMPエージェント:
    「コアSW1」又は「コアSW2」又は「フロアSW1」又は「フロアSW2」又は「フロアSW3」又は「フロアSW4」又は「サーバSW」
    SNMPマネージャ:
    「監視サーバ」

誤りやすいポイント

  • 「SNMPマネージャ」をコアスイッチだと思い込む
    VRRPやルーティングを行う機器=管理装置と誤解しがちですが、管理トラフィックを集約する役割は「監視サーバ」です。
  • 「サーバSW」を忘れる
    監視対象は“SW”という名前に惑わされやすく、レイヤ2スイッチである「サーバSW」をエージェント一覧から漏らしがちです。
  • 「SW1〜SW32」まで含めてしまう
    監視対象に列挙されていない機器を勝手に追加すると減点対象になります。問題文に明示された範囲に限定することが必要です。

FAQ

Q: SNMPエージェントは1台だけ書けば良いのですか?
A: 設問は「該当する機器名を…それぞれ一つ答えよ」です。エージェント側は複数該当しうるため、模範解答のように「○○又は○○…」形式で列挙します。
Q: 「SW1〜SW32」はSNMP対応の場合でも書かなくてよい?
A: 本問では監視対象機器として明示されていません。「監視対象機器は、コアSW、サーバSW及びフロアSWである。」という前提を優先します。
Q: 監視サーバがマネージャになる根拠は?
A: 既存システムで監視処理を担っているのが「統合監視サーバ」であり、SNMPを導入しても同サーバで監視を行うと読むのが自然だからです。

関連キーワード: SNMP, MIB, トラップ, インフォーム

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設問4:〔ネットワーク監視の改善策の立案〕について、(1)〜(3)に答えよ。

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(2)本文中の下線⑦について、ポーリングとトラップの問題を、それぞれ35字以内で述べよ。

模範解答

ポーリング:5分ごとに状態を取得するので多くの場合異常検知が遅れる。 トラップ:到達確認がないのでメッセージが失われる可能性がある。

解説

解答の論理構成

  • 【問題文】では、ポーリングについて「SNMPマネージャが、SNMPエージェントに対して、例如5分ごとといった定期的に MIBの問合せを行う」と記述されています。
    したがって取得間隔よりも短い時間で障害が収束・再収束すると、監視サーバは変化を捕捉できません。「多くの場合異常検知が遅れる」という結論になります。
  • トラップについては「SNMPエージェントが直ちにメッセージを送信し、SNMPマネージャがメッセージを受信」するのみで、確認応答はありません。この点は後段のインフォームの説明―「SNMPマネージャがメッセージの確認応答を持つ」―と対比されます。
    よって「到達確認がないのでメッセージが失われる可能性がある」という弱点が導けます。
  • 以上より、模範解答
    ・ポーリング:5分ごとに状態を取得するので多くの場合異常検知が遅れる。
    ・トラップ:到達確認がないのでメッセージが失われる可能性がある。
    が妥当となります。

誤りやすいポイント

  • ポーリング=“定期的な取得”という語感だけで「通信量増大」を最優先に挙げてしまう。今回の設問は通信量ではなく障害検知の遅延に着目しています。
  • トラップの欠点を「エージェントから送られない場合がある」と漠然と書く。実際の論点は「確認応答が無い=未達時に再送されず、途中でロスしてもマネージャは気づけない」点です。
  • インフォームの説明を混在させてしまい、トラップ単体の欠点を書くのを忘れる。

FAQ

Q: ポーリング間隔を短く設定すれば遅延問題は解決しますか?
A: 障害検知は速くなりますが、ポーリングが高頻度になるほどネットワーク負荷増大や機器のCPU負荷上昇を招きやすく、現実的な運用間隔は数分単位が一般的です。
Q: トラップに確認応答機構を追加する拡張は存在しますか?
A: SNMPv2c/v3の「インフォーム」がそれに相当し、マネージャが応答しない場合エージェントは再送します。
Q: SYSLOG監視だけでは不十分だった理由は何ですか?
A: 【問題文】で「フロアSW1が送信した、リンク状態遷移を示すSYSLOGメッセージが監視サーバに到達できなかった」とある通り、障害そのものがSYSLOG経路を断ち切り、監視サーバまで届かなかったためです。

関連キーワード: SNMP, ポーリング, トラップ, インフォーム, 監視遅延

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設問4:〔ネットワーク監視の改善策の立案〕について、(1)〜(3)に答えよ。

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(3)本文中の下線⑧について、SNMPエージェントが満たすべき動作の内容を、40字以内で述べよ。

模範解答

スパニングツリーが再構築するまでインフォームの再送信を繰り返す。

解説

解答の論理構成

  1. 監視できなかった原因の整理
    • ケーブル断線時に「⑤フロアSW1が送信した、リンク状態遷移を示すSYSLOGメッセージが監視サーバに到達できなかった」と記載されています。つまり、障害発生直後は通信経路自体が寸断されていました。
  2. 経路復旧までの時間的ギャップ
    • 断線後、「④フロアSW2のp1ポートのSTPのポート状態がブロッキングから、リスニング、ラーニングを経て、フォワーディングに遷移した」とあるように、STP再収束には一定時間を要します。この間に送られた通知は届かない可能性があります。
  3. SNMPインフォームの特性
    • 本文には「SNMPのインフォームでは、MIBに変化が起きた際に、SNMPエージェントが直ちにメッセージを送信し、SNMPマネージャからの確認応答を待つ。確認応答を受信できない場合、SNMPエージェントは、SNMPマネージャがメッセージを受信しなかったと判断し、メッセージの再送信を行う。」とあります。
    • つまり、届かなければ再送し続けるという自己回復機構を備えています。
  4. ⑧の要求事項
    • 問題は「⑧今回と同様なネットワークの異常が発生した場合に備えて、SNMPマネージャがインフォームの受信を行えるよう、SNMPエージェントの設定パラメタを考えた」と述べています。
    • 指定すべき動作は「障害で最初のインフォームが届かなくても、STPが経路を張り直すまで再送を継続する」ことです。
  5. したがって模範解答
    • 「スパニングツリーが再構築するまでインフォームの再送信を繰り返す。」

誤りやすいポイント

  • インフォームとトラップを混同し、確認応答(ACK)の有無を取り違える。
  • STP収束後に経路が確立する事実を見落とし、「一度送れば十分」と考えてしまう。
  • 再送回数や間隔など細部のパラメータに目が行き、求められる動作の主旨(到達するまで送り続ける)を外してしまう。

FAQ

Q: トラップではなくインフォームを選んだ決定的理由は何ですか?
A: トラップは送信後の確認応答を取らないため、障害直後の経路断時にパケットが失われると監視サーバに届きません。一方インフォームは届くまで再送するため、STP収束後に必ず通知できます。
Q: 再送間隔や回数は試験で問われますか?
A: 本設問は「届くまで再送し続ける」という動作方針を答えさせる問題であり、具体的な秒数や回数は要求されていません。
Q: SYSLOGのままでは駄目だったのでしょうか?
A: SYSLOGは「⑤」で示されるように一方向送信で確認応答がありません。経路が途切れている間に送られたメッセージは失われ、経路復旧後に再送されない点が問題でした。

関連キーワード: SNMP, インフォーム, STP, 再送制御, 障害通知

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