ネットワークスペシャリスト 2023年 午後1 問03
高速無線LANの導入に関する次の記述を読んで、設問に答えよ。
A専門学校では新校舎ビルを建設中で、その新校舎ビルのLANシステムのRFPが公示された。主な要件は次のとおりである。
・新校舎ビルは5階建てで、3階にマシン室、各階に3教室ずつ計15の教室がある。このLANシステムとして(ア)〜(ケ)を提案すること
(ア) 基幹レイヤー3スイッチ(以下、基幹L3SWという)のマシン室への導入
(イ) サーバ用レイヤー2スイッチ(以下、サーバL2SWという)のマシン室への導入
(ウ) フロア用レイヤー2スイッチ(以下、フロアL2SWという)の各階への導入
(エ) 無線LANアクセスポイント(以下、APという)の各教室への導入
(オ) 無線LANに接続する全ての端末(以下、WLAN端末という)について、利用者認証を行うシステム(以下、認証システムという)のマシン室への導入
(カ) WLAN端末用DHCPサーバのマシン室への導入
(キ) インターネット接続用ファイアウォール(以下、FWという)のマシン室への導入
(ク) 新校舎ビル内LANケーブルの提供と敷設
(ケ) 基幹L3SW、サーバL2SW、認証システム、DHCPサーバ及びFWに対する、故障交換作業及び設定復旧作業(以下、保守という)
・基幹L3SWとサーバL2SWはそれぞれ2台の冗長構成とすること
・フロアL2SWとAPはシングル構成とし、A専門学校の職員が保守を行う前提で、予備機を配備し保守手順書を準備すること
・APは各教室に1台設置し、同じ階のフロアL2SWからPoEで電力供給すること
・無線LANはWi-Fi 4、Wi-Fi 5、Wi-Fi 6のWLAN端末を混在して接続可能とし、セキュリティ規格はWPA2又はWPA3を混在して利用できること
・生徒及び教職員がノートPCを1人1台持ち込み、無線LAN接続することを前提に、事前に認証システムに利用者名を登録し、接続時に認証することで無線LANに接続可能とすること。また、WebカメラなどのIoT機器を無線LANに接続できること
・1教室当たり50人分のノートPCを無線LANに接続し、4K UHDTV動画(1時間当たり7.2Gバイト)の動画を同時に再生できること。なお、動画コンテンツはA専門学校が保有する計4台のサーバ(学年ごとに2台ずつ)で提供し、A専門学校がサーバの保守を行っている。
・APの状態及びWLAN端末の接続状況(台数及び利用者)について、定常的に監視とログ収集を行い、職員が確認できること
A専門学校のRFP公示を受けて、システムインテグレータX社のC課長はB主任に提案書の作成を指示した。
〔Wi-Fi6の特長〕
B主任は始めにWi-Fi6について調査した。Wi-Fiの世代の仕様比較を表1に示す。

(1) 通信の高速化
Wi-Fi6では、最大通信速度の理論値が9.6Gbpsに引き上げられている。また、Wi-Fi6では2.4GHz帯と5GHz帯の二つの周波数帯によるデュアルバンドに加え、① 5GHz帯を二つに区別し、2.4GHz帯と合わせて計三つの周波数帯を同時に利用できる a に対応したAPが多く登場している。なお、② 5GHz帯の一部は気象観測レーダーや船舶用レーダーと干渉する可能性があるので、APはこの干渉を回避するためのDFS (Dynamic Frequency Selection) 機能を実装している。
(2) 多数のWLAN端末接続時の通信速度低下を軽減
Wi-Fi6では、送受信側それぞれ複数の b を用いて複数のストリームを生成し、複数の WLAN 端末で同時に通信する MU-MIMO が拡張されている。また、OFDMA によってサブキャリアを複数の WLAN 端末で共有することができる。これらの技術によって、AP に WLAN 端末が密集した場合の通信効率を向上させている。
(3) セキュリティの強化
Wi-Fi 6 では、セキュリティ規格である WPA3 が必須となっている。個人向けのWPA3-Personal では、PSK に代わって SAE (Simultaneous Authentication ofEquals) を採用することで WPA2 の脆弱性を改善し、更に利用者が指定したc の解読を試みる辞書攻撃に対する耐性を強化している。また、企業向けの WPA3-Enterprise では、192 ビットセキュリティモードがオプションで追加され、WPA2-Enterprise よりも高いセキュリティを実現している。
