システムアーキテクト試験 2021年 午後1 問01
企業及び利用者に関する情報の管理運用の見直しに関する次の記述を読んで、設問1~3に答えよ。
A研究所は、地域の中小企業などの産業支援を目的にする、地方公共団体が設立した試験研究機関である。
〔A研究所の事業概要〕
A研究所は、産業支援事業の一環として、特別な試験機器、設備などが必要になる試験について、企業から委託を受けてA研究所が試験を行う依頼試験事業(以下、依頼試験という)を行っている。それとは別に、試験機器、設備などを時間単位で貸し出し、企業自らが試験を行う機器・設備利用事業(以下、機器・設備利用という)を行っている。A研究所は、これら二つの事業を主要な産業支援事業(以下、主要事業という)にしており、その他に技術相談、技術セミナーの開催、独自の研究などを行っている。
主要事業は、A研究所が所在する地域の中小企業の利用が中心であるが、その他の地域の企業、大企業、法人登記していない個人事業者などによる利用も可能である。主要事業は有料で提供しており、利用料金には、一般料金と、中小企業及び個人事業者向けの優遇料金がある。一般料金と優遇料金のどちらを適用するかについては、株式会社社団法人などの法人種別、業種、資本金及び従業員数でA研究所が判断している。過去の料金体系では、A研究所を所管する地方公共団体の区域内に本店、支店などの事業所が所在する場合、料金を安くする制度があったが、別の助成制度の提供に伴い、現在は廃止されている。
〔現行業務の概要〕
現在の主要事業の基本的な業務の流れは、次のとおりである。
(1) 問合せ、相談
A研究所が提供する事業全般に関する問合せ、試験内容などに関する相談などを受け付ける。A研究所では、総合窓口を用意しており、初めてA研究所を利用する場合などは、まず総合窓口の職員が概要を確認し、適切な専門部署につないでいる。問合せ、相談内容は、主要事業を管理する情報システム(以下、事業管理システムという)に登録している。
(2) 企業情報及び事業所情報の登録(新規利用の企業などの場合)
利用者がA研究所を初めて利用する場合、総合窓口で名刺を提示してもらい、事業管理システムの企業マスタに利用者が所属する企業が既に登録されているかどうかを企業の商号又は名称(以下、企業名という)などで検索し、確認する。未登録の企業だった場合は、利用者に企業登録用紙への記入を依頼し、企業名、所在地、法人種別、業種、資本金、従業員数などの情報(以下、企業情報という)を確認の上、企業マスタに登録する。利用者が所属企業の資本金、従業員数などが分からない場合、総合窓口の職員が代わりに公表情報を調べて登録するケースがある。
企業情報を新規に登録すると、事業管理システムで企業を一意に識別する企業コードが付与される。また、企業情報が登録済でも、利用者が所属する事業所が未登録の場合は、同じ企業コードで枝番だけを変更し、事業所名、所在地、代表電話番号などの情報(以下、事業所情報という)を入力して企業マスタに登録する。その際、企業名などの既に企業マスタに登録済の属性情報は入力不要にしている。個人事業者の場合も、企業情報として登録し、法人種別には“個人”を設定する。
なお、企業情報を新規に登録する際に、入力された内容を基に、適用料金区分として、中小企業及び個人事業者向けの料金を適用する“優遇”か、それ以外の般”かを、事業管理システムが自動判断して登録する。
(3) 利用者情報の登録及び利用者カードの発行(新規利用者の場合)
企業マスタに事業所情報が登録済で、利用者がA研究所を初めて利用する場合は、利用者に利用者登録用紙の記入を依頼し、名刺及び本人確認できる身分証を提示してもらい、総合窓口の職員が利用者の氏名、連絡先などの情報(以下、利用者情報という)を、登録済の事業所情報に関連づけて利用者マスタに登録する。その事業管理システムで利用者を一意に識別する利用者コードが付与される。
利用者情報の登録が完了すると、主要事業の受付時などに使用するバーコード付きのプラスチックの利用者カードを発行する。大企業などでは様々な部署がA研究所を利用するケースがあり、誰が利用したのかを識別して管理したいことから、企業単位ではなく、利用者個人ごとに利用者カードを発行している。そのため、同じ企業に所属する者であっても、他の利用者の利用者カードを借りて利用することは禁止している。一方で、利用者カードが本人のものであるかどうかを、受付時に厳密には確認していない。
