応用情報技術者 2009年 春期 午前2 問54
問題文
教育技法の説明のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:インバスケットは、一定時間内に数多くの問題を処理させることによって、問題の関連性、緊急性、重要性などに対する総合的判断力を高める技法である。(正解)
イ:ケーススタディは、日常の開発業務の中で、先輩や上司が個別に指導し、実体験から知識を習得させる技法である。
ウ:ブレーンストーミングは、参加者に特定の役割を演技させることによって、各立場の理解や問題解決力を高める技法である。
エ:ロールプレイングは、参加者のアイディアを批判することなく、またそのアイディアから新たなアイディアを導き出そうとする創造的問題解決に適した技法である。
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教育技法の特徴判断【午前2解説】
正解の理由
選択肢アは、インバスケット(in-basket)演習の本質を正しく表しています。インバスケット演習は、受講者に短時間で多数の案件(文書・メール・電話メモ等)を提示し、関連性・緊急性・重要性を判断して処理・優先順位付けや意思決定を行わせることで、総合的な判断力や管理能力を養う手法です。問題文の「一定時間内に数多くの問題を処理させることによって、問題の関連性、緊急性、重要性などに対する総合的判断力を高める」という記述はインバスケットの定義と一致するため、正答はアとなります。
他の選択肢は定義の取り違えがあるため不適切です。特に選択肢ウは選択肢表記どおり「ブレーンストーミング」と記されていますが、ブレーンストーミングは自由な発想の創出(アイディア出し)であり、役割を演じさせる手法ではありません。ロールプレイング(選択肢エやウで混同されている点)は役割演技による行動練習が本旨です。
解法ステップ
- 各選択肢のキーワードを抽出する(例:「一定時間」「個別に指導」「役割を演技」「アイディアを批判しない」)。
- 教育技法の基本定義を照合する(インバスケット、ケーススタディ、ブレーンストーミング、ロールプレイングの意味)。
- キーワードと定義が一致する選択肢を選ぶ。矛盾や混同がある選択肢は除外する。
- 一致する記述が最も正確なものを正解とする(この場合、ア)。
選択肢別の誤答解説
- ア: 正しい。インバスケットは時間制約下で多数の案件に対して優先度付けや意思決定を行わせ、総合判断力を養う演習である。
- イ: 誤り。イの記述は「個別に指導し、実体験から知識を習得させる」とあり、これは主にOJT(On-the-Job Training、職場での指導・実務教育)の説明に相当します。ケーススタディは集団で事例を分析・討議し、理論と実践の関連付けや問題解決力を高める教育法です。
- ウ: 誤り。選択肢は「ブレーンストーミング」と表記されていますが、ブレーンストーミングは参加者が自由にアイディアを出し(批判禁止の原則など)、量から質を生む創造的発想法であり、特定の役割を演じさせる手法ではありません。役割演技を行うのはロールプレイングです。
- エ: 誤り。エの説明「参加者のアイディアを批判しない、そこから新たなアイディアを導く創造的問題解決に適した技法」はブレーンストーミングの説明に合致しますが、問題文ではロールプレイングについて述べています。ロールプレイングは役割を演じることで行動やコミュニケーションを実践的に訓練する技法であり、エの説明とは不一致です。
よくある誤解
- ケーススタディとOJTを混同する:ケーススタディは事例分析によるグループ討議で座学寄りの学習、OJTは職場での個別指導・実務習得です。指導の形式(集団 vs 個別)と学習環境(模擬/分析 vs 実務)を押さえてください。
- ブレーンストーミングとロールプレイングの混同:どちらもグループワークですが、目的が異なります。ブレーンストーミングは「批判しないアイディア出し」、ロールプレイングは「役割を演じて行動や応対を練習」する点を区別してください。
- インバスケットを単なる時間管理演習と考える:時間制約は重要ですが、本質は優先順位付け・意思決定・情報整理などマネジメント判断力を評価・育成する点にあります。
補足コラム
- インバスケット演習の典型構成:複数の短い案件(報告、依頼、苦情、メモ等)を受講者に配布し、限られた時間で処理方針(処理する/保留する/他者に委ねる等)と理由を記述させる。評価は処理の論理性、優先順位付け、時間配分、コミュニケーションの配慮などで行います。
- ブレーンストーミングのルール(基本4原則):自由奔放に発想する、批判をしない、量を重視する、他人のアイディアから新しい発想を生む。評価や批判は後工程で行います。
- ロールプレイング活用例:顧客対応、面接訓練、交渉スキル向上など、実際の行動や言動を体験させる場面で効果的です。録画してフィードバックを行うと学習効果が高まります。
FAQ
Q1: ケーススタディは個別指導(OJT)と併用できますか?
A1: はい。ケーススタディで得た理論的理解や問題解決手法をOJTで実務に適用すると学習定着が促進されます。両者は相補的です。
A1: はい。ケーススタディで得た理論的理解や問題解決手法をOJTで実務に適用すると学習定着が促進されます。両者は相補的です。
Q2: ブレーンストーミングで出たアイディアはすべて採用すべきですか?
A2: いいえ。まずは量を重視して自由に出させ、その後に評価・選別フェーズで実現可能性や優先度を検討します。
A2: いいえ。まずは量を重視して自由に出させ、その後に評価・選別フェーズで実現可能性や優先度を検討します。
Q3: インバスケット演習はどの職種に向いていますか?
A3: 管理職候補や意思決定を要する職務全般に有効です。事務・プロジェクト管理・カスタマーサポートなどで特に適用しやすいです。
A3: 管理職候補や意思決定を要する職務全般に有効です。事務・プロジェクト管理・カスタマーサポートなどで特に適用しやすいです。
関連キーワード: インバスケット、ケーススタディ、ブレーンストーミング、ロールプレイング、OJT、教育技法、グループ学習、意思決定訓練

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