〔LAN システムの構成〕
次に B主任は、新校舎ビルの LAN システムの提案構成を作成した。新校舎ビルのLAN システム提案構成を図1に示す。

次は、C課長とB主任がレビューを行った際の会話である。
C課長:始めに、無線LANでは三つの周波数帯をどのように利用しますか。
B主任:二つの 5 GHz 帯にはそれぞれ異なる ESSID を付与し、生徒及び教職員のノート PC を半数ずつ接続します。2.4 GHz 帯は 5 GHz 帯が全断した場合の予備、及び低優先の端末や IoT 機器に利用します。
C課長:ノート PC1台当たりの実効スループットは確保できていますか。
B主任:はい、20 MHz 帯域幅チャンネルを d によって二つ束ねた 40 MHz 帯域幅チャンネルによって、要件を満たす目途がついています。
C課長:運用中の監視はどのように行うのですか。
B主任:WLC を導入して AP の死活監視、利用者認証、WLAN 端末接続の監視などを行い、これらの状態を A 専門学校の職員が WLC の管理画面で閲覧できるように設定します。また、利用者認証後の WLAN 端末の通信を WLC を経由せずに通信するモードに設定します。
C課長:分かりました。それでは次に有線 LAN の構成を説明してください。
B主任:AP はフロア L2SW に接続し、PoE でフロア L2SW から AP へ電力供給します。PoE の方式は PoE と呼ばれる IEEE802.3at の最大 30 W では電力不足のリスクがありますので、e と呼ばれる IEEE802.3bt を採用します。
C課長:フロア L2SW と AP との間は 1 Gbps のようですが、ボトルネックになりませんか。
B主任:③ノート PC の台数と動画コンテンツの要件に従ってフロア L2SW と AP との間のトラフィック量を試算してみたところ、1 Gbps 以下に収まると判断しました。
C課長:しかし、教室の AP が故障した場合、ノート PC は隣接教室の AP に接続することがありますね。そうなると 1 Gbps は超えるのではないですか。
B主任:確かにその可能性はあります。それではフロア L2SW と AP との間には f と呼ばれる 2.5 GBASE-T から 5 GBASE-T を検討しております。
C課長:将来の Wi-Fi 6E 認定製品への対応を考えると、10 GBASE-T も検討した方が良いですね。
B主任:承知しました。AP の仕様や価格、敷設する LAN ケーブルの種類も考慮する必要がありますので、コストを試算しながら幾つかの案を考えてみます。
C課長:基幹部分の構成について説明してください。
B主任:まず、基幹部分及び高負荷が見込まれる部分は10 GbEリンクを複数本接続します。そして、レイヤ2でスパニングツリーを設定してループを回避し、レイヤ3では基幹L3SWをVRRP (Virtual Router Redundancy Protocol)で冗長化する構成にしました。
C課長:④スパニングツリーとVRRPでは、高負荷時に10 GbEリンクがボトルネックになる可能性がありますし、トラフィックを平準化するには設計が複雑になりませんか。
B主任:おっしゃるとおりですので、もう一つの案を考えました。基幹L3SWとサーバL2SWはそれぞれ2台を g 接続して論理的に1台とし、⑤サーバ、FW、WLC及びフロアL2SWを含む全てのリンクを、スイッチをまたいだリンクアグリゲーションで接続する構成です。
C課長:分かりました。この案の方が良いと思います。ほかの部分も説明してください。
B主任:WLAN端末へのIPアドレス配布はDHCPサーバを使用しますので、基幹L3SWには h を設定します。また、基幹L3SWのデフォルトルートは上位のFWに指定します。
C課長:⑥このLANシステム提案構成では、職員が保守を行った際にブロードキャストストームが発生するリスクがありますね。作業ミスに備えてループ対策も入れておいたほうが良いと思います。
B主任:承知しました。全てのスイッチでループ検知機能の利用を検討してみます。
その他、様々な視点でレビューを行った後、B主任は提案構成の再考と再見積りを行い、C課長の承認を得た上でA専門学校に提案した。
設問1:
本文中のa〜hに入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