(4) 試験内容などの決定
専門部署の職員は、利用者からより詳しい内容を聞き取り、試験内容などの詳細を決定する。専門部署での受付時に利用者カードを提示してもらい、決定した試験内容などを事業管理システムに登録する。
なお、利用者カードの持参を忘れた場合は、総合窓口に案内し、名刺及び本人確認できる身分証を提示してもらい、利用者カードを再発行している。再発行すると、古い利用者カードを無効にし、使用できないようにする。
(5) 見積書及び申込書の作成
省略。
(6) 申込手続
省略。
(7) 試験実施
省略。
(8) 報告書の納品(依頼試験の場合)
依頼試験の場合、依頼内容に応じた試験結果を報告書にまとめ、利用者に対して納品する。報告書の宛名は企業名にしている。納品は、来所してもらい手渡しするか、報告書を郵送で提出する。郵送の場合の送付先は、利用者が所属する事業所の所在地にしている。
〔現行の事業管理システムにおける企業及び利用者に関する情報の管理運用〕
現行の事業管理システムでは、企業及び利用者に関する情報をマスタで管理している。現行の事業管理システムで使用している主なマスタを表1に示す。企業情報を利用者に確認したり、職員が公表情報を調べたりする作業負荷を軽減するため、企業マスタで管理する属性の一部は、信用調査会社から年に1回、企業データベース(以下、企業DBという)を購入し、登録している。購入したデータは、A研究所を過去に利用したことがない企業も含めて企業マスタに登録更新している。ただし、費用面の都合から、購入する企業DBは、A研究所が所在する区域内に本店が所在する企業だけとしており、本店以外の事業所情報及び個人事業者の情報は購入していない。

〔企業及び利用者に関する情報の管理運用に対する改善要望〕 現行の企業及び利用者に関する情報の管理運用に対して、利用者及びA研究所職員から次に示す改善要望が挙がっている。
(1)利用者からの改善要望
・A研究所を頻繁に利用しないので、利用者カードを忘れてくることが多い。その都度、利用者カードの再発行が必要になり、手続が面倒である。
(2)総合窓口の職員からの改善要望
・A研究所が所在する区域外に本店がある企業など、企業DBに含まれない企業の利用が多く、企業情報の登録作業が負荷になっている。
・現在、事業所単位で企業マスタに登録しているので、本店の情報は登録されているが、支店などの事業所情報を新規に登録しなければならないケースが多い。事業所別で情報を管理しているのは、過去の料金体系時の経緯であり、現在の料金体系では企業マスタとして事業所別の情報を管理する必要性がない。
・利用者カードの発行、再発行に手数料を取っていないので、利用者カードの媒体や発行手続に係る費用が負担になっている。プラスチックの利用者カードは順次廃止し、電子化したいが、電子化後も利用者カードの発行の考え方、使用ルールは現在の運用を踏襲したい。
(3)専門部署の職員からの改善要望
・企業名が変更になったり、屋号などの正式な企業名ではない情報で登録されていたりすることから、同一企業であるにもかかわらず別企業として企業マスタに登録されているデータが散見され、検索、集計などの際に問題がある。
〔企業に関する情報の管理運用の見直し〕
現行の事業管理システムの老朽化に伴い、マスタで管理する情報の変更を含めて事業管理システムを刷新することにした。刷新に当たっては、前述の改善要望を踏まえて、企業に関する情報の管理運用を次のとおり見直すことにした。
・国税庁法人番号公表サイトで提供されている企業名、本店又は主たる事務所の所在地、及び法人に一つ指定される法人番号から構成される基本3情報(以下、法人情報という)の提供サービスを利用し、全国の法人情報の全件データ及び日次で取得した法人情報の差分データを用いて、企業マスタに登録・更新する。
