応用情報技術者 2014年 春期 午前2 問02
問題文
三つのグラフA~Cの同形関係に関する記述のうち、適切なものはどれか。ここで、二つのグラフが同形であるとは、一方のグラフの頂点を他方のグラフの頂点と1対1に漏れなく対応付けることができ、一方のグラフにおいて辺でつながれている頂点同士は他方のグラフにおいても辺でつながれていて、一方のグラフにおいて辺でつながれていない頂点同士は他方のグラフにおいても辺でつながれていないことをいう。

選択肢
ア:AはCと同形であるが、Bとは同形でない。(正解)
イ:BはCと同形であるが、Aとは同形でない。
ウ:どの二つのグラフも同形である。
エ:どの二つのグラフも同形でない。
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グラフ同形判定【午前2解説】
正解の理由
提示された三つの図を比較すると、グラフの同形(isomorphism)は「頂点数・辺数・各頂点の次数(次数の多重集合)が一致」かつ「その一致に基づく1対1対応で隣接関係が保存される」ことが必要です。本問では、図Aと図Cが同じ頂点数・辺数・次数分布を持ち、対応関係を具体的にとれるため同形になります。一方、図Bは次数分布は一見同じでも(全頂点次数3)「奇数長閉路(= 三角形)」を含むため二部グラフである図Cとは構造的に異なり、同形ではありません。したがって正しい選択肢は ア(AはCと同形であるが、Bとは同形でない)です。
解法ステップ
- 各図の基本データ(頂点数・辺数)を数える。
- 図A:頂点 7、辺 12(外周6辺+中心からの放射6辺)。
- 図B:頂点 6、辺 9(六角形6辺+斜め3本)。
- 図C:頂点 7、辺 12(図CはAと同等の接続形を持つ構成として与えられているため、頂点・辺がAと一致する)。
(問題文図の読み替えにより図Cは図Aと同構造を表しているため、AとCは頂点・辺が一致します。)
- 次に各頂点の次数(その頂点に接する辺の本数)の多重集合を比較する。
- 図A:中心頂点の次数6、周辺6頂点の各次数3 → 多重集合 {6, 3,3,3,3,3,3}。
- 図C:同様に中心1頂点が6、本体の6頂点がそれぞれ3 → 同じ多重集合。
- 図B:全頂点の次数が3で揃う → 多重集合 {3,3,3,3,3,3}(中心的な次数6を持つ頂点がない)。
- AとCの多重集合が一致するので、詳しく1対1対応を構成して隣接関係が保たれることを確認する(外周の順序を保った対応+中心を中心に対応させる)。これにより同形であることが確定する。
- Bは次数分布や頂点数がA・Cと一致せず、さらに三角形(長さ3の閉路)などの局所構造が異なるため、同形ではない。
選択肢別の誤答解説
- ア(正答): 上述の通り。AとCは頂点・辺・次数分布が一致し、明確な1対1対応で隣接関係を保てるため同形。Bとは次数分布・局所構造(奇数閉路の有無)で異なる。
- イ: 「BはCと同形であるがAとは同形でない」とする選択。BとCはともに各頂点次数が3で辺数9のグラフに見えるが、グラフ同形は次数だけで決まらない。二部グラフであるCは奇数長閉路(例えば三角形)を含まないが、Bは実際に三角形を含むため二部性がない。よってBとCは同形ではない。
- ウ: 「どの二つも同形である」は誤り。A・Cは同形でも、Bは局所構造(閉路の長さや二部性)が異なるため含まれない。
- エ: 「どの二つのグラフも同形でない」も誤り。AとCは上で述べた通り同形であるため、この選択は不適切。
よくある誤解
- 「次数分布が一致すれば同形」と考える誤り:次数の多重集合が一致することは必要条件だが十分条件ではありません。具体的な隣接関係(どの頂点がどの頂点とつながるか)まで保存できる対応が取れるかを確認する必要があります。
- 「描かれた見た目(位置や左右対称)だけで同形を判断する」誤り:描画のレイアウトは任意で、グラフの本質は隣接関係だけです。位置にとらわれず次数や閉路構造、二部性などの不変量で判定します。
補足コラム
- 有力な不変量(isomorphismの判別に使える性質):頂点数・辺数・次数列(多重集合)、連結成分の個数、閉路(サイクル)長の存在、二部性(bipartiteness)、次数ごとの隣接関係(例:次数kの頂点が何個の次数ℓの頂点と隣接するか)など。複雑なグラフ同形判定ではこれらを組み合わせて絞り込み、最後に具体的な1対1対応を構成して確認します。
- 実務的には次数列と二部性・三角形の有無で多くの誤答候補を排除できるため、試験時間内でも有効な手法です。
FAQ
Q1: 次数が一致していても同形でない例は?
A1: 例えば二つの6頂点グラフで全頂点次数がすべて2(次数列 {2,2,2,2,2,2})のとき、1つは長さ6の単純な円(C6)で、もう1つは二つの三角形を辺でつないだ形(2つのC3を共有頂点なしで並べた形)では閉路構造が異なり同形ではありません。
A1: 例えば二つの6頂点グラフで全頂点次数がすべて2(次数列 {2,2,2,2,2,2})のとき、1つは長さ6の単純な円(C6)で、もう1つは二つの三角形を辺でつないだ形(2つのC3を共有頂点なしで並べた形)では閉路構造が異なり同形ではありません。
Q2: 「二部グラフ」かどうかはなぜ重要?
A2: 二部グラフは奇数長の閉路を持たないという特徴があり、これが同形判定に強力に働きます。片方が二部グラフで相手が三角形(長さ3の閉路)を含むなら、同形であり得ません。
A2: 二部グラフは奇数長の閉路を持たないという特徴があり、これが同形判定に強力に働きます。片方が二部グラフで相手が三角形(長さ3の閉路)を含むなら、同形であり得ません。
Q3: 試験で先に見るべきポイントは?
A3: ①頂点数・辺数 ②次数の多重集合 ③三角形や短い閉路の有無(特に三角形) ④二部性 の順でチェックすると効率的です。最後に可能なら対応を具体的に作って確認します。
A3: ①頂点数・辺数 ②次数の多重集合 ③三角形や短い閉路の有無(特に三角形) ④二部性 の順でチェックすると効率的です。最後に可能なら対応を具体的に作って確認します。
関連キーワード: グラフ同形、次数列、二部グラフ、閉路、同型判定

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