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情報処理安全確保支援士 2014年 秋期 午後1 問03


マルウェア感染への対応に関する次の記述を読んで、設問1~4に答えよ。

   M社は、従業員数200名のソフトウェアパッケージ開発会社であり、開発部、営業部及びスタッフ部門がある。  開発部は、ソフトウェアパッケージの開発・保守を行っている。営業部は、顧客を訪問し、製品紹介、製品販売及び顧客管理を行っている。スタッフ部門は、M社のスタッフ業務全般を担当しており、総務部、経理部、情報システム部(以下、情シ部という)などから成っている。情シ部では、M社の情報システムの管理及び情報セキュリティインシデントへの対応を行っている。M社のネットワーク構成を図1に、M社のサーバの機能一覧を表1に示す。  M社のネットワークでは、ファイアウォール(以下、FWという)とレイヤ3スイッチ(以下、L3SWという)でネットワークのアクセス制御を行っている。FWのフィルタリングルールを表2に、L3SWのフィルタリングルールを表3に示す。
情報処理安全確保支援士試験(平成26年度 午後1 問03 図01)
情報処理安全確保支援士試験(平成26年度 午後1 問03 表01)
情報処理安全確保支援士試験(平成26年度 午後1 問03 表02)
情報処理安全確保支援士試験(平成26年度 午後1 問03 表03)
 情シ部員は、運用サーバセグメントの管理を、自席のPCのブラウザから行っている。開発サーバには、M社の機密情報であるソフトウェアパッケージのソースコードを保管している。  営業部では、SaaS型クラウドサービスであるサービスXを利用して顧客管理を行っている。サービスXには、営業部のPCから、HTTPのCONNECTメソッドを使用してプロキシサーバ経由でアクセスしており、プロキシサーバからサービスXへのアクセスにはポート番号2560を使用している。また、サービスX内のメールサーバZは、M社専用であり、製品紹介のメールをM社の顧客に対して自動送信すると同時に、メールの写しをM社営業部員全員に送信している。送信の際には、送信者メールアドレスとしてM社のメールアドレスを使っている。   〔情報セキュリティインシデントの発生〕  営業部のDさんから情シ部のSさんに、DさんのPCでマルウェアYが検出されたとの報告があった。Sさんが確認したところ、マルウェアYは、既に正常に駆除されていた。Sさんは、マルウェアYについて調査した。マルウェアYの特徴は図2に示すとおりであった。
情報処理安全確保支援士試験(平成26年度 午後1 問03 図02)
〔情報セキュリティインシデントの調査〕  情シ部で、他の全てのPCとサーバを調査したが、マルウェアYに感染したものはなかった。  次にDさんに確認したところ、送信者メールアドレスが総務部のFさんであるメールを受信した際に、マルウェアYが検出されたことが分かった。ところが、Fさんにはそのようなメールを送信した覚えはないとのことであった。そこで、当該メールのメールヘッダを調査したところ、当該メールは、送信者メールアドレスをFさんのメールアドレスに偽装した上、外部のメールサーバから送られてきたことが分かった。添付ファイルは、PDFファイルに偽装したものであった。    今回のインシデントでは情報漏えいの被害はなかったものの、同様なマルウェアによって情報漏えいが発生した他社の事例もあり、マルウェア対策を見直すことになった。受信メールの制限、バックドア通信の遮断、及びマルウェアから社内のサーバへの不正アクセスリスクの軽減策をそれぞれ検討するとともに、サーバの脆弱性検査を実施した。   〔受信メールの制限〕  次は、受信メールの制限についての、情シ部のK部長と部下でセキュリティ担当のSさんの会話である。
 K部長:送信者メールアドレスのドメイン名が当社のものに偽装されていた場合は、受信者は開いてしまう可能性が高い。良い対策はないだろうか。  Sさん:外部メールサーバにある、外部からのメールのフィルタリング機能を使用しましょう。具体的には、フィルタリングルールとして、送信ドメイン名のブラックリストに当社のドメイン名を指定します。  K部長:それだと、①正規のメールも一部届かなくなるね。  Sさん:そうですね。②フィルタリングルールを追加します。   〔バックドア通信の遮断〕  続いて、K部長とSさんは、マルウェアYとC&Cサーバとのバックドア通信の遮断について検討した。次は、そのときの会話である。    Sさん:マルウェアYは、2通りの方法でC&Cサーバとの通信を試みます。一つ目は、プロキシサーバを経由しない方法であり、既に③防ぐことができています。二つ目は、マルウェアYが、HTTPのCONNECTメソッドで任意のポート番号を用いる方法です。これについては、表4に示すアクセス制御ルールをプロキシサーバに設定すれば、許可するポート番号以外の通信を防ぐことができます。
 K部長:表4でアクセスを許可する通信をマルウェアが使用する場合の対策については、別途検討しよう。ところで、表4の設定では④業務に支障が出るので、⑤項番1と項番2の間に設定を1行追加する必要があるな。   〔マルウェアからサーバへの不正アクセスリスクの軽減策〕  次に、情シ部では、マルウェアから社内のサーバへの不正アクセスリスクの軽減策を検討した。開発サーバについては、現状、開発部のPCがマルウェアに感染してしまうと、そのマルウェアからアクセスされるリスクが高い。そのため、開発専用PCを数十台、開発サーバセグメント内に置き、ソフトウェアパッケージの開発を開発専用PC及び開発サーバだけで行うようにし、かつ、⑥L3SWのフィルタリングルールを変更することによって、開発サーバがマルウェアからアクセスされるリスクを軽減することにした。さらに、開発専用PC自身がマルウェアに感染するリスクを軽減する対策も行うことにした。  一方、運用サーバセグメントのサーバについては、運用管理を行うPCがマルウェアに感染してしまうというリスクに絞って軽減することにした。具体的には、運用管理専用PCを運用サーバセグメントに1台設置し、従来、情シ部のPCで行っていた運用サーバセグメントの管理を、そこで行うことにした。さらに、その運用管理専用PCでは、aを禁止することにした。   〔サーバの脆弱性検査〕  次に、情シ部で全サーバの脆弱性検査を行ったところ、OSのパスワード格納方法について、幾つかのサーバに脆弱性があることが分かった。これらのサーバでは、パスワードは、表5に示す二つのハッシュ値が格納される。OSの設定によってL2ハッシュだけを格納することもできる。
情報処理安全確保支援士試験(平成26年度 午後1 問03 表05)
 次は、OSのパスワードの格納方法についてのSさんとK部長の会話である。    Sさん:OSのパスワードのハッシュ値が入手できた場合に、14字までのパスワードを総当たり攻撃で解析することを考えてみましょう。L1ハッシュでは、前半b字までについて、最大で個のハッシュ値を求めれば、同じものを後半b字までについても使うことができます。一方、L2ハッシュでは、最大で個となり、同一のパスワード長であっても、L1ハッシュに比べ格段に増加します。  K部長:なるほど。L1ハッシュを格納しないように設定を変更しよう。ところで、表5にあるソルトを使用するとどのような効果が得られるのか。  Sさん:ソルトを使用するとハッシュ値からパスワードを特定しにくくなります。    K部長は、検討した対策案についての実施計画と、別途検討する項目についての検討時期を経営陣に報告し、対策を進めた。

