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システム監査技術者試験 過去問・解説一覧

年度・セッション別のシステム監査技術者試験過去問題集


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システム監査技術者試験の過去問演習について

本ページではシステム監査技術者試験の過去問を年度・セッション別に計425問収録しています。システム監査技術者試験は過去問演習が合格への最短ルートです。年度別・セッション別の問題リストから自由に問題を選び、解答・解説を確認できます。

スマートフォンにも最適化されているため、通勤・通学などのスキマ時間学習にも活用してください。システム監査技術者試験の試験概要・出題形式・難易度・合格率の推移は、このページ下部にまとめて掲載しています。

2027年度の試験制度の見直し:システム監査技術者試験は、2027年度からプロフェッショナルデジタルスキル試験に再編される予定です(IPAの検討状況)。 出題範囲の重なる新試験の予想問題も、現行の過去問から解けます。

  • PD-M(マネジメント)の予想問題 →

システム監査技術者試験(AU)とは

システム監査技術者試験(AU)は、高い倫理観の下、監査対象から独立かつ客観的な立場で情報システムや組込みシステムを総合的に検証・評価し、ガバナンス・マネジメント・コントロールの適切性について保証を与えたり、改善のための助言を行ったりする人を対象としたレベル4(最上位)の国家試験です。シラバスVer.6.2は、経済産業省の「システム監査基準」「システム管理基準」に沿って、監査の計画・実施・報告・監査業務の管理までの流れで構成されています。
項目内容
区分AU
レベルレベル4
実施方式CBT方式(令和8年度〜)
実施時期後期(2027年2〜3月)※年1回。2026年度で終了予定
試験科目科目A-1 / 科目A-2 / 科目B-1 / 科目B-2(旧:午前Ⅰ/午前Ⅱ/午後Ⅰ/午後Ⅱ)
公式情報IPA公式ページ
シラバスシラバスVer.6.2

特徴・概要

  • 情報システムや組込みシステムと、その企画・開発・運用・保守・廃棄のプロセスに関わるリスクを分析し、必要なコントロールを検証・評価する。
  • コントロールの検証・評価を通じて保証を与え、又は改善のための助言を行い、組織体の目標達成や利害関係者への説明責任に寄与する。
  • リスクに基づいて中長期・年度・個別の監査計画を策定し、監査を実施する。
  • 監査証拠に基づいて監査の結論を形成し、監査報告書にまとめてトップマネジメントや関係者に報告する。
  • 改善提案のフォローアップを行い、監査業務の品質の確保と改善に取り組む。

試験の形式・出題構成・採点方式

システム監査技術者試験(AU)は、令和8年度(2026年度)試験からCBT(Computer Based Testing)方式へ移行し、従来の「午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱ」がそれぞれ「科目A-1・科目A-2・科目B-1・科目B-2」へ名称変更されました。出題形式・出題数・試験時間は従来から変更ありません。
試験科目旧名称時間出題形式・構成
科目A-1午前Ⅰ50分多肢選択式(四肢択一)30問。情報技術の共通知識。一定条件で免除可
科目A-2午前Ⅱ40分多肢選択式(四肢択一)25問。システム監査分野の専門知識
科目B-1午後Ⅰ90分記述式。3問出題・2問選択
科目B-2午後Ⅱ120分論述式(論文)。2問出題・1問選択
採点・合格基準: 科目A-1・科目A-2・科目B-1はいずれも100点満点で60点以上が基準点。科目B-2(論述式)は評価ランクA〜DのうちランクAのみ合格。科目A-1→A-2→B-1→B-2の順に採点され、いずれかが基準を満たさないと、その時点で不合格(以降は採点されない)。
科目A-1免除制度: 応用情報技術者試験の合格者や、過去2年以内に高度試験・支援士試験の科目A-1(旧午前Ⅰ)で基準点を満たした受験者などは、申請により科目A-1が免除されます。

対象者像・求められる知識と技能

対象者像

IPAは対象者像を「高度IT人材として確立した専門分野をもち、高い倫理観の下、監査対象から独立かつ客観的な立場で、情報システムや組込みシステムを総合的に検証・評価して、監査報告の利用者に情報システムのガバナンス、マネジメント、コントロールの適切性などに対する保証を与える、又は改善のための助言を行う者」としています。内部監査部門や監査法人のシステム監査担当者のほか、ITガバナンスや内部統制に関わる人が主な受験者層です。

