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システム監査技術者 2011年 午前2 問20


問題文

手順に示す処理を行ったとき、検証できることはどれか。
〔手順〕 (1) 送信者Aはファイルのハッシュ値を計算して、信頼できる第三者機関に送信する。 (2) 第三者機関は、信頼できる日時を保持しており、受信したハッシュ値とその受信日時を結合し(結合データ)、そのディジタル署名を生成し、ディジタル署名と結合データの組(ディジタル署名済みの結合データ)を送信者Aに返信する。 (3) 送信者Aはファイルと第三者機関から送られてきたディジタル署名済みの結合データを受信者Bに送信する。 (4) 受信者Bは第三者機関のディジタル署名を確認し、ファイルから計算したハッシュ値と、ディジタル署名済みの結合データから取り出されたハッシュ値を照合する。そして、結合データから取り出された日時を確認する。

選択肢

ア:当該日時でのファイルの存在と、それ以降にファイルが改ざんされていないこと(正解)
イ:当該日時に受信者Bにファイルが到達したこと
ウ:当該日時に送信者Aが受信者Bにファイルを送信したこと
エ:当該日時にファイルが作成されたこと

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タイムスタンプの検証【午前2解説】

正解の理由

この手順では、第三者機関がファイルのハッシュ値と信頼できる日時を結合し、そのデータにディジタル署名を付けています。
受信者Bは、第三者機関の署名が正しいことと、受信したファイルから計算したハッシュ値が署名済みのデータに含まれるハッシュ値と一致することを確認します。これにより、その日時に、受信したファイルと同じ内容のファイルが存在していたこと、そしてその日時以降、受信したファイルの内容が変わっていないことを検証できます。
したがって、正しいのはアです。

解法ステップ

  1. 第三者機関が、ファイルそのものではなくファイルのハッシュ値を受け取ります。
  2. 第三者機関はハッシュ値に信頼できる日時を付け、ディジタル署名を行います。
  3. 受信者Bは署名を確認し、ファイルから計算したハッシュ値と、署名済みデータのハッシュ値を照合します。
  4. ハッシュ値が一致すれば、確認した日時にそのファイルと同じ内容が存在し、以降に内容が変更されていないと判断できます。

選択肢別の誤答解説

  • ア:正解です。タイムスタンプとハッシュ値の照合によって、当該日時に同じ内容のファイルが存在したこと、および以降に改ざんされていないことを検証できます。
  • イ:日時は第三者機関がハッシュ値を受信した日時です。受信者Bにファイルが届いた日時を示すものではありません。
  • ウ:送信者Aが受信者Bへファイルを送信した日時を直接証明する仕組みではありません。送信の事実や時刻を証明するには、別の仕組みが必要です。
  • エ:証明できるのは、その日時にファイルが存在していたことです。ファイルがその日時に作成されたとは限りません。作成後、時間がたってからタイムスタンプを取得した可能性もあります。

よくある誤解

  • タイムスタンプの日時を、受信者に届いた日時だと考える
    この日時は、第三者機関がハッシュ値を受け取った日時です。ファイルの送受信時刻とは区別しましょう。
  • ファイルの作成日時を証明できると考える
    タイムスタンプが示すのは、その時点でファイルの内容が存在したことです。作成した瞬間までは証明しません。
  • 第三者機関がファイルの中身を確認していると考える
    手順では、第三者機関が受け取るのはハッシュ値です。ファイル本体の内容を確認する必要はありません。

補足コラム

この仕組みは、一般にタイムスタンプと呼ばれます。ハッシュ値によってファイルの内容を識別し、第三者機関のディジタル署名によって日時情報の信頼性を確保します。
ファイルの内容が少しでも変わると、通常はハッシュ値も変わります。そのため、受信者はタイムスタンプ取得時の内容と受信したファイルの内容を照合できます。なお、この確認はハッシュ関数やディジタル署名が安全であることを前提としています。

FAQ

Q. ファイル本体を第三者機関に送らなくても、存在を証明できるのですか?
A. はい。第三者機関が署名したハッシュ値と、後からファイルから計算したハッシュ値が一致すれば、そのファイルと同じ内容が当該日時に存在したことを確認できます。
Q. タイムスタンプがあれば、誰がファイルを作ったかも分かりますか?
A. いいえ。この手順だけでは、ファイルの作成者や作成日時は証明できません。確認できるのは、当該日時にその内容が存在したことです。

関連キーワード: タイムスタンプ、ハッシュ値、ディジタル署名、第三者機関、改ざん検知
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