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システムアーキテクト試験 2022年 午前208


ある購買システムの開発において、開発者が行った探索的テストの例として、適切なものはどれか。
過去に購買システムを開発した経験に基づいて、入力項目間の関連チェックの不備を検出できそうなデータパターンを推測し、テストケースを事前に作成してテストした。
数量の範囲に応じて適用する商品価格が正しいかどうかを確認するために、各範囲の数量の中央の値を用いたテストケースを作成してテストした。
組織変更の前後で組織名が正しく印刷されるかどうかを確認するために、新組織の有効開始日とその前日とを発注日とするテストケースを事前に作成してテストした。
入力値の組合せが無効なときは伝票を作成しないことを確認するために、幾つかの代表的な入力値の組合せをテストし、その結果に基づいて次のテストケースを作成してテストを繰り返した。(正解)

解説

ある購買システムの開発における探索的テストの例【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:探索的テストは事前に詳細なテストケースを作成せず、実行しながらテストケースを動的に設計・修正する手法です。
  • 根拠:選択肢エはテスト結果を踏まえて次のテストケースを作成し繰り返す点で、探索的テストの特徴をよく表しています。
  • 差がつくポイント:探索的テストは経験や直感を活かし、柔軟にテストを進めるため、事前に固定されたテストケースに依存しない点を理解しましょう。

正解の理由

選択肢エは「幾つかの代表的な入力値の組合せをテストし、その結果に基づいて次のテストケースを作成してテストを繰り返した」とあります。これは探索的テストの本質である「テストを実行しながら学習し、テストケースを動的に設計・改善する」方法に合致します。事前に詳細なテストケースを作成せず、テストの結果を活かして次のテストを計画するため、探索的テストの典型例です。

よくある誤解

探索的テストは「テストケースを全く作らない」わけではなく、必要に応じてテストケースを動的に作成・修正しながら進める点が重要です。

解法ステップ

  1. 探索的テストの定義を確認する(事前に詳細なテストケースを作らず、実行しながら設計する)。
  2. 各選択肢のテスト方法を読み、事前に固定されたテストケースか動的に作成しているかを判別する。
  3. 事前にテストケースを作成している選択肢(ア、イ、ウ)は探索的テストではないと判断する。
  4. テスト結果を踏まえて次のテストケースを作成し繰り返す選択肢エが探索的テストの特徴に合致するため正解とする。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 過去の経験に基づき事前にテストケースを作成しているため、探索的テストではなく計画的テスト。
  • イ: 数量範囲の中央値を用いたテストケースを事前に作成しているため、探索的テストではない。
  • ウ: 組織変更前後のテストケースを事前に作成しているため、探索的テストの特徴を満たさない。
  • エ: テスト結果に基づき次のテストケースを動的に作成し繰り返すため、探索的テストの典型例。

補足コラム

探索的テストは、仕様が不明確な段階や短期間でのテストが求められる場合に有効です。テスターの経験や直感を活かし、テストの網羅性よりも問題発見を優先します。テスト設計と実行を同時に行うため、柔軟かつ迅速な対応が可能です。

FAQ

Q: 探索的テストはテストケースを全く作らないのですか?
A: いいえ。探索的テストでは初期のテストケースは簡単に作成しますが、テスト実行中に結果を踏まえて動的に追加・修正します。
Q: 探索的テストはどんな場面で効果的ですか?
A: 仕様が不明確な初期段階や、短期間で問題を発見したい場合に特に効果的です。

関連キーワード: 探索的テスト, テスト設計, 動的テストケース, ソフトウェアテスト, テスト自動化
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