求められる主な能力・役割

  • 情報システムや組込みシステムに係るリスクを分析し、必要なコントロールを検証・評価する力
  • 業務プロセスや企業戦略上のリスクを評価し、コントロールの問題点を分析・評価する判断基準を自ら形成する力
  • システム監査に対するニーズを把握し、リスクベースの監査計画を立案して、監査業務を適切に実施・管理する力
  • 監査要点を適切に設定し、監査技法を適時かつ的確に適用する力
  • 監査結果を監査証拠に基づいて報告書にまとめ、説得力のある改善提案とフォローアップを行う力

求められる知識

  • システム監査基準・システム管理基準と、監査人の独立性・客観性・倫理
  • ITガバナンス、内部統制(COSOフレームワーク、J-SOXのIT全般統制・IT業務処理統制)
  • リスクアプローチ、予備調査・本調査、監査要点と監査手続
  • 監査技法(インタビュー、ドキュメントレビュー、突合・照合、ウォークスルー、CAATなど)とサンプリング
  • 監査証拠の十分性・適切性、監査調書の作成と保管
  • 監査報告書の指摘事項・改善提案、フォローアップ
  • 情報セキュリティ、システム開発・運用、外部委託、個人情報保護などの監査対象領域の知識

求められる技能

  • 監査目的に応じて監査範囲と監査要点を設定し、適切な監査手続を選択する
  • 入手した証拠から、コントロールが有効に機能しているかを判断する
  • 問題点の原因とリスクを分析し、実行可能な改善提案にまとめる
  • 被監査部門と協力しながら、独立性を保って監査を進める

シラバス概要

IPAのシラバスVer.6.2は、システム監査の業務を次の4つの大項目に整理しています。
  • 1. システム監査の計画
    • 中長期計画・年度計画・個別監査計画の策定
  • 2. システム監査の実施
    • 実施準備、予備調査、監査手続の選択、本調査
    • 監査調書の作成と保管、監査の結論の形成・総合検討、監査報告書案の作成
  • 3. システム監査の報告
    • 指摘事項・改善提案・補足事項の記載、監査報告書の提出、監査報告会の開催
    • 改善提案(及び改善計画)のフォローアップ、年度報告書の作成
  • 4. システム監査業務の管理
    • 進捗管理、品質の確保、監査業務の改善、監査体制の整備

分野別の出題数・出題傾向(学習テーマ別)

システム監査技術者試験の科目A-2(旧・午前2)の出題範囲を、情報処理推進機構(IPA)が公表する公式シラバス(Ver.6.2)を読み解いたうえで、戦国IT独自の切り口で学習テーマ別に整理し、テーマごとの出題数を集計しました。そのため、IPA公式の分野区分とは、分類のまとめ方や名称が一部異なります(公式の正式な分野構成はIPAのシラバスでご確認ください)。どのテーマが多く問われているかの目安としてご活用ください。
科目A-2の過去問 全425問を、戦国IT独自の学習テーマ別に分類した出題数の分布です。
学習テーマ出題数割合
システム監査の計画・基準54問12.7%
監査手続・監査証拠・監査技法63問14.8%
監査報告・フォローアップ8問1.9%
ガバナンス・内部統制57問13.4%
セキュリティ45問10.6%
ネットワーク27問6.4%
データベース19問4.5%
開発技術25問5.9%
経営戦略49問11.5%
企業と法務42問9.9%
サービスマネジメント21問4.9%
その他15問3.5%
システム監査技術者試験の学習テーマ別出題数の割合(円グラフ)
テーマごとの例題は、ページの末尾「参考:学習テーマ別のサンプル問題」に1問ずつ載せています。

科目B(旧午後)の出題内容

科目Bは、監査対象となる組織やシステムの事例を読んで、システム監査人としての判断を答える試験です。
  • 科目B-1(旧午後Ⅰ・記述式):3問から2問を選んで解答します。事例の中のリスクやコントロールの不備を読み取り、確かめるべき監査要点、入手すべき監査証拠、適切な監査手続などを字数制限の中で答えます。
  • 科目B-2(旧午後Ⅱ・論述式):2問から1問を選び、自身の経験や考えに基づいて論文を書きます。設問ア・イ・ウの流れに沿って、監査対象の概要とリスク、それに対するコントロールや監査手続を具体的に述べることが求められます。