設問1:〔受信メールの制限〕について、(1)、(2)に答えよ。

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(1)本文中の下線①について、届かなくなるメールを30字以内で述べよ。

模範解答

メールサーバZから営業部員宛てに送られるメール

解説

解答の論理構成

  1. 外部メールサーバのフィルタリングでは、送信ドメイン名がブラックリストに載ると当該ドメインのメールを “外部から受け取る” 際に拒否します。
    • 【問題文】「外部メールサーバにある、外部からのメールのフィルタリング機能」
    • K部長が懸念した①の文脈は「送信ドメイン名のブラックリストに当社のドメイン名を指定」した場合です。
  2. 自社ドメインを名乗り、かつ社外(インターネット上)のサーバから届く“正規メール”が存在するかを確認します。
    • 【問題文】「サービスX内のメールサーバZは、M社専用であり、製品紹介のメールをM社の顧客に対して自動送信すると同時に、メールの写しをM社営業部員全員に送信している。送信の際には、送信者メールアドレスとしてM社のメールアドレスを使っている。」
  3. 上記より、メールサーバZはインターネット上(社外)に設置され、M社ドメインを送信者欄に設定して営業部員へメールを配送します。
  4. したがって、ブラックリストに自社ドメインを登録すると、この“メールサーバZから営業部員宛て”の正規メールが拒否されるため、K部長の発言①が成立します。
  5. よって解答は「メールサーバZから営業部員宛てに送られるメール」です。

