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情報処理安全確保支援士 2025年 秋期 午前203


問題文

PQC(Post-Quantum Cryptography)はどれか。

選択肢

量子コンピュータを使うことによって、従来のコンピュータを使うときと比べて暗号化の処理速度を飛躍的に向上させることができる暗号技術
量子コンピュータを使うことによっても従来のコンピュータを使うことによっても、暗号化の処理に掛かる処理時間を一定にできる暗号技術
量子コンピュータを使った攻撃では、従来のコンピュータを使った攻撃と比べて解読時間が大幅に短くなる可能性のある暗号技術
量子コンピュータを使った攻撃に対しても従来のコンピュータを使って安全性を確保できる暗号技術(正解)

PQC(Post-Quantum Cryptography)はどれか。【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論: PQCは量子コンピュータによる攻撃に対しても従来の通常計算機で安全性を確保する暗号技術です。
  • 根拠: RSAやECCなどの既存公開鍵暗号はショアのアルゴリズムで破られる可能性があり、量子耐性の暗号が必要です。
  • 差がつくポイント: PQCは格子、ハッシュ、符号理論など量子に強い数学的困難性に基づき、実装・鍵サイズ・性能を比較して選ぶ必要があります。

正解の理由

選択肢の中で正しいのは、量子コンピュータを用いた攻撃に対しても従来のコンピュータで安全性を確保できる技術を示すものです。PQC(ポスト量子暗号)は「量子コンピュータが実用化されても安全性を維持すること」を目的に設計された暗号方式群であり、量子計算機向けの耐性(量子耐性)を持つ数学的問題に基づきます。したがって、量子計算機を用いる側の技術ではなく、量子攻撃に耐える暗号として説明されている選択肢が正解です。

よくある誤解(2〜3 行)

PQCは「量子コンピュータを使う暗号」ではなく「量子攻撃に耐える暗号」です。
また、PQCは処理速度の向上を目的とする技術ではない点も誤解されやすいです。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワード「PQC(Post-Quantum Cryptography)」の定義を思い出す。
  2. 選択肢の説明が「量子コンピュータを使う技術」か「量子攻撃に耐える技術」かを判別する。
  3. 「量子攻撃に対して安全性を確保する」旨の選択肢を正解候補とする。
  4. 残りの選択肢が概念の取り違え(速度向上や時間一定など)であることを確認して排除する。
  5. 正答を選び、選択肢文がPQCの目的(量子耐性)に合致するか最終確認する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 量子コンピュータを使うことによって、従来のコンピュータを使うときと比べて暗号化の処理速度を飛躍的に向上させることができる暗号技術
    • 誤り。これは暗号技術の説明ではなく、量子コンピュータを利用した「処理加速」の話であり、PQCの定義と異なります。
  • イ: 量子コンピュータを使うことによっても従来のコンピュータを使うことによっても、暗号化の処理に掛かる処理時間を一定にできる暗号技術
    • 誤り。処理時間を一定にすることは目的ではなく、PQCは安全性(耐量子性)を目標とするため無関係です。
  • ウ: 量子コンピュータを使った攻撃では、従来のコンピュータを使った攻撃と比べて解読時間が大幅に短くなる可能性のある暗号技術
    • 誤り。これは「量子攻撃で解読時間が短くなる可能性がある暗号」を指しており、むしろ安全性が損なわれることを示唆します。PQCの目的と逆です。
  • : 量子コンピュータを使った攻撃に対しても従来のコンピュータを使って安全性を確保できる暗号技術
    • 正解。PQCは量子コンピュータによる攻撃(例えばショアのアルゴリズム)に対しても安全性を保つことを意図した暗号群を指します。

補足コラム(関連知識など)

  • NISTはポスト量子暗号の標準化プロセスを進めており、格子(lattice)、符号理論(code-based)、ハッシュベース(hash-based)、多変数(multivariate)など複数方式の候補が評価されています。
  • PQCは概念上「量子に強い」ことを目標としますが、実装面では鍵長や計算コスト、通信帯域、耐サイドチャネルなど現実的なトレードオフがあります。
  • 既存の公開鍵暗号(RSA/ECC)は量子アルゴリズム(例:ショアのアルゴリズム)により破られる可能性があるため、移行計画(ハイブリッド方式や段階的切替)が重要です。
  • SIKEのように一度注目された方式が安全性の評価で破られる例もあり、標準化は慎重に進められています。

FAQ(Q:/A: を 2〜3 組)

Q: PQCは量子コンピュータで動作する暗号ですか?
A: いいえ。PQCは量子コンピュータの攻撃に耐えるように設計された暗号で、通常のコンピュータ上で実行することを想定します。
Q: 既存の暗号を全部PQCに置き換える必要がありますか?
A: 直ちに全て置き換える必要はありませんが、移行計画とハイブリッド実装を検討し、リスクの高い資産から順に対策するのが現実的です。
Q: PQCと量子鍵配送(QKD)は同じですか?
A: 異なります。PQCは古典暗号の設計で量子攻撃に強い方式を指し、QKDは量子通信を利用して鍵を配布する別の技術です。

関連キーワード: PQC, ポスト量子暗号、量子耐性暗号、格子暗号、NIST標準化、公開鍵暗号、移行戦略
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