システム監査技術者 2023年 午前2 問08
問題文
固定資産管理システムのITに係る全般統制として、最も適切なものはどれか。
選択肢
ア:会計基準や法人税法などの改正を調査した上で、システムの変更要件を定義し、承認を得る。(正解)
イ:固定資産情報の登録に伴って耐用年数をシステム入力する際に、法人税法の耐用年数表との突合せを行う。
ウ:システムで自動計算された減価償却費のうち、製造原価に配賦されるべき金額の振替仕訳伝票を起票する。
エ:システムに登録された固定資産情報と固定資産の棚卸結果とを照合して、除却・売却処理に漏れがないことを確認する。
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IT全般統制と変更管理【午前2解説】
正解の理由
IT全般統制とは、個々の業務処理を直接チェックするのではなく、情報システム全体が適切に開発・変更・運用されるための仕組みです。システムの変更管理やアクセス管理、運用管理などが該当します。
アは、会計基準や法人税法などの改正を把握し、それに応じたシステムの変更要件を定義して、承認を得ています。これは、システム変更の必要性や内容を検討し、承認を経て変更するための管理であり、IT全般統制に当たります。
解法ステップ
- 選択肢が「システム全体の開発・変更・運用を管理する統制」か、「個別の業務処理を確認する統制」かを見分けます。
- システム変更の要件定義や承認など、変更管理に関する内容を探します。
- 法令改正を踏まえた変更要件の定義と承認を扱うアを選びます。
選択肢別の誤答解説
- ア:正解です。法令などの改正を踏まえ、システム変更の要件を定義して承認を得ることは、IT全般統制の一つである変更管理に該当します。
- イ:耐用年数の入力値を法人税法の耐用年数表と照合する統制です。固定資産の登録という個別業務における入力内容の正確性を確認するため、業務処理統制に該当します。
- ウ:減価償却費の配賦額について振替仕訳を起票する処理です。固定資産会計に関する個別の業務処理であり、IT全般統制ではありません。
- エ:システム上の固定資産情報と実物の棚卸結果を照合する統制です。資産情報の正確性や除却・売却処理の漏れを確認する業務処理統制に該当します。
よくある誤解
- システムを使う業務に関係する統制は、すべてIT全般統制だと思う
システムを使っていても、入力値や業務処理の正しさを確認する統制は、通常は業務処理統制です。 - 法令に関する確認は、すべて法令遵守の統制だと思う
法令改正を受けてシステム変更を管理する仕組みは、IT全般統制の変更管理として捉えられます。 - 「自動化された処理」に関する統制だけがIT全般統制だと思う
IT全般統制には、システム変更の承認やアクセス権管理など、自動処理そのもの以外の管理も含まれます。
補足コラム
IT統制は、大きく「IT全般統制」と「IT業務処理統制」に分けて考えると整理しやすくなります。
- IT全般統制:システム全体の信頼性を支える基盤となる統制。変更管理、アクセス管理、運用管理などが該当します。
- IT業務処理統制:個別の業務処理やデータの正確性・完全性を確保する統制。入力値の照合や計算結果の確認などが該当します。
この問題では、「システム変更の要件を定義し、承認する」という変更管理の仕組みがポイントです。
FAQ
Q. システムの変更に承認が必要なのはなぜですか?
A. 無断や不適切な変更によって、業務処理の誤りやデータの破損が起きるのを防ぐためです。変更内容や影響を確認し、適切な権限者の承認を経て実施します。
A. 無断や不適切な変更によって、業務処理の誤りやデータの破損が起きるのを防ぐためです。変更内容や影響を確認し、適切な権限者の承認を経て実施します。
Q. 入力内容の確認がIT全般統制にならないのはなぜですか?
A. その確認が特定の業務処理におけるデータの正確性を確保するものだからです。システム全体の開発・変更・運用を支える統制とは区別されます。
A. その確認が特定の業務処理におけるデータの正確性を確保するものだからです。システム全体の開発・変更・運用を支える統制とは区別されます。
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