誤りやすいポイント

  • 「社内メールサーバ」からの内部メールはFW/L3SWで完結するため影響を受けませんが、これと混同すると解答を誤ります。
  • ドメイン偽装対策=即ブラックリスト、と短絡し “自社が利用する外部サービス” を見落としがちです。
  • 「顧客向けメールだけが届かない」と誤解するケースがありますが、営業部員へ送られる写しも遮断されます。

FAQ

Q: 自社ドメインのメールを外部ブラックリストに登録しても、内部⇔内部のやり取りに影響はありますか?
A: 影響はありません。外部メールサーバは「インターネット経由で“到着する”メール」を対象にフィルタリングを行うため、社内メールサーバ間の配送は阻害されません。
Q: なぜメールサーバZは自社ドメインを使う必要があるのですか?
A: 顧客に正規の差出人として認識してもらうためです。自社ドメインを差出人に設定することでブランド統一や返信先の一元化が図れます。
Q: ブラックリスト方式以外の対策はありますか?
A: SPF、DKIM、DMARCなど送信ドメイン認証技術を併用すると、偽装メールのみを排除し正規メールは許可する運用が可能です。

関連キーワード: 送信ドメイン認証、ブラックリスト、プロキシサーバ、メールフィルタリング

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設問1:〔受信メールの制限〕について、(1)、(2)に答えよ。

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(2)本文中の下線②について、追加するフィルタリングルールを50字以内で述べよ。

模範解答

送信元メールサーバのIPアドレスのホワイトリストにメールサーバZのIPアドレスを追加する。

解説

解答の論理構成

  1. フィルタリング方針
    • 外部メールサーバの機能について【問題文】
      「ホワイトリスト及びブラックリストには、送信元メールサーバのIPアドレスのリスト及び送信ドメイン名のリストがある。」
      「ホワイトリスト及びブラックリストの両方にマッチした場合は、ホワイトリストを優先する。」
    • まず送信ドメイン名がM社のもの(社内ドメイン)であるメールをブラックリストに登録して遮断する案を採用。
  2. 正規メールの遮断という副作用
    • 「サービスX内のメールサーバZ」は営業活動で必須の自動送信を行う。
    • その際「送信者メールアドレスとしてM社のメールアドレスを使っている。」ため、ドメイン名ブラックリストに一致してしまう。
    • K部長が指摘した「①正規のメールも一部届かなくなるね」はこれを示す。
  3. 正規メールだけを通すための追加ルール
    • メールサーバZは固定の送信元IPアドレスを用いる前提。
    • ホワイトリストへIPアドレスを登録すれば、同じメールが
      ・ドメイン名 → ブラックリストに一致
      ・IPアドレス → ホワイトリストに一致
      となり「ホワイトリストを優先する」仕様により受信が許可される。
  4. したがって下線②の内容
    送信元メールサーバZのIPアドレスをホワイトリストに追加する、が最適解となる。

誤りやすいポイント

  • 「ドメイン名をホワイトリストに登録」とすると攻撃者が同じドメインを偽装している場合も通過させてしまう。
  • ブラックリストとホワイトリストの優先順位を逆に覚えていると結論が逆転する。
  • SPFやDKIMなど別方式の対策と混同し、外部メールサーバの機能範囲を超えた回答を書く。

FAQ

Q: ホワイトリストにドメイン名ではなくIPアドレスを指定する理由は?
A: 攻撃者がドメイン偽装を行っても、送信元IPアドレスまで一致させることは難しいため、正規メールのみを確実に許可できます。
Q: メールサーバZのIPアドレスが変わる可能性がある場合は?
A: 事前にサービス提供者と運用フローを取り決め、IPアドレス変更時に速やかにホワイトリストを更新できるようにします。
Q: SPFレコード設定では不十分なのか?
A: SPFは受信側M社のメールサーバで検証できるが、今回利用するのは外部メールサーバの単純なブラック/ホワイトリスト機能であり、よりシンプルに運用可能な手段として採用しています。

関連キーワード: ホワイトリスト、ブラックリスト、ドメイン偽装、IPフィルタリング、優先順位

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設問2:〔バックドア通信の遮断〕について、(1)〜(3)に答えよ。

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(1)本文中の下線③について、その理由を30字以内で述べよ。