2027年度からの新試験制度との関係

IPAは2026年3月31日に試験区分体系の見直しを公表し、システム監査技術者試験を含む現行の高度試験は2026年度(令和8年度)の試験実施をもって終了する予定です。2027年度夏〜秋頃からは、応用情報技術者試験と高度試験を大括り化した「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」(マネジメント・データ・AI・システムの3区分)が始まる予定です。
  • 現行試験と新区分の対応関係は、IPAから公表されていません。シラバス案の範囲から見ると、ガバナンス・監査はマネジメント区分の出題範囲と重なります。
  • 新試験の各区分には、現行の高度試験と同等の免除制度を設けることが検討されています。現行の高度試験で一部科目の免除要件を満たした人が、一定期間、新試験で免除を受けられる経過措置も検討中です(詳細は未公表)。
  • 現行区分での合格を狙う場合は、2026年度後期が最後の受験機会になる見込みです。

実施時期・受験機会

令和8年度は後期の年1回実施です。CBT化により、受験者が実施期間内の日時・会場を選んで受験します。科目A群(科目A-1・A-2)と科目B群(科目B-1・B-2)は別の日に受験し、申込みの際に両方を同時に予約します。
項目期間(令和8年度後期)
申込受付期間2027年1月27日〜2月27日
科目A-1・科目A-22027年2月20日〜3月2日
科目B-1・科目B-22027年3月16日〜3月28日
受験手数料は7,500円(税込)です。最新の日程・申込方法はIPA公式で必ず確認してください。

攻略ポイント・学習アドバイス

  • 科目A-2(旧午前Ⅱ)は、システム監査基準・システム管理基準の考え方と、監査の進め方に関する用語がよく問われます。「監査人が何をすべきか」「何を確かめるべきか」という視点で選択肢を読む練習をしましょう。
  • 監査手続の問題では、確かめたい監査要点に対して、どの証拠をどの技法で入手するのが適切かが問われます。突合・照合・ウォークスルーなどの技法を、具体的な場面と結び付けて覚えておきます。
  • 科目A-2は過去問と同じ、または似た問題が繰り返し出ます。監査分野に加えて、法務・セキュリティ・開発・運用などの周辺分野も、過去問で押さえておくのが効率的です。
  • 科目B-1は、事例の中のリスクとコントロールの対応関係を整理してから答えると、監査要点や監査手続を外しにくくなります。
  • 科目B-2の論述は、監査対象の業務とシステムを1つ想定し、リスク・コントロール・監査手続の組み合わせを事前に整理しておくと、テーマに合わせて組み立て直しやすくなります。

関連リンク

まとめ

システム監査技術者試験は、独立かつ客観的な立場から情報システムのリスクとコントロールを評価し、保証や助言を行う力を問う高度試験です。科目A-2では、システム監査基準・システム管理基準の考え方と監査の進め方、周辺分野の知識が繰り返し問われるので、過去問の演習が最も効果的です。科目Bでは、事例から監査要点や監査手続を導く記述式と、論述式で実践力が試されます。現行制度での試験は2026年度後期が最後の見込みなので、日程を確認したうえで、計画的に準備を進めましょう。

参考:学習テーマ別のサンプル問題(科目A-2の過去問から)

ここでは、「分野別の出題数・出題傾向」で示した学習テーマごとに、何が問われるかの要点と、実際に出題された科目A-2の過去問を1問ずつ紹介します。
本セクションで扱う学習テーマは全11テーマです。
  1. システム監査の計画・基準
  2. 監査手続・監査証拠・監査技法
  3. 監査報告・フォローアップ
  4. ガバナンス・内部統制
  5. セキュリティ
  6. ネットワーク
  7. データベース
  8. 開発技術
  9. 経営戦略
  10. 企業と法務
  11. サービスマネジメント

