システムアーキテクト試験 2022年 午後1 問03
保険申込システムの再構築に関する次の記述を読んで、設問1~3に答えよ。
K社は、代理店や金融機関などを通じて保険商品を販売する大手生命保険会社である。K社は、金融機関で顧客に保険商品を販売する際の業務効率化、利便性向上を目的として、保険申込システムを見直し、新たな保険申込システム(以下、新システムという)を構築することにした。
〔現在の業務とK社の保険申込システムの概要〕
金融機関の窓口で保険商品を販売する職員(以下、募集人という)はK社の保険申込システム(以下、現行システムという)を利用し、業務を実施している。現在の業務と現行システムの概要は、次のとおりである。
(1) ニーズ喚起業務
募集人は、保険募集のコンプライアンス指針にのっとり、取扱いのある保険商品から顧客に最適なプランを考え、顧客に合った保険商品を提案する。
(2) 保険提案書作成業務
募集人は、現行システムを利用して保障内容や保険料などが記載されている保険提案書(以下、提案書という)を作成する。
現行システムに保険商品、生年月日、性別、保険期間と保険料の払込期間といった保険条件を入力し、これらの保険条件に合った保険料を試算し提案書を作成する。提案書を作成する際、一意となる提案書の番号(以下、提案書番号という)を現行システムが付与する。
作成した提案書を印刷して顧客に保障内容や留意事項を説明する。K社では、顧客に提案書を説明する際、必ず印刷して説明することにしている。
(3) 保険提案書再作成業務
募集人は、同じ顧客で同じ保険商品の提案書を過去に作成したことがある場合、作成済みの提案書の保険条件を利用して、新しい提案書を作成する。
現行システムを利用して新しい提案書の基となる提案書を検索し、その提案書を選択して再作成することで、元の提案書の保険条件を引き継いだ新規の提案書が作成される。
その提案書の保険条件を変更し、新しい提案書を印刷して顧客に説明する。K社では、提案書を再作成する際に①同じ提案書番号で保険条件が異なる印刷物がないようにしている。
(4) 保険申込書作成業務
募集人は、顧客から申込みがあった場合、現行システムを利用して保険申込書(以下、申込書という)を作成する。申込書には提案書番号が記載されており、申込書の基になった提案書の内容と不整合にならないようにしている。募集人は、印刷済みの提案書の提案書番号を現行システムに入力し、提案書の内容から申込書を作成する。作成した申込書を印刷し、必要書類として、保険商品ごとの重要事項説明書、引受判断に必要な健康状態を記載する告知書、保険条件が顧客の意向と一致していることを確認してもらうための意向確認書を準備する。
(5) 申込手続業務
募集人は、保険申込書作成業務で印刷した申込書、重要事項説明書、告知書、及び意向確認書を顧客に提示し、必要な項目の記入と署名を依頼して記入内容を確認する。申込書には、保険契約を結ぶ顧客(以下、契約者という)と、保険の対象になる顧客(以下、被保険者という)が署名する。契約者と被保険者が別人の契約では、被保険者が同意した上で、契約者と被保険者それぞれが署名する必要がある。必要な項目の記入完了後、顧客控え書類を顧客に手渡しする。また、保険料の口座振替依頼書の記入を依頼して記入内容を確認する。
申込書を作成開始してから申込手続業務を完了するまでの時間を手続所要時間と呼ぶ。
(6) 申込手続事後業務
募集人は、申込手続業務完了後、契約時の確認内容や特記事項を取扱報告書に記入する。募集人は、責任者に申込書、告知書、意向確認書、及び取扱報告書を確認してもらう。責任者は、書類一式の内容をチェックし、問題がない場合はK社に郵送する。
(7) 契約手続業務
K社は、郵送された書類の内容を契約管理システムに入力する。入力した内容を査定し、問題がない場合は、保険証券を契約者に郵送する。現在の業務では、申込書を作成開始してからK社へ書類一式が到着し、契約管理システムに入力するまでの時間を申込書到着所要時間と呼ぶ。
〔新システムへの要望〕
新システムに対して、次のような要望が出された。
・タブレット端末で提案書を作成したり、保障内容などを顧客に説明したりできるようにしたい。