a:トライバンド
b:アンテナ
c:パスワード
d:チャネルボンディング
e:PoE++
f:マルチギガビットイーサネット
g:スタック
h:DHCPリレーエージェント
解説
解答の論理構成
-
[a]
原文「① 5GHz帯を二つに区別し、2.4GHz帯と合わせて計三つの周波数帯を同時に利用できる a に対応したAPが多く登場している」
三つのバンドを同時利用する AP は一般に “Tri-Band(トライバンド)” と呼ばれます。したがって解は「トライバンド」です。 -
[b]
原文「送受信側それぞれ複数の b を用いて複数のストリームを生成し、複数の WLAN 端末で同時に通信する MU-MIMO が拡張されている」
MU-MIMO でストリームを生成する物理要素はアンテナです。よって解は「アンテナ」です。 -
[c]
原文「利用者が指定したc の解読を試みる辞書攻撃に対する耐性を強化している」
辞書攻撃が対象にするのはユーザが設定するパスワードであるため、解は「パスワード」です。 -
[d]
原文「20 MHz 帯域幅チャンネルを d によって二つ束ねた 40 MHz 帯域幅チャンネル」
複数チャネルを束ねる技術はチャネルボンディング(Channel Bonding)です。従って解は「チャネルボンディング」です。 -
[e]
原文「PoE と呼ばれる IEEE802.3at の最大 30 W では電力不足のリスクがありますので、e と呼ばれる IEEE802.3bt を採用します。」
IEEE802.3bt は PoE++ と呼ばれ、60 W 以上を供給可能です。よって解は「PoE++」です。 -
[f]
原文「1 Gbps は超えるのではないですか。… f と呼ばれる 2.5 GBASE-T から 5 GBASE-T を検討しております。」
2.5 GBASE-T/5 GBASE-T をまとめて呼ぶ用語はマルチギガビットイーサネットです。したがって解は「マルチギガビットイーサネット」です。 -
[g]
原文「基幹L3SWとサーバL2SWはそれぞれ2台を g 接続して論理的に1台とし」
物理複数台を論理 1 台に束ねる方式はスタック接続です。従い解は「スタック」です。 -
[h]
原文「WLAN端末へのIPアドレス配布はDHCPサーバを使用しますので、基幹L3SWには h を設定します。」
上位 DHCP サーバへの転送を行う機能は DHCP リレーエージェントです。よって解は「DHCPリレーエージェント」です。
以上により模範解答と一致します。
誤りやすいポイント
- 5 GHz 帯を二つ扱うことから「デュアルバンド」と誤記しやすいが、2.4 GHz を加えて“計三つ”なのでトライバンドが正解です。
- MU-MIMO の説明を読んで「ストリーム数」や「RF チェーン」と解答するミスが散見されますが、原文は「複数の ○○ を用いて」となっておりアンテナが適切。
- IEEE802.3bt を「PoE+」と勘違いしやすい。PoE+ は IEEE802.3at(30 W)であり、問題文では“30 W では不足”と明示しているため PoE++ が必要です。
- 2.5 GBASE-T/5 GBASE-T を“NBASE-T”と答えると減点対象になる場合があります。設問は通称ではなく一般名「マルチギガビットイーサネット」を求めています。
FAQ
Q: 「チャネルボンディング」は 40 MHz 以外にも使用されますか?
A: はい。Wi-Fi 5 以上では 80 MHz、160 MHz でもチャネルボンディングが利用できます。ただし電波利用状況や干渉を考慮して幅を決定します。
A: はい。Wi-Fi 5 以上では 80 MHz、160 MHz でもチャネルボンディングが利用できます。ただし電波利用状況や干渉を考慮して幅を決定します。
Q: DHCP リレーエージェントはどのレイヤで動作しますか?
A: レイヤ 3(IP)で動作し、受信した DHCP ブロードキャストをユニキャストで遠隔の DHCP サーバへ中継します。スイッチ/ルータいずれにも実装可能です。
A: レイヤ 3(IP)で動作し、受信した DHCP ブロードキャストをユニキャストで遠隔の DHCP サーバへ中継します。スイッチ/ルータいずれにも実装可能です。
Q: スタック接続と VRRP+リンクアグリゲーションの違いは?