システム監査の計画・基準

このテーマで問われること
システム監査の計画では、組織の経営方針、IT戦略、リスク評価を踏まえて監査の重点と資源配分を定めます。中長期計画では監査対象領域や周期、監査体制の方向性を示し、年度計画では優先順位、実施時期、人員、予算などを具体化します。個別監査計画では、目的、対象範囲、監査基準、実施手順、日程、担当者、必要資料を明確にします。監査の独立性・客観性を保ち、リスクの変化や経営上の重要度に応じて計画を見直すことが大切です。監査基準や社内規程、法令、契約上の要求を適切に選定し、判断の拠り所を関係者と共有します。
出題の焦点
  • リスクに基づく監査対象の選定
  • 中長期計画と年度計画の整合
  • 個別監査の目的・範囲の明確化
  • 監査基準と評価尺度の設定
  • 監査資源・日程の配分
  • 独立性・客観性と計画変更
問題 ― 平成24年午前2 問7
提案依頼書(RFP)によるベンダ選定手続に関するシステム監査の結果、指摘事項に該当するものはどれか。
  • ア:RFPに、システム化要求事項の他、あるべき業務モデルも添付していた。
  • イ:RFP発行後、問合せをしてきたITベンダに対して追加資料を提供していた。
  • ウ:提案を希望するITベンダを集めて、RFP説明会を実施していた。
  • エ:予算額の範囲を、RFPに明示していた。
正解と解説
正解:イ
指摘事項に該当するのは、イです。
RFP発行後に、問合せをしてきた特定のITベンダだけに追加資料を提供すると、他のベンダとの間で得られる情報に差が生じます。その結果、特定のベンダが有利になり、公平な選定を損なうおそれがあります。
追加資料が必要な場合は、原則として、提案を希望するすべてのベンダに同じ情報を同じタイミングで提供する必要があります。

監査手続・監査証拠・監査技法

このテーマで問われること
監査の実施では、対象となる業務やシステムを理解し、リスクに対応する監査手続を選択・実行して、十分かつ適切な監査証拠を入手します。実施準備や予備調査を通じて業務フロー、統制、関係者、既存資料を把握し、本調査では質問、閲覧、観察、再実施、データ分析などを使い分けます。証拠の信頼性、関連性、十分性を評価し、サンプル抽出や例外の検討を適切に行うことが重要です。監査調書には手続、証拠、判断、結論を追跡可能な形で記録し、保管とアクセスを管理します。複数の結果を総合して、結論が事実と基準に裏付けられているかを検討します。
出題の焦点
  • 予備調査による業務・リスク把握
  • 監査目的に応じた手続の選択
  • 質問・閲覧・観察・再実施の使い分け
  • 証拠の十分性・信頼性の評価
  • サンプリングと例外処理
  • 調書の記録・保管と結論形成
問題 ― 令和2年午前2 問1
システム監査で用いる統計的サンプリングに関する記述のうち、適切なものはどれか。
  • ア:開発プロセスにおけるコントロールを評価する際には、開発規模及び影響度が大きい案件を選定することによって、開発案件全てに対する評価を導き出すことができる。
  • イ:コントロールが有効であると判断するために必要なサンプル件数を事前に決めることができる。
  • ウ:正しいサンプリング手順を踏むことによって、母集団全体に対して検証を行う場合と同じ結果を常に導き出すことができる。
  • エ:母集団からエラー対応が行われたデータを選定することによって、母集団全体に対してコントロールが適切に行われていることを確認できる。
正解と解説
正解:イ
統計的サンプリングでは、母集団から一部のデータを抽出し、その結果を統計的に評価します。サンプル件数は、許容できる誤りの程度や期待される誤りの発生率、必要な信頼度などを考慮して、検証の前に決めることができます。
したがって、サンプル件数を事前に決められるとするイが適切です。ただし、必要な件数は監査の目的や母集団の性質などによって変わります。

