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システム監査技術者 2020年 午前2 問14


問題文

特許法によれば、企業が雇用している従業者が行った職務発明に基づく特許の取扱いのうち、適切なものはどれか。

選択肢

ア:企業は、承継した特許権について、特許庁が定めた対価の額を支払う必要がある。
イ:企業は、特許権について通常実施権を有する。(正解)
ウ:特許を受ける権利は、自動的に企業へ承継され、従業者と企業の共有特許となる。
エ:特許を受ける権利は、無条件に企業が取得する。

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職務発明の権利関係【午前2解説】

正解の理由

職務発明について、特許法では、一定の要件を満たす場合、企業はその特許権または特許を受ける権利について通常実施権を持ちます。通常実施権とは、特許発明を実施できる権利です。
したがって、企業が通常実施権を有するとするイが適切です。

解法ステップ

  1. 職務発明の基本ルールを確認します。
    職務発明とは、従業者が職務上行った発明のうち、企業の事業範囲に属し、発明に至る行為が従業者の現在または過去の職務に属するものです。
  2. 企業が当然に特許権を取得するわけではないと押さえます。
    契約や勤務規則などに特別な定めがなければ、企業には通常実施権が認められます。
  3. 選択肢の「自動的」「無条件に」「特許庁が定めた対価」に注目します。
    これらは職務発明の権利や利益の扱いを正確に表していません。企業に権利を取得させる定めがある場合でも、従業者には相当の利益を受ける権利があります。

選択肢別の誤答解説

  • ア:誤りです。
    特許庁が対価の額を定める制度ではありません。企業が職務発明に関する権利を取得する場合、従業者には契約や勤務規則などに基づき、相当の金銭その他の経済上の利益を受ける権利があります。
  • イ:正しいです。
    企業は、職務発明に関する特許権などについて通常実施権を持ちます。通常実施権は、特許発明を実施できる非独占的な権利です。
  • ウ:誤りです。
    特許を受ける権利が、常に自動的に企業へ移るわけではありません。また、従業者と企業の共有になると決まっているわけでもありません。企業に権利を取得させるには、契約や勤務規則などによる定めが関係します。
  • エ:誤りです。
    企業が無条件に特許を受ける権利を取得するわけではありません。あらかじめ企業に権利を取得させる定めがある場合には企業に帰属させられますが、従業者には相当の利益を受ける権利があります。

よくある誤解

  • 「職務上の発明なら、特許を受ける権利は当然に企業のもの」と考える
    企業が当然に取得するとは限りません。企業に権利を取得させる定めの有無を確認します。
  • 通常実施権を、特許権そのものと混同する
    通常実施権は発明を実施できる権利であり、特許権そのものを取得することとは異なります。
  • 従業者への利益を、特許庁が決める対価と考える
    利益の内容や決め方は、企業の契約・勤務規則などに基づきます。特許庁が一律に金額を決めるものではありません。

補足コラム

職務発明の権利帰属は、企業の定めの有無によって異なります。あらかじめ企業に特許を受ける権利を取得させる旨を定めている場合は、その権利を発明の発生時から企業に帰属させることができます。その場合も、従業者には相当の利益を受ける権利があります。
一方、そうした定めがない場合でも、企業には通常実施権が認められます。この「企業が使えること」と「企業が特許権を取得すること」を区別するのがポイントです。

FAQ

Q. 通常実施権があると、企業は特許発明を独占できますか?
A. いいえ。通常実施権は非独占的な権利です。特許発明を実施できますが、特許権そのものを持つことや、他者の実施を当然に排除できることを意味しません。
Q. 企業に特許を受ける権利を取得させる定めがある場合、従業者への利益は不要ですか?
A. いいえ。企業が権利を取得する場合、従業者には相当の金銭その他の経済上の利益を受ける権利があります。

関連キーワード: 職務発明、通常実施権、特許を受ける権利、相当の利益
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