応用情報技術者 2011年 秋期 午後 問01
家電量販店の営業戦略の策定に関する次の記述を読んで、設問1~4に答えよ。
E社は、全国展開している家電量販店であり、PC、生活家電、AV機器、カメラ、ゲーム関連機器などの商品を扱っている。E社では、一人一人の客のニーズに応える豊富な品ぞろえと良質な接客を企業方針としている。
E社は、首都圏のX駅前にも複数の店舗を構え、X駅周辺の人口増加に伴い、これらの店舗の売上を順調に伸ばしてきた。
X駅前は再開発を終え、既存ビルのテナントスペースにも空きがなく、これ以上の新規出店や店舗拡張の余地はない。そのような中、X駅前の最後の一画を購入していた競合のF社が、家電量販店を出店する計画を発表した。F社が出店すれば、X駅前での競争が激化する。しかし、X駅前に魅力ある店舗が増えることで、他地区から来店する客が増えることも予想されるので、E社の戦略室は、戦略次第ではピンチをチャンスに変えることができると考えている。E社の戦略室のG課長は、H君に、F社の出店に対抗するE社の採るべき営業戦略を検討するように指示した。
〔価格戦略〕
H君は、X駅前へのF社の出店に合わせて、E社が採るべき価格戦略について検討した。
E社とF社のそれぞれが、現行の価格に対して価格据置と10%値下げのいずれかの戦略を採ったときに、両社の利得がどうなるかをシミュレーションによって求め、その結果を表1の利得表にまとめた。


E社にとっては、③>①>②>④の順で利得が大きく、F社にとっては、aの順で利得が大きい。一方で、相手がそれぞれ、どの戦略を採るかを考えてみると、F社は、E社がどのような戦略を採ろうと、bの戦略を採った方がよい。E社は、F社の戦略に応じて採るべき戦略が変わってくる。しかし、F社が採るであろう戦略を前提に考えると、cの戦略を採った方がよい。したがって、両社の戦略の組合せは、利得表のd欄となることが考えられる。
〔値下げが繰り返されたときの対応〕
価格戦略の検討とは別に、値下げが繰り返されたときの対応も検討した。もしも値下げが繰り返されると、価格が下落し、最終的には利益がなくなってしまい、両社にとって好ましくない状況に陥ってしまう。これを避けるために、H君は、次の対策1~8を考えた。
対策1 客が欲しい商品をすぐに見つけられる店舗レイアウトへの変更
対策2 客に魅力ある商品を知ってもらうための広告の充実
対策3 客の商品選びをサポートする店舗の説明要員の商品知識・接客スキルの向上
対策4 購入後のサポート強化のためのアフターサービスの充実
対策5 他社の価格がE社より低い場合に客の申告に応じて行う他社と同価格での販売
対策6 メーカーとの協力による客の欲しい商品を実現するオリジナル商品の開発
対策7 在庫コストを減らすための売れ筋商品に特化した品ぞろえ
対策8 E社の得意としているPC専門店のX駅前への新規出店
①G課長は、これらの対策の中の、対策7と対策8については対象外とし、それ以外の対策について、更に詳細な検討をするように指示した。その際、特に、接客スキルの向上に力を入れることと併せて、リピータの獲得についても検討することを指示した。
〔接客スキルの向上〕
接客スキルの向上策として、客が商品を購入するまでの心理状態の推移を把握し、それに適した接客を行うことができるように、販売員の接客トレーニングを検討した。具体的には、客が商品を購入するまでの心理状態が、“注意” → “興味” → “欲求” → “行動”の順で推移するというモデルに着目し、例えば“注意”の段階では、“広告などにひかれて店に入ってきた客が、販売員に気を使わず自分のペースで店内を見て回れるように気を配る。”といった、各段階の心理状態に適した接客トレーニングを立案した。
〔リピータの獲得〕
一般的に、上位2割の客が利益の8割を占めると言われていることから、自社の利用度の高いリピータをできるだけ優遇して、リピータのE社への支持度合いや信頼度を高め、固定化を推し進めることにする。
これを実現するために、三つの指標を使用するRFM分析を行うことにした。
設問1:〔価格戦略〕について、(1)〜(3)に答えよ。
(1)aに入れる表1の①〜④の番号の適切な順番を答えよ。
模範解答
a:② → ④ → ① → ③
解説
解答の論理構成
-
利得表の確認
【問題文】の表1 利得表によれば、各番号と F社の利得は次のとおりです。
・①:F社 3億円
・②:F社 5億円
・③:F社 2億円
・④:F社 4億円 -
高い利得順に並べ替える
5億円(②) > 4億円(④) > 3億円(①) > 2億円(③) -
設問に当てはめる
【問題文】には
“E社にとっては、③>①>②>④の順で利得が大きく、F社にとっては、aの順で利得が大きい。”
とあるため、F社の欄には上記で求めた順をそのまま入れます。 -
結論
したがって a に入る番号の並びは
② → ④ → ① → ③ です。
誤りやすいポイント
- 「E社が行に出ている=左側が E社利得、右側が F社利得」という位置関係を取り違え、F社利得を読み誤る。
- “利得が大きい順”は降順であることを見落とし、昇順で答えてしまう。
- E社の並び “③>①>②>④” に引きずられ、同じ順で F社を書いてしまう。
FAQ
Q: F社側の利益だけを抜き出すコツはありますか?