監査報告・フォローアップ

このテーマで問われること
監査報告では、監査目的と範囲、適用基準、実施した手続、確認した事実、結論を明確かつ誤解のない形で伝えます。指摘事項は事実と証拠に基づいて記載し、原因、影響、重要度を整理します。改善提案は実行可能性や優先順位を考慮し、補足事項も報告の目的に沿ってまとめます。報告書の提出前には事実確認や関係者との意見交換を行い、報告会で結果と提案を説明します。報告後は改善計画の策定・実施状況を確認し、未実施や遅延のリスクを適切に共有します。年度報告を通じて監査活動全体の結果や傾向を経営層へ伝え、次の計画や統制改善に活用します。
出題の焦点
  • 指摘事項の事実・原因・影響の記載
  • 改善提案の具体性と優先順位
  • 監査報告書のレビューと提出
  • 報告会での説明と意見調整
  • 改善計画の進捗確認
  • 年度報告と監査結果の活用
問題 ― 平成22年午前2 問2
“システム監査基準”における監査業務のうち、適切なものはどれか。
  • ア:監査計画は、予備調査で変更はできるが、本調査の途中では変更しない。
  • イ:監査報告書を外部に開示する範囲及び方法を決定する。
  • ウ:監査目的に応じた監査報告書を作成し、遅滞なく監査依頼者に提出する。
  • エ:予備調査及び本調査は自ら行い、ほかの専門家の支援を受けてはならない。
正解と解説
正解:ウ
監査業務では、監査人は監査目的に応じて監査報告書を作成し、遅滞なく監査依頼者に提出します。この一連の業務を述べているウが適切です。
監査報告書には、監査の対象や目的、実施した監査手続、発見した事実、評価や意見などを記載します。監査結果を監査依頼者へ適切かつ速やかに伝えることが重要です。

ガバナンス・内部統制

このテーマで問われること
ガバナンス・内部統制では、組織の目的達成に向けた意思決定、監督、リスク管理、統制活動が有効に機能しているかを扱います。経営者、取締役会、監査機能、業務部門の役割と責任を明確にし、権限分掌、職務分離、承認、モニタリング、是正措置などの仕組みを整備することが重要です。監査業務自体についても、進捗管理、品質レビュー、手続の標準化、改善活動、人材・体制の整備を通じ、独立性と専門性を保ちながら継続的に有効性を高めます。統制の設計だけでなく運用状況を証拠で確認し、経営層への報告や改善の追跡を通じて説明責任を果たす観点が問われます。
出題の焦点
  • 経営者・監督機関の責任と役割
  • 権限分掌・承認・職務分離
  • リスク評価と統制活動
  • 監査業務の進捗・品質管理
  • 監査体制と独立性の確保
  • 改善活動と説明責任
問題 ― 平成24年午前2 問21
“システム管理基準”に該当する記述はどれか。
  • ア:ITILというITサービスの品質向上のためのガイドラインを基に作成した、ITサービスマネジメントに関するフレームワークである。
  • イ:一般基準、実施基準及び報告基準から構成されており、一般基準ではシステム監査人の独立性や職業倫理について規定されている。
  • ウ:システム監査業務の品質を確保し、有効かつ効率的に監査を実施することを目的とした監査人の行為規範である。
  • エ:情報システム戦略に基づき、効果的な情報システム投資のための、また、リスクを低減するためのコントロールを適切に整備・運用するための実践規範である。
正解と解説
正解:エ
エが該当します。システム管理基準は、情報システム戦略に基づいて、情報システム投資の効果を高め、リスクを低減するためのコントロールを適切に整備・運用する際の実践規範です。
つまり、情報システムをどのように管理し、必要な統制をどう整えるかを示す基準です。監査人の行動や監査手続そのものを定めるものではありません。

セキュリティ

このテーマで問われること
情報セキュリティ分野では、組織の情報資産を脅威から守るための管理策と、その有効性を評価する考え方が問われます。情報資産・脅威・脆弱性・リスクの関係を踏まえ、機密性、完全性、可用性を確保する方針や体制を理解します。アクセス制御、認証、暗号、ログ管理、マルウェア対策、脆弱性管理、インシデント対応、事業継続などについて、目的に応じた対策の選択と運用状況の確認が重要です。監査では、規程と実態の整合、責任分担、例外処理、証跡の有無を確認し、リスクに対する統制の十分性を評価します。
出題の焦点
  • 情報資産・脅威・脆弱性の把握
  • 機密性・完全性・可用性の確保
  • アクセス制御と認証の評価
  • ログ・監視・インシデント対応
  • 脆弱性管理と是正状況
  • 規程と実運用の整合性
問題 ― 令和4年午前2 問18
公開鍵暗号方式を使った暗号通信をn人が相互に行う場合、全てで何個の異なる鍵が必要になるか。ここで、一組の公開鍵と秘密鍵は2個と数える。
  • ア:
  • イ:
  • ウ:
  • エ:
正解と解説
正解:イ
公開鍵暗号方式では、通信に参加する各人が、自分専用の公開鍵と秘密鍵を一組ずつ持ちます。参加者が 人なら、鍵の組は 組です。
問題では公開鍵と秘密鍵をそれぞれ1個と数えるため、必要な鍵の総数は
です。したがって、正解は イ の です。

