応用情報技術者 2009年 春期 午前2 問02
問題文
の計算を、で近似計算ができる条件として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:が1に比べて非常に小さい。(正解)
イ:がに比べて非常に大きい。
ウ:が1より大きい。
エ:が1より大きい。
🔒 解説は解答すると表示されます
二項近似の成立条件【午前2解説】
正解の理由
本問の正解は ア(が1に比べて非常に小さい)です。これは二項定理により
と展開でき、一次近似 を良い近似にするには二次以上の項が一次項に比べて無視できることが必要だからです。特に二次項と一次項の比は
となるため、 が十分に小さい(具体的には )ことが成立条件になります。選択肢 ア はこの「 が小さい」という要件を正しく表しているため正解です。
解法ステップ
- 二項定理(またはテイラー展開)で を展開する: を得る。
- 一次近似 が成り立つために、二次項以降が一次項に比べて十分小さいことを要求する。
- 二次項と一次項の比を計算して比較基準を得る:比は 。
- この比が「十分小さい」(例えば10%以下など)となるように の上限を決める。具体的には相対誤差を と許容するなら が必要となる。
- 選択肢を見て、 が小さいことを示す ア を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 正解。 が非常に小さいことは一次近似成立の本質的条件を満たす。
- イ: 誤り。 が に比べて非常に大きいという条件は、むしろ高次の項が増幅されて近似が破綻する。
- ウ: 誤り。 は を意味し、近似が成り立つどころか全く不適切。
- エ: 誤り。 は一次項の大きさが単位を超えていることを示すが、これだけでは高次項が小さいとは限らない。むしろ が大きいときは高次項の影響が顕著になりやすい。
よくある誤解
- 誤解1: 「α が小さいなら n に関係なく近似は常に成り立つ」
→ 間違いです。二次項比は で増えるため、同じ |α| でも n が大きければ高次項が無視できなくなります。 - 誤解2: 「近似の良否は が小さいかどうかだけで決まる」
→ の大小は重要ですが、一次項に対する二次項比を考えることが本質です(相対誤差の観点)。例えば がやや大きくても二次項が十分小さければ相対誤差は小さくなり得ます。
補足コラム
- 相対誤差で評価する際、二次項が一次項の 倍以下になる条件は です。例えば「相対誤差10%以下」を許容するなら を満たす必要があります。
- 別の近似として、 が大きく が小さいが積 が有限のときは が自然です(極限的観点)。ただしこれは一次近似 とは異なる近似精度の考え方です。
- 符号について: の場合も絶対値で同様に評価しますが、符号によって打ち消しや増幅が起きる場合があり、項の符号を確認してください。
FAQ
Q1: 「具体的にどのくらい小さければ良いですか?」
A1: 許容する相対誤差 を決めてから を使ってください。例えば (10%)なら です。
A1: 許容する相対誤差 を決めてから を使ってください。例えば (10%)なら です。
Q2: 「 が小さければ十分では?」
A2: が小さいときは一次項自体が小さいため絶対誤差が小さくなることがありますが、一次近似の相対誤差は二次項比 で決まります。従って のみで判断するのは不十分です。
A2: が小さいときは一次項自体が小さいため絶対誤差が小さくなることがありますが、一次近似の相対誤差は二次項比 で決まります。従って のみで判断するのは不十分です。
Q3: 「α が負の場合はどう判断する?」
A3: 絶対値で評価します。負符号は項を打ち消すことがありますが、誤差の評価は通常絶対値(または相対誤差)で行います。
A3: 絶対値で評価します。負符号は項を打ち消すことがありますが、誤差の評価は通常絶対値(または相対誤差)で行います。
関連キーワード: 二項定理、近似誤差、テイラー展開、相対誤差、指数近似

\ せっかくなら /
応用情報技術者を
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

