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ネットワークスペシャリスト 2023年 午後101


Webシステムの更改に関する次の記述を読んで、設問に答えよ。

 G社は、一般消費者向けに商品を取り扱う流通業者である。インターネットを介して消費者へ商品を販売するECサイトを運営している。G社のECサイトは、G社データセンターにWebシステムとして構築されているが、システム利用者の増加に伴って負荷が高くなってきていることや、機器の老朽化などによって、Webシステムの更改をすることになった。   〔現行のシステム構成〕  G社のシステム構成を図1に示す。
ネットワークスペシャリスト(令和5年度 午後1 問01 図01)
 ・WebシステムはDMZに置かれたWebサーバ、DNSサーバ及びサーバセグメントに置かれたAPサーバから構成される。  ・ECサイトのコンテンツは、あらかじめ用意された静的コンテンツと、利用者からの要求を受けてアプリケーションプログラムが生成する動的コンテンツがある。  ・WebサーバではHTTPサーバが稼働しており、静的コンテンツはWebサーバから直接配信される。一方、APサーバの動的コンテンツは、Webサーバで中継して配信される。この中継処理の仕組みを a プロキシと呼ぶ。  ・DMZ の DNSサーバは、G社のサービス公開用ドメインに対する b DNSサーバであると同時に、サーバセグメントのサーバがインターネットにアクセスするときの名前解決要求に応答するcDNSサーバである。   〔G社 Webシステム構成見直しの方針と実施内容〕  G社は、Webシステムの更改に伴うシステム構成の変更について次の方針を立て、担当者として情報システム部の Hさんを任命した。  ・Webシステムの一部のサーバをJ社が提供するクラウドサービスに移行する。  ・通信の効率化のため、一部に HTTP/2 プロトコルを導入する。    Hさんは、システム構成変更の内容を次のように考えた。  ・DMZ のWebサーバで行っていた処理をJ社クラウドサービス上の仮想サーバで行うよう構成を変更する。また、この仮想サーバには複数台で負荷分散構成にする。  ・重要なデータが格納されている AP サーバは、現構成のまま G社データセンターに残す。  ・J社の負荷分散サービス(以下、仮想 LB という)を導入する。仮想 LB は、HTTP リクエストに対する負荷分散機能をもち、HTTP/1.1 プロトコルと HTTP/2 プロトコルに対応している。  ・Webブラウザからのリクエストを受信した仮想 LB は、リクエストの URL に応じて AP サーバ又はWebサーバに振り分ける。  ・Webブラウザと仮想 LB との間の通信を HTTP/2 とし、仮想 LB と AP サーバ及びWebサーバとの間の通信を HTTP/1.1 とする。
 Hさんが考えた Webブラウザからサーバへのリクエストを図2に示す。
ネットワークスペシャリスト(令和5年度 午後1 問01 図02)
 Hさんは、次に HTTP/2 プロトコルについて調査を行った。   〔HTTP/2 の概要と特徴〕  HTTP/2 は、HTTP/1.1 との互換性を保ちながら主に通信の効率化を目的とした拡張が行なわれている。Hさんが注目した HTTP/2 の主な特徴を次に示す。  ・通信の多重化:HTTP/1.1 には、同一のTCPコネクション内で通信を多重化する方式として HTTP パイプラインがあるが、HTTP/2 では、TCP コネクション内で複数のリクエストとレスポンスのやり取りを d と呼ばれる仮想的な通信路で多重化している。① HTTP パイプラインは、複数のリクエストが送られた場合にサーバが返すべきレスポンスの順序に制約があるが、HTTP/2 ではその制約がない。  ・ヘッダー圧縮:HPACK と呼ばれるアルゴリズムによって、HTTP ヘッダー情報がバイナリフォーマットに圧縮されている。ヘッダーフィールド名には、e 、:scheme, :path といった必須フィールドがある。  ・フロー制御: d ごとのフロー制御によって、一つの d がリソースを占有してしまうことを防止する。  ・互換性:HTTP/2 は、HTTP/1.1 と互換性が保たれるように設計されている。一般的に HTTP/2 は、HTTP/1.1 と同じく “https://”の URI スキームが用いられる。そのため、通信開始処理において f プロトコルの拡張の一つである②ALPN (Application-Layer Protocol Negotiation) を利用する。   〔HTTP/2 における通信開始処理〕  HTTP/2 では、通信方法として、h2 という識別子で示される方式が定義されている。その方式の特徴を次に示す。  ・TLS を用いた暗号化コネクション上で HTTP/2 通信を行う方式である。  ・TLS のバージョンとして 1.2 以上が必要である。  ・HTTP/2 の通信を開始するときに、ALPN を用いて③クライアントとサーバとの間でネゴシエーションを行う。    Hさんが理解した h2 の通信シーケンスを図3に示す。
ネットワークスペシャリスト(令和5年度 午後1 問01 図03)
 このシーケンスにおいて、上位プロトコルがHTTP/2であることが決定される。   〔新 Webシステム構成〕  Hさんは新たな Webシステムの構成を考えた。Hさんが考えた新 Webシステム構成を図4に示す。
ネットワークスペシャリスト(令和5年度 午後1 問01 図04)
 図4の新Webシステム構成に関するHさんの考えを次に示す。  ・J社クラウドのVPCサービスを用いて、G社用VPCを確保する。G社用VPCセグメントではIPアドレスとして、172.21.10.0/24を用いる。  ・G社用VPCセグメントの仮想ルータとG社データセンターのL3SWとの間を、J社が提供する専用線接続サービスを利用して接続する。専用線接続のIPアドレスとして、172.21.11.0/24を用い、L3SWのIPアドレスを172.21.11.1とし、仮想ルータのIPアドレスを172.21.11.2とする。  ・G社データセンターとJ社クラウドとの間で通信できるように、L3SW及び仮想ルータに表1の静的経路を設定する。
ネットワークスペシャリスト(令和5年度 午後1 問01 表01)
 ・G社用VPCセグメント中に、仮想サーバを複数起動し、Webサーバとする。  ・G社用VPCセグメントのWebサーバは静的コンテンツを配信する。  ・G社データセンターのサーバセグメントのAPサーバは動的コンテンツを配信する。  ・Webサーバ及びAPサーバは、これまでと同様にG社データセンターのDMZのDNSサーバを利用して名前解決を行う。    Hさんは、J社クラウドの仮想LBの仕様について調べたところ、表2に示す動作モードがあることが分かった。
ネットワークスペシャリスト(令和5年度 午後1 問01 表02)
 ④ Hさんは、今回のシステム構成の変更内容を考慮して仮想LBで設定すべき動作モードを決めた。  Hさんは、ここまでの検討内容を情報システム部長へ報告し、承認を得た。