ネットワーク

このテーマで問われること
ネットワーク分野では、通信基盤の構成と運用に関する基本事項に加え、可用性や安全性を確保する管理策が問われます。LANやWAN、インターネット接続、通信プロトコル、アドレス設計、名前解決、ルーティングなどの役割を押さえ、ネットワーク構成図や設定情報を読み取れることが重要です。ファイアウォール、侵入検知・防止、セグメント分割、VPN、無線LAN対策などの目的と限界を理解し、変更管理、監視、障害対応、委託先管理が適切に行われているかを評価します。性能・可用性・セキュリティの要求と運用実態の整合も確認します。
出題の焦点
  • ネットワーク構成と通信経路
  • 主要プロトコルとアドレス管理
  • 境界防御とセグメント分割
  • 無線LAN・VPNの管理
  • 構成変更と構成図の整合
  • 可用性・性能・障害対応
問題 ― 平成26年午前2 問15
クラスBのIPアドレスで255.255.255.0のサブネットマスクを用いたとき、同一サブネット内で設定可能なホストアドレス数は最大で幾つか。
  • ア:126
  • イ:254
  • ウ:65,534
  • エ:16,777,214
正解と解説
正解:イ
サブネットマスク 255.255.255.0 は、先頭から24ビットがネットワーク部であることを示します。したがって、ホスト部は残りの8ビットです。
8ビットで表せるアドレスは 個ですが、そのうちネットワークアドレスとブロードキャストアドレスはホストに割り当てられません。そのため、設定可能なホストアドレス数は次のとおりです。
よって、イが正解です。

データベース

このテーマで問われること
データベース分野では、データを正確かつ安全に蓄積・利用するための設計、運用、管理統制が対象となります。データベース管理システムの役割、表やキー、正規化、SQL、トランザクション、同時実行制御、バックアップとリカバリなどの基本を理解します。監査では、データの入力から処理、出力、保管、廃棄までの流れを追い、アクセス権限、職務分離、変更管理、ログ、バックアップの取得・復元試験が適切かを確認します。データの完全性や機密性を損なうリスク、誤処理や不正利用を検出する仕組み、運用担当者と利用者の責任分界も重要な論点です。
出題の焦点
  • データベース構造と正規化
  • SQLとデータ操作の統制
  • トランザクションと同時実行制御
  • アクセス権限と職務分離
  • バックアップ・復旧の有効性
  • データの完全性と変更管理
問題 ― 平成29年午前2 問12
データ管理者(DA)とデータベース管理者(DBA)を別々に任命した場合のDAの役割として、適切なものはどれか。
  • ア:業務データ量の増加傾向を把握し、ディスク装置の増設などを計画して実施する。
  • イ:システム開発の設計工程では、主に論理データベース設計を行い、データ項目を管理して標準化する。
  • ウ:システム開発のテスト工程では、主にパフォーマンスチューニングを担当する。
  • エ:システム障害が発生した場合には、データの復旧や整合性のチェックなどを行う。
正解と解説
正解:イ
データ管理者(DA)は、組織全体でデータを有効に活用できるよう、データ項目の定義や標準化、データ構造の管理を行います。システム開発では、主に業務上のデータを整理する論理データベース設計を担当します。
したがって、データ項目を管理して標準化するイが適切です。

