応用情報技術者 2016年 秋期 午後 問10
販売管理サービスの変更に関する次の記述を読んで、設問1~3に答えよ。
K社は、中堅の食品卸売業者であり、飲食店に食品の材料を販売している。K社のシステム部は、K社販売部向けに販売管理サービスを提供している。販売部員は販売部のPCから販売管理システムに、販売データをオンラインで入力している。販売部のPCでは、販売管理システムに接続するためのソフトウェア(以下、接続ソフトウェアという)が稼働している。販売管理システムで使用するアプリケーションは、自社で開発したものである。
システム部と販売部で合意している販売管理サービスのSLA(以下、社内SLAという)の一部を表1に示す。

現在稼働している販売管理システムのサーバは社内に設置しているが、運用費用が増大し、管理業務も煩雑になっていた。そこで、システム部では、クラウド事業者のL社が提供するPaaSに移行することを決めた。当該PaaSはL社の運用センタで稼働するサービスであり、L社とK社とは専用線で接続する。システム部のM君は、販売管理サービスの変更及びL社との調整を担当している。
〔K社とL社の間のSLA〕
今回、L社が提供するサービスの範囲と品質を明確にするために、K社とL社との間でSLAを含んだ契約を締結することにした。そこで、M君は、K社の要求事項として表1と同一の内容をSLA案としてL社に提示し、打診した。すると、L社から、“①オンライン応答時間については、サービスレベル項目とすることはできない。その他のサービスレベル項目は、目標値を含めてSLAの内容とすることは可能である。”との回答があった。M君は、L社の回答を妥当と判断し、オンライン応答時間を除いてSLA案とし、社内のレビューを行った。
社内レビューで、“SLA案には問題点がある。②PaaSで障害が発生したとき、社内SLAを遵守できない場合が残る。”と指摘された。その後、M君は、問題点の対応を行い、SLA案の内容を修正した。K社は、L社と修正内容について調整を行い、契約の締結に至った。
〔サービス変更のプロセス〕
PaaSへの移行を支障なく行うために、M君は、社内の関連する規程を確認した。サービス変更に関するプロセスの概要を図1に示す。
変更管理プロセスは、変更要求元からaを受け付ける。今回のように、サービス又は顧客に重大な影響を及ぼす可能性がある変更の場合は、新規サービス又はサービス変更の設計及び移行プロセスを実施する。aは、変更管理プロセスで評価され、承認される。変更が承認されたら、リリース及び展開管理プロセスで、リリース及び展開の計画(以下、システム切替計画という)を立案し、リリースを展開する。展開が成功すると、構成管理プロセスでは、展開されたリリースのb情報を受け取り、cの更新を行う。
〔システム切替計画〕
販売管理サービスの変更に伴うシステム切替計画を立案するに当たって、M君は、上司のN部長から、次のように指示された。 (1) K社規程の次のサービス変更方針に従うこと。
・事前にサービスの利用部門と調整を行い、必要であれば計画停止時間を設けて切替えを行う。
・サービスの利用部門が利用する前に、サービスの稼働を確認する。
・展開作業中にインシデントが発生するなどの不測の事態に備えて、必要な作業項目を設けて計画を立案する。
(2) システム部が今までに実施したシステム切替作業では、次のような苦労を経験したので、今回は同じような苦労をしなくて済むようにすること。
・インシデントが発生したときの事業に与える影響範囲を局所化できるので、段階的移行方式を採る場合が多かった。しかし、新旧のシステム間や他システムとのデータの整合性を確保するのに苦労した。
・切替計画書に基づいて、関係者による机上での確認を事前に行っていた。しかし、システム切替作業を実施すると、計画書の内容不備が発見されたり、計画書には書かれていない想定外の事態が発生したりして、それらの対応に苦労した。
これを受け、M君は、次のシステム切替計画案を作成した。
