応用情報技術者 2010年 春期 午前2 問04
問題文
連立一次方程式から、の項の係数、の項の係数、及び定数項だけを取り出した表(行列)を作り、基本操作 (1) 〜 (3)のいずれかを順次施すことによって、解が得られた。表 (行列)が次のように左から右に推移する場合、同じ種類の基本操作が施された箇所の組合せはどれか。
〔基本操作〕
(1) ある行に0でない数を掛ける。
(2) ある行とほかの行を入れ替える。
(3) ある行にほかの行の定数倍を加える。

選択肢
ア:a と b
イ:a と c(正解)
ウ:b と c
エ:b と d
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行列の基本操作【午前2解説】
正解の理由
初期の拡大係数行列から各矢印で変化した行を比較すると、矢印aと矢印cではどちらも下の行に上の行の定数倍を加える操作が行われています。具体的には矢印aで
、
矢印cでも同じく が適用されており、いずれも基本操作の(3)に該当します。したがって同じ種類の基本操作が施された箇所の組合せは イ です。
解法ステップ
- 各矢印で変化した行を特定する(変化のない行は操作に含まれていないと判断)。
- 変化前後の行同士を比較し、どの基本操作かを判定する。
- 同じ種類になっている矢印の組合せを選ぶ。
具体的な計算確認:
- 元行列から矢印aへ(上の行は変化せず、下の行が変化)
元の下行 に対して上行 の 倍を引くと、
。よって (操作(3))。 - 矢印bは行の入れ替えである(上下が入れ替わっている)→ 操作(2)。
- 矢印cは矢印b後に再び下行が変化し、元の上行の2倍を引くと一致:
。よってこれも (操作(3))。 - 矢印dは下行を 倍して にしている → 操作(1)。
以上より、aとcが同じ操作(3)であることが確定し、選択肢は イ。
選択肢別の誤答解説
- ア: a と b
aは(3)だが、bは行の入れ替え(2)。異なるため誤り。 - ウ: b と c
bは(2)、cは(3)。異なるため誤り。 - エ: b と d
bは(2)、dは行の定数倍(1)。異なるため誤り。
よくある誤解
- 行の「入れ替え」と「行の加減」を混同する:見た目で上下が入れ替わっていれば(2)、一方だけ変化しているなら(1)か(3)と判断すること。
- 定数倍と加算を取り違える:全成分が同じ比率で変わると(1)、ある行に別行の定数倍を加えた場合は一部成分だけが変わることがある(比が一定でない)。
- 符号ミスによる誤判定:例えば のような符号計算でミスしやすいので注意。
補足コラム
この問題は拡大係数行列に対する「基本行操作(初等操作)」の判別練習です。連立一次方程式の解法として用いるガウス消去法では、基本操作(1),(2),(3)を組み合わせて上三角または階段形に変形し、後退代入で解を得ます。基本操作はいずれも解集合を保つ(零でない定数倍は解集合を同一に保つ点に注意)ため、行列変形によって得られる解は元の連立方程式の解と一致します。
さらに基礎理論として、これらの操作はそれぞれ初等行列を左から掛けることに対応し、行交換は行列式の符号を反転させ、ある行を定数倍する操作は行列式をその定数倍にする性質があります。
FAQ
Q1: どの部分を比較すれば操作がわかりますか?
A1: 変化した行だけを見ます。ある行だけが変わっていれば(1)か(3)、両行が入れ替わっていれば(2)と判断できます。
A1: 変化した行だけを見ます。ある行だけが変わっていれば(1)か(3)、両行が入れ替わっていれば(2)と判断できます。
Q2: 行全体を同じ定数倍したらどう判断する?
A2: その行の全成分が同じ比例係数で変化していれば操作(1)です。比例が一定でなければ(3)の可能性が高いです。
A2: その行の全成分が同じ比例係数で変化していれば操作(1)です。比例が一定でなければ(3)の可能性が高いです。
Q3: 符号のミスが心配です。検算のコツは?
A3: 変化前の行に候補となる上行(または下行)の定数倍を足し引きして、全成分で確かめると安全です。小さな計算は筆算で確認しましょう。
A3: 変化前の行に候補となる上行(または下行)の定数倍を足し引きして、全成分で確かめると安全です。小さな計算は筆算で確認しましょう。
関連キーワード: 行列, 基本操作, 初等行列, ガウス消去法, 拡大係数行列, 連立一次方程式, 行基本変形

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