設問1

本文中及び図3中の af に入れる適切な字句を答えよ。

模範解答

a:リバース b:権威 c:キャッシュ d:ストリーム e::method f:TLS

解説

解答の論理構成

  • 【問題文】では「Webサーバ…この中継処理の仕組みを a プロキシと呼ぶ」と記載されています。
    フロントの Web サーバがクライアントの代わりにバックエンドの AP サーバへ要求を転送する形態は “逆向き” のプロキシであるため、a=「リバース」と判断できます。
  • DMZ の DNS サーバについて【問題文】は「G 社のサービス公開用ドメインに対する b DNS サーバ」と述べています。公開ドメインを正式に回答する DNS は「権威 DNS サーバ」であるため、b=「権威」となります。
  • 同じ DNS サーバが「サーバセグメントのサーバがインターネットにアクセスするときの名前解決要求に応答するcDNS サーバ」とも明示されています。内部からの問い合わせ結果を保存して再利用する役割は「キャッシュ DNS サーバ」であり、c=「キャッシュ」です。
  • HTTP/2 の多重化について【問題文】は「…複数のリクエストとレスポンスのやり取りを d と呼ばれる仮想的な通信路で多重化している」と説明しています。HTTP/2 仕様(RFC 9113)でこの仮想通信路は「ストリーム」と定義されているので、d=「ストリーム」です。
  • ヘッダーフィールド名の例として【問題文】に「e 、:scheme, :path といった必須フィールド」とあり、HTTP/2 の擬似ヘッダーで :scheme や :path と同列の必須項目は「:method」です。従って e=「:method」となります。
  • 最後に「通信開始処理において f プロトコルの拡張の一つである…ALPN」とあり、ALPN は TLS 拡張の一種であることが IETF RFC 7301 に示されています。よって f=「TLS」です。
以上より模範解答は
a:「リバース」
b:「権威」
c:「キャッシュ」
d:「ストリーム」
e:「:method」
f:「TLS」 となります。

