応用情報技術者 2015年 秋期 午前2 問78
問題文
Webページの著作権に関する記述のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:営利目的ではなく趣味として、個人が開設しているWebページに他人の著作物を無断掲載しても、私的使用であるから著作権の侵害とはならない。
イ:作成したプログラムをインターネット上でフリーウェアとして公開した場合、配布されたプログラムは、著作権法による保護の対象とはならない。
ウ:試用期間中のシェアウェアを使用して作成したデータを、試用期間終了後もWebページに掲載することは、著作権の侵害に当たる。
エ:特定の分野ごとにWebページの URL を収集し、独自の解釈を付けたリンク集は、著作権法で保護される。(正解)
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Web著作権の基本【午前2解説】
正解の理由
選択肢エは、リンク集に独自の解釈(注釈や選択・配列の創作性)が付されている場合、その集合的表現や解説部分が著作物として保護されうる、という点で適切です。単なるURLの列挙は事実の羅列で著作物にならないことが多いですが、どのページを選び、どのような説明や分類を付すかには創作的判断が入り得るため、その部分は著作権法で保護されます。したがって「リンク集は著作権法で保護される」とする記述は一般に妥当です(ただし、創作性の有無は具体的事案で判断されます)。
解法ステップ
- 各選択肢が示す法的概念(私的複製、著作権の存続、利用許諾の効果、編集著作物)を把握する。
- 「私的利用」「フリーウェア公開」「試用版ソフトの出力」「リンク集の保護」というそれぞれの概念に対し、著作権法・契約法上の扱い(法的な保護対象とライセンスの違い)を当てはめる。
- 私的複製は「公開を伴わない私人内の複製」に限定される点、著作権は配布しても消滅しない点、ライセンス違反と著作権侵害は別個の問題である点、編集著作物や注釈付きの一覧が創作的であれば保護対象となる点を確認する。
- 条件を満たす記述を正解として選ぶ(今回は創作性を含むリンク集を保護対象とするエ)。
選択肢別の誤答解説
- ア: 「趣味で個人が運営しているWebページなら私的使用で侵害にならない」との主張は誤り。私的複製は私的な範囲での複製に限られ、インターネット上に公開する行為は第三者に向けた公衆送信に当たり、通常は著作権侵害になります。営利目的か否かは著作権の成否を直接左右しません。
- イ: フリーウェアとして公開した場合でも、著作権そのものは消滅しません。著作権者が配布許諾(フリーライセンス)を与えることで利用が可能になるだけで、著作権法による保護の対象外になるわけではありません。ライセンス条項に従えば自由に使えるが、著作権は残ります。
- ウ: 「試用期間中に作成したデータを試用終了後にWeb掲載すると著作権侵害に当たる」との断定は不適切です。一般にソフトウェアで作成した成果物の著作権は成果物の作成者に帰属するのが原則です(ソフトの利用のみで作成者の著作権が自動的に移転するわけではありません)。ただし重要な点は、使用許諾(EULA)や契約で「試用版での作成物の公開を禁止する」といった条項があり、これに違反すれば契約違反となる可能性が高いこと、さらに作成物にソフトウェア側の著作物(テンプレート、素材、フォント、音源など)が含まれている場合はそれらの利用が著作権侵害となり得ることです。要するに「必ず著作権侵害になる」とは言えず、ライセンスと出力物の内容次第です。
- エ: 創作的な選択・配列や独自の解説があるリンク集は「編集著作物」や注釈部分が著作物として保護されます。単なる無味乾燥なURL列挙だけでは保護が及ばない場合もありますが、設問文は「独自の解釈を付けたリンク集」としているため保護の対象になり得る、という点で適切です。
よくある誤解
- 私的使用=何でも自由にネット掲載できる:私的複製は私人内の複製を想定しており、公開(Web掲載)は含まれません。
- フリーソフト/フリーウェアにすると著作権が消える:配布許諾を与えるだけで、著作権自体は存続します。
- 試用版=作成物の公開は絶対に禁止:試用版利用規約で制限される場合が多いが、著作権の帰属・侵害は別問題。出力物にソフト側の著作物が含まれる場合は別途注意が必要です。
補足コラム
- ライセンス(EULA、利用規約)は契約法の観点で重要です。著作権侵害かどうかの判断とは別に、ライセンス違反に基づく損害賠償や使用差止めが問題になります。実務では「著作権の有無」と「利用許諾の内容」を両方確認することが肝要です。
- 「引用」の要件(出所明示、主従関係の確保、引用部分が必要最小限であること)は日本法でも重要で、公開する際の防御手段となり得ますが、引用の範囲を逸脱すると侵害になります。
- リンク集を作る際は、他者のタイトルや本文をそのまま転載するのではなく、自分の言葉で解説することで編集著作物としての創作性を高めつつ引用ルールを守ると安全です。
FAQ
Q1: 試用版の画像をそのまま自分のブログに掲載していいですか?
A1: まず利用規約(EULA)を確認してください。規約で禁止されていなければ、作成物の著作権があなたに帰属するか、ソフト側の素材が含まれていないかを確認する必要があります。ソフト付属のテンプレートや素材がそのまま出力に含まれる場合は別途権利処理が必要です。
A1: まず利用規約(EULA)を確認してください。規約で禁止されていなければ、作成物の著作権があなたに帰属するか、ソフト側の素材が含まれていないかを確認する必要があります。ソフト付属のテンプレートや素材がそのまま出力に含まれる場合は別途権利処理が必要です。
Q2: 他人のWebページのURLをリスト化するだけなら問題ないですか?
A2: URLそのものの列挙は通常問題になりませんが、他人のページの説明文や要約を無断で転載すると、その説明文が著作物であれば侵害になる可能性があります。自分の解説を書くと安全性が高まります。
A2: URLそのものの列挙は通常問題になりませんが、他人のページの説明文や要約を無断で転載すると、その説明文が著作物であれば侵害になる可能性があります。自分の解説を書くと安全性が高まります。
Q3: フリーウェアとして配布したソフトを勝手に改変・再配布していいですか?
A3: フリーウェアの「フリー」が示す範囲はライセンスによって異なります。改変・再配布を認めるか否かはライセンス条項で定められているため、それに従う必要があります。
A3: フリーウェアの「フリー」が示す範囲はライセンスによって異なります。改変・再配布を認めるか否かはライセンス条項で定められているため、それに従う必要があります。
関連キーワード: 著作権、私的複製、引用、EULA、利用許諾、編集著作物、リンク集、二次的著作物、ライセンス違反、公開(公衆送信)

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