システムアーキテクト試験 2013年 午前2 問09
問題文
製品を出荷前に全数検査することによって、出荷後の故障数を減少させ、全体の費用を任減したい。
次の条件で全数検査を行ったときに低減できる費用は何万円か。
ここで、検査時に故障が発見された製品は修理して出荷するものとする。
〔条件〕
（1）製造する個数：500個
（2）全数検査を実施しなかった場合の、出荷個数に対する故障率：3％
（3）全数検査で発見される製造個数に対する故障率：2％
（4）全数検査を実施した場合の、出荷個数に対する障率：1%
（5）検査費用：1万円／個
（6）出荷以前の故障修理費用：50万円／個
（7）出荷後の故障修理費用：200万円／個
選択肢
ア：1000（正解）
イ：1500
ウ：2000
エ：2250
製品の全数検査による費用低減効果の計算【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論：全数検査による費用低減は1000万円である。
- 根拠：検査費用と修理費用の合計を比較し、全数検査後の総費用が減少する差額を算出した。
- 差がつくポイント：故障率の違いと修理費用の差、検査費用の計算を正確に行うことが重要である。
正解の理由
全数検査を行うことで、出荷前に故障品を発見し修理できるため、出荷後の高額な修理費用を削減できる。検査費用はかかるが、故障率の低減と修理費用の差額がそれを上回るため、総費用が減少し、低減できる費用は1000万円となる。
よくある誤解
検査費用を考慮せずに修理費用の差額だけで判断したり、故障率の計算を誤って出荷個数に対する割合を混同することが多いです。
解法ステップ
- 全数検査をしない場合の故障数と費用を計算する。
- 全数検査をした場合の故障数（検査時と出荷後）と費用を計算する。
- 検査費用を加えた全数検査時の総費用を求める。
- 全数検査をしない場合の総費用との差額を計算し、費用低減額を求める。
選択肢別の誤答解説
- ア: 1000万円 — 正解。検査費用と修理費用の合計差額を正しく計算している。
- イ: 1500万円 — 検査費用を過小評価し、修理費用の差額を過大に見積もっている。
- ウ: 2000万円 — 故障率の計算ミスや検査費用を無視している可能性が高い。
- エ: 2250万円 — 出荷後の故障率を誤用し、費用低減額を過大に算出している。
補足コラム
全数検査は初期コストが高いものの、故障率の低減と高額な出荷後修理費用の削減により、長期的にはコスト削減効果が期待できます。品質管理の観点からも重要な手法です。
FAQ
Q: 全数検査を行うと必ず費用が減るのですか？
A: いいえ。検査費用が高すぎたり、故障率が低い場合は費用増加になることもあります。
A: いいえ。検査費用が高すぎたり、故障率が低い場合は費用増加になることもあります。
Q: 故障率の違いはどのように計算しますか？
A: 製造個数や出荷個数に対する故障率を正確に把握し、それぞれの段階での故障数を算出します。
A: 製造個数や出荷個数に対する故障率を正確に把握し、それぞれの段階での故障数を算出します。
関連キーワード: 品質管理、故障率、コスト削減、全数検査、修理費用、検査費用