A: スタックは複数スイッチを仮想的に 1 台と見せるため、制御プレーン・データプレーン共に統合されます。一方 VRRP+LAG はルータ冗長とポート束ねを個別に構成するため、設定が複雑になりがちです。
A: スタックは複数スイッチを仮想的に 1 台と見せるため、制御プレーン・データプレーン共に統合されます。一方 VRRP+LAG はルータ冗長とポート束ねを個別に構成するため、設定が複雑になりがちです。
関連キーワード: チャネルボンディング, MU-MIMO, マルチギガビットイーサネット, スタック, DHCPリレーエージェント
設問2:〔Wi-Fi6の特性〕について答えよ。
(1)本文中の下線①について、5 GHz帯を二つに区別したそれぞれの周波数帯を表1中から二つ答えよ。また、三つの周波数帯を同時に利用できることの利点を、デュアルバンドと比較して30字以内で答えよ。
模範解答
周波数帯:
①:W52/W53
②:W56
利点:より多くのWLAN端末が安定して通信できる。
解説
解答の論理構成
- 【問題文】には、下線付きで
「① 5GHz帯を二つに区別し、2.4GHz帯と合わせて計三つの周波数帯を同時に利用」とあります。
ここで「5GHz帯を二つに区別」するために参照できる情報は、表1の周波数帯欄
「5 GHz (W52/W53/W56)」のみです。 - 表1を見ると 5 GHz 帯は「W52/W53/W56」という三つのチャネルグループで構成されています。
このうち、同一の法規制条件を持つ「W52/W53」をまとめて 1 グループ、残る「W56」を 1 グループとして切り分けると、5 GHz 帯を「二つ」に区別できます。 - よって ①で求められる二つの周波数帯は
・「W52/W53」
・「W56」
となります。 - さらに三つの周波数帯(2.4 GHz+5 GHz×2)を同時利用する利点は、チャネル総数が増え帯域競合が減るため、多数端末でも通信品質を維持できる点です。
したがって利点は「より多くのWLAN端末が安定して通信できる」とまとめられます。
誤りやすいポイント
- 「W52」「W53」「W56」を三つ個別に答えてしまう。問題は「二つに区別」と明示しているため誤答になります。
- 利点を「速度が上がる」とだけ書くと、チャネル混雑緩和という本質を外しやすいです。
- 5 GHz 帯の DFS 制約を利点として挙げてしまう。DFS は干渉回避手段であり、三帯同時利用の直接的なメリットではありません。
FAQ
Q: 「W52」と「W53」はなぜ一つのグループとして扱うのですか?
A: いずれも屋内限定・出力制限など同じ電波法区分で運用されるため、提案段階ではまとめて一つの周波数帯として扱うことが多いです。
A: いずれも屋内限定・出力制限など同じ電波法区分で運用されるため、提案段階ではまとめて一つの周波数帯として扱うことが多いです。
Q: 2.4 GHz 帯は速度が遅いのに、三帯同時利用で本当に役立つのですか?
A: 役割を「低優先端末やIoT機器」「バックアップ」として明確にすることで、高速通信を要求する端末を 5 GHz 帯へ集中させつつ全端末を収容できるメリットがあります。
A: 役割を「低優先端末やIoT機器」「バックアップ」として明確にすることで、高速通信を要求する端末を 5 GHz 帯へ集中させつつ全端末を収容できるメリットがあります。
Q: Tri-Band AP を導入すると電波干渉は増えませんか?