誤りやすいポイント

  • a を「フォワード」と誤記する例が頻発しますが、フォワードプロキシはクライアント側ネットワークに設置される点が異なります。
  • b を「公開」DNS と表現すると減点対象です。DNS の正式な役割名を求めているため「権威」が必要です。
  • c を「フルサービス」DNS と答えるケースがありますが、問題文はキャッシュ機能に触れているので適切ではありません。
  • d を「セッション」や「チャンネル」と混同しやすいですが、HTTP/2 用語での公式名称は「ストリーム」です。
  • e を単に「method」や「GET」と誤答しやすいですが、コロン付きの擬似ヘッダー「:method」が必須です。
  • f を「SSL」とすると TLS1.2 以上という条件と矛盾します。

FAQ

Q: HTTP/2 のストリームは TCP のポートやコネクションと同じ概念ですか?
A: いいえ。ストリームは単一の TCP コネクション内で識別子(ID)を用いて論理的に独立したやり取りを行う HTTP/2 独自の仮想チャネルです。
Q: 権威 DNS サーバでもキャッシュは動作しないのですか?
A: 権威サーバは通常キャッシュしません。今回のように1台で「権威」と「キャッシュ」の両役割を兼務する構成では、機能を論理的に分けて提供します。
Q: ALPN と NPN の違いは何でしょうか?
A: ALPN が IETF 勧告として標準化されたプロトコル選択手法であるのに対し、NPN は Google が提案した先行仕様で現在は非推奨です。

関連キーワード: リバースプロキシ, 権威DNS, HTTP/2, ストリーム多重化, ヘッダー圧縮

設問2〔HTTP/2の概要と特徴〕について答えよ。

(1)本文中の下線①について、複数のリクエストを受けたサーバは、それぞれのリクエストに対するレスポンスをどのような順序で返さなければならないか。35字以内で答えよ。

模範解答

リクエストを受けたのと同じ順序でレスポンスを返す必要がある。

解説

解答の論理構成

  • 【問題文】には「① HTTP パイプラインは、複数のリクエストが送られた場合にサーバが返すべきレスポンスの順序に制約がある」とあります。
  • ここでいう“制約”とは、HTTP/1.1 のパイプライン機能において パケットが到着した順番どおりにレスポンスを返す 必要があるという仕様を指します。
  • したがって、サーバは「リクエストを受信した順序」と「レスポンスを送信する順序」を一致させねばならず、この一点を端的に述べれば模範解答となります。

誤りやすいポイント

  • 「先に処理が終わったものから返してよい」と誤解し、HTTP/2 の特性と混同してしまう。
  • “順序”ではなく“同時”や“まとめて”など、粒度の異なる表現を書いてしまう。
  • パイプライン制約を TCP の並び順保証と混同し、レイヤをまたいだ説明にしてしまう。

FAQ

Q: HTTP/1.1 パイプラインでは並列処理できないのですか?
A: リクエスト自体は続けて送れますが、サーバは順序どおりのレスポンス送信が必須なので体感的な並列性は得にくいです。
Q: HTTP/2 ではこの順序制約はどうなるのですか?
A: 【問題文】が示すとおり HTTP/2 では「その制約がない」ため、ストリーム ID ごとに独立したレスポンスを順不同で返せます。
Q: クライアント側の実装で順序を変えても良いのですか?
A: HTTP/1.1 パイプライン下ではクライアントも受信順序が固定と想定しているため、勝手に入れ替えることはできません。