A: 行・列の交点にある「左:E社、右:F社」という注記をまず確認し、右側の値だけを別紙にメモすると混同を防げます。
A: 行・列の交点にある「左:E社、右:F社」という注記をまず確認し、右側の値だけを別紙にメモすると混同を防げます。
Q: E社の利得順が示されているのに、なぜ F社の順を自分で出す必要があるのですか?
A: ゲーム理論では各プレイヤが自分の利得を最大化する行動を考えます。問題は F社視点の利得順を求めさせることで、後続の支配戦略や均衡の理解を促しています。
A: ゲーム理論では各プレイヤが自分の利得を最大化する行動を考えます。問題は F社視点の利得順を求めさせることで、後続の支配戦略や均衡の理解を促しています。
Q: ②と④を間違えやすいのですが対策は?
A: 数値のみならず「F社が値下げした場合」のケースと結び付けて覚えると、5億円(②)が最大であることが頭に残りやすくなります。
A: 数値のみならず「F社が値下げした場合」のケースと結び付けて覚えると、5億円(②)が最大であることが頭に残りやすくなります。
関連キーワード: ゲーム理論、利得表、支配戦略、ナッシュ均衡、価格競争
設問1:〔価格戦略〕について、(1)〜(3)に答えよ。
(2)b、cに入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
b:値下げ
c:価格据置
解説
解答の論理構成
-
利得表の確認
【問題文】の「表1 利得表」によれば、F社が「価格据置」のときの利得は
・E社「価格据置」→「3億円」
・E社「値下げ」 →「2億円」
同様に、F社が「値下げ」のときは
・E社「価格据置」→「5億円」
・E社「値下げ」 →「4億円」
ここから、F社にとっては自社が「値下げ」を選んだ方が、E社の戦略にかかわらず利得が大きいことが分かります。 -
F社の支配戦略を決定
【問題文】の記述
「F社は、E社がどのような戦略を採ろうと、bの戦略を採った方がよい。」
を満たすのは「値下げ」です。
・E社「価格据置」なら 5億円 > 3億円
・E社「値下げ」 なら 4億円 > 2億円
よって b=値下げ。 -
E社の最適応答を決定
F社が「値下げ」を採ると仮定した列を比較します。
・E社「価格据置」→ 4億円
・E社「値下げ」 → 3億円
「4億円>3億円」なので、E社は「価格据置」を選ぶのが合理的です。
【問題文】の記述
「F社が採るであろう戦略を前提に考えると、cの戦略を採った方がよい。」
を満たすのは「価格据置」。 -
結論
b:値下げ
c:価格据置
誤りやすいポイント
- 行と列を取り違え、E社の利得を見てF社の意思決定を判断してしまう。
- 「③>①>②>④」の順位だけで F社の支配戦略を類推し、表中のF社利得を再確認しない。
- 「ナッシュ均衡=双方の支配戦略」と早合点し、E社も値下げを選ぶと誤答する。
FAQ
Q: 「支配戦略」と「ナッシュ均衡」はどう違いますか?
