システム監査技術者 2018年 午前2 問15
問題文
製造物責任法(PL法)において、免責と規定されているものはどれか。
選択肢
ア:製造物の欠陥の原因となった製造過程における過失を被害者が証明できない場合
イ:製造物を海外から輸入して国内で販売している場合
ウ:製造物を引き渡した時点から5年を過ぎて事故が発生した場合
エ:製造物を引き渡した時点の科学又は技術では欠陥を認識できなかった場合(正解)
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製造物責任法の開発危険の抗弁【午前2解説】
正解の理由
製造物責任法(PL法)では、製造業者などは、製造物に欠陥があり、それによって他人の生命・身体・財産に損害が生じた場合、原則として損害賠償責任を負います。
ただし、例外として、製造物を引き渡した時点の科学・技術の知見では、その製造物に欠陥があることを認識できなかった場合、製造業者などが免責されることがあります。これは「開発危険の抗弁」と呼ばれます。
この条件に該当するのは、エです。製品の引渡し時点で当時の科学・技術では欠陥を認識できなかったことを、製造業者などが証明できれば、免責される可能性があります。
解法ステップ
- PL法は、製造業者などの「過失」ではなく、製造物の「欠陥」を中心に責任を判断する法律だと確認します。
- 免責される条件として、PL法が定める例外を探します。
- 「引渡し時点の科学・技術では欠陥を認識できなかった」という開発危険の抗弁に当てはまるエを選びます。
選択肢別の誤答解説
-
ア:製造過程における過失を被害者が証明できない場合
PL法の責任成立に、被害者が製造過程の過失を証明する必要はありません。被害者は、製造物の欠陥、損害、欠陥と損害の因果関係を立証します。 -
イ:製造物を海外から輸入して国内で販売している場合
輸入したことだけで免責されるわけではありません。PL法では、製造物を業として輸入した事業者も、製造業者と同様に責任を負う対象となります。 -
ウ:引渡しから5年を過ぎて事故が発生した場合
引渡しから5年が経過しただけで、当然に免責されるわけではありません。PL法では、損害賠償請求権について、原則として引渡しから10年という期間制限が定められています。したがって、5年経過はそのまま免責理由にはなりません。 -
エ:引渡し時点の科学・技術では欠陥を認識できなかった場合
開発危険の抗弁に該当します。欠陥を当時の知見では認識できなかったことを製造業者などが証明できれば、免責されることがあります。
よくある誤解
-
「過失がなければ免責される」と考える
PL法は、製造業者の過失の有無ではなく、製造物に欠陥があったかどうかを中心に判断します。 -
「輸入業者は製造していないので責任を負わない」と考える
輸入業者も、PL法上の責任を負う場合があります。 -
「事故が引渡しから一定年数後なら必ず免責」と考える
期間制限による請求権の消滅と、開発危険の抗弁は別の論点です。選択肢のように「5年経過」を理由に直ちに免責とはなりません。
補足コラム
開発危険の抗弁で基準となるのは、事故が起きた時点ではなく、製造物を引き渡した時点の科学・技術の知見です。後年になって欠陥を発見できる技術が生まれても、引渡し時点で欠陥を認識できなかったことが証明されれば、免責される可能性があります。
ただし、単に「知らなかった」と主張するだけでは足りません。当時の科学・技術の水準から見て、欠陥を認識できなかったことが必要です。
FAQ
Q. PL法では、被害者が製造業者の過失を証明する必要がありますか?
A. 原則として必要ありません。製造物の欠陥、損害、欠陥と損害の因果関係を立証する必要があります。
A. 原則として必要ありません。製造物の欠陥、損害、欠陥と損害の因果関係を立証する必要があります。
Q. 開発危険の抗弁は、どの事業者でも主張できますか?
A. 製造業者などが、引渡し時点の科学・技術の知見では欠陥を認識できなかったことを証明できる場合に、免責される可能性があります。
A. 製造業者などが、引渡し時点の科学・技術の知見では欠陥を認識できなかったことを証明できる場合に、免責される可能性があります。
Q. 引渡しから5年を過ぎると、PL法の責任はなくなりますか?
A. 5年経過だけで責任がなくなるわけではありません。請求権の期間制限と、製品の欠陥に関する免責条件を区別して考えます。
A. 5年経過だけで責任がなくなるわけではありません。請求権の期間制限と、製品の欠陥に関する免責条件を区別して考えます。
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