(1) 過去に苦労した経験を踏まえて、次のように切替えを行う。
① 今回のシステム切替えは、dしやすい一斉移行方式を採る。
② 切替計画に不備がないことを確認するために、システム切替作業の実施日よりも前に、移行ツールなどのテストとは別に、eを実施する。
(2) M君は、切替えのための計画停止時間について販売部と調整したところ、業務上の都合から、通常のサービス提供時間内の停止は避けてほしいと言われた。そこで、システム切替えは、サービス提供時間外の深夜0時から6時までの時間帯を利用して実施する。
(3) 切替日の前までに実施する準備作業は次のとおりである。
① 切替日の前までに、既存のサーバを停止しなくても実施可能なシステムの導入作業を完了させる。L社側で必要なシステムの導入や設定作業も、切替日の前までに完了させる。
②切替日以降は販売部のPCからL社に接続できるように、販売部のPCの接続ソフトウェアを更新する。更新は、切替日の前日に販売部員がそれぞれのPCを使い終わった後で、システム部員が順次行い、24時までに完了する。
(4)切替日に必要な作業は、データの移行作業及び稼働確認作業である。データの
移行作業は5時間、稼働確認作業は1時間が必要である。切替日は6時にサービスが開始できるように、切替日の作業は、前日のサービス処理終了後の深夜0時から開始する。
N部長は、システム切替計画案をレビューした。N部長は、M君に“③システム切替計画で考慮しておくべき作業が漏れている。サービス変更方針に沿って計画を修正すること。”と指摘した。
設問1:〔K社とL社の間のSLA〕について、(1)、(2)に答えよ。
(1)本文中の下線①の理由を、35字以内で具体的に述べよ。
模範解答
アプリケーションはL社が提供するPaaSの範囲外であるから
解説
解答の論理構成
- まず本文には、アプリケーションについて
「販売管理システムで使用するアプリケーションは、自社で開発したものである。」
と明記されています。 - 一方、L社が提供するのは
「当該PaaSはL社の運用センタで稼働するサービス」
というプラットフォーム部分のみです。 - 下線①では、L社が
「①オンライン応答時間については、サービスレベル項目とすることはできない」
と回答しています。オンライン応答時間はアプリケーション処理時間に大きく依存するため、プラットフォームの提供範囲を超えます。 - したがって、アプリケーションを自社開発しているK社側の責任であるオンライン応答時間を、L社とのSLA項目に含めるのは不適切であると判断できます。
- よって模範解答の
「アプリケーションはL社が提供するPaaSの範囲外であるから」
が導かれます。
誤りやすいポイント
- PaaSとSaaSを混同し、「アプリケーションもL社が運用している」と思い込む。
- ネットワーク遅延を理由にするあまり、責任分界点がアプリケーションに及ぶ点を見落とす。
- 可用性(稼働率)と性能(応答時間)の区別が曖昧になり、どちらも同じようにPaaSで保証できると誤解する。
FAQ
Q: PaaS契約でも応答時間をSLAに盛り込む例はないのですか?
A: 自社開発アプリケーションの性能が主要因となる場合は一般に盛り込みません。ミドルウェア性能などプラットフォーム側で制御可能な要素に限定して性能指標を設定します。
A: 自社開発アプリケーションの性能が主要因となる場合は一般に盛り込みません。ミドルウェア性能などプラットフォーム側で制御可能な要素に限定して性能指標を設定します。
Q: ネットワーク専用線で接続しているのに応答時間を保証できないのはなぜ?
A: ネットワーク遅延が小さくても、アプリケーション処理時間や DB 設計などプラットフォーム外の要因が支配的なためです。
A: ネットワーク遅延が小さくても、アプリケーション処理時間や DB 設計などプラットフォーム外の要因が支配的なためです。
Q: K社側で応答時間を保証したいときはどうしますか?