なお、提供される法人情報は、法人登記し、法人番号が指定された法人全てが対象である。また、法人番号が指定されない個人事業者などは対象外である。法人情報以外の電話番号、代表者氏名、支店の情報などは提供されない。
・企業マスタは法人情報の利用に伴い、事業所単位ではなく企業単位で情報を管理することにし、登録済の企業情報は、システム刷新時にできる限り法人情報に名寄せする。一方で、事業所情報は、利用者マスタで管理する。
・上記によって、企業情報の登録作業はある程度軽減され、誤った企業名での登録や重複登録は減る見込みである。また、①特定の属性情報を利用するに当たり、企業情報を確認したり、調べたりする作業負荷が増えないよう、企業DBを引き続き購入する。
・②企業に関する情報が企業マスタに登録されていないケースを想定して、企業情報の新規登録機能は引き続き残すことにする。
〔利用者に関する情報の管理運用の見直し〕
企業に関する情報の管理運用の見直しと同時に、利用者に関する情報の管理運用も次のとおり見直すことにした。
・総合窓口における利用者情報の新規登録手続を簡便化するため、利用者がA研究所のホームページからオンラインで利用者情報を事前登録できる機能を提供する。その際、法人に所属する利用者の場合は、企業情報の入力をできる限り簡略化し、かつ所属企業との関連づけができるよう、(a)の入力を求める。
・オンラインでの登録の場合、なりすましによる不正登録を防止するため、仮登録の状態にする。利用者は、依頼試験又は機器・設備利用の際には一度は来所が必要になるので、初回の来所時に身元を確認してから本登録にする。
・プラスチックの利用者カードを廃止して、利用者コードから生成するQRコードを利用した利用者カードに変更し、スマートフォンなどでいつでも表示可能にする。本登録の際に、利用者の電子メールアドレスに利用者マスタの情報から生成したURLを送付し、そのURLにアクセスするとQRコードが表示される。このとき③電子化前の利用者カードの使用ルールを踏襲し、URLにアクセスする都度、利用者の電子メールアドレス又は携帯電話のショートメッセージサービスにワンタイムのPINを送付し、PINを入力しないとQRコードが表示できない仕組みにする。
企業及び利用者に関する情報の管理運用の見直しに関する次の記述を読んで、設問1~3に答えよ。
設問1
〔現行業務の概要〕について、利用者カードに印字されているバーコードに必ず含まれる情報を表中の属性名を用いて答えよ。また,その属性をバーコードに含めている利用者カードに対する業務の管理運用上の理由を35字以内で述べよ。模範解答
情報:利用者カード番号
理由:再発行の際,古い利用者カードを使用できないようにしたいから
解説
解答の論理構成
- バーコード付きカードの発行
- 【問題文】「主要事業の受付時などに使用するバーコード付きのプラスチックの利用者カードを発行する。」
- 再発行時の運用
- 【問題文】「再発行すると、古い利用者カードを無効にし、使用できないようにする。」
- 旧カードを確実に無効化するには、カード単位の識別子が必須。
- 属性候補の検証
- 表1「利用者カードマスタ」に示される主キーは
利用者カード番号
。 - 同表には
利用者コード
もあるが、これは利用者個人を識別する属性であり、カードが複数発行されても同一値になりうる。
- 表1「利用者カードマスタ」に示される主キーは
- 結論
- バーコードに必ず含まれるのはカード個体を一意に識別する
利用者カード番号
。 - これを含めることで、再発行時の旧カード無効化が確実に行える。
- バーコードに必ず含まれるのはカード個体を一意に識別する
誤りやすいポイント
- 利用者個人を識別する
利用者コード
とカード個体を識別する利用者カード番号
の取り違え。 - 「古いカードを無効化」の記述を見落とし、理由を「利用者を識別するため」などと一般化してしまう。
- 表1の主キーの下線部を確認せず、安易に他の属性名を選択してしまう。
FAQ
Q: なぜカードに
A:
利用者コード
だけでは不十分なのですか?A:
利用者コード
だけだと同一利用者に対して複数カードが存在した場合に区別できず、旧カードの無効化が困難になるためです。Q: 再発行したカードを無効化する処理はどこで管理されますか?