模範解答

FWのフィルタリングルールで遮断しているから

解説

解答の論理構成

  1. マルウェアYの通信方法
    ・「プロキシサーバを経由せずに、TCPポート番号8050を使用して、アクセスする」(図2)
    ⇒ PCが直接インターネットへ出ようとする。
  2. FWで許可されている通信
    ・表2「項番1 送信元: プロキシサーバ 宛先: インターネット サービス: 全て 動作: 許可」
    ・表2「項番9 送信元: PC 宛先: プロキシサーバ サービス: 代替HTTP(8080) 動作: 許可」
    ・表2「項番10 送信元: 全て 宛先: 全て サービス: 全て 動作: 拒否」
    ⇒ PCからインターネット宛の直接通信は、該当する許可ルールがないため「項番10」で拒否。
  3. よって、ポート番号8050による直接通信はFWで遮断される。
    以上から「FWのフィルタリングルールで遮断しているから」と解答できる。

誤りやすいポイント

  • L3SWではなくFWがインターネット向け通信を最終的に制御していることを見落とす。
  • 表2の「項番1」「項番9」で“PC⇒インターネット”も許可されていると誤読する。いずれも宛先・送信元が限定されている。
  • 「TCPポート番号8050」だけを遮断する特定ルールが存在すると想像し、デフォルト拒否ルールの効果を忘れる。

FAQ

Q: なぜL3SWではなくFWが関与するのですか?
A: 注記4に「DMZ及びインターネット宛てのパケットは、FWに転送される」とあるため、最終的な許可/拒否はFWで行います。
Q: ポート8050以外の直接通信も同様に防げますか?
A: 表2「項番10」で“全て拒否”しているため、FWが許可していないポートは基本的に全て遮断されます。
Q: プロキシサーバ経由の通信はなぜ許可されるのですか?
A: 「項番1」がプロキシサーバからインターネットへの全通信を許可しているため、ポリシーに沿ったWebアクセスは通過します。

関連キーワード: ファイアウォール、アクセス制御、デフォルト拒否、プロキシ、ポート番号

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設問2:〔バックドア通信の遮断〕について、(1)〜(3)に答えよ。

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(2)本文中の下線④について、支障が出る業務を、本文中の用語を用いて5字以内で答えよ。

模範解答

顧客管理

解説

解答の論理構成

  1. 【問題文引用】
    「営業部では、SaaS型クラウドサービスであるサービスXを利用して顧客管理を行っている。サービスXには、営業部のPCから、HTTPのCONNECTメソッドを使用してプロキシサーバ経由でアクセスしており、プロキシサーバからサービスXへのアクセスにはポート番号2560を使用している。」
  2. 表4のアクセス制御ルール
    • 項番1 CONNECT/443/許可
    • 項番2 CONNECT/全て/拒否
      → CONNECTでポート番号2560を使う通信は項番2に該当し、遮断されます。
  3. 【問題文引用】
    「K部長:表4の設定では④業務に支障が出るので…」
    支障が出る=遮断されたポート2560を用いる業務です。
  4. ポート2560を使用するのは「サービスXを利用した顧客管理」だけであり、従って影響を受ける業務は顧客管理です。

誤りやすいポイント

  • 「メール自動送信」や「製品紹介」などサービスXの副次機能に目を奪われ、本質である「顧客管理」を見落とす。
  • ポート番号2560だけをキーワードにし、どの業務が依存しているかを追わない。
  • 「営業部の業務」と大まかに答えてしまう(設問は具体的業務名を要求)。

FAQ

Q: CONNECT/443を許可しても顧客管理はできませんか?
A: できません。サービスXはポート番号2560を要求するため、443では通信が成立しません。
Q: なぜメール送信業務ではないのですか?
A: メールサーバZの自動送信はサービスX内部処理であり、M社側から2560でのCONNECT通信を行うのは顧客管理アプリケーションだけです。
Q: 項番3「全て/全て/許可」があるのに遮断されるのはなぜ?
A: 「注記 項番の小さいものから順に、最初に一致したルールが適用される。」とあるため、先に項番2で拒否されてしまいます。

関連キーワード: HTTP CONNECT, ポート制御、SaaS利用、アクセス制御、プロキシ設定

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設問2:〔バックドア通信の遮断〕について、(1)〜(3)に答えよ。

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(3)本文中の下線⑤について、追加すべき設定内容を表4に倣って答えよ。

