システム監査技術者 2016年 午前2 問10
問題文
債権管理システムから出力された債権残高の集計処理結果を用いて、経理部門が事後的に実施できる、異常の有無の検証に有効な方法はどれか。
選択肢
ア:債権データ生成時における、得意先コードを用いた得意先マスタとの自動マッチング
イ:債権データの金額項目のフォーマットチェック
ウ:スプレッドシートを用いた売掛債権回転期間の前年同期比較チェック(正解)
エ:正規の権限者による操作に限定するアクセスコントロール
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事後的な分析的検証【午前2解説】
正解の理由
経理部門が債権残高の集計結果を受け取った後に異常を検証するには、集計結果を使って債権の状況を分析し、通常とは異なる変化がないかを確認する方法が有効です。
ウは、スプレッドシートで売掛債権回転期間を計算し、前年の同じ時期と比較する方法です。前年同期と比べて回転期間が大きく変化していれば、回収の遅れや債権残高の異常などが疑われます。変化の原因を調査するきっかけにできるため、事後的な異常検証に適しています。
解法ステップ
-
「事後的に実施できる」に注目します。
債権データの生成や入力時ではなく、出力された集計結果を使う方法を選びます。 -
異常を分析・検証する方法を探します。
前年同期との比較は、通常の傾向から外れた変化を見つける分析的なチェックです。 -
各選択肢の目的を区別します。
入力時のチェック、データ形式のチェック、不正操作の防止ではなく、集計後の債権状況の分析に当たるものが適切です。
選択肢別の誤答解説
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ア:得意先コードを用いたマスタとの自動マッチング
債権データの生成時に、得意先コードがマスタに登録されているかを確認する処理です。入力・処理時の妥当性チェックであり、出力された集計結果を事後的に分析する方法ではありません。 -
イ:金額項目のフォーマットチェック
金額が所定の書式になっているかを確認する形式面のチェックです。金額の書式が正しくても、債権残高の水準や回収状況に異常があるとは限りません。 -
ウ:売掛債権回転期間の前年同期比較チェック
債権残高の集計結果を分析し、前年の同時期と比較して異常な変化を発見する方法です。事後的な検証に有効です。 -
エ:正規の権限者に限定するアクセスコントロール
権限のない利用者による操作を防ぐためのアクセス管理です。不正操作の予防には有効ですが、集計結果を使った事後的な異常検証ではありません。
よくある誤解
-
「異常を防止する方法」と「異常を検出する方法」を混同すること
アやエは、主に入力・操作時の誤りや不正を防ぐための対策です。設問が求めるのは、出力後に異常の有無を検証する方法です。 -
データ形式が正しければ、内容も正しいと思うこと
フォーマットチェックで確認できるのは、データの形式です。金額や債権残高が業務上妥当かどうかは別途分析が必要です。 -
前年同期との違いだけで、異常と断定すること
比較によって異常の疑いを見つけた後は、季節変動や取引条件の変更なども考慮し、原因を確認します。
補足コラム
売掛債権回転期間は、売掛債権が売上に対してどの程度の期間で回収されるかを見る指標です。たとえば、月単位で計算する場合は、概念的には次のように表せます。
計算に使う残高や売上高の範囲は、社内の会計ルールに合わせて統一します。前年同期と比較すると、季節による売上や債権残高の変動の影響を考慮しやすくなります。
FAQ
Q. 前年同期と比べて回転期間が長くなったら、必ず異常ですか?
A. 必ずしも異常とは限りません。回収条件の変更や大口取引の発生など、合理的な理由がある場合もあります。比較で変化を把握し、原因を調査することが重要です。
A. 必ずしも異常とは限りません。回収条件の変更や大口取引の発生など、合理的な理由がある場合もあります。比較で変化を把握し、原因を調査することが重要です。
Q. なぜ「前年同期」と比較するのですか?
A. 月ごとの売上や債権残高には季節性があるためです。直前の月と比べるだけでなく、同じ時期の実績と比べることで、季節変動による影響を抑えやすくなります。
A. 月ごとの売上や債権残高には季節性があるためです。直前の月と比べるだけでなく、同じ時期の実績と比べることで、季節変動による影響を抑えやすくなります。
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