A: 表1「利用者カードマスタ」の
A: 表1「利用者カードマスタ」の
状態区分
で有効/無効を管理し、利用者カード番号
で対象カードを特定します。Q: 電子化後のQRコードでも
A: はい。電子化後も「電子化前の利用者カードの使用ルールを踏襲」するため、同じ識別子で旧QRコードを無効化する運用が続きます。
利用者カード番号
は必要ですか?A: はい。電子化後も「電子化前の利用者カードの使用ルールを踏襲」するため、同じ識別子で旧QRコードを無効化する運用が続きます。
関連キーワード: 主キー, 名寄せ, バーコード, 再発行, 個体識別
設問2:〔企業に関する情報の管理運用の見直し〕について,(1)~(3)に答えよ。
(1)企業マスタは事業所単位ではなく企業単位で情報を管理することにした一方で,利用者マスタ上で事業所情報を引き続き管理することにしたのは,主要事業の業務の流れ上どのような用途で利用することを想定したからか。20字以内で述べよ。模範解答
報告書の送付先として利用すること
解説
解答の論理構成
- 【問題文】(8)報告書の納品 にて
「郵送の場合の送付先は、利用者が所属する事業所の所在地にしている。」
とあり、物流・郵送は“事業所単位”で行われている。 - 一方、刷新後は「企業マスタは法人情報…企業単位で情報を管理」と宣言されている。
- しかし「事業所情報は、利用者マスタで管理する」とし、事業所情報の存続を明示。
- すなわち企業単位のマスタでは不足する“宛先住所”を保持し続ける理由が「報告書発送」用途である。
- したがって、問われる“主要事業の業務の流れ上どのような用途”は「報告書の送付先」と導ける。
誤りやすいポイント
- 事業所情報は料金判定用と思い込む
→ 料金区分は企業属性で判断、配送先のみ事業所ベース。 - 「請求書」や「見積書」を想起してしまう
→ 文中で事業所宛てが明記されているのは報告書のみ。 - 企業DB・法人番号の導入で事業所情報が不要と早合点
→ 物流面で必要なため完全削除はできない。
FAQ
Q: 法人番号の基本3情報に支店住所は含まれますか?
A: 含まれません。提供されるのは「企業名、本店又は主たる事務所の所在地、法人番号」のみです。
A: 含まれません。提供されるのは「企業名、本店又は主たる事務所の所在地、法人番号」のみです。
Q: 事業所情報を利用者マスタに持たせると検索しにくくなりませんか?
A: 事業所は利用者コードと一対一で結び付くため、検索は利用者視点で行えます。企業集計が必要な場合は企業コードで統合できます。
A: 事業所は利用者コードと一対一で結び付くため、検索は利用者視点で行えます。企業集計が必要な場合は企業コードで統合できます。
Q: 報告書以外の書類も将来事業所宛てに変わる可能性は?