A: 支配戦略は「相手が何をしても常に最適な戦略」です。ナッシュ均衡は「互いに相手の戦略を所与としたとき、一方的に変更しても利得が増えない戦略の組合せ」です。本問では F社の「値下げ」が支配戦略ですが、E社には支配戦略がなく、結果として導かれる組合せ(E社「価格据置」・F社「値下げ」)がナッシュ均衡です。
A: 支配戦略は「相手が何をしても常に最適な戦略」です。ナッシュ均衡は「互いに相手の戦略を所与としたとき、一方的に変更しても利得が増えない戦略の組合せ」です。本問では F社の「値下げ」が支配戦略ですが、E社には支配戦略がなく、結果として導かれる組合せ(E社「価格据置」・F社「値下げ」)がナッシュ均衡です。
Q: なぜ E社が「値下げ」を選ばない方がよいのですか?
A: F社「値下げ」を前提に比較すると、E社は「価格据置」で 4億円、「値下げ」で 3億円です。自社利得が大きい方を選択するのが合理的だからです。
A: F社「値下げ」を前提に比較すると、E社は「価格据置」で 4億円、「値下げ」で 3億円です。自社利得が大きい方を選択するのが合理的だからです。
Q: 価格競争を避ける他の方法はありますか?
A: 【問題文】後半にある接客スキル向上やリピータ施策のように、非価格要因(サービス・体験価値)で差別化することで、値下げ競争を回避できます。
A: 【問題文】後半にある接客スキル向上やリピータ施策のように、非価格要因(サービス・体験価値)で差別化することで、値下げ競争を回避できます。
関連キーワード: 価格競争、支配戦略、ナッシュ均衡、利得表、ベストレスポンス
設問1:〔価格戦略〕について、(1)〜(3)に答えよ。
(3)dに入れる適切な表1中の番号を答えよ。
模範解答
d:②
解説
解答の論理構成
- 利得の大小関係を確認
【問題文】では- 「E社にとっては、③>①>②>④の順で利得が大きく、」
と明示されています。
- 「E社にとっては、③>①>②>④の順で利得が大きく、」
- F社の支配戦略を見抜く
同じく【問題文】に- 「F社は、E社がどのような戦略を採ろうと、bの戦略を採った方がよい。」
とあります。これはゲーム理論でいう“支配戦略”の記述です。
表1を読むと、F社の列だけを比較した場合 - E社が「価格据置」を選んだ列 ⇒ F社は「値下げ」で 5億円(据置なら 3億円)
- E社が「値下げ」を選んだ列 ⇒ F社は「値下げ」で 4億円(据置なら 2億円)
どちらも「値下げ」を選んだ方が高利得なので、F社の支配戦略は「値下げ」です。
- 「F社は、E社がどのような戦略を採ろうと、bの戦略を採った方がよい。」
- E社は F社の“値下げ”を前提に行動
【問題文】には- 「F社が採るであろう戦略を前提に考えると、cの戦略を採った方がよい。」
とあります。F社が「値下げ」なら、E社は利得 ②=4億円 と ④=3億円 を比較することになり、より大きい 4億円 を得る「価格据置」を選びます。
- 「F社が採るであろう戦略を前提に考えると、cの戦略を採った方がよい。」
- 両社が同時に選択した結果
- F社 … 値下げ
- E社 … 価格据置
これは表1の ② 4億円、5億円 に相当します。
- したがって「利得表の d欄」には ② が入ると結論づけられます。
誤りやすいポイント
- 「E社にとっての順位」と「F社にとっての順位」を混同し、E社視点でしか比較しない。
- F社が“支配戦略”を持つことに気付かず、「両社とも値下げ」が協調解に見えると早合点。
- 番号選択ミス:セル内容(金額)だけを目視で追い、セル番号を答え忘れる。
FAQ
Q: 支配戦略とナッシュ均衡は同じ意味ですか?
