情報処理安全確保支援士 2013年 秋期 午前2 問04
問題文
無線LANにおけるWPA2の特徴はどれか。
選択肢
ア:AHとESPの機能によって認証と暗号化を実現する。
イ:暗号化アルゴリズムにAESを採用したCCMP(Counter-mode with CBC-MAC Protocol)を使用する。(正解)
ウ:端末とアクセスポイントの間で通信を行う際に,SSL Handshake Protocolを使用して、お互いが正当な相手かどうかを認証する。
エ:利用者が設定する秘密鍵と、製品で生成するIV(Initialization Vector)とを連結した数字を基に、データをフレームごとにRC4で暗号化する。
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WPA2の暗号方式【午前2解説】
正解の理由
この問題で正しいのは イ です。WPA2は暗号化アルゴリズムにAESを採用し、認証と暗号化のためにCCMP(Counter Mode with CBC-MAC Protocol)を用います。CCMPはAESをベースにしたAEAD(同時に機密性と完全性を提供する)方式で、フレームの暗号化・改ざん検出・リプレイ防止を実現します。したがって「暗号化アルゴリズムにAESを採用したCCMPを使用する」という記述が WPA2 の特徴を正確に表しています。
解法ステップ
- 選択肢のキーワードを確認する:AES、CCMP、AH/ESP、SSL Handshake、RC4/IV。
- 各キーワードのプロトコルと用途を照合する:
- AH/ESP → IPsec(ネットワーク層の認証・暗号化)
- AES/CCMP → WLANでのWPA2暗号化方式
- SSL/TLSハンドシェイク → TLSを用いる認証方式(EAP-TLSなどで用いられるが、選択肢の表現は誤解を招く)
- RC4/IV → WEPやTKIPに関連する旧方式
- WLAN標準(WPA/WPA2)の仕様知識から、AES+CCMPがWPA2の正解と判断する。
選択肢別の誤答解説
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ア: AHとESPは IPsec のプロトコル(ネットワーク層、IPヘッダ直下の保護)であり、無線LANの標準的な暗号化・認証方式を示すものではありません。WPA2固有の仕様ではないため誤りです。
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イ: 正答。WPA2はCCMPを標準とし、AES(具体的にはAES-CCMモード)を用いて暗号化と整合性チェックを行います。CCMPはカウンターモードで暗号化し、同時にCBC-MAC相当の完全性保護を行う構成です。
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ウ: 「端末とアクセスポイントの間でSSL Handshake Protocolを使用して…」という記述は不正確です。細かく言うと、WPA2-Enterprise(802.1X/EAP)では EAP-TLS のように TLS(伝統的にSSLの後継であるプロトコル)を用いる認証方式が存在します。つまり TLS による認証が利用されるケースはありますが、これは EAP を通じて認証サーバ(RADIUS 等)と行われ、アクセスポイントと端末の間で直接“802.11データフレームの保護としてSSLハンドシェイクを行う”という意味ではありません。選択肢の表現は「SSL Handshake Protocol をそのまま使う」と断定しており、WPA2 の一般的な動作を誤って表しています。
-
エ: これは WEP の説明です。WEP は RC4 を使い、送信ごとに IV を鍵に結合してストリーム暗号を生成していました。WEP は暗号設計上の欠陥により脆弱であり、WPA(TKIP)や WPA2(AES-CCMP)で置き換えられました。したがって WPA2 の説明としては誤りです。
よくある誤解
-
「無線LANの認証にTLS/SSLは使われない」
→ 誤り。WPA2-Enterprise の EAP-TLS のように TLS を利用して認証を行う方式が存在します。ただし TLS を使うのは EAP フレーム内で認証サーバと行う手続きであり、単に「APと端末が直接SSLハンドシェイクを行う」とする表現は誤解を招きます。 -
「WPA2 = 完全に安全」
→ WPA2 は WEP より安全ですが、実装や設定(弱いパスフレーズ、不適切なEAP設定)によっては攻撃を受けることがあります。KRACK のようなプロトコル実装の脆弱性も過去に報告されています。 -
「RC4(WEP)とAES(WPA2)は単にアルゴリズムだけの違い」
→ 暗号アルゴリズムだけでなく、鍵管理、メッセージ認証、リプレイ防止などの設計全体が改善されており、実用上のセキュリティ差は大きいです。
補足コラム
- CCMP は実装上は AES の CCM モード(Counter with CBC-MAC)を使用します。これにより暗号化(カウンタモード)と完全性検査(CBC-MACに相当する処理)が同時に提供されます。
- WPA(初期)は TKIP を採用し、RC4 をベースにした互換向けの改善策でしたが、最終的に AES-CCMP を採用した WPA2 が主流になりました。
- WPA3 ではさらに強化され、パスワードベース認証の強化(SAE)や 192-bit セキュリティスイート(GCMP-256 等)が導入されています。
- WPA2-Enterprise を利用する際は、EAP の種類(EAP-TLS、PEAP、EAP-TTLS 等)と認証基盤(RADIUS サーバ、証明書管理)の設計が重要です。
FAQ
Q: WPA2 と WPA の主な違いは何ですか?
A: WPA は互換性維持のために TKIP(RC4 ベース)を導入した暫定措置で、WPA2 は AES-CCMP を標準としてより強固な暗号化と整合性保護を提供します。
A: WPA は互換性維持のために TKIP(RC4 ベース)を導入した暫定措置で、WPA2 は AES-CCMP を標準としてより強固な暗号化と整合性保護を提供します。
Q: WPA2-Enterprise では必ず TLS が使われますか?
A: いいえ。WPA2-Enterprise は 802.1X/EAP フレームワークを使用し、EAP メソッドにより TLS を使うもの(EAP-TLS)や TLS を内包するもの(PEAP)など複数あります。方法によって TLS を用いない EAP メソッドも存在します。
A: いいえ。WPA2-Enterprise は 802.1X/EAP フレームワークを使用し、EAP メソッドにより TLS を使うもの(EAP-TLS)や TLS を内包するもの(PEAP)など複数あります。方法によって TLS を用いない EAP メソッドも存在します。
Q: CCMP と AES-CCM の違いは?
A: CCMP は無線LAN向けに定義されたプロトコル名で、実際には AES の CCM モード(AES-CCM)を使用しています。言い換えれば CCMP = AES-CCM を利用したプロトコル仕様です。
A: CCMP は無線LAN向けに定義されたプロトコル名で、実際には AES の CCM モード(AES-CCM)を使用しています。言い換えれば CCMP = AES-CCM を利用したプロトコル仕様です。
関連キーワード: WPA2、CCMP、AES-CCM、EAP-TLS、802.1X、WEP、TKIP、RC4、KRACK、WPA3

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