A: 可能性はありますが、現行業務フローで明示されているのは報告書のみです。変更時は運用ルールを追補すれば対応できます。
A: 可能性はありますが、現行業務フローで明示されているのは報告書のみです。変更時は運用ルールを追補すれば対応できます。
関連キーワード: 名寄せ, 法人番号, マスタ統合, 宛先管理, データ品質
設問2:〔企業に関する情報の管理運用の見直し〕について,(1)~(3)に答えよ。
(2)法人情報を利用することにしたが、本文中の下線①のように,作業負荷が増えないよう,企業DBを引き続き購入することにした理由を,表1中の属性名を用いて35字以内で述べよ。模範解答
適用料金区分を判断するための情報は,法人情報には含まれないから
解説
解答の論理構成
- 料金判定に必要な情報を確認
【問題文】「法人種別、業種、資本金及び従業員数でA研究所が判断している。」
さらに表1には「資本金」「従業員数」「適用料金区分」が並び,判定の自動化が前提であることが分かる。 - 法人情報に含まれる属性を確認
【問題文】「企業名、本店又は主たる事務所の所在地、及び…法人番号から構成される基本3情報」
ここには「資本金」「従業員数」がない。 - ギャップを埋める必要性
法人情報だけでは「適用料金区分」を決められない。そこで【問題文】下線①「作業負荷が増えないよう、企業DBを引き続き購入する。」とある。 - 結論
料金区分判定に不可欠な「資本金」「従業員数」を得るため企業DB継続が必須となり,模範解答につながる。
誤りやすいポイント
- 電話番号や代表者氏名の欠如を理由に挙げると失点。「適用料金区分」に直結しない。
- 「法人種別」「業種」は法人情報と勘違いしやすいが,実際には法人情報に含まれない点に注意。
- 作業負荷軽減=手入力削減と短絡的に考え,料金判定ロジックの存続を見落とす。
FAQ
Q: 法人情報に「業種」がないのに問題にならないのは?
A: 「業種」は企業DBにも含まれ,引き続き購入することで同時に補完されるためです。
A: 「業種」は企業DBにも含まれ,引き続き購入することで同時に補完されるためです。
Q: 企業DBを全件購入しないとギャップが残るのでは?
A: 法人情報で全国網羅し,企業DBは不足属性の補完用です。料金判定に必要な「資本金」「従業員数」が得られれば目的は達成できます。
A: 法人情報で全国網羅し,企業DBは不足属性の補完用です。料金判定に必要な「資本金」「従業員数」が得られれば目的は達成できます。
Q: 個人事業者に対する影響は?
A: 個人事業者は法人情報の対象外なので,従来通り個別登録機能②で対応します。
A: 個人事業者は法人情報の対象外なので,従来通り個別登録機能②で対応します。
関連キーワード: 法人番号, 名寄せ, マスタ統合, 資本金, 従業員数
設問2:〔企業に関する情報の管理運用の見直し〕について,(1)~(3)に答えよ。
(3)本文中の下線②のケースとして二つのケースが考えられる。一つは,法人登記した直後で法人情報がまだ提供されていない企業が利用するケースである。もう一つのケースを15字以内で述べよ。模範解答
個人事業者が利用するケース
解説
解答の論理構成
- 下線②の内容を確認
引用:「②企業に関する情報が企業マスタに登録されていないケース」
ここでは“登録されていない”具体例を二つ挙げよ、という設問です。 - 既に示されている一つ目のケース
設問が示す例:「法人登記した直後で法人情報がまだ提供されていない企業」
→ 法人であっても最新データが届く前なら企業マスタに未登録となる。 - 二つ目のケースを問題文から導出
引用:「提供される法人情報は、法人登記し、法人番号が指定された法人全てが対象である。また、法人番号が指定されない個人事業者などは対象外である。」
→ 個人事業者には法人番号が付与されないため、法人情報の自動更新に含まれず企業マスタに登録されない。 - よって、下線②のもう一つのケース
結論:「個人事業者が利用するケース」
誤りやすいポイント
- 「個人事業者=優遇料金対象」とだけ覚えており、法人情報取込の対象外になる点を見落とす。
- 「支店情報がない場合」を回答してしまうが、支店は企業マスタではなく利用者マスタで管理されるため不適切。
- 「企業DBに含まれない企業」と漠然と書いてしまい、15字以内の具体的ケース指定を満たさない。
FAQ
Q: 「新設法人がまだ法人番号を取得していない」場合はどう扱いますか?
