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応用情報技術者 2009年 秋期 午前279


問題文

A社はB社に対して業務システムの開発を委託し、A社とB社は請負契約を結んでいる。作業の実態から、偽装請負とされる事象はどれか。

選択肢

A社の従業員が、B社を作業場所として、A社の責任者の指揮命令に従ってシステムの検証を行っている。
A社の従業員が、B社を作業場所として、B社の責任者の指揮命令に従ってシステムの検証を行っている。
B社の従業員が、A社を作業場所として、A社の責任者の指揮命令に従って設計書を作成している。(正解)
B社の従業員が、A社を作業場所として、B社の責任者の指揮命令に従って設計書を作成している。

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偽装請負の判断基準【午前2解説】

正解の理由

設問で請負契約が結ばれているにもかかわらず、実際の作業形態が請負の要件を満たしていない場合に「偽装請負」となります。選択肢のうち、はB社の従業員がA社の作業場所で、A社の責任者から直接指揮命令を受けて設計書を作成している事例です。これは「作業方法や手順を発注者が支配している」「作業が発注者の業務の一部として一体化している」ことを示しており、請負の独立性・成果責任という本質を欠くため偽装請負に該当します。
正しく区別すると、請負では受注者が作業方法を決め成果(成果物)に対して責任を負うのに対し、偽装請負は受注者の従業員が発注者の指揮命令下で働き、実態が労働力の提供に近づく点で問題となります。したがって本問の正解は です。

解法ステップ

  1. 誰が作業しているか(A社社員かB社社員か)を確認する。
  2. 作業場所(A社かB社か)を確認する。
  3. 誰の指揮命令に従っているかを確認する(発注者か受注者か)。
  4. 契約形態(請負)が実態と一致しているかを吟味する:受注者が作業方法の決定権と成果責任を持つか。
  5. 上記の観点で「受注者の従業員が発注者の指揮命令で発注者の場で業務を行っている」場合は偽装請負の典型であると判定する。
  • 本問ではステップ1〜3で「B社の従業員」「A社の場」「A社の指揮命令」と一致するため、偽装請負()と判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: A社の従業員がB社でA社責任者の指揮命令に従う
    • 解説: 作業者はA社の従業員であり、指揮命令も自社の責任者によるため、雇用関係と指揮系統が一致している。請負の実態違反ではなく、単に自社作業を外部の場所で行っている形であり偽装請負には当たらない。
  • イ: A社の従業員がB社でB社の指揮命令に従う
    • 解説: A社社員がB社の指示で働いている場合、実態は労働者派遣に近い(派遣的な働き方)と評価される可能性があるが、設問は「請負契約の偽装」を問うているため、本選択肢は偽装請負の典型とは言えない。場合により労働者派遣の問題(派遣契約や許可の要否)が生じる点に注意。
  • ウ: B社の従業員がA社でA社の指揮命令に従う(正解)
    • 解説: 受注者の従業員が発注者の場で発注者の指揮命令に従う点が、請負の独立性を失わせ、偽装請負に該当する典型例。
  • エ: B社の従業員がA社でB社の指揮命令に従う
    • 解説: 受注者の従業員が受注者の管理下で作業し、受注者が成果に責任を持つ形であれば、作業場所が発注者であっても正当な請負業務となりうる。受注者の指揮・監督が維持されている点で問題ない。

よくある誤解

  • 作業場所が発注者側であるだけで自動的に偽装請負になるわけではない。決め手は「誰が作業の手順や時間配分を決めているか」「成果責任が誰にあるか」である。
  • 労働者派遣と請負は区別される。特に労働者派遣では「派遣労働者は派遣先の指揮命令に従う」点が特徴であり、ここを混同すると誤った判定をしやすい。
  • 請負の形式的な契約書だけで合法性が保たれるわけではない。実態が労働力の提供に近い場合、形式に関わらず法的問題となる。

補足コラム

偽装請負が問題視されるのは、労働者の保護と適正な社会保険・税制の適用の観点からです。監督官庁(労働基準監督署や都道府県の労働局)は、実態調査により請負と実態が乖離していると判断した場合、是正勧告や法律に基づく処分を行います。企業側が取るべき実務対策としては、契約書で単に「請負」とするのではなく、受注者が作業方法を決定し、成果物の検収・責任の所在を明確にすること、労務管理や勤務時間の把握を受注者側で行うこと、現場での指揮系統を明示することなどが有効です。

FAQ

Q: 作業者が発注者のPCを使い発注者のネットワークに接続して作業しているだけで偽装請負ですか?
A: 物理的な設備利用だけでは決まらないため単独の判断材料にはなりません。重要なのは誰が作業方法や労働時間を管理しているか、成果に対する責任がどこにあるかです。
Q: B社の社員がA社に常駐し、A社が日々の業務指示を出すが契約は請負のままでもよいか?
A: 日々の業務指示がA社による実質的な指揮命令であれば実態は偽装請負(または派遣に該当する場合あり)となるため、契約形態の見直しや実務の是正が必要です。
Q: 偽装請負と判断されるとどんな不利益がありますか?
A: 監督機関からの是正命令、罰則、遡及して社会保険料や税務の問題が指摘される可能性、労働者への未払い手当の請求などが生じ得ます。

関連キーワード: 偽装請負、請負の要件、労働者派遣法、指揮命令、成果責任、常駐開発、契約実態確認
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