・申込書や告知書の作成で、顧客が入力する必要がある内容をタブレット端末で入力して手続(以下、ペーパレス手続という)できるようにしてほしい。ただし、顧客の希望によって書面での手続(以下、書面手続という)もできるようにしてほしい。また、ペーパレス手続の場合、手続の途中でも書面手続に切り替えられるようにしたいが、告知書に署名した後は、切り替えられないようにしてほしい。
・ペーパレス手続の場合、画面上で自署した筆跡を電子書類として保存したい。電子書類のうち顧客控え書類は、申込手続完了後に募集人が印刷して、顧客に手渡しする。そのため、顧客控え書類は、顧客が自署した画面と同様のレイアウトにしてほしい。また、保存する電子書類の真正性を確保するために、顧客控え書類に改ざん検知の仕組みを導入してほしい。
・申込手続事後業務の責任者の承認をシステムで支援してほしい。
・責任者が書類の記載内容をチェックして不備があった場合、対応に時間が掛かっているので、②その不備対応の時間を短縮したい。
・取扱報告書をシステムで入力できるようにしてほしい。書類では、募集人と責任者の押印をしている。システムでは、募集人名と責任者名を画面に表示してほしい。
・契約手続業務を効率化するために、ペーパレス手続の場合、顧客の申込手続と募集人の取扱報告入力、責任者承認の全ての手続が完了した後、申込書の内容をデータとイメージファイルの両方で契約管理システムに連携してほしい。
・ペーパレス手続の場合、手続の状態(以下、申込ステータスという)が画面で分かるようにしてほしい。
・保険料の払込方法として、口座振替かクレジットカード決済を選択できるようにしたい。また、申込時に払込方法の登録手続を電子的に完了できるようにしたい。
・③手続を円滑に進めるために募集人が手続の順番を把握できるようにしてほしい。
・保険申込の実績を集計したい。提案書作成件数、申込書作成件数、ペーパレス手続選択件数を知りたい。また、新システムでペーパレス化したことに伴う効率化の効果も知りたいので、当月にペーパレス手続で申込手続業務が完了した申込の-
・手続所要時間の平均と、当月に契約管理システムに連携が完了した申込の申込書到着所要時間の平均を算出してほしい。
〔新システムで実装する機能〕
新システムは、新システムへの要望を全て満たした上で、タブレット端末からも利用可能にする。新システムの機能概要を表1に示す。

保険申込システムの再構築に関する次の記述を読んで、設問1~3に答えよ。
設問1
〔現在の業務とK社の保険申込システムの概要〕について,本文中の下線①のようにしている理由を業務上の観点から40字以内で述べよ。模範解答
申込書と基になった提案書の内容が不整合にならないようにしているから
解説
解答の論理構成
- 問題文の事実確認
- 現行システムの保険提案書再作成業務では「①同じ提案書番号で保険条件が異なる印刷物がないようにしている。」
- 保険申込書作成業務では「申込書には提案書番号が記載されており、申込書の基になった提案書の内容と不整合にならないようにしている。」
- 提案書番号の役割
- 提案書番号は提案フェーズから申込フェーズまで一貫して利用される識別子。
- 異なる保険条件の印刷物が同一番号で存在すると、後続の申込書や告知書と内容照合できずリスクが生じる。
- 業務上の影響
- 顧客説明・契約成立後の苦情対応、監査対応で整合性が取れないとコンプライアンス違反。
- 不整合防止こそが番号重複を禁じる直接の理由であり、設問の答えとなる。
誤りやすいポイント
- 「番号重複=システム障害防止」とだけ捉え、後続書類の整合性という業務的視点を漏らす。
- 「同じ顧客・同じ商品だから番号を変えない」と誤読し、再作成後の新番号付与ルールを見逃す。
- 設問が求めるのは“理由”であり、“方法”や“仕組み”を説明してしまう。
FAQ
Q: なぜ番号を変えずに内容だけ変更しないのですか?
A: 「同じ提案書番号で保険条件が異なる印刷物」が出ると、後続の申込書で内容が食い違い、契約ミスや改ざん疑義を招くためです。
A: 「同じ提案書番号で保険条件が異なる印刷物」が出ると、後続の申込書で内容が食い違い、契約ミスや改ざん疑義を招くためです。
Q: 電子化された新システムでは同じ問題は起きませんか?