A: 法人番号が未指定の段階では法人情報に載らないため、企業マスタには手動登録します。これが設問で示された一つ目のケースです。
A: 法人番号が未指定の段階では法人情報に載らないため、企業マスタには手動登録します。これが設問で示された一つ目のケースです。
Q: 個人事業者でも屋号がある場合は法人情報に載りますか?
A: いいえ。屋号の有無にかかわらず法人番号が付与されないため、法人情報には掲載されず企業マスタ未登録のままです。
A: いいえ。屋号の有無にかかわらず法人番号が付与されないため、法人情報には掲載されず企業マスタ未登録のままです。
Q: 企業DBの購入をやめれば個人事業者の登録負担は減りますか?
A: 減りません。企業DBも個人事業者を含まないため、個人事業者は引き続き手動登録が必要です。
A: 減りません。企業DBも個人事業者を含まないため、個人事業者は引き続き手動登録が必要です。
関連キーワード: 法人番号, 名寄せ, マスタ登録, 個人事業者, データ自動連携
設問3:〔利用者に関する情報の管理運用の見直し〕について,(1)~(3)に答えよ。
(1)システム刷新後の利用者マスタで新たに必要になる情報が二つある。一つは,これまで企業マスタで管理していた事業所情報である。もう一つの情報を25字以内で述べよ。模範解答
利用者が,仮登録か本登録かを識別する情報
解説
解答の論理構成
- 【問題文】では利用者マスタに「事業所情報を追加する」ことが前提になっています。
- さらに、「オンラインでの登録の場合、…仮登録の状態にする。…初回の来所時に身元を確認してから本登録にする。」という要求があるため、
- 仮登録
- 本登録
の2状態をシステムが判別できるフィールドが必須です。
- したがって、事業所情報以外に追加すべきもう一つの情報は
「利用者が,仮登録か本登録かを識別する情報」
となります。
誤りやすいポイント
- 「QRコード」や「PIN」を追加属性と勘違いする。これらは生成物・手段であってマスタ属性ではありません。
- 既存マスタにある「状態区分(カード)」と混同し、同一視してしまう。刷新後はカード媒体が変わるため、利用者自身の登録状態を別途管理する必要があります。
- 追加は1項目だけだと思い込み、「事業所情報」以外を考慮しない。問題文は“二つある”と明言しています。
FAQ
Q: 利用者カードの「状態区分」で仮/本登録を判別できませんか?
A: いいえ。【問題文】でカードの状態は媒体の有効/無効を示すのみで、登録状態の管理要件とは別です。
A: いいえ。【問題文】でカードの状態は媒体の有効/無効を示すのみで、登録状態の管理要件とは別です。
Q: 「QRコード自体」をマスタに持たなくて良いのですか?