A: 支配戦略は「相手が何をしても自分にとって最良」の戦略です。支配戦略同士の組合せはナッシュ均衡になりますが、必ずしも全てのナッシュ均衡が支配戦略の組合せとは限りません。
A: 支配戦略は「相手が何をしても自分にとって最良」の戦略です。支配戦略同士の組合せはナッシュ均衡になりますが、必ずしも全てのナッシュ均衡が支配戦略の組合せとは限りません。
Q: E社が先に値下げを宣言したら結果は変わりますか?
A: 今回は「同時手番」を前提にした利得表です。先後がある場合は“拡張形ゲーム”で再分析が必要になり、結果が変わる可能性があります。
A: 今回は「同時手番」を前提にした利得表です。先後がある場合は“拡張形ゲーム”で再分析が必要になり、結果が変わる可能性があります。
Q: 価格据置で 4億円しか取れないのに、なぜ E社は据置を選ぶのですか?
A: F社が必ず値下げするとわかっている状況では、E社の選択肢は 4億円(据置) と 3億円(値下げ) の二択になるため、より利得が大きい価格据置が合理的になります。
A: F社が必ず値下げするとわかっている状況では、E社の選択肢は 4億円(据置) と 3億円(値下げ) の二択になるため、より利得が大きい価格据置が合理的になります。
関連キーワード: ゲーム理論、支配戦略、ナッシュ均衡、価格競争、利得表
設問2:〔値下げが繰り返されたときの対応〕について、(1)、(2)に答えよ。
(1)本文中の下線①について、G課長が対策7と対策8を対象外とするように指示した理由を、それぞれ25字以内で述べよ。
模範解答
対策7:企業方針である豊富な品ぞろえに反するから
対策8:X駅前には、これ以上の新規出店の余地はないから
解説
解答の論理構成
-
企業方針との整合性
- 問題文には「E社では、一人一人の客のニーズに応える豊富な品ぞろえと良質な接客を企業方針としている」とあります。
- 「対策7 在庫コストを減らすための売れ筋商品に特化した品ぞろえ」は、品ぞろえを狭める方向の施策です。
- したがって、対策7を採用すると企業方針に矛盾するため、G課長は対象外としました。
-
物理的制約
- 問題文には「X駅前は再開発を終え、既存ビルのテナントスペースにも空きがなく、これ以上の新規出店や店舗拡張の余地はない」と明記されています。
- 「対策8 E社の得意としているPC専門店のX駅前への新規出店」は、まさにこの余地がない施策です。
- 物理的に実行不可能なため、G課長は対策8も対象外としました。
以上より、
• 対策7:企業方針「豊富な品ぞろえ」に反する
• 対策8:X駅前には新規出店の余地がない
• 対策8:X駅前には新規出店の余地がない
という解答が導かれます。
誤りやすいポイント
- 「在庫コストを減らす」というキーワードだけでコスト削減=良策と判断し、企業方針との不一致を見落とす。
- 「PC専門店は得意」だから出店すべきと短絡的に考え、「空きがなく~余地はない」の記述を読み飛ばす。
- “対象外”の理由を抽象的にまとめ過ぎて具体的な根拠(企業方針・物理的制約)を示さない。
FAQ
Q: 対策7を少し緩和して品ぞろえを減らし過ぎないようにすれば問題ないのでは?
A: 企業方針が「豊富な品ぞろえ」である以上、根本的に矛盾する施策は採用しにくいと判断されます。緩和案を出すには方針の再確認や修正が必要です。
A: 企業方針が「豊富な品ぞろえ」である以上、根本的に矛盾する施策は採用しにくいと判断されます。緩和案を出すには方針の再確認や修正が必要です。
Q: 新規出店の余地がないなら、オンライン店舗の開設は可能ですか?
A: 本設問は「X駅前への新規出店」に限定した議論です。オンラインは物理スペースの制約を受けないため別途検討余地がありますが、本問の対象外です。
A: 本設問は「X駅前への新規出店」に限定した議論です。オンラインは物理スペースの制約を受けないため別途検討余地がありますが、本問の対象外です。
Q: コスト削減策が他にない場合、品ぞろえ特化は絶対にできませんか?