A: 自社内でアプリケーション改善やキャパシティプランニングを行い、社内SLAとして販売部と合意する形を取ります。
A: 自社内でアプリケーション改善やキャパシティプランニングを行い、社内SLAとして販売部と合意する形を取ります。
関連キーワード: PaaS, SLA, 応答時間、責任分界点、性能保証
設問1:〔K社とL社の間のSLA〕について、(1)、(2)に答えよ。
(2)本文中の下線②の“社内SLAを遵守できない場合”とはどのような場合か、40字以内で具体的に述べよ。
模範解答
障害復旧後にK社が行うアプリケーションの稼働確認の時間が確保できない場合
解説
解答の論理構成
- 社内で利用者に約束している可用性は、表1で示された
・「サービス稼働率 99.9%」
・「インシデントの解決時間 4時間」
であり、販売部員が“実際にシステムを利用できる”ことが前提です。 - K社とL社の間のSLA案では、L社が担保するのはあくまでも PaaS の復旧までです。本文には、L社が「その他のサービスレベル項目は、目標値を含めてSLAの内容とすることは可能」とありますが、これは PaaS 基盤の可用性に限られます。
- PaaS が復旧した直後は、アプリケーションやデータベース、連携経路などが正しく動くかを K社自身で確認する必要があります。しかし、この確認作業は L社の「インシデントの解決時間」に含まれていません。
- したがって、PaaS 障害が「4時間」で復旧しても、その後に K社が実施する稼働確認が長引くと、利用者に対する「サービス稼働率 99.9%」や「サービス提供時間 毎日6時から24時まで」を満たせない恐れがあります。
- 以上より、下線②が指摘する“社内SLAを遵守できない場合”とは、
「障害復旧後にK社が行うアプリケーションの稼働確認の時間が確保できない場合」
となります。
誤りやすいポイント
- PaaS 基盤の復旧=サービス復旧と早合点し、K社側で必要な稼働確認・切替作業を見落とす。
- 「インシデントの解決時間 4時間」を L社が保証すると、社内SLAも自動的に守れると誤認する。
- オンライン応答時間が SLO から外れた点に意識が向き過ぎ、可用性指標のギャップに気付かない。
FAQ
Q: L社にアプリケーション層の稼働確認まで含めて依頼すればよいのでは?
A: PaaS 契約では基盤までが提供範囲のため、アプリケーション層に関する確認は通常利用企業の責任範囲になります。
A: PaaS 契約では基盤までが提供範囲のため、アプリケーション層に関する確認は通常利用企業の責任範囲になります。
Q: 「インシデントの解決時間」を短縮すれば問題は解決する?
A: 物理的な復旧時間が短くても、K社の確認行程が残る限り可用性目標は未達になる可能性があります。復旧後の権限移譲や自動確認手順の整備が必要です。
A: 物理的な復旧時間が短くても、K社の確認行程が残る限り可用性目標は未達になる可能性があります。復旧後の権限移譲や自動確認手順の整備が必要です。
Q: 稼働確認に時間がかかるなら、社内SLAの目標値を緩和すべき?
A: 目標値を下げる前に、確認手順の自動化や並列化など運用改善で時間短縮を図るのが一般的な対応策です。
A: 目標値を下げる前に、確認手順の自動化や並列化など運用改善で時間短縮を図るのが一般的な対応策です。
関連キーワード: SLA, 可用性、PaaS, インシデント管理、運用確認
設問2:
図1及び本文中のa〜cに入れる適切な字句を解答群の中から選び、記号で答えよ。
解答群
ア:CAB
イ:CI
ウ:CMDB
エ:OODB
オ:PIR
カ:RDBMS
キ:REC
ク:RFI
ケ:RFP
模範解答
a:キ
b:イ
c:ウ
解説
解答の論理構成
-
a には、変更管理プロセスで最初に受け付ける文書名が入ります。本文には
“変更管理プロセスは、変更要求元からaを受け付ける。”
とあります。ITIL では、変更要求を記述した正式なドキュメントを “Request for Change” と呼び、頭文字は 「RFC」 です。解答群で該当するのは「キ:REC」だけですが、Request for Enhancement Change のような誤読を避けるため、試験では「RFC」と混同しにくい「キ」が選ばれています。RFC が正式に受け付けられた後に承認判定へ進むというプロセスの流れにも合致します。
よって a=キ。 -
b には、リリース及び展開管理プロセスから構成管理プロセスへ受け渡す情報の呼称が入ります。本文は
“構成管理プロセスでは、展開されたリリースのb情報を受け取り、cの更新を行う。”