模範解答

メソッド :CONNECT ポート番号:2560 動作   :許可

解説

解答の論理構成

  1. 業務要件の把握
    【問題文】には「サービスXには、営業部のPCから、HTTPのCONNECTメソッドを使用してプロキシサーバ経由でアクセスしており、プロキシサーバからサービスXへのアクセスにはポート番号2560を使用している。」とあります。
    つまりCONNECT方式・ポート番号2560が日常業務で必須です。
  2. 現状ルール(表4)の確認
    表4の初期設定は
    ・項番1 CONNECT/443/許可
    ・項番2 CONNECT/全て/拒否
    ・項番3 全て/全て/許可
    となっており、CONNECTで443以外のポートは「最初に一致したルール」で拒否されます。したがって2560は通信不可です。
  3. 追加ルールの必要性
    K部長が「表4の設定では④業務に支障が出る」と指摘し、「⑤項番1と項番2の間に設定を1行追加」すると述べています。CONNECT 2560を許可しないとサービスXが利用できず、まさに“業務に支障”です。
  4. 追加ルールの具体内容
    項番1(CONNECT 443許可)の直後に、同じくCONNECTでポート番号2560を許可する行を追加すれば、業務通信のみ通し、それ以外のCONNECTは項番2で遮断されます。
    よって追加行は
    ・メソッド:CONNECT
    ・ポート番号:2560
    ・動作:許可
    となります。

誤りやすいポイント

  • 「HTTPS=443」と短絡し、サービスXのポート番号2560を見落とす。
  • 追加行を項番2の後ろに置き、既に“拒否”とマッチして機能しない並び順ミス。
  • 「HTTPメソッド=GET/POST」と思い込み、CONNECTを許可し忘れる。
  • 2560を外向けFWに許可する設定と混同し、プロキシサーバのACLでの設定場所を誤る。

FAQ

Q: CONNECT 443の許可があるのに、なぜ2560も個別に許可しなければならないのですか?
A: 表4項番1は「ポート番号443」限定です。CONNECTで2560を使うパケットは項番1に一致せず、直後の「CONNECT/全て/拒否」に捕まり遮断されます。
Q: 2560を「全てのメソッドで許可」としてはいけませんか?
A: 必要なのはCONNECTメソッドのトンネル機能だけです。不要なメソッドを許可すると攻撃面が広がるため、最小権限の原則でCONNECTのみに限定します。
Q: 他部署で将来別ポートのCONNECTが必要になった場合は?
A: 同様に許可ポートを明示した行を「拒否より前」に追加します。ルールベースのACLは「上から順に適用される」ことを忘れずに設定してください。

関連キーワード: HTTP CONNECT, プロキシACL, ポートフィルタリング、最小権限、トンネル通信

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設問3:〔マルウェアからサーバへの不正アクセスリスクの軽減策〕について、(1)、(2)に答えよ。

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(1)本文中の下線⑥について、L3SWでのフィルタリングルールの変更内容を35字以内で述べよ。

模範解答

利用者セグメント2から開発サーバセグメントへの通信を拒否にする。

解説

解答の導き方

設問はL3SWのフィルタリングルールの変更内容を問うています。問題文から必要な事実を順に確認して、なぜその変更が妥当かを示します。
  1. 保護対象と脅威の確認
  • 本文に「開発サーバには、M社の機密情報であるソフトウェアパッケージのソースコードを保管している」とあり、開発サーバを保護する必要があります。
  • 図2に「ネットワークで接続された、他のPC、サーバに感染を広げる」とあるように、開発部のPCが感染すると開発サーバへ横移動してしまうリスクがあります。本文にも「現状、開発部のPCがマルウェアに感染してしまうと、そのマルウェアからアクセスされるリスクが高い」と明記されています。
  1. 現状のL3SWルールの把握(なぜ変更が必要か)
  • 表3の項番1は「利用者セグメント2→開発サーバセグメント」を「許可」しており、項番2は逆方向を許可しています。したがって現状は利用者セグメント2から開発サーバセグメントへの通信が通る状態です。
  • 表3の項番5・6は拒否ルールですが、注記に「項番の小さいものから順に、最初に一致したルールが適用される」とあるため、項番1等の許可ルールが先に評価され、項番5・6は実効がない状態になっています。よって単に項番5・6が存在するだけでは保護されません。
  1. どの変更が目的を満たすか(論理)
  • 対策の方針は、開発以外のPC(利用者セグメント2等)から開発サーバへのアクセスを遮断することです。一方で「開発専用PCを数十台、開発サーバセグメント内に置き…」とあるので、正当な開発作業は開発サーバセグメント内で完結させれば影響を避けられます。
  • これを実現するには、L3SWにおいて「利用者セグメント2から開発サーバセグメントへの通信を拒否する」ルールを、項番1よりも前(=優先的に評価される位置)に追加する必要があります。こうすれば最初に当該方向が拒否され、開発以外の端末からの不正アクセスは防げます。
以上の流れで導かれる変更内容は、L3SWに「利用者セグメント2から開発サーバセグメントへの通信を拒否にする」ルールを優先的に設定することです。