開発技術

このテーマで問われること
開発技術では、情報システムの企画・要件定義から設計、実装、テスト、移行、保守に至るライフサイクルと、各段階の品質・リスク管理を扱います。開発方法論やプロジェクト管理の基本を踏まえ、要求と成果物の追跡可能性、レビューやテストの網羅性、変更・構成管理、リリース判定、移行時のデータ検証を理解します。監査では、開発標準や承認手続が定められ、実際の作業記録に裏付けられているかを確認します。内製、外部委託、アジャイル開発、クラウド利用などの形態に応じ、責任分界や品質保証の仕組みが適切かを評価することも重要です。
出題の焦点
  • 開発ライフサイクルと成果物
  • 要件と設計・テストの追跡性
  • レビュー・テストの品質評価
  • 変更・構成・リリース管理
  • データ移行と本番移行の統制
  • 委託開発の責任分界
問題 ― 平成22年午前2 問24
要件定義フェーズにおいてBPMN(Business Process Modeling Notation)を導入する効果として、適切なものはどれか。
  • ア:業務の実施状況や実績を定量的に把握できる。
  • イ:業務の流れを統一的な表記方法で表現できる。
  • ウ:定義された業務要件からデータモデルを自動生成できる。
  • エ:要件をE-R図によって明確に表現できる。
正解と解説
正解:イ
BPMNは、業務プロセスの流れを図で表すための標準的な表記法です。業務の開始・終了、作業、分岐、担当者などを共通のルールで表現できるため、関係者間で業務の流れを共有しやすくなります。
そのため、適切なのは「業務の流れを統一的な表記方法で表現できる」とするイです。

経営戦略

このテーマで問われること
経営戦略分野では、組織の経営目的や事業戦略と情報システム・デジタル技術の活用を結び付け、投資や業務変革の妥当性を考える力が問われます。経営環境の分析、事業目標、情報化戦略、IT投資計画、効果測定、リスク評価などの関係を押さえます。監査の視点では、システム投資が経営上の優先課題に沿っているか、期待効果と実績が比較されているか、意思決定の根拠や責任者が明確かを確認します。費用対効果だけでなく、法令遵守、情報セキュリティ、事業継続、利害関係者への影響を含めて、戦略と実行の整合性を評価することが重要です。
出題の焦点
  • 経営戦略とIT戦略の整合
  • IT投資の評価と優先順位
  • 期待効果と実績の測定
  • リスク・便益を踏まえた意思決定
  • デジタル活用と業務変革
  • 戦略実行のモニタリング
問題 ― 平成25年午前2 問24
ファイブフォース分析において、企業の競争力に影響を与える五つの要因として、新規参入者の脅威、バイヤの交渉力、競争業者間の敵対関係、代替製品の脅威と、もう一つはどれか。
  • ア:サプライヤの交渉力
  • イ:自社製品の品質
  • ウ:消費者の購買力
  • エ:政府の規制
正解と解説
正解:ア
ファイブフォース分析は、業界の競争環境や収益性に影響する要因を、五つの力に分けて分析する手法です。
五つの力は、次のとおりです。
  • 新規参入者の脅威
  • 買い手(バイヤ)の交渉力
  • 競争業者間の敵対関係
  • 代替製品・サービスの脅威
  • 売り手(サプライヤ)の交渉力
したがって、問題文に挙げられていない最後の要因は、アの「サプライヤの交渉力」です。サプライヤの交渉力が強いと、仕入価格の引上げなどを通じて、企業の利益が圧迫される可能性があります。

企業と法務

このテーマで問われること
企業と法務では、企業活動を支える組織・会計・法令・契約などの基礎知識と、情報システムに関係する法的責任や遵守事項が対象となります。会社の機関や意思決定、内部統制、コンプライアンス、個人情報保護、知的財産権、労働関係、取引・委託契約などの基本を理解します。監査では、適用される法令・規制・社内規程を特定し、遵守状況を示す証跡や責任体制を確認します。委託契約の範囲、秘密保持、成果物・データの権利、再委託、事故時の報告義務など、契約条項と実際の運用の差異を見極める観点も重要です。
出題の焦点
  • 法令・規制・社内規程の識別
  • 個人情報とプライバシー保護
  • 知的財産権の管理
  • 委託契約と責任分界
  • コンプライアンス体制
  • 証跡に基づく遵守状況の評価
問題 ― 平成23年午前2 問13
開発されたプログラムの著作権の帰属に関する規定が契約に定められていないとき、著作権の原始的な帰属はどのようになるか。
  • ア:請負の場合は発注先に、派遣の場合は派遣先に帰属する。
  • イ:請負の場合は発注先に、派遣の場合は派遣元に帰属する。
  • ウ:請負の場合は発注元に、派遣の場合は派遣先に帰属する。
  • エ:請負の場合は発注元に、派遣の場合は派遣元に帰属する。
正解と解説
正解:ア
契約で著作権の帰属を定めていない場合、試験では、開発の形態によって原始的な帰属先が異なると考えます。
  • 請負では、発注先(受注側)が自らの責任でプログラムを開発します。そのため、著作権は原則として開発した発注先に帰属します。
  • 派遣では、派遣された人が派遣先の指揮命令を受けて業務を行います。そのため、著作権は派遣先に帰属します。
したがって、「請負の場合は発注先に、派遣の場合は派遣先に帰属する」とするアが正解です。