A: 企業方針と矛盾しない範囲であれば可能ですが、本問は「豊富な品ぞろえ」を優先しているため除外という判断です。
A: 企業方針と矛盾しない範囲であれば可能ですが、本問は「豊富な品ぞろえ」を優先しているため除外という判断です。
関連キーワード: 企業方針、品ぞろえ戦略、ストアレイアウト、物理的制約、コスト削減
設問2:〔値下げが繰り返されたときの対応〕について、(1)、(2)に答えよ。
(2)H君が考えた対策1〜6の中から、マーケティングの観点で付加価値のない戦略を選び、番号で答えよ。
模範解答
5
解説
解答の論理構成
- 問題は「H君が考えた対策1〜6の中から、マーケティングの観点で付加価値のない戦略を選び、番号で答えよ。」と指示しています。
- 【問題文】には各対策が列挙されており、そのうち該当するのは
- 「対策5 他社の価格がE社より低い場合に客の申告に応じて行う他社と同価格での販売」
という記述です。
- 「対策5 他社の価格がE社より低い場合に客の申告に応じて行う他社と同価格での販売」
- マーケティングで言う「付加価値」は、顧客に新しい利便性・満足・体験をもたらし、自社の差別化を生む活動を指します。
- 「対策5」は価格を他社と“同価格”にするだけで、商品機能やサービス品質、購買体験などに追加のメリットを与えていません。
- したがって、顧客に独自の価値を提供する1,2,3,4,6と異なり、5だけが「付加価値のない戦略」と判断できます。
- よって解答は「5」となります。
誤りやすいポイント
- 「対策2 客に魅力ある商品を知ってもらうための広告の充実」は広告費がかかるためコスト増=付加価値なしと誤解しやすいですが、顧客に“情報価値”を提供するため付加価値戦略に該当します。
- 「対策1」のレイアウト改善や「対策3」の説明要員強化は内部施策に見えても、顧客体験の質を高めるため付加価値性が高いと判断されます。
- 価格を合わせる行為(対策5)は“値下げ競争”の延長線であり、差別化要因にならないことを見落としがちです。
FAQ
Q: 価格を下げれば顧客は得をするのでは?
A: 短期的に支払額は減りますが、企業側に利益が残らずサービス水準の低下や品ぞろえ縮小を招く恐れがあるため、長期的な顧客価値にはつながりません。
A: 短期的に支払額は減りますが、企業側に利益が残らずサービス水準の低下や品ぞろえ縮小を招く恐れがあるため、長期的な顧客価値にはつながりません。
Q: 広告の充実(対策2)は企業側の宣伝でしかないのでは?
A: 顧客が自分に合った商品を“知る”機会を提供することは情報価値の創出であり、適切な商品選択を助ける点で付加価値に該当します。
A: 顧客が自分に合った商品を“知る”機会を提供することは情報価値の創出であり、適切な商品選択を助ける点で付加価値に該当します。
Q: 付加価値とは具体的にどのようなものですか?
A: 品質向上、サービス拡充、独自機能、購入体験の向上など、顧客が同等価格で他社より高い満足を得られる要素全般を指します。
A: 品質向上、サービス拡充、独自機能、購入体験の向上など、顧客が同等価格で他社より高い満足を得られる要素全般を指します。
関連キーワード: 付加価値、差別化、価格競争、顧客体験、情報価値
設問3:
〔接客スキルの向上〕について、“興味”、“欲求”、“行動”の各心理状態に適した接客を解答群にそれぞれ一例ずつ示した。このうち、“興味”に該当するものを選び、記号で答えよ。
解答群
ア:アフターサービス、商品の手入れ方法、支払方法について説明する。
イ:客の想像を邪魔せず、商品に対する肯定的な感情を共有するような言葉を掛けてアプローチする。
ウ:実施中のキャンペーン情報を説明し、条件の良い価格を提示する。
模範解答
イ
解説
解答の論理構成
- 【問題文】では、客の心理状態が“注意”→“興味”→“欲求”→“行動”と段階的に推移すると説明しています。引用:「客が商品を購入するまでの心理状態が、“注意” → “興味” → “欲求” → “行動”の順で推移するというモデルに着目し…」
- “興味”段階の特徴は、注意を引かれた客が「もう少し商品について知りたい」と感じ始めるフェーズで、✅客の自発的な想像や関心を妨げずに、商品へのポジティブな印象を強める声掛け・情報提供が効果的です。
- 解答群を検討します。
- ア:アフターサービスや支払方法は購入決定後に示す内容で、“行動”段階寄り。
- イ:客の想像を邪魔せず、肯定的な感情を共有する声掛けは、まさに興味を深めるための働き掛け。
- ウ:価格やキャンペーンによる具体的メリット提示は「欲しくなる」気持ちを高める“欲求”段階が中心。
- よって、“興味”に該当するのは「イ」です。
誤りやすいポイント
- 「価格提示=興味」と早合点する
キャンペーンや値引き情報は購入意欲(欲求)に訴える施策であり、興味段階とはズレやすいです。 - “興味”と“欲求”の区別をあいまいに覚えている
興味は「もっと知りたい」、欲求は「欲しい」にシフトした状態と整理しましょう。 - 行動段階を「購入前の手続き」と勘違いする
支払い方法・アフターサービス説明は購入確定後のフォローに近く、行動段階以降の対応になります。
FAQ
Q: 興味段階ではどの程度まで情報を出すと良いですか?