A: チャネル設計が適切なら干渉は最小化できます。むしろ帯域が分散されるため、同一チャネル上の端末数が減り干渉影響は抑えられます。
A: チャネル設計が適切なら干渉は最小化できます。むしろ帯域が分散されるため、同一チャネル上の端末数が減り干渉影響は抑えられます。
関連キーワード: トライバンド, W52/W53, W56, DFS, チャネル分割
設問2:〔Wi-Fi6の特性〕について答えよ。
(2)本文中の下線②について、気象観測レーダーや船舶用レーダーと干渉する可能性がある周波数帯を表1中から二つ答えよ。また、気象観測レーダーや船舶用レーダーを検知した場合のAPの動作を40字以内で、その時のWLAN端末への影響を25字以内で、それぞれ答えよ。
模範解答
周波数帯:
①:W53
②:W56
動作:検知したチャネルの電波を停止し、他のチャネルに遷移して再開する。
影響:APとの接続断や通信断が不定期に発生する。
解説
解答の論理構成
-
レーダーと干渉する「一部の 5 GHz 帯」はどこか
【問題文】には、下線②として
「② 5GHz帯の一部は気象観測レーダーや船舶用レーダーと干渉する可能性がある」
とあります。
どのサブバンドかは表1の 5 GHz 行にある
「W52/W53/W56」
しか候補がありません。
技術基準では DFS が義務付けられるのは W53(5.25–5.35 GHz)と W56(5.47–5.725 GHz)です。W52 は屋内利用専用で DFS 義務がなく、干渉リスクの文脈に合いません。よって周波数帯は「W53」「W56」と決定できます。 -
DFS 時の AP の動作を整理
下線②と同じ文で「AP は … DFS (Dynamic Frequency Selection) 機能を実装している」と述べています。DFS の仕様では、
・レーダー波形を検知したら現在のチャネルでの送信を即時停止
・レーダーを使っていない別チャネルへ移動
・一定時間(例えば CAC:Channel Availability Check)無送信確認後に再開
という手順が定められています。
これを要約すると「検知したチャネルを停止し、別チャネルへ遷移して通信を再開する」とまとめられます。 -
WLAN 端末側の影響
AP がチャネルを変更する間、端末は一時的に
・ビームを失う
・再アソシエーションを行う
ため、接続断や通信断が発生します。DFS は不定期に発動するので「不定期に接続断/通信断が発生」とまとめると端的です。
誤りやすいポイント
- 「W52 も 5 GHz だからレーダーと干渉する」と早合点してしまう。W52 は DFS 対象外です。
- DFS の動作を「帯域幅を狭めるだけ」と誤解し、チャネル変更を含めた停止再開プロセスを書かない。
- 端末影響を「速度低下」とだけ書き、実際に「接続が切れる」可能性を見落とす。
FAQ
Q: W52 を避けずに使うと法律違反になりますか?
A: W52 は屋内専用帯で DFS 義務がないため、屋内であれば違反になりません。
A: W52 は屋内専用帯で DFS 義務がないため、屋内であれば違反になりません。
Q: DFS が働くとき、全ての通信が必ず切断されますか?
A: ほとんどの場合一時的に切断されますが、端末と AP が同時に新チャネルへ迅速に移行できれば体感的に切断を感じないケースもあります。
A: ほとんどの場合一時的に切断されますが、端末と AP が同時に新チャネルへ迅速に移行できれば体感的に切断を感じないケースもあります。
Q: Wi-Fi 6E (6 GHz 帯) にも DFS は必要ですか?
A: 6 GHz 帯では国内の既存レーダーとの共用が無いので、5 GHz 帯 DFS のようなレーダー検知義務は想定されていません。
A: 6 GHz 帯では国内の既存レーダーとの共用が無いので、5 GHz 帯 DFS のようなレーダー検知義務は想定されていません。
関連キーワード: DFS, 5 GHz帯, チャネル移動, アソシエーション, 無線干渉
設問3:〔LANシステムの構成〕について答えよ。
(1)本文中の下線③について、フロアL2SWとAPとの間の最大トラフィック量を、Mbpsで答えよ。ここで、通信の各レイヤーにおけるヘッダ、トレーラ、プリアンブルなどのオーバーヘッドは一切考慮しないものとする。
模範解答
800
解説
解答の論理構成
- 要件把握
- 【問題文】には「1教室当たり50人分のノートPCを無線LANに接続し、**4K UHDTV動画(1時間当たり7.2Gバイト)**の動画を同時に再生できること。」と明記されています。
- 下線③では「ノート PC の台数と動画コンテンツの要件に従ってフロア L2SW と AP との間のトラフィック量を試算」とあります。
- 4K 動画 1 本の秒間データ量
- 1 時間=3,600 秒
- 1 本あたりのデータ量は 7.2Gバイト → 7.2 × 8 = 57.6Gビット
- 秒間ビット数は
- 50 台同時視聴時の総トラフィック
- 結論
- フロア L2SW と AP 間の最大トラフィック量は 800 Mbps となり、模範解答と一致します。
誤りやすいポイント
- Gバイト→ビットへの換算で ×8 を忘れる。
- 秒換算で 3,600 秒を使わずに分換算してしまう。
- 端末数を 15 教室分(50×15)で掛けてしまい、教室単位の計算という指定を見落とす。
- オーバーヘッドを「考慮しない」と指示されているのに補正を入れてしまう。
FAQ
Q: バイトとビットの換算は必ず 1:8 ですか?
