システムアーキテクト試験 2022年 午前207


既存システムを基に、新システムのモデル化を行う場合のDFD作成の手順として、適切なものはどれか。
現物理モデル→現論理モデル→新物理モデル→新論理モデル
現物理モデル→現論理モデル→新論理モデル→新物理モデル(正解)
現論理モデル→現物理モデル→新物理モデル→新論理モデル
現論理モデル→現物理モデル→新論理モデル→新物理モデル

解説

既存システムを基にした新システムのDFD作成手順【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:DFD作成は「現物理モデル→現論理モデル→新論理モデル→新物理モデル」の順が適切です。
  • 根拠:現物理モデルから現論理モデルへ抽象化し、次に新システムの論理設計を行い、最後に物理設計へ落とし込む流れが合理的です。
  • 差がつくポイント:物理モデルと論理モデルの違いを理解し、抽象化と具体化の順序を正しく把握することが重要です。

正解の理由

選択肢イの手順は、まず既存システムの現物理モデル(実際のハードウェアやネットワーク構成など具体的な構成)を把握し、そこから現論理モデル(業務フローやデータの流れなど抽象的な設計)に抽象化します。次に新システムの論理モデルを設計し、最後に新物理モデルとして具体的なシステム構成に落とし込みます。この流れは、システムの本質を理解しつつ段階的に設計を進めるため、最も合理的で実務的です。

よくある誤解

物理モデルと論理モデルの順序を逆に考え、具体的設計から抽象設計へ進める誤りが多いです。抽象化を飛ばすと設計の整合性が取れません。

解法ステップ

  1. 既存システムの現物理モデルを詳細に把握する。
  2. 現物理モデルから現論理モデルへ抽象化し、業務やデータの流れを整理する。
  3. 新システムの論理モデルを設計し、業務要件に合致したデータフローを定義する。
  4. 新論理モデルを基に新物理モデルを作成し、具体的なシステム構成を決定する。

選択肢別の誤答解説ステップ

  • ア: 現物理→現論理→新物理→新論理は、物理設計を先に行い論理設計を後にするため設計の整合性が取れません。
  • : 正解。抽象化と具体化の順序が正しく、設計の流れとして最適です。
  • ウ: 現論理→現物理→新物理→新論理は、既存システムの把握段階で物理モデルを後回しにし、設計の順序が逆転しています。
  • エ: 現論理→現物理→新論理→新物理も同様に、既存システムの理解が不十分なまま進めるため誤りです。

補足コラム

DFD(Data Flow Diagram)はシステムのデータの流れを視覚的に表現する手法で、論理モデルは業務やデータの流れを抽象的に示し、物理モデルは実際のシステム構成やハードウェアを具体的に示します。設計の基本は抽象化(論理設計)から具体化(物理設計)へ段階的に進めることです。

FAQ

Q: なぜ現物理モデルから現論理モデルへ抽象化するのですか?
A: 既存システムの具体的な構成を理解した上で、業務やデータの本質を整理し、設計の基盤を作るためです。
Q: 新論理モデルと新物理モデルの違いは何ですか?
A: 新論理モデルは業務要件に基づく抽象的な設計で、新物理モデルはそれを実現するための具体的なシステム構成を示します。

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