A: 客の想像を広げる程度の特徴紹介や共感的な声掛けが中心です。具体的な金額・手続きはもう一段階後に示す方が効果的です。
A: 客の想像を広げる程度の特徴紹介や共感的な声掛けが中心です。具体的な金額・手続きはもう一段階後に示す方が効果的です。
Q: “欲求”と“行動”を同時に促す施策はダメなのでしょうか?
A: 施策自体は可能ですが、モデルベースのトレーニングでは段階ごとに重点を分けた方が販売員の行動指針が明確になり、教育効果が高まります。
A: 施策自体は可能ですが、モデルベースのトレーニングでは段階ごとに重点を分けた方が販売員の行動指針が明確になり、教育効果が高まります。
Q: 店頭POPやデモ機の設置はどの段階を狙った施策ですか?
A: 店頭POPは注意~興味を喚起、デモ機は興味~欲求へ橋渡しするケースが多いです。
A: 店頭POPは注意~興味を喚起、デモ機は興味~欲求へ橋渡しするケースが多いです。
関連キーワード: AIDMA, 接客トレーニング、顧客心理、販売促進、購買プロセス
設問4:〔リピータの獲得〕について、(1)、(2)に答えよ。
(1)E社が検討しているリピータの獲得のためのマーケティング手法を何と呼ぶか。解答群の中から選び、記号で答えよ。
解答群
ア:エリアマーケティング
イ:ダイレクトマーケティング
ウ:ニッチマーケティング
エ:マスマーケティング
オ:ロイヤルティマーケティング
模範解答
オ
解説
解答の論理構成
- 問題文には、リピータ対策として「自社の利用度の高いリピータをできるだけ優遇して、リピータのE社への支持度合いや信頼度を高め、固定化を推し進める」とあります。
- さらに「三つの指標を使用するRFM分析を行う」と記述されています。RFM分析は、優良顧客を抽出し関係を深めるための代表的アプローチです。
- 「支持度合いや信頼度を高め、固定化を推し進める」という目的は、顧客ロイヤルティの向上そのものです。
- 解答群の中で顧客ロイヤルティ向上を直接目的とする手法は「オ:ロイヤルティマーケティング」だけです。
- 以上より、E社が検討しているマーケティング手法は「オ」と判断できます。
誤りやすいポイント
- 「イ:ダイレクトマーケティング」と混同
個別にアプローチする点が似ていますが、問題文は「支持度合いや信頼度を高め、固定化」を強調しており、購入促進を目的とするダイレクトマーケティングとは焦点が異なります。 - RFM分析=ダイレクトマーケティングと短絡するミス
RFMは確かにDMで使われることもありますが、本設問では“固定化”がキーワードであり、文脈上ロイヤルティマーケティングが正解です。 - 「ア:エリアマーケティング」を選ぶ誤り
X駅前という地理的条件が前段に出てくるため地域戦略と誤読しやすいですが、本文の分析対象は“客層”であって“立地”ではありません。
FAQ
Q: RFM分析=ロイヤルティマーケティングと覚えて良いですか?