と記載しています。ITIL ではリリースに含まれる個々のハードウェア・ソフトウェアの単位を Configuration Item (CI) と呼びます。展開後は CI 情報を CMDB に登録・更新するのが定石です。解答群で CI に該当するのは「イ:CI」です。
よって b=イ。 -
c には、構成管理プロセスが更新するデータベースの名称が入ります。ITIL では CI の属性や関係を格納するリポジトリを Configuration Management DataBase (CMDB) と呼びます。解答群で CMDB に該当するのは「ウ:CMDB」です。
よって c=ウ。
以上より、解答は
a:キ
b:イ
c:ウ となります。
a:キ
b:イ
c:ウ となります。
誤りやすいポイント
- 「RFI」や「RFP」といった調達文書と、「RFC」を混同しやすい。RFI/RFP はベンダ選定フェーズ、RFC は変更管理フェーズで性質が異なります。
- 「CI」と「CMDB」の主従関係を逆に覚えているケースが散見されます。CI は構成アイテムそのものであり、CMDB はそれらを格納するデータベースです。
- ITIL 用語をデータベース技術(OODB、RDBMS)と誤結合させるミス。図中の流れを読めば、技術的な DB 方式ではなく管理プロセス用語であることが分かります。
FAQ
Q: 「RFC」ではなく「REC」が選択肢にあるのはなぜですか?
A: 試験問題では、実務で広く用いられる「RFC」をそのままではなく、紛らわしい略語を混在させて選択させることがあります。ここでは「REC」が最も RFC に近い意図を持つ選択肢として提示されています。
A: 試験問題では、実務で広く用いられる「RFC」をそのままではなく、紛らわしい略語を混在させて選択させることがあります。ここでは「REC」が最も RFC に近い意図を持つ選択肢として提示されています。
Q: CI と CMDB の更新タイミングを教えてください。
A: リリースが本番環境へ展開された直後に CI 情報を確定し、それを CMDB へ登録・更新するのが標準的な手順です。計画段階では CI の予定情報を登録し、本番反映後に実績へ置き換えます。
A: リリースが本番環境へ展開された直後に CI 情報を確定し、それを CMDB へ登録・更新するのが標準的な手順です。計画段階では CI の予定情報を登録し、本番反映後に実績へ置き換えます。
Q: CMDB と一般的な RDBMS はどう違うのですか?
A: CMDB は構成管理に特化した情報モデルを持ち、CI 間の関係性(依存・接続など)を管理することが目的です。内部実装に RDBMS を用いる場合もありますが、機能面では CI ライフサイクル管理が中心となります。
A: CMDB は構成管理に特化した情報モデルを持ち、CI 間の関係性(依存・接続など)を管理することが目的です。内部実装に RDBMS を用いる場合もありますが、機能面では CI ライフサイクル管理が中心となります。
関連キーワード: ITIL, 変更管理、リリース管理、構成管理、SLA
設問3:〔システム切替計画〕について、(1)〜(3)に答えよ。
(1)本文中のdに入れる適切な字句を15字以内で答えよ。
模範解答
d:データの整合性を確保
解説
解答の論理構成
-
過去の経験の整理
【問題文】の指示(2)には
“インシデントが発生したときの事業に与える影響範囲を局所化できるので、段階的移行方式を採る場合が多かった。しかし、新旧のシステム間や他システムとのデータの整合性を確保するのに苦労した。”
とあります。ここで強調されている課題は“新旧間のデータの整合性”です。 -
課題を解決する移行方式の選択
M君はこれを踏まえ、 “今回のシステム切替えは、dしやすい一斉移行方式を採る。”
と記述しています。段階的移行で苦労した点を解消するために一斉移行を選ぶのですから、dには“データの整合性”に関する表現が入るのが自然です。 -
最終的な適切語句
一斉移行方式により“新旧システムが同時に動く期間”をなくせば、整合性確保が容易になります。したがってdは
「データの整合性を確保」
が適切です。
誤りやすいポイント
- 「切替えやすい」「影響を局所化しやすい」など、段階的移行のメリットをそのまま当てはめてしまう。本文では一斉移行に切り替える理由が示されている点に注意が必要です。
- “復旧しやすい”“切り戻しやすい”と誤解しがちですが、本文は“整合性”に焦点を当てています。
- 「データの整合性確保」から“を”を省いて「データの整合性確保」とすると意図は合うものの、文中の助詞を欠くことで不自然になるおそれがあります。
FAQ
Q: なぜ段階的移行ではなく一斉移行を選んだのですか?
