応用情報技術者 2015年 春期 午前2 問61
問題文
情報戦略の投資効果を評価するとき、利益額を分子に、投資額を分母にして算出するものはどれか。
選択肢
ア:EVA
イ:IRR
ウ:NPV
エ:ROI(正解)
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投資収益率(ROI)【午前2解説】
正解の理由
投資の効果を「利益額を分子、投資額を分母」で算出する指標は、投資収益率(ROI)です。したがって選択肢の中ではエが該当します。一般的な表現は
で表され、投下した資金1単位あたりどれだけの利益が得られたかを割合で示します。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを把握する:「利益額を分子、投資額を分母」=「比率(率)」で表す指標を探す。
- 各選択肢の定義を思い出す:EVA(企業価値増加)、IRR(内部収益率)、NPV(正味現在価値)、ROI(投資収益率)。
- 「利益÷投資」である定義と一致する指標を選ぶ。これがROIであるためエを選択する。
選択肢別の誤答解説
-
ア: EVA
EVAは単純な「純利益-資本コスト」ではなく、正確には税引後営業利益(NOPAT)から投下資本に資本コスト率を掛けたキャピタルチャージを差し引いた値です。式で表すと
よって「利益÷投資」の形ではありません。 -
イ: IRR
IRR(内部収益率)はプロジェクトの将来キャッシュフローの割引率で、正味現在価値(NPV)がゼロになる割引率を指します。割合ではありますが、定義は「割引率の求解」であり、問題にある「利益額を分子、投資額を分母」の単純比率とは異なります。 -
ウ: NPV
NPVは将来キャッシュフローを一定の割引率で現在価値に割り引いて合計し、初期投資を差し引いた金額(絶対額)です。これは「額(差額)」で表す評価であり、比率(利益÷投資)ではありません。 -
エ: ROI
ROIは投資効果を「利益/投資」で表す代表的な割合指標です。問題文の定義と一致するためエが正解です。
よくある誤解
-
ROIは時間価値を反映すると思い込む
- ROIは単純比率であり、期間やキャッシュフローの発生時点を考慮しないため、長期案件の比較には不適切な場合があります。時間価値を考慮するにはNPVやIRRを使います。
-
EVAとROIを同じものと混同する
- EVAは企業が資本コストを上回る付加価値を生んでいるかを示す指標で、会計上の営業利益や投下資本等を用いて算出します。ROIとは目的・算出式が異なります。
-
利益の定義をあいまいに扱う
- 「利益」が税引前利益、税引後利益、営業利益、キャッシュフローなど何を指すかでROIの値が変わります。問題の文脈で「利益額」とあるときは通常は会計上の利益(またはプロジェクト評価では税引後キャッシュフロー)を確認します。
補足コラム
ROIは実務で広く使われるシンプルで直感的な指標です。しかし以下の点に注意すると評価の精度が上がります。
- 分母(投資額)は「初期投資」か「平均投資額」かで結果が異なるため、比較時は統一する。
- 利益の計算方法(税引前/税引後、会計利益/キャッシュフロー)を明確にする。
- 短期案件や同一期間での単純比較には便利だが、異なる期間・リスクを持つ投資比較にはNPVやIRRの併用が望ましい。
- ROIC(投下資本利益率)や修正ROI(割引後ROI)など派生指標も実務では用いられる。
簡単な例:
初期投資100万円、期待利益が30万円の場合、
。
FAQ
Q1: ROIとNPV、どちらを使うべきですか?
A1: ROIは単純な効率(割合)比較に便利ですが、将来キャッシュフローの時間価値やプロジェクト規模を考慮するならNPVが優先されます。意思決定では両方を併用することが多いです。
A1: ROIは単純な効率(割合)比較に便利ですが、将来キャッシュフローの時間価値やプロジェクト規模を考慮するならNPVが優先されます。意思決定では両方を併用することが多いです。
Q2: 利益はどの利益を使うべきですか?
A2: 評価目的により異なりますが、投資判断では税引後のキャッシュフロー(またはNOPATに相当する税引後営業利益)を使うことが推奨されます。会計上の純利益のみを使うとキャッシュの実態と乖離する場合があります。
A2: 評価目的により異なりますが、投資判断では税引後のキャッシュフロー(またはNOPATに相当する税引後営業利益)を使うことが推奨されます。会計上の純利益のみを使うとキャッシュの実態と乖離する場合があります。
Q3: ROIが高ければ常に良い投資ですか?
A3: ROIが高くても投資規模が小さい、リスクが高い、期間が長いなどの要因があると単純比較は誤りです。リスク調整やNPV・IRRとの併用で総合判断します。
A3: ROIが高くても投資規模が小さい、リスクが高い、期間が長いなどの要因があると単純比較は誤りです。リスク調整やNPV・IRRとの併用で総合判断します。
関連キーワード: ROI、EVA、IRR、NPV、NOPAT、投下資本、資本コスト、キャピタルチャージ

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