A: 電子化しても提案書番号はキー情報として残ります。バージョン管理や改ざん検知を行い、番号‐内容の一意性を維持する必要があります。
A: 電子化しても提案書番号はキー情報として残ります。バージョン管理や改ざん検知を行い、番号‐内容の一意性を維持する必要があります。
Q: もし提案書を作り直したい場合はどうしますか?
A: 既存提案書を検索し「再作成」すると新たな提案書番号が採番され、元の番号を流用しない運用です。
A: 既存提案書を検索し「再作成」すると新たな提案書番号が採番され、元の番号を流用しない運用です。
関連キーワード: データ整合性, トレーサビリティ, バージョン管理, コンプライアンス
設問2:新システムの設計について(1)~(4)に答えよ。
ペーパレス手続から書面手続に切替え可能な状況にある申込書データの申し込みステータスを表1中の字句を用いて全て答えよ。模範解答
解説
設問2:新システムの設計について(1)~(4)に答えよ。
(1)ペーパレス手続から書面手続に切替え可能な状況にある申込書データの申し込みステータスを表1中の字句を用いて全て答えよ。模範解答
“ペーパレス手続選択済”,“申込確認済”,“申込書入力済”
解説
解答の論理構成
- 書面切替え可否条件の読み取り
- 【問題文】「…手続の途中でも書面手続に切り替えられるようにしたいが、告知書に署名した後は、切り替えられないようにしてほしい。」 ⇒ 告知書署名前までが対象。
- 告知書署名に対応するステータスの特定
- 表1「告知手続」の説明に「告知手続の完了後、…申込ステータスを"告知手続完了"とする。」
⇒ “告知手続完了” 以降は切替え不可。
- 表1「告知手続」の説明に「告知手続の完了後、…申込ステータスを"告知手続完了"とする。」
- 告知手続開始までに到達するステータスを抽出
- 表1の流れ
① “ペーパレス手続選択済”
② “申込確認済”
③ “申込書入力済”
④ “告知手続完了” - ①〜③はいずれも告知書署名前。
- 表1の流れ
- 申込ステータスを正確に列挙
⇒ “ペーパレス手続選択済”,“申込確認済”,“申込書入力済”。
誤りやすいポイント
- “告知手続完了” を含めてしまう。告知書署名後なので条件外です。
- “払込方法選択済” 以降を選ぶミス。これらは告知完了後の工程です。
- ステータス名を略記・誤記する。設問は「表1中の字句を用いて」と明示しています。
FAQ
Q: “承認待ち” は告知書署名後でも切替え不可ですか?
A: はい。“承認待ち” は “取扱報告書作成済” 後に遷移するため、既に告知書署名を終えています。切替え不可です。
A: はい。“承認待ち” は “取扱報告書作成済” 後に遷移するため、既に告知書署名を終えています。切替え不可です。
Q: “ペーパレス手続選択済” 直後に書面へ変更したら、申込ステータスはどうなりますか?
A: 書面へ変更する実装詳細は問題文に明示されていませんが、少なくとも“ペーパレス手続選択済” からペーパレス固有フローを離脱し、書面手続のフローへ遷移する想定です。
A: 書面へ変更する実装詳細は問題文に明示されていませんが、少なくとも“ペーパレス手続選択済” からペーパレス固有フローを離脱し、書面手続のフローへ遷移する想定です。
Q: もし顧客が“申込書入力済” 段階で訂正を要求した場合も書面切替えは可能ですか?
A: 可能です。告知書への署名はまだ行われていないため、問題文の条件を満たします。
A: 可能です。告知書への署名はまだ行われていないため、問題文の条件を満たします。
関連キーワード: ワークフロー管理, 状態遷移, ペーパレス化, 電子署名, コンプライアンス
設問2:新システムの設計について(1)~(4)に答えよ。
(2)改ざん検知を考慮した設計が必要な新システムの機能を、表1中の機能名を用いて全て答えよ。模範解答
申込書入力,告知手続
解説
解答の論理構成
- 改ざん検知が要求される対象を特定
- 要望より引用:
「顧客控え書類に改ざん検知の仕組みを導入してほしい。
」
⇒ 改ざん検知は“顧客控え書類”に対してのみ必要。
- 要望より引用:
- 顧客控え書類を生成する機能を抽出
- 表1「申込書入力」:
「署名完了後、顧客控え用の申込書を作成、保存する。
」 - 表1「告知手続」:
「署名完了後、顧客控え用の告知書を作成、保存する。
」
- 表1「申込書入力」:
- 他機能の確認
- 「書類印刷」は既存の電子書面を出力するだけで新規作成しない。
- 「取扱報告書作成」は“顧客控え”の記載がなく内部向け。
よって改ざん検知を要する機能は該当せず。
- 結論
改ざん検知を考慮した設計が必要なのは「申込書入力」「告知手続」で確定。
誤りやすいポイント
- 「書類印刷」が関係すると勘違いする
⇒ 印刷のみで電子保存を行わないので対象外。 - 「取扱報告書作成」も署名が絡むので必要と思い込む
⇒ 顧客控え書類ではなく、改ざん検知要件が記載されていない。 - “電子書類=すべて改ざん検知”と短絡的に考える
⇒ 要件範囲(顧客控え書類)を読まないと誤答。
FAQ
Q: どのタイミングで改ざん検知を付与すれば良いですか?