A: 本設問は「オーバーヘッドを一切考慮しない」ため 1 バイト=8 ビット の単純換算で問題ありません。
A: 本設問は「オーバーヘッドを一切考慮しない」ため 1 バイト=8 ビット の単純換算で問題ありません。
Q: 50 台すべてが最大画質で再生するとは限らないのでは?
A: 要件に「同時に再生できること」とあり、最大ケースで設計するのがネットワーク設計の基本です。
A: 要件に「同時に再生できること」とあり、最大ケースで設計するのがネットワーク設計の基本です。
Q: 教室の AP が故障して隣接教室へ接続した場合の帯域は?
A: 別途想定され、会話中で「f と呼ばれる 2.5 GBASE-T から 5 GBASE-T」を検討すると述べられています。本計算は通常時の最大トラフィック算出です。
A: 別途想定され、会話中で「f と呼ばれる 2.5 GBASE-T から 5 GBASE-T」を検討すると述べられています。本計算は通常時の最大トラフィック算出です。
関連キーワード: 4K動画, ビットレート計算, 帯域設計, 無線LAN, ストリーミング
設問3:〔LANシステムの構成〕について答えよ。
(2)本文中の下線④について、C課長がボトルネックを懸念した接続の区間はどこか。図1中の(ⅰ)〜(ⅴ)の記号で答えよ。また、本文中の下線⑤について、リンクアグリゲーションで接続することでボトルネックが解決するのはなぜか。30字以内で答えよ。
模範解答
区間:(ii)
理由:平常時にリンク本数分の帯域を同時に利用できるから
解説
解答の論理構成
- 下線部④には「スパニングツリーとVRRPでは、高負荷時に10 GbEリンクがボトルネックになる可能性があります」とあります。
- さらに「基幹部分及び高負荷が見込まれる部分は10 GbEリンクを複数本接続します」と述べており、複数本張った 10 GbE がスパニングツリーで“1 本だけが転送状態”になることが問題視されています。
- 図1の(ⅰ)〜(ⅴ)のうち、複数の 10 GbE を束ねてもスパニングツリーで一部がブロックされる区間は(ⅱ)だけであるため、④が指しているのは(ⅱ)です。
- 下線部⑤では「スイッチをまたいだリンクアグリゲーションで接続」とあります。リンクアグリゲーションは IEEE 802.1AX の技術で、物理リンクを 1 つの論理リンクとして扱い“全リンクを同時活用”できます。スパニングツリーが不要になるため、帯域はリンク本数分へ拡大しボトルネックが解消します。
よって
区間:(ⅱ)
理由:平常時にリンク本数分の帯域を同時に利用できるから
区間:(ⅱ)
理由:平常時にリンク本数分の帯域を同時に利用できるから
誤りやすいポイント
- 10 GbE が複数本ある=十分な帯域と早合点し、スパニングツリーでブロックされる事実を見落とす。
- VRRP で冗長化されるのは L3 ルータ機能であり、L2 の経路制御には影響しないことを混同する。
- リンクアグリゲーション=冗長化専用と勘違いし、“並列転送による帯域拡大”という本質的利点を忘れる。
FAQ
Q: スパニングツリー配下でも PortFast や UplinkFast を使えば高速化できますか?
A: それらは経路切替を速くする機能であり、ブロック状態のポートが転送に回るわけではありません。帯域不足の解消にはなりません。
A: それらは経路切替を速くする機能であり、ブロック状態のポートが転送に回るわけではありません。帯域不足の解消にはなりません。
Q: VRRP とリンクアグリゲーションは同時に設定できますか?