関連キーワード: HTTPパイプライン, リクエスト順序, レスポンス順序, ストリーム

設問2〔HTTP/2の概要と特徴〕について答えよ。

(2)本文中の下線②について、ALPNを必要とする目的は何か。30字以内で答えよ。

模範解答

通信開始時に TCP の上位のプロトコルを決定するため

解説

解答の論理構成

  1. 問題文は、HTTP/2 通信開始時に「②ALPN (Application-Layer Protocol Negotiation) を利用」と明記しています。
  2. さらに、「③クライアントとサーバとの間でネゴシエーションを行う」とあるため、ALPN の役割は“ネゴシエーション”であることが分かります。
  3. 何をネゴシエートするかについては、HTTP/2 の特徴として「HTTP/1.1 との互換性」を挙げ、「一般的に HTTP/2 は、HTTP/1.1 と同じく “https://”の URI スキームが用いられる」と説明しています。つまり TLS ハンドシェイク時点では上位アプリケーションプロトコルが確定していません。
  4. そこで ALPN を使い、クライアントとサーバが TCP コネクション確立後、TLS ハンドシェイク中に“HTTP/2(h2)なのか、HTTP/1.1 なのか”を合意し、以後の通信を適切なプロトコルで行います。
  5. 以上から、ALPN を必要とする目的は「通信開始時に TCP の上位のプロトコルを決定するため」となります。

誤りやすいポイント

  • ALPN を“暗号方式”や“TLS のバージョン判定”と誤解する。ALPN はあくまでアプリケーション層プロトコルの選択に用いる拡張です。
  • HTTP/2 導入=必ず ALPN と短絡し、h2c(平文 HTTP/2)など ALPN を用いないパターンを忘れる。
  • HTTP/1.1 と HTTP/2 の切替を「ポート番号」で行うと誤認する。実際にはどちらも 443 で、TLS 拡張により区別します。

FAQ

Q: ALPN は TLS 1.2 以外でも使えますか?
A: はい。TLS 1.3 でも利用できます。HTTP/2 の要件として「TLS のバージョンとして 1.2 以上が必要」とあるため、1.2 以上なら問題ありません。
Q: ALPN で合意できなかった場合はどうなりますか?
A: サーバが対応していない場合、クライアントはフォールバック動作として HTTP/1.1 など別のプロトコルで通信を継続することが一般的です。
Q: ALPN と NPN の違いは何ですか?
A: NPN は Google が提案した先行仕様で、サーバ優先選択でした。ALPN は IETF 標準化された後継で、クライアントが提案しサーバが確定する方式です。

関連キーワード: ALPN, HTTP/2, TLS, プロトコルネゴシエーション

設問3〔HTTP/2における通信開始処理〕について答えよ。

(1)本文中の下線③について、h2 のネゴシエーションが含まれるシーケンス部分を、図3中の(a)〜(i)の記号で全て答えよ。

模範解答

(d)、(e)

解説

解答の論理構成

  1. 問題文は、HTTP/2 の開始時に「ALPN (Application-Layer Protocol Negotiation) を利用して、③クライアントとサーバとの間でネゴシエーションを行う」と述べています。この “ネゴシエーション” の対象は上位プロトコル(今回なら h2)を決定する処理です。
    引用:「HTTP/2 の通信を開始するときに、ALPN を用いて③クライアントとサーバとの間でネゴシエーションを行う。」
  2. ALPN は TLS ハンドシェイクの一部として動作する仕様です。したがって、ネゴシエーションが含まれるシーケンスは TLS ハンドシェイク区間であり、TCP 3ウェイハンドシェイクや実データ(HTTP/2 フレーム)の区間には含まれません。
  3. 図3中で TLS ハンドシェイクに対応する記号は (d) と (e) です。
    ・(d) は ClientHello:クライアントが “h2” などの ALPN 候補を提示するタイミング
    ・(e) は ServerHello:サーバが “h2” を選択して応答するタイミング
    これら2つのメッセージに ALPN 情報が格納されるため、ネゴシエーションはこの区間で完結します。
  4. 以上から、h2 のネゴシエーションが含まれるシーケンス部分は (d)、(e) の2箇所が該当し、模範解答「(d)、(e)」が成立します。

誤りやすいポイント

  • ALPN が TLS ハンドシェイク内の拡張 であることを忘れ、HTTP/2 の実データ転送区間 (f)〜(i) を選んでしまう。
  • 「TCP3ウェイハンドシェイクでも何か交渉しているはず」と誤認し、(a)〜(c) を含めてしまう。
  • 「ClientHello だけで十分」と早合点して (d) しか答えず、(e) を落としてしまう。
  • HTTP/2 の「通信の多重化」をd(ストリーム)で覚えている流れで、ストリーム生成区間と勘違いする。