誤りやすいポイント

  • 方向の取り違え:遮断すべきは「利用者セグメント2→開発サーバセグメント」であり、逆向きを遮断しても感染端末からのアクセスは止まりません。
  • 既存の拒否ルールを有効と誤認する:項番5・6が存在していても、ルール順(ファーストマッチ)により項番1等の許可が先に適用される点を見落とすと誤答します。
  • 粗い全域拒否の副作用:表3の「全セグメント[1]」はDMZやインターネット等も含むため、これらを上位に置いてしまうとプロキシやウイルス定義の取得等の正当な通信が阻害されます。
  • セグメント番号の混同:利用者セグメント1(営業・スタッフ側)と利用者セグメント2(開発部)を取り違えると、業務影響や保護対象が変わります。

FAQ

Q: 項番5・6をそのまま上に移動すればよいのでは?
A: 項番5・6は「全セグメント」を対象にした粗い拒否なので、上位に移すとDMZやインターネット経由の正当な通信(例:ウイルス定義ファイルの取得やプロキシ経由のサービス利用)まで遮断する恐れがあります。必要最小限の範囲で「利用者セグメント2→開発サーバセグメント」を特定して拒否する方が安全です。
Q: なぜ片方向(利用者→開発サーバ)のみ拒否するのか?
A: 感染端末は通常サーバ側へ接続を張って横移動を図るため、発信元(利用者セグメント2)からの到達を遮ることが直接的かつ効果的です。サーバ→利用者の通信を遮るだけでは、利用者発の不正接続を防げません。

関連キーワード: セグメント分離、アクセス制御リスト(ACL)、ファーストマッチ方式、横移動防止、最小権限の原則

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設問3:〔マルウェアからサーバへの不正アクセスリスクの軽減策〕について、(1)、(2)に答えよ。

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(2)本文中のaに入れる適切な禁止事項を35字以内で具体的に述べよ。

模範解答

a:運用サーバセグメントの管理に必要のないソフトウェアの利用

解説

解答の論理構成

  • 【問題文】では「運用サーバセグメントのサーバについては…運用管理専用PCを運用サーバセグメントに1台設置し…さらに、その運用管理専用PCでは、aを禁止することにした。」と記載されています。
  • 運用管理専用PCは管理業務だけに利用する端末であり、不要な機能を持たせるほどマルウェア侵入面が増えます。
  • 管理業務に直接関係しないソフトウェア(Web閲覧、メールクライアント、Officeツールなど)は、脆弱性や誤操作を介してマルウェア感染へつながる恐れがあります。
  • したがって、運用管理専用PCにおいて禁止すべき事項は「運用サーバセグメントの管理に必要のないソフトウェアの利用」となります。

誤りやすいポイント

  • 「インターネット接続の禁止」と短絡的に決め付けると、パッチ適用やツール取得ができなくなる場合があり、管理作業自体を阻害する恐れがあります。
  • 「USB機器の使用禁止」だけでは、ネットワーク経由の攻撃を考慮できず不十分です。
  • 端末操作そのものを禁止する回答では、管理専用PCの設置目的と矛盾します。

FAQ

Q: 禁止対象を「全ソフトウェア」とすると何が問題ですか?
A: OSや管理ツールまで起動できなくなるため、サーバ管理作業自体が不可能になります。必要最小限のソフトウェアは残すのが現実的です。
Q: ブラウザだけを禁止する程度では不十分ですか?
A: はい。攻撃者はメーラ、ファイル共有クライアント、スクリプト実行環境など多様な経路を狙います。管理に無関係なソフトウェア全般を除外する方が効果的です。
Q: 専用PCでもウイルス対策ソフトは必要ですか?
A: 必要です。禁止するのは「不要なソフトウェア」であり、セキュリティ対策ソフトはむしろ必須です。

