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応用情報技術者 2010年 秋期 午前252


問題文

アローダイアグラムで表される作業 A〜H を見直したところ、作業 D だけが短縮可能であり、その所要日数を6日間に短縮できることが分かった。作業全体の所要日数は何日間短縮できるか。
応用情報技術者 2010年 秋期 午前2 問52の問題画像

選択肢

1
2
3(正解)
4

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クリティカルパス短縮【午前2解説】

正解の理由

作業 D を 10日→6日に短縮すると、最長経路(プロジェクト全体の所要日数)を定めていた経路の所要日数は直接 4日短縮されますが、プロジェクト全体の所要日数は「他の経路の長さとの比較」で決まります。図の構成では短縮後に最長となる経路が別に存在するため、全体の短縮量は 4日ではなく 3日になります。したがって選択肢は (3日)が正しいです。

解法ステップ

  1. 各作業の所要日数を整理
    A=5、B=3、C=5、D=10、E=5、F=12、G=3、H=6、ダミー=0。
  2. 「最早時刻(forward pass)」で各イベントの時間を求める(開始イベント時刻=0)。
    • A の完了(中間イベント1) =
    • B 経由(上段中間) =
    • C 経由(下段中間) =
    • 上段中間への D 経由 = → 上段中間の最早時刻 =
    • 上段右側(E の完了) =
    • 下段右側(F の完了) =
    • 下段右側は上段右側からのダミー(0)も入るため最早時刻 =
    • 最終イベントへ G 経由 =
    • 最終イベントへ H 経由 =
      よって元のプロジェクト所要日数は 日(最長経路は A→C→D→E→(ダミー)→H で合計 )。
  3. D を 6日に短縮した場合(D=6)で再計算:
    • 上段中間への D 経由 = → 上段中間 =
    • 上段右側(E の完了) =
    • 下段右側(F の完了) =
    • 下段右側は上段右側からのダミーを受けるため最早時刻 =
    • 最終イベントへ G 経由 =
    • 最終イベントへ H 経由 =
      よって短縮後の所要日数は 日。
  4. 全体の短縮量 = 日 → 選択肢は (3日)。
(計算で使った主な経路の合計)
  • A→B→E→G =
  • A→B→E→(ダミー)→H =
  • A→C→F→H =
  • A→C→D→E→G =
  • A→C→D→E→(ダミー)→H = ← 元の最長

選択肢別の誤答解説

  • ア(1日): 元の所要日数やダミーの影響を正しく計算していれば得られない値。D を 4日短縮しても他の経路との比較で 1日になる根拠はない。
  • イ(2日): 同上。D の短縮幅 4日を直接使って 2日にする理由がない(他経路との比較で生じる端数でもない)。
  • (3日): 正しい。元は 31日で、D を 4日短縮しても次長の経路(A→C→F→H)が 28日なので、全体は 3日短縮。
  • エ(4日): 「D を 4日短縮したからプロジェクトも 4日短縮される」と単純に考えた誤り。別経路がボトルネックとなる場合は全体短縮はその差ではない。

よくある誤解

  • ダミー矢印(所要日数 0)を無視してしまう:ダミーは順序制約を表し、最早時刻の算出に影響を与えるため無視すると誤った最長経路になる。
  • 「短縮した作業だけ見れば短縮量 = 差分」と考える:全体はネットワークの最長経路同士の比較で決まるため、短縮がすべて有効になるとは限らない。
  • すべての“経路和”をただ列挙して最大を取ればよいと誤解:AOA(アローダイアグラム)ではイベントの最早時刻は incoming の最大値なので、ダミーや合流の扱いを正しく反映する必要がある。

補足コラム

  • この問題は CPM(Critical Path Method)の基本練習です。実務では「どの作業を短縮すれば全体が短縮されるか」を判断する際、影響範囲(どのイベントの最早/最遅時刻に影響するか)を確認します。
  • 本例では D を短縮しても最終的にプロジェクトを決めるボトルネックが A→C→F→H(28日)に移行したため、D の短縮効果は 4日→実際は 3日になる、という典型的な「次長経路へ移行する」ケースです。
  • 最早時刻(ES)と最遅時刻(LS)を出せば、各作業の余裕時間(フロート)が求まり、どの作業を短縮すべきかを定量的に判断できます。

FAQ

Q. ダミー作業はなぜ考慮が必要ですか?
A. ダミーは順序制約(precedence)を表すため、あるイベントの発生を遅らせる可能性があります。最早時刻の計算では入ってくるすべての経路の最大値が採られるため、ダミー経由が最長になると所要日数に影響します。
Q. どの作業を短縮すれば全体が必ず短くなる?
A. クリティカルパス上の作業を短縮すれば全体は短くなりますが、クリティカルパスが複数ある場合や短縮でクリティカルパスが入れ替わる場合、期待した分だけは短縮されないことがあります。

関連キーワード: クリティカルパス、CPM、ダミー作業、最早時刻、所要日数短縮
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