システム監査技術者 2020年 午前2 問15
問題文
技術者倫理における集団思考の問題点として、アーヴィング・ジャニスが指摘した八つの兆候のうち、“心の警備”の説明として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:集団に新しく加わったメンバなどが異議を唱える場合には、それを阻止して、集団を保護しようとする。(正解)
イ:自分の所属している集団は失敗することがなく、又は万が一失敗しても集団は存続すると考える。
ウ:他のメンバから特に意見が出されず、発言者以外の全メンバが沈黙している場合は、その意見を集団組織の一致した意見とみなす。
エ:反対する少数メンバがいる場合は、そのメンバに圧力を加えて統一した意見にさせる。
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集団思考の心の警備【午前2解説】
正解の理由
アーヴィング・ジャニスが指摘した集団思考の兆候の一つである「心の警備」とは、集団の決定に反対する情報や異議が集団に届かないよう、メンバが自発的に遮ろうとすることです。
アは、新しく加わったメンバなどが異議を唱えようとしたときに、それを阻止して集団を保護しようとする説明です。反対意見を抑え、集団に不都合な情報を遠ざける行動なので、「心の警備」に該当します。
解法ステップ
- 「心の警備」が、集団を何から守る行動なのかを考えます。
- 守る対象は、集団そのものというより、集団の決定や一体感です。
- 異議や反対意見を遮ろうとする選択肢を選びます。
選択肢別の誤答解説
- ア:異議を唱えるメンバを阻止し、集団を保護しようとしています。「心の警備」の説明です。
- イ:集団は失敗しない、または失敗しても大丈夫だと考える状態です。「無敵感の幻想」に当たります。
- ウ:反対意見が出ないことを、全員が賛成している証拠とみなす状態です。「全会一致の幻想」に当たります。
- エ:反対するメンバに圧力をかけ、意見を統一しようとする状態です。「異論を唱える者への直接的圧力」に当たります。
よくある誤解
- 「心の警備」を、集団の外部から集団を守る行動だと考えないようにしましょう。集団内部のメンバが、異議や不都合な情報を遮る行動を指します。
- 異議を唱える人に圧力をかける行動と、異議が集団に届かないようにする行動は、関連しますが別の兆候です。前者はエ、後者はアに対応します。
- 集団思考は、単に集団で話し合うことではありません。一体感を優先するあまり、批判的な検討が弱まる問題です。
補足コラム
ジャニスの集団思考の兆候には、無敵感の幻想、集団の道徳性への信念、合理化、集団への固定観念、異論を唱える者への直接的圧力、自己検閲、全会一致の幻想、心の警備などがあります。
「心の警備」は、反対意見を述べる人を制止するだけでなく、集団に都合の悪い情報を持ち込ませない働きも含みます。そのため、意思決定の誤りを発見する機会が失われるおそれがあります。
FAQ
Q.「心の警備」は、集団のリーダが異議を禁止することだけを指しますか?
A. いいえ。リーダから明示的に指示されなくても、メンバが自発的に異議や不都合な情報を遮る場合があります。
Q. エとの違いは何ですか?
A. エは、反対するメンバ本人に圧力をかける行動です。心の警備は、異議や不都合な情報が集団に届くのを阻止する行動に注目します。
関連キーワード: 集団思考、アーヴィング・ジャニス、心の警備、無敵感の幻想、全会一致の幻想、異論への圧力

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