A: はい。QRコードは「利用者コードから生成」する運用で、保持すべきは生成元の利用者コードと登録状態です。
A: はい。QRコードは「利用者コードから生成」する運用で、保持すべきは生成元の利用者コードと登録状態です。
関連キーワード: 名寄せ, マスタ管理, フラグ設計, データ更新, 不正防止
設問3:〔利用者に関する情報の管理運用の見直し〕について,(1)~(3)に答えよ。
(2)オンラインでの利用者情報の登録について,(a)に入れる字句を答えよ。模範解答
a:法人番号
解説
解答の論理構成
- 企業マスタ刷新の方針
- 【問題文引用】「国税庁法人番号公表サイトで提供されている…法人に一つ指定される法人番号から構成される基本3情報(以下、法人情報という)」
- ここで企業名寄せのキーとして「法人番号」を採用する方針が示されています。
- オンライン登録時の要件
- 【問題文引用】「法人に所属する利用者の場合は、企業情報の入力をできる限り簡略化し、かつ所属企業との関連づけができるよう、(a) の入力を求める。」
- “簡略化”と“関連づけ”の両立には、一意識別子が最適 ⇒ 直前の方針から「法人番号」と結び付けられます。
- 結論導出
- 企業マスタのキーに合わせ、利用者入力項目も「法人番号」に統一することで、名寄せ・重複登録防止・作業負荷軽減の目的を満たします。
誤りやすいポイント
- 「企業コード」を入力させると誤読する
企業コードはA研究所内部で付番されるため、初回登録時に利用者が知ることはできません。 - 「企業名」や「所在地」を入力項目と考える
これらは表記ゆれ・同名異企業のリスクがあり、目的である“簡略化”に反します。 - 「法人番号」は個人事業者に存在しない
個人事業者向け登録では別フローになる点を見落とすと混乱します。
FAQ
Q: 個人事業者の場合は何を入力するのですか?
A: 個人事業者は「法人番号」が付与されないため、従来どおり企業情報を手入力して総合窓口で確認します。
A: 個人事業者は「法人番号」が付与されないため、従来どおり企業情報を手入力して総合窓口で確認します。
Q: 「法人番号」を入力しても企業名が誤っていたらどうなりますか?
A: 法人番号をキーにA研究所側で自動取得した「法人情報」を企業マスタに反映するため、名称の表記ゆれは自動的に解消されます。
A: 法人番号をキーにA研究所側で自動取得した「法人情報」を企業マスタに反映するため、名称の表記ゆれは自動的に解消されます。
Q: 法人番号は公開情報ですが、情報セキュリティ上の問題はありませんか?
A: 法人番号自体は公開識別子であり、個人情報ではないため取り扱いに大きな制約はありません。ただし付随する非公開属性を取り扱う際は適切な管理が必要です。
A: 法人番号自体は公開識別子であり、個人情報ではないため取り扱いに大きな制約はありません。ただし付随する非公開属性を取り扱う際は適切な管理が必要です。
関連キーワード: 法人番号, 名寄せ, 一意識別子, マスタ管理, QRコード
設問3:〔利用者に関する情報の管理運用の見直し〕について,(1)~(3)に答えよ。
(3)本文中の下線③の使用ルールとは何か。30字以内で述べよ。模範解答
他の利用者の利用者カードを借りて利用することの禁止
解説
解答の論理構成
- 下線③の文脈
「プラスチックの利用者カードを廃止して…電子化…このとき③電子化前の利用者カードの使用ルールを踏襲し」と記載。 - 電子化前の使用ルールはどこか
(3)利用者情報の登録…の段落に「同じ企業に所属する者であっても、他の利用者の利用者カードを借りて利用することは禁止している。」とある。 - よって下線③が指すルールは上記の禁止事項であると導ける。
誤りやすいポイント
- 「利用者カードを携帯し忘れた場合の再発行」をルールと思い込む
- 「本人確認を厳密にしない」点をルールと誤解する
- 使用ルールではなく発行ルール(個人単位発行)と混同する
FAQ
Q: QRコード化で本人確認は強化されるのですか?
A: 表示時にワンタイムのPIN入力を求めるため、紙カードよりなりすまし防止策が強化されます。
A: 表示時にワンタイムのPIN入力を求めるため、紙カードよりなりすまし防止策が強化されます。
Q: 企業単位でのカード共有は許されますか?
A: 【問題文】にある通り「同じ企業に所属する者であっても…借りて利用することは禁止」であり、電子化後も踏襲されます。
A: 【問題文】にある通り「同じ企業に所属する者であっても…借りて利用することは禁止」であり、電子化後も踏襲されます。
関連キーワード: 認証, QRコード, ワンタイムPIN, 本人確認, 情報管理