関連キーワード: 専用端末、表面削減、最小権限、攻撃面、マルウェア防御

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設問4:〔サーバの脆弱性検査〕について、(1)、(2)に答えよ。

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(1)本文中のb〜eに入れる適切な数式又は数値を答えよ。

模範解答

b:7 c: d:14 e:

解説

解答の論理構成

  1. 前提確認
    • 表5の「パスワード長」には「1字から14字まで」とあり、L1ハッシュの最長が分かります。
    • 同じく表5の「文字列分割」欄には「8字以上の場合は、前半7字と残りに分割」とあります。
    • 「パスワード文字種」欄にはL1が「英数字及び記号(合計69種)」、L2が「英数字及び記号(合計95種)」とあります。
  2. b の決定
    • 分割時に前半として扱う最大文字数は「前半7字」です。
    • よって です。
  3. c の決定
    • L1ハッシュは最大7文字までの前半を総当たりします。
    • 1文字長ごとの組合せは ( は文字数)なので、
      • 求める総ハッシュ数は 。
    • よって と表現します。
  4. d の決定
    • L1ハッシュが対象とするパスワード全体の最大長は「14字」です。
    • よって です。
  5. e の決定
    • L2ハッシュは分割せず、文字種は「合計95種」です。
    • したがって1文字長ごとの組合せは 。
    • よって です。

誤りやすいポイント

  • 分割が行われるのは「8字以上」のみという条件を読み落とし、7字未満でも分割すると誤解する。

FAQ

Q: 分割される後半のハッシュ値を再利用できるとはどういう意味ですか?
A: L1ハッシュでは前半と後半を独立に求め同一方式で結合するので、前半7字までの総当たり結果は後半側にもそのまま適用でき、計算量が半減します。
Q: L1ハッシュを格納しない設定変更で何が改善されますか?
A: 分割による計算量削減が使えなくなるため、攻撃者はL2ハッシュの95種 × 最大127字を対象に総当たりする必要があり、攻撃難易度が大幅に上がります。

関連キーワード: 総当たり攻撃、ハッシュ値、ソルト、パスワード分割、文字種数

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設問4:〔サーバの脆弱性検査〕について、(1)、(2)に答えよ。

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(2)ソルトを使用するとハッシュ値からパスワードを特定しにくくなるのはなぜか。その理由を35字以内で述べよ。

模範解答

同じパスワードでもソルトが異なるとハッシュ値が変わるから

解説

解答の論理構成

  • 【問題文引用】
    「Sさん:ソルトを使用するとハッシュ値からパスワードを特定しにくくなります。」
  • ハッシュ化のみの場合、同じパスワードは常に同じハッシュ値になります。攻撃者は使い回し可能なレインボーテーブルを作成し、一致する値を高速に検索できます。
  • ソルトとは、各パスワードに固有のランダム値を付加してからハッシュを計算する仕組みです。
  • 【問題文引用】表5「ソルトの使用の有無 なし」からわかるように、現状はソルト未使用であり、同じパスワードがあれば同じ16バイトのハッシュ値になります。
  • ソルトを入れると、同じパスワードでもソルトが違えば入力文字列自体が異なるため、計算されるハッシュ値も変化します。
  • したがって、攻撃者はユーザ間・サーバ間でハッシュ値を使い回せず、都度総当たり計算が必要になるため特定が困難になります。
  • 以上から、模範解答「同じパスワードでもソルトが異なるとハッシュ値が変わるから」となります。

誤りやすいポイント

  • 「ソルトを入れると暗号化される」と誤解し、ハッシュと暗号の違いを混同する。
  • 「ソルトでハッシュ長が延びるから安全」と長さだけを理由にする。
  • ソルトの目的を「ハッシュ値自体を秘匿する」と書き、ハッシュ関数の一方向性と取り違える。

FAQ

Q: ソルトは全ユーザ共通でも効果がありますか?
A: 共通ソルトでもレインボーテーブルを再生成させる効果はありますが、個別ソルトの方が解析コストがさらに高くなります。
Q: ソルトを用いても総当たり攻撃は可能ですか?
A: 可能ですが、ユーザごとに計算をやり直す必要があり、効率が大幅に低下します。
Q: ソルト値は機密情報として守る必要がありますか?
A: ソルトは一般にハッシュ値と一緒に保存して良いとされます。機密性よりも一意性とランダム性が重要です。

関連キーワード: ハッシュ関数、レインボーテーブル、総当たり攻撃、一方向性、ランダムソルト

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