E銀行は、このたび、国内普通預金口座を対象にした海外ATMサービスを実施することにした。
〔海外ATMサービスの概要〕
(1)海外ATMサービスを利用できる時間は、24時間365日である。
(2)海外で共通にATMサービスを提供する国際ネットワーク(以下、海外共通ネットワークという)を使用することによって、世界各国にある海外共通ネットワーク加盟店のATMを利用できる。
(3)海外ATMで利用できる取引は、現金の出金だけである。現地通貨で払い出し、即時に円に換算して、円貨で口座から引き落とす。
〔E銀行の勘定系システム及び海外ATMサービスのシステム概要〕
(1)E銀行の勘定系システム(以下、E銀行システムという)は、システムメンテナンス時間を除いて常時稼働している。システムメンテナンス時間は、毎週日曜日の23:00から翌月曜日の6:00までである。なお、曜日・時間はすべて日本を基準に示す。
(2)国内ATMでは、現金の入出金、振込及びカード暗証番号変更サービスが利用できる。国内ATMは、毎週日曜日の21:00から翌月曜日の7:00まで停止している。
(3)口座の開設、及び顧客名、顧客住所、顧客電話番号などの顧客属性の変更は、平日の8:00から21:00まで支店窓口で受け付けている。
(4)国内ATMからの出金については、次の条件をすべて満たしたときに実行している。海外ATM利用時の出金についても、同様の処理を行う。
①ATMから送信された出金取引の情報と口座元帳データベース(以下、E銀行元帳という)の店番号、口座番号及びカード暗証番号が一致すること
②カードの盗難又は紛失の設定(以下、事故カードの設定という)がないこと
③出金額が支払可能残高の範囲内であること
(5)海外ATMサービスを利用するには、事前に支店窓口又はWebでの申込みが必要である。申込みの受付は、平日の8:00から21:00までとする。
(6)海外ATMサービスでは、リアルタイムで海外ATMからの出金取引を可能にする。ただし、日曜日の21:00から翌月曜日の7:00までについては、業務提携会社D社に海外ATMサービスの業務代行を委託する。D社は、既に海外でのATMサービスの業務代行を24時間365日実施するシステム(以下、D社システムという)を稼働させている。
(7)D社で代行処理する出金取引の場合も(4)と同じチェックを行う。
(8)D社で代行処理した出金取引については、代行処理時間終了後に、E銀行システム宛てに送信し、E銀行元帳に反映する。この元帳反映時には、E銀行で(4)のチェックを再度行う。
(9)キャッシュカードを保有している全口座(約500万口座)のうち、3年間で約5%の25万口座が海外ATMサービスの対象になると予測している。また、海外ATMの1日の出金取引件数は約2,400件、全時間帯でほぼ同様な取引件数になると予測している。
〔ATMヘルプデスクの業務〕
(1)E銀行では、国内ATMサービス稼働時間帯は、ヘルプデスクで、顧客の入出金状況の照会対応、事故カードの設定など各種届出の受付・設定を実施している。事故カードの設定の受付時は、店番号・口座番号、顧客名、顧客住所及び顧客電話番号を確認した上で、設定処理を行っている。
(2)代行処理時間帯については、ヘルプデスクの業務もD社に委託する。委託内容は、海外ATMサービスを申し込んだ顧客だけについて、D社のヘルプデスクで出金状況の照会及び事故カードの設定を行うこととし、事故カードの設定の受付時は、E銀行と同じ確認をした上で、設定処理を行う。
〔海外ATM利用時の処理概要〕
海外ATM利用時のデータの流れを図1に、曜日・時間帯ごとの処理概要を図2に示す。海外ATMの利用時は、海外共通ネットワーク及びD社システムを経由して、E銀行元帳を更新する。時間帯によって、D社システムで代行処理を行い、D社の代行口座元帳データベース(以下、D社元帳という)を更新する。
代行処理した取引の件数が増加した場合、図2の処理3の開始時刻の見直しを行う。見直しを行わない場合、E銀行元帳に不整合が生じる可能性がある。
〔D社元帳の更新処理の概要〕
D社で代行処理を行うために、海外ATMサービス対象口座(以下、対象口座という)について、E銀行元帳の情報を基に、D社元帳の更新を行う。
E銀行からD社への送信データ及びD社元帳の属性を表1に、D社元帳の更新処理の概要を表2に示す。
D社元帳は、次の2種類のタイミングで更新を行うことにし、D社帳の整合性を確保する対応をD社で実施する。
(1)E銀行がバッチ処理で送信したデータについては、全データ受信後にD社元帳を更新する。全データ受の終了予想時刻は2:00、D社元帳の更新処理性能は3,000件/分である。
(2)E銀行がリアルタイムで送したデータについては、受信後、即時にD社帳を更新する。
〔商品企画部からの追加要望〕
商品企画部からの追加要望とその対応を表3に示す。