FAQ

Q: ALPN は TLS1.3 だけの機能ですか?
A: いいえ。問題文も示すとおり「TLS を用いた暗号化コネクション上で HTTP/2 通信を行う方式」で「TLS のバージョンとして 1.2 以上が必要」とあり、TLS1.2 でも ALPN は利用できます。
Q: なぜ (f) 以降ではネゴシエーションが起こらないのですか?
A: ALPN による上位プロトコル決定は TLS ハンドシェイク内で終了します。ハンドシェイク完了後は「確定したプロトコル」に従ってデータ(HTTP/2 フレーム)が流れるだけなので、追加の選択処理はありません。
Q: TCP Fast Open のような拡張を使うと (a)〜(c) が省略される場合、解答は変わりますか?
A: いいえ。ALPN は TLS ハンドシェイクの拡張であり続けるため、ClientHello/ServerHello に相当するフェーズが存在する限り (d) と (e) に相当する区間でネゴシエーションが行われます。

関連キーワード: HTTP/2, ALPN, TLS, ネゴシエーション, TCPハンドシェイク

設問3〔HTTP/2における通信開始処理〕について答えよ。

(2)本文中の下線③について、ネゴシエーションでクライアントから送られる情報は何か。35字以内で答えよ。

模範解答

クライアントが利用可能なアプリケーション層のプロトコル

解説

解答の論理構成

  1. 本問は、下線部③「クライアントとサーバとの間でネゴシエーションを行う」際に、クライアントが送信する“情報の内容”を問うています。
  2. 【問題文】には、HTTP/2 の互換性説明として
    「通信開始処理において f プロトコルの拡張の一つである②ALPN (Application-Layer Protocol Negotiation) を利用」
    とあります。
  3. ALPN は TLS 拡張であり、クライアントが“自身が利用可能なアプリケーション層プロトコルの一覧”を送信し、サーバがその中から一つを選択する仕組みです。
  4. したがって、ネゴシエーションでクライアントから送られる情報は
    「クライアントが利用可能なアプリケーション層のプロトコル」
    となります。

誤りやすいポイント

  • ALPN を「サーバが送る情報」と誤解しやすい
    → サーバは選択結果を返すだけで、候補リストはクライアントが提示します。
  • SNI(Server Name Indication)と混同しやすい
    → SNI はホスト名の提示、ALPN はプロトコル候補の提示です。
  • 「HTTP/2 固有のメッセージ」と考えてしまう
    → ALPN 自体は TLS 拡張であり、HTTP/2 以外のプロトコル選択にも利用されます。

FAQ

Q: ALPN の候補に「h2」が含まれていなければ HTTP/2 通信はできますか?
A: できません。クライアントが「h2」を提示しない限り、サーバは HTTP/2 を選択できません。
Q: ALPN 交渉に失敗した場合はどうなりますか?
A: 共通のプロトコルがなければハンドシェイクが失敗し、TLS 接続自体が確立しません。
Q: HTTP/2 では必ず TLS 1.2 以上が必要ですか?
A: 【問題文】に「TLS のバージョンとして 1.2 以上が必要」とあるとおり、h2 方式では TLS 1.2 以上が要件です。

関連キーワード: ALPN, TLS拡張, HTTP/2, プロトコルネゴシエーション

設問4〔新 Web システム構成〕について答えよ。

(1)表1中の に入れる適切な IPアドレスを答えよ。

模範解答

ア:172.21.10.0/24 イ:172.21.11.2 ウ:172.21.11.1

解説

解答の論理構成

  1. 宛先ネットワークの把握
    問題文には「G社用VPCセグメントではIPアドレスとして、172.21.10.0/24 を用いる。」と記載されています。したがって、L3SWから見てクラウド側(VPC)へ通信する場合の宛先ネットワークは 172.21.10.0/24 です。
  2. ネクストホップの決定
    同じく「専用線接続のIPアドレスとして、172.21.11.0/24 を用い、L3SWのIPアドレスを 172.21.11.1 とし、仮想ルータのIPアドレスを 172.21.11.2 とする。」とあります。
    • L3SWからVPCへは専用線の対向である仮想ルータ(172.21.11.2)がネクストホップになります。
    • 仮想ルータから社内向けおよびインターネット向けのデフォルトゲートウェイはL3SW(172.21.11.1)です。
  3. 表1の方向性
    表1では、
    ・L3SWの静的経路は「宛先ネットワーク → VPC、ネクストホップ → 仮想ルータ」
    ・仮想ルータの静的経路は「宛先ネットワーク → 0.0.0.0/0、ネクストホップ → L3SW」
    という役割分担が求められています。
  4. 以上より表1の空欄に入る値
    ア:172.21.10.0/24
    イ:172.21.11.2
    ウ:172.21.11.1