A: 可能です。L2 ではリンクアグリゲーションで全リンクをアクティブ化し、L3 では VRRP でデフォルトゲートウェイ冗長を確保するといった構成が一般的です。
A: 可能です。L2 ではリンクアグリゲーションで全リンクをアクティブ化し、L3 では VRRP でデフォルトゲートウェイ冗長を確保するといった構成が一般的です。
Q: リンクアグリゲーションでスイッチ間を 4 本束ねれば帯域は必ず 4 倍ですか?
A: 平均すると約 4 倍ですが、フロー毎にハッシュしてリンクを選択するため単一フローは 1 本分に制限されるケースがあります。トラフィックの並列度が高い環境で効果が発揮されます。
A: 平均すると約 4 倍ですが、フロー毎にハッシュしてリンクを選択するため単一フローは 1 本分に制限されるケースがあります。トラフィックの並列度が高い環境で効果が発揮されます。
関連キーワード: スパニングツリー, VRRP, リンクアグリゲーション, 10 GbE, 帯域ボトルネック
設問3:〔LANシステムの構成〕について答えよ。
(3)本文中の下線⑥について、A専門学校の職員が故障交換作業と設定復旧作業を行う対象の機器を、図1中の機器名を用いて3種類答えよ。また、どのような作業ミスによってブロードキャストストームが発生し得るか。25字以内で答えよ。
模範解答
機器
①:AP
②:フロア L2SW
③:動画コンテンツサーバ
作業ミス:ループ状態になるような誤接続や設定ミス
解説
解答の論理構成
-
保守対象機器の特定
- 【問題文】では、A専門学校の職員が自ら保守を行う機器として
「・フロアL2SWとAPはシングル構成とし、A専門学校の職員が保守を行う前提で、予備機を配備し保守手順書を準備すること」
と明示しています。 - さらに、動画配信サーバについても
「動画コンテンツはA専門学校が保有する計4台のサーバ(学年ごとに2台ずつ)で提供し、A専門学校がサーバの保守を行っている。」
と述べられています。 - 以上より、図1中の機器名で保守対象は
「AP」「フロアL2SW」「動画コンテンツサーバ」の3種類と判断します。
- 【問題文】では、A専門学校の職員が自ら保守を行う機器として
-
ブロードキャストストームが起こる作業ミスの推定
- 下線⑥の文脈は「ブロードキャストストームが発生するリスク」についての指摘です。
- ブロードキャストストームは、スイッチ間で物理・論理のループが形成された場合に発生します。
- 職員が故障交換や設定復旧時に“誤って二重接続する”“STPを無効にする”などのミスをするとループが生じ得ます。
- そこで25字以内で「ループ状態になるような誤接続や設定ミス」とまとめると、発生原因を簡潔かつ的確に説明できます。
誤りやすいポイント
- 「サーバL2SW」は冗長構成でベンダ保守前提のため、職員が直接交換する対象ではない点を見落としやすい。
- 「動画コンテンツサーバ」を機器種別に含め忘れ、「DHCPサーバ」や「RADIUSサーバ」を挙げてしまうケース。
- ブロードキャストストームの原因を“トラフィック集中”と誤解し、ループ関連のミスと結び付けない失点パターン。
FAQ
Q: ブロードキャストストームはSTPが動いていれば完全に防げますか?
A: いいえ。STP無効化やポート設定ミス、保守中の仮接続でループを作るとSTP収束前にストームが発生する恐れがあります。
A: いいえ。STP無効化やポート設定ミス、保守中の仮接続でループを作るとSTP収束前にストームが発生する恐れがあります。
Q: 「動画コンテンツサーバ」はなぜ保守対象に含まれるのですか?
A: 【問題文】に「A専門学校がサーバの保守を行っている。」と明記されており、職員が交換・設定復旧を実施する機器だからです。
A: 【問題文】に「A専門学校がサーバの保守を行っている。」と明記されており、職員が交換・設定復旧を実施する機器だからです。
Q: ループ検知機能とSTPは併用すべきですか?
A: 併用することで、設定ミスや故障時にループが短時間で検知・遮断され、安全性が向上します。
A: 併用することで、設定ミスや故障時にループが短時間で検知・遮断され、安全性が向上します。
関連キーワード: ブロードキャストストーム, スパニングツリー, ループ検知, PoE, リンクアグリゲーション