A: 表1の手順どおり「署名完了後、顧客控え用の○○書を作成、保存する」瞬間にハッシュ値計算や電子署名を付与します。
A: 表1の手順どおり「署名完了後、顧客控え用の○○書を作成、保存する」瞬間にハッシュ値計算や電子署名を付与します。
Q: 改ざん検知の代表的な実装方法は?
A: ハッシュ値+タイムスタンプ、あるいは電子署名(公開鍵基盤)を用いて真正性を担保する方法が一般的です。
A: ハッシュ値+タイムスタンプ、あるいは電子署名(公開鍵基盤)を用いて真正性を担保する方法が一般的です。
Q: 「ペーパレス手続メニュー」自体には改ざん検知は不要ですか?
A: はい。メニューは手続きの制御用画面であり顧客控え書類を生成・保存しないため、改ざん検知の対象外です。
A: はい。メニューは手続きの制御用画面であり顧客控え書類を生成・保存しないため、改ざん検知の対象外です。
関連キーワード: 電子署名, ハッシュ値, ペーパレス, 電子書類, 真正性
設問2:新システムの設計について(1)~(4)に答えよ。
(3)本文中の下線②の不備対応時間の短縮を考慮して設計した新システムの機能を表1中の機能名を用いて全て答えよ。また,考慮した内容を20字以内で述べよ。模範解答
機能名:申込確認,申込書入力,告知手続,取扱報告書作成
内容:入力内容をチェックすること
解説
解答の論理構成
- 要望の確認
- 新システムへの要望では「②その不備対応の時間を短縮したい。」と示されています。
- 不備発生の主原因
- 手入力ミスや確認漏れが原因で書類に不備が残ると責任者チェック後に差戻しが発生し時間を浪費します。
- 機能仕様の照合
- 表1「申込確認」:
「顧客が確認をして入力できるようにする。入力時に入力内容をチェックし、確認漏れがある場合は画面に表示する。」 - 表1「申込書入力」:
「入力時に入力内容をチェックし、誤りがある場合は、画面にその内容を表示する。」 - 表1「告知手続」:
「入力時に入力内容をチェックし、誤りがある場合は、画面にその内容を表示する。」 - 表1「取扱報告書作成」:
「入力時に入力内容をチェックし、誤りがある場合は、画面にその内容を表示する。」
- 表1「申込確認」:
- 不備削減メカニズム
- すべての入力画面で即時バリデーションを実施し誤りをその場で修正できるため,後工程での差戻しが激減→「不備対応時間の短縮」を達成します。
- 以上より,列挙すべき機能名と20字以内の内容は「入力内容をチェックすること」と結論づけられます。
誤りやすいポイント
- 「書類印刷」や「申込書承認」にも品質向上効果があると誤解し列挙してしまう。入力チェックが記載されていないため不正解です。
- 要件「②」を“責任者承認機能”と短絡し,「申込書承認」だけを書いてしまう。根本的な不備発生箇所(入力段階)に注目できていないミスです。
- 20字以内の考慮内容を長文で書き減点される。
FAQ
Q: 「申込書承認」を含めないのはなぜですか?
A: 「申込書承認」は責任者が承認する機能であり表1に入力チェックの記述がありません。不備対応時間を直接短縮する仕組みではないため対象外です。
A: 「申込書承認」は責任者が承認する機能であり表1に入力チェックの記述がありません。不備対応時間を直接短縮する仕組みではないため対象外です。
Q: 「ペーパレス手続メニュー」は列挙不要ですか?