誤りやすいポイント

  • 専用線側ネットワーク(172.21.11.0/24)とVPC側ネットワーク(172.21.10.0/24)を取り違える。
  • 「ネクストホップ=相手機器のIP」という原則を忘れ、自分自身のIPを設定してしまう。
  • 仮想ルータのデフォルトルートをクラウド側インターネットゲートウェイへ向けると想定し、172.21.11.1 を誤って除外する。

FAQ

Q: L3SWから見た宛先ネットワークはサーバセグメントも含める必要がありますか?
A: サーバセグメントはL3SW直下にあるため既に直結扱いです。静的経路が必要なのはクラウド側 VPC のみです。
Q: 仮想ルータのデフォルトルートが 0.0.0.0/0 になっている理由は?
A: クラウド内のWebサーバが G 社データセンターや外部インターネットへ出る際、最終的に L3SW がルーティングを集約する設計だからです。
Q: 仮想ルータ側に VPC ネットワークへの個別ルートは要りませんか?
A: VPC ネットワーク (172.21.10.0/24) は仮想ルータ直結なのでスタティックルート設定は不要です。

関連キーワード: static routing, next hop, IPアドレス設計, VPC, 専用線

設問4〔新 Web システム構成〕について答えよ。

(2)本文中の下線④について、Hさんが決めた動作モードを答えよ。また、その理由を“HTTP/2”という字句を用いて35字以内で答えよ。

模範解答

動作モード:アプリケーションモード 理由:HTTP/2 リクエストを HTTP/1.1 に変換して負荷分散するから

解説

解答の論理構成

  • 仮想 LB が担う通信内容
    【問題文】では
    「Webブラウザと仮想 LB との間の通信を HTTP/2 とし、仮想 LB と AP サーバ及び Webサーバとの間の通信を HTTP/1.1 とする。」
    と明記されています。仮想 LB は異なるバージョンの HTTP を“理解して変換”しつつ振り分ける必要があります。
  • どの階層で処理すれば変換できるか
    表2で示された動作モードのうち、
    「アプリケーションモード:レイヤー7で動作して負荷分散処理を行う。」
    「ネットワークモード:レイヤー4で動作して負荷分散処理を行う。」
    とあります。HTTP/2 と HTTP/1.1 はいずれもアプリケーション層のプロトコルなので、バージョン変換にはレイヤー7処理が必須です。
  • 結論
    以上より、H さんが選ぶべきは「アプリケーションモード」であり、理由は「HTTP/2 → HTTP/1.1 の変換を伴う負荷分散」を実現できるからです。

誤りやすいポイント

  • 高速化目的で「ネットワークモード」を選択してしまう
    レイヤー4処理ではパケット転送は高速ですが、HTTP バージョンを解釈できないため変換不可です。
  • 「HTTP/2 は下位互換性があるから変換不要」と誤認する
    バージョンネゴシエーションは端点間でのみ成立します。サーバ側が HTTP/1.1 の場合、LB で変換しなければ通信できません。
  • 「HTTP/2 を通すだけなら L4 で十分」と考える
    本設問は“HTTP/2 リクエストを HTTP/1.1 に変換”という処理を明示している点が要注意です。

FAQ

Q: なぜ仮想 LB で HTTP/2 を終端するのですか?
A: 「HTTP/2 リクエストを HTTP/1.1 に変換して負荷分散」するためです。LB で終端しないと下流サーバが HTTP/2 を理解できません。
Q: アプリケーションモードを選ぶとオーバーヘッドが増えませんか?
A: 多少の処理負荷は発生しますが、ヘッダー圧縮や多重化など HTTP/2 の利点をクライアント側で維持しつつ、既存サーバを改修せずに利用できるメリットが勝ります。
Q: 今後 AP サーバも HTTP/2 対応にした場合、モードは変更が必要ですか?
A: その場合でも URL‐ベースの振り分けが残る限り、レイヤー7 処理が適切です。LB を透過プロキシとして使うならネットワークモードへの変更も検討できます。

関連キーワード: HTTP/2, 負荷分散, レイヤー7, プロキシ, ALPN
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