サービスマネジメント

このテーマで問われること
サービスマネジメントでは、利用者に必要なITサービスを安定して提供し、合意した品質を維持・改善するための管理を扱います。サービスレベル管理、インシデント・問題管理、変更・リリース管理、構成管理、可用性・容量管理、継続性、サービスデスクなどの目的と相互関係を理解します。監査では、サービス目標やSLAが明確か、実績が測定・報告されているか、障害や変更が承認・記録され、原因分析や再発防止につながっているかを確認します。委託サービスやクラウドについては、サービス提供者の統制、契約上の責任、監視可能性、障害時の連携と復旧手順の実効性が重要です。
出題の焦点
  • サービスレベルとSLAの管理
  • インシデント・問題管理
  • 変更・リリース管理
  • 可用性・容量・継続性
  • 委託先・クラウドサービスの統制
  • サービス実績の測定と改善
問題 ― 平成21年午前2 問12
ITサービスマネジメントを導入する際の手順はどれか。 a 継続的改善方法の検討 b 現状の把握 c ビジョンの明確化 d 目標達成状況の把握方法の検討 e 目標達成方法の検討 f 目標の設定
  • ア:b → c → e → f → d → a
  • イ:b → f → c → a → d → e
  • ウ:c → b → f → e → d → a
  • エ:c → f → b → a → d → e
正解と解説
正解:ウ
正しい手順は、ビジョンを明確にしてから現状を把握し、目標とその達成方法を決め、目標の達成状況を確認する方法を検討したうえで、継続的改善につなげる流れです。この順序に該当するのはウです。
各段階では、次のように考えます。
  1. ビジョンの明確化:ITサービスマネジメントを導入する目的や、目指す姿を定めます。
  2. 現状の把握:目指す姿に対して、現在のサービスや業務がどのような状態かを確認します。
  3. 目標の設定:現状とビジョンを踏まえ、達成すべき状態を定めます。
  4. 目標達成方法の検討:目標に到達するための具体的な施策を考えます。
  5. 目標達成状況の把握方法の検討:目標の達成度を測る指標や確認方法を決めます。
  6. 継続的改善方法の検討:実施状況や測定結果を基に、改善を続ける方法を検討します。

システム監査技術者試験の難易度・合格率の推移

以下は年度ごとの受験者数・合格者数・合格率・合格者平均年齢の推移データです。合格率の傾向を把握し、学習計画の目安にしてください。

年度別 統計データ(表形式)

各年度ごとの合格率・平均年齢・合格者数などの推移です。
※ 表は横にスクロールできます

年度受験申込者数(人)受験者数(人)合格者数(人)合格率(%)合格者平均年齢(才)
2009 春期5313327145513.938.9
2010 春期5415353450614.339.3
2011 春期4990327847514.539.4
2012 春期4705321646814.640.5
2013 春期4459305343114.139.9
2014 春期4087273336113.240.3
2015 春期4012274038814.240.5
2016 春期3635252436014.341.2
2017 春期4151286243315.140.7
2018 春期4253284140814.441.4
2019 春期4175287942114.642.2
2020 秋期2350170226015.341.2
2021 秋期2552187730116.042.1
2022 秋期2792197231315.941.7
2023 秋期2851203933516.442.1
2024 秋期3118227838116.742.1
2025 秋期3183224536216.142.6

年度別 統計推移グラフ

各年度ごとの合格者数・受験者数・合格率・平均年齢の推移

合格者数

システム監査技術者試験 合格者数の年度推移グラフ

受験者数

システム監査技術者試験 受験者数の年度推移グラフ

合格率(%)

システム監査技術者試験 合格率(%)の年度推移グラフ

合格者平均年齢

システム監査技術者試験 合格者平均年齢の年度推移グラフ

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