A: メニュー自体は作業順序制御の機能であり入力チェックの記述がないため今回の「不備対応時間短縮」を目的とした回答には含めません。
A: メニュー自体は作業順序制御の機能であり入力チェックの記述がないため今回の「不備対応時間短縮」を目的とした回答には含めません。
Q: 20字以内の考慮内容は他の表現でも良いですか?
A: 「入力時のリアルタイムチェック」など同義で20字以内なら許容されますが,模範解答は「入力内容をチェックすること」です。
A: 「入力時のリアルタイムチェック」など同義で20字以内なら許容されますが,模範解答は「入力内容をチェックすること」です。
関連キーワード: 入力バリデーション, ワークフロー, エラーハンドリング, 業務効率化
設問2:新システムの設計について(1)~(4)に答えよ。
(4)本文中の下線③の要望を考慮して設計した新システムの機能を表1中の機能名を用いて答えよ。また,考慮した内容を25字以内で述べよ。模範解答
機能名:ペーパレス手続メニュー
内容:次に実施すべき作業メニューだけ活性化すること
解説
解答の論理構成
- 下線③の要望確認
- 【問題文】に「③手続を円滑に進めるために募集人が手続の順番を把握できるようにしてほしい。」と記載。
- 必要機能:募集人が今どの工程かを視覚的に認識できる仕組み。
- 表1で該当する機能を探索
- 「ペーパレス手続メニュー」の説明に「・ペーパレス手続が選択された申込書データに対して、実施すべき作業のメニューを画面に表示する。」
- 同じ箇所で「・次に実施すべき作業メニューだけ活性化する。」と明記。
- 要望との整合
- 活性化済みメニューは「次に行う工程」を示すため、募集人は自然に手続の順番を把握でき、要望③を満たす。
- したがって
- 解答は機能名「ペーパレス手続メニュー」。
- 考慮内容は25字以内で「次に実施すべき作業メニューだけ活性化すること」。
誤りやすいポイント
- 「申込ステータス表示」で答えてしまう
→ステータスは状況を示すだけで“順番のガイド”とは別。 - 「書類印刷」や「申込確認」など、画面を伴う他機能を選択
→表1本文に「順番」や「活性化」の記述がない。 - 考慮内容で「手続の順番を把握」など問題文をそのまま引用
→25字以内にまとめられず減点対象。
FAQ
Q: 「申込ステータスを画面で分かるように」との要望は無視して良い?
A: 要望③専用の回答を求められており、ステータス表示は別要望の対応なので本設問では使いません。
A: 要望③専用の回答を求められており、ステータス表示は別要望の対応なので本設問では使いません。
Q: 25字以内に数字も含める?
A: 25字カウントは日本語文字数であり、数字や句読点も1字として数えます。
A: 25字カウントは日本語文字数であり、数字や句読点も1字として数えます。
Q: 活性化と非活性化の切替ロジックも説明すべき?
A: 設問は「考慮した内容」の概要を求めているため、「次に実施すべき作業メニューだけ活性化」と記載すれば十分です。
A: 設問は「考慮した内容」の概要を求めているため、「次に実施すべき作業メニューだけ活性化」と記載すれば十分です。
関連キーワード: ワークフロー制御, 画面遷移設計, UIガイド, 状態管理
設問3:実績集計機能について,1),(2)に答えよ。
(1)表1中の下線④は,どのような値を算出すればよいか。表1中の機能概要中の字句を用いて40字以内で述べよ。模範解答
差払込方法選択日時が当月である申込書データの,払込方法選択日時と申込日時の差
解説
解答の論理構成
- 開始時刻の特定
【問題文】「申込書作成 … 申込書データの申込日付を登録し、申込日付を登録した際の日時を示す。」
ここで“申込日付”が申込手続開始時刻となる。 - 完了時刻の特定
【問題文】「払込方法選択 … 払込方法選択の完了後、申込書データの払込方法選択日時を完了した際の日時に…」
“払込方法選択日時”が申込手続完了時刻となる。 - 手続所要時間の定義
【問題文】「申込書を作成開始してから申込手続業務を完了するまでの時間を手続所要時間と呼ぶ。」
よって手続所要時間=払込方法選択日時−申込日付。 - 当月条件の付加
【問題文】「④当月に申込手続業務が完了した申込の手続所要時間…を収集」
完了判定の基準となる“払込方法選択日時”が当月に含まれる申込書データを抽出する。 - 以上より算出対象は
「払込方法選択日時が当月の申込書データの,払込方法選択日時と申込日付の差」
誤りやすいポイント
- 完了時刻を“告知手続完了日時”や“取扱報告書作成日時”と勘違いする
- 開始時刻を“申込確認日時”や“申込書入力日時”と取り違える
- 「当月」の判定を“申込日付”で行ってしまう
- 機能概要にない語句(例:開始日時)を使ってしまい減点される
FAQ
Q: なぜ“払込方法選択日時”が完了時刻なのですか?