A: 厳密にはRFMは顧客の価値判定手法で、ロイヤルティマーケティングやダイレクトマーケティングで共通して利用されます。設問では“固定化”というロイヤルティ向上の目的が示されている点が決め手です。
A: 厳密にはRFMは顧客の価値判定手法で、ロイヤルティマーケティングやダイレクトマーケティングで共通して利用されます。設問では“固定化”というロイヤルティ向上の目的が示されている点が決め手です。
Q: ロイヤルティマーケティングでは具体的にどんな施策がありますか?
A: 会員ランク制度、ポイント還元、限定イベント招待、パーソナライズドクーポンなど、優良顧客の心理的・経済的満足度を高める施策が中心です。
A: 会員ランク制度、ポイント還元、限定イベント招待、パーソナライズドクーポンなど、優良顧客の心理的・経済的満足度を高める施策が中心です。
Q: なぜエリアマーケティングではないのですか?
A: エリアマーケティングは商圏特性を分析して店舗配置や品ぞろえを最適化する手法です。本問は既存顧客の“関係深化”がテーマで、エリア分析は求められていません。
A: エリアマーケティングは商圏特性を分析して店舗配置や品ぞろえを最適化する手法です。本問は既存顧客の“関係深化”がテーマで、エリア分析は求められていません。
関連キーワード: リピータ、RFM分析、ロイヤルティマーケティング、顧客生涯価値、セグメンテーション
設問4:〔リピータの獲得〕について、(1)、(2)に答えよ。
(2)三つの指標として、どのようなデータを集めればよいか、それぞれ10字以内で答えよ。
模範解答
①:最新購買日
②:購買頻度
③:累計購買金額
解説
解答の論理構成
-
RFM分析とは
【問題文】には「三つの指標を使用するRFM分析を行う」とあります。RFMは
・Recency(直近購入日)
・Frequency(購入頻度)
・Monetary(累計購入金額)
の三指標で顧客の価値を評価する手法です。 -
それぞれの指標を日本語で表す
- Recency:直近いつ買ったか → 「最新購買日」
- Frequency:一定期間内に何回買ったか → 「購買頻度」
- Monetary:累計いくら使ったか → 「累計購買金額」
-
10字以内での記述指定
問題は「それぞれ10字以内で答えよ」と指示しています。上記3語はいずれも条件を満たし、かつ意味が明確です。 -
したがって模範解答
①「最新購買日」
②「購買頻度」
③「累計購買金額」
となります。
誤りやすいポイント
- Frequencyを「平均購買間隔」と書くと間隔は日数で表しやすい一方、RFM本来の“頻度”を直接示していないため減点対象になりやすいです。
- Monetaryを「総売上」だけにすると、その顧客によるものか全体か曖昧になりがちです。「累計購買金額」と顧客単位であることを明示しましょう。
- Recencyを「最終購入日」と書くのは意味として正しいですが、指示語を合わせるため「最新購買日」で統一すると用語ブレによる評価漏れを避けられます。
FAQ
Q: 「購入金額合計」と書いても良いですか?
A: 字数要件に収まれば誤りではありませんが、問題文の「三つの指標」を踏まえ「累計購買金額」とする方が用語のズレが起きにくいです。
A: 字数要件に収まれば誤りではありませんが、問題文の「三つの指標」を踏まえ「累計購買金額」とする方が用語のズレが起きにくいです。
Q: 期間を設定しないとFrequencyが比較できないのでは?
A: 実務では期間設定が必須ですが、RFM分析の設問では「購買頻度」という指標名を答えれば十分です。期間の有無は答えに含める必要はありません。
A: 実務では期間設定が必須ですが、RFM分析の設問では「購買頻度」という指標名を答えれば十分です。期間の有無は答えに含める必要はありません。
Q: 顧客属性(年齢・性別)を入れたほうが精度が上がるのでは?
A: 属性情報は追加分析には有用ですが、RFM分析の基本指標はRecency, Frequency, Monetaryの三つだけです。今回は指標を追加する設問ではありません。
A: 属性情報は追加分析には有用ですが、RFM分析の基本指標はRecency, Frequency, Monetaryの三つだけです。今回は指標を追加する設問ではありません。
関連キーワード: 顧客価値分析、Recency, Frequency, Monetary, CRM, 購買履歴


