応用情報技術者 2014年 春期 午前2 問32
問題文
WANを介して二つのノードをダイヤルアップ接続するときに使用されるプロトコルで、リンク制御やエラー処理機能をもつものはどれか。
選択肢
ア:FTP
イ:PPP(正解)
ウ:SLIP
エ:UDP
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PPPプロトコルの機能【午前2解説】
正解の理由
ダイヤルアップなどのシリアル回線でリンク制御やエラー検出・処理機能を持つのは イ の PPP(Point-to-Point Protocol)です。PPPはリンク制御プロトコル(LCP)で回線の確立や認証、オプションネゴシエーションを行い、フレームチェックシーケンス(FCS)によるフレーム単位のエラー検出を行います。これらにより回線の状態監視や設定交換が可能で、WANのダイヤルアップ接続に適しています。なお、リンク層での自動再送(ARQ)は標準的なPPPの役割ではなく、再送や信頼性確保は主に上位層(例:TCP)が担います。
解法ステップ
- 問われている機能(「リンク制御」「エラー処理」)がどの層の機能かを確認する(リンク層=データリンク層)。
- 各選択肢がどのプロトコル階層に属するかを照合する。
- ア: FTP → アプリケーション層(ファイル転送)
- イ: PPP → データリンク層(ポイントツーポイント用)
- ウ: SLIP → 古いシリアルプロトコル(最低限のフレーミング、制御機能弱い)
- エ: UDP → トランスポート層(コネクションレス)
- リンク制御やフレーム単位のエラー検出を備えるものを選ぶ → PPP が該当する。
選択肢別の誤答解説
-
ア: FTP
FTPはアプリケーション層プロトコルで、ファイル転送を行う。リンク制御やフレーム単位のエラー検出は行わないため不適切。 -
イ: PPP
PPPはポイントツーポイント接続向けのデータリンク層プロトコルで、LCP(Link Control Protocol)によりリンクの確立・維持・設定ネゴシエーション、PAP/CHAP等の認証を行い、FCSによるフレームのエラー検出を備える。よって設問の条件を満たす。再送(ARQ)などの信頼性確保は標準では行わず、上位層(TCP等)が担う点に注意。 -
ウ: SLIP
SLIPは非常に簡素なシリアル向けプロトコルで、基本的にIPパケットのシリアル伝送を行うだけで、リンク制御やネゴシエーション、認証、FCSによる整合性チェックなどの機能を持たない。したがって設問の条件に合致しない。 -
エ: UDP
UDPはトランスポート層のコネクションレスプロトコルで、再送やコネクション管理といった信頼性機構を持たない。ただしエラー検出のためのチェックサムは備えている(IPv4ではチェックサムを0にして無効化できるが、IPv6では必須)。だがUDP自体はリンク制御や回線ネゴシエーション機能を持たないため不適切。
よくある誤解
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誤解1: 「PPPが自動で再送してくれる」
PPPはFCSによるエラー検出やLCPでのリンク管理を行うが、通常リンク層での自動再送(ARQ)を行うプロトコルではない。データの再送や信頼性確保はTCPなど上位層の役割である。 -
誤解2: 「UDPはまったくエラー検出をしない」
UDPはコネクションレスで再送や順序制御は行わないが、チェックサムによるエラー検出機構を持つ(IPv4ではオプション、IPv6では必須)。誤って「全くエラー検出がない」と覚えないこと。 -
誤解3: 「SLIPとPPPは同等」
表面上はどちらもシリアルでIPを運ぶが、SLIPは最低限の機能しかなく、ネゴシエーション・認証・エラー検出機能などを提供するPPPとは用途と機能が異なる。
補足コラム
- PPPの標準は主にRFC 1661。構成要素としてLCP(リンクの確立・維持・終了、オプションネゴシエーション)、NCP(Network Control Protocol、IPCPなどでネットワーク層設定を行う)がある。
- 認証方式としてPAP(平文)やCHAP(チャレンジ応答)が使われる。
- PPPの派生や関連技術として、PPPoE(PPP over Ethernet)、マルチリンクPPP(MP)などがある。
- PPPのフレームにはFCS(通常16ビットまたは32ビット)があり、物理的伝送誤りの検出に使われる。
FAQ
Q1: SLIPとPPPの違いは何ですか?
A1: SLIPは単純にIPパケットをシリアルで送るだけのプロトコルで、ネゴシエーションや認証、FCSによるエラー検出などの機能がない。PPPはLCPで回線設定や認証、FCSによるエラー検出を行い、さらにNCPでネットワーク層設定を行える点が大きな違いです。
A1: SLIPは単純にIPパケットをシリアルで送るだけのプロトコルで、ネゴシエーションや認証、FCSによるエラー検出などの機能がない。PPPはLCPで回線設定や認証、FCSによるエラー検出を行い、さらにNCPでネットワーク層設定を行える点が大きな違いです。
Q2: PPPは再送(自動再送)を行いますか?
A2: 標準的なPPPはフレームのエラー検出は行うが、再送(ARQ)などの自動的な信頼性確保機構は基本仕様には含まれない。必要な信頼性は主にTCPなどで実現されます。
A2: 標準的なPPPはフレームのエラー検出は行うが、再送(ARQ)などの自動的な信頼性確保機構は基本仕様には含まれない。必要な信頼性は主にTCPなどで実現されます。
Q3: UDPのチェックサムは無効にできますか?
A3: IPv4ではチェックサムフィールドを0にして無効化することが可能(ただし推奨されない)。IPv6ではUDPチェックサムは必須で、0にすることはできません。
A3: IPv4ではチェックサムフィールドを0にして無効化することが可能(ただし推奨されない)。IPv6ではUDPチェックサムは必須で、0にすることはできません。
関連キーワード: PPP、LCP、FCS、SLIP、UDP、PAP、CHAP、PPPoE

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