A: 【問題文】で“払込方法選択”が顧客側の最後の手続であり,完了後にステータスが"払込方法選択済"になります。この時点で“申込手続業務”が終わると読み取れます。
A: 【問題文】で“払込方法選択”が顧客側の最後の手続であり,完了後にステータスが"払込方法選択済"になります。この時点で“申込手続業務”が終わると読み取れます。
Q: “申込到着所要時間”と混同しないコツは?
A: “申込到着所要時間”は②で別に定義され,「契約管理システムに連携が完了した申込」が対象です。④は「申込手続業務が完了した申込」なので条件もタイムスタンプも異なります。
A: “申込到着所要時間”は②で別に定義され,「契約管理システムに連携が完了した申込」が対象です。④は「申込手続業務が完了した申込」なので条件もタイムスタンプも異なります。
Q: 文字列は完全に同じでないといけませんか?
A: はい。「払込方法選択日時」「申込日付」など表1に記載された字句をそのまま引用する必要があります。
A: はい。「払込方法選択日時」「申込日付」など表1に記載された字句をそのまま引用する必要があります。
関連キーワード: タイムスタンプ, 申込ステータス, データ抽出, KPI, ペーパレス
設問3:実績集計機能について,1),(2)に答えよ。
(2)表中の下線⑤は,どのような値を算出すればよいか。表1中の機能概要中の字句を用いて35字以内で述べよ。模範解答
連携日時が当月である申込書データの,連携日時と申込日時の差
解説
解答の論理構成
- 対象データの特定
- 【問題文】表1「申込書データ連携」に「連携後、申込書データの連携日時を連携した際の日時にする」とあり,連携が完了した時点を示すタイムスタンプが取得できます。
- 差を取る2つの時刻
- 同じく表1「申込書作成」に「申込日付を登録し、申込日付を登録した際の日時を示す」と明示され,申込開始時点の時刻も保持できます。
- 実績集計で求める指標
- 【問題文】表1「実績集計」に「②当月に契約管理システムに連携が完了した申込の申込書到着所要時間」を収集とあるため,当月かつ連携完了済みのレコードに限定し,(連携日時 − 申込日時) を算出することが要件となります。
誤りやすいポイント
- 「告知手続完了日時」や「承認日時」と取り違え,誤った差分を計算してしまう。
- 当月判定を「申込日時」ではなく「連携日時」で行う必要がある点を見落とす。
- ペーパレス限定指標④と混同し,書面手続データまで含めて集計してしまう。
FAQ
Q: 書面手続で連携された申込書も対象に含めるのですか?
A: いいえ。下線⑤は「②…連携が完了した申込」を対象と明示しており,手続種別の指定はありませんが,実装上は“連携日時”が存在するレコードのみを抽出するのでペーパレス・書面の区別は不要です。
A: いいえ。下線⑤は「②…連携が完了した申込」を対象と明示しており,手続種別の指定はありませんが,実装上は“連携日時”が存在するレコードのみを抽出するのでペーパレス・書面の区別は不要です。
Q: 「申込書到着所要時間」と「手続所要時間」の違いは?
A: 申込書到着所要時間は「申込書作成開始から契約管理システム連携まで」の間隔で,開始時刻に相当するのが申込日時,終了時刻が連携日時です。一方,手続所要時間は「申込書作成開始から申込手続業務完了まで」の間隔となります。
A: 申込書到着所要時間は「申込書作成開始から契約管理システム連携まで」の間隔で,開始時刻に相当するのが申込日時,終了時刻が連携日時です。一方,手続所要時間は「申込書作成開始から申込手続業務完了まで」の間隔となります。
関連キーワード: タイムスタンプ管理, 所要時間算出, 履歴データ抽出, 月次バッチ, KPI評価