A: 段階的移行では“新旧のシステム間や他システムとのデータの整合性を確保するのに苦労した”という従来の課題がありました。一斉移行により混在期間をなくし、整合性を簡単に保つことが狙いです。
A: 段階的移行では“新旧のシステム間や他システムとのデータの整合性を確保するのに苦労した”という従来の課題がありました。一斉移行により混在期間をなくし、整合性を簡単に保つことが狙いです。
Q: 一斉移行方式の注意点は何ですか?
A: 失敗した場合の影響範囲が大きくなるため、事前検証や切り戻し手順の整備が必須です。本問でも“移行ツールなどのテストとは別に、eを実施する”といった対策が盛り込まれています。
A: 失敗した場合の影響範囲が大きくなるため、事前検証や切り戻し手順の整備が必須です。本問でも“移行ツールなどのテストとは別に、eを実施する”といった対策が盛り込まれています。
Q: データ整合性確保の具体策にはどのようなものがありますか?
A: 事前のデータクレンジング、移行ツールの検証、移行後のサンプリングチェックや全件照合、トランザクション凍結タイミングの明確化などが一般的です。
A: 事前のデータクレンジング、移行ツールの検証、移行後のサンプリングチェックや全件照合、トランザクション凍結タイミングの明確化などが一般的です。
関連キーワード: データ移行、一斉移行方式、データ整合性、SLA, 変更管理
設問3:〔システム切替計画〕について、(1)〜(3)に答えよ。
(2)本文中のeに入れる適切な字句を10字以内で答えよ。
模範解答
e:「試行」
または
「移行リハーサル」
解説
解答の論理構成
- 【問題文】には、過去の苦労として
““切替計画書に基づいて、関係者による机上での確認を事前に行っていた。しかし、システム切替作業を実施すると、計画書の内容不備が発見されたり、計画書には書かれていない想定外の事態が発生したりして、それらの対応に苦労した。”
とあります。
机上確認だけでは不十分で、実際に手順どおりに動かしてみる試行的な作業が必要だったことが示唆されています。 - そこで M 君は切替計画案の中で
““システム切替作業の実施日よりも前に、移行ツールなどのテストとは別に、eを実施する。”
と記載しました。
ここには、手順・環境・所要時間などを事前検証するための「予行演習」に当たる語句を入れる必要があります。 - サービス変更方針の
““展開作業中にインシデントが発生するなどの不測の事態に備えて、必要な作業項目を設けて計画を立案する。”
も、リハーサルで想定外を洗い出すという趣旨を裏付けます。 - 以上より、e に適切なのは「試行」または同義の「移行リハーサル」です。
誤りやすいポイント
- テストとリハーサルの混同
単体・結合テストは機能検証、リハーサルは手順検証という違いを意識する必要があります。 - “机上での確認” をそのまま答案に書くミス
机上確認は既に実施済みで効果が薄かったと書かれているため不適切です。 - “検証” や “確認” といった広義の語を入れてしまう
目的が「切替作業の予行演習」であることを押さえ、具体語を選ぶ必要があります。
FAQ
Q: 本番と同じデータ量で行う必要がありますか?
A: 可能であれば同一規模で試行する方が時間見積りや性能確認の精度が高まります。難しい場合は代表値を使い、リスク評価を補完します。
A: 可能であれば同一規模で試行する方が時間見積りや性能確認の精度が高まります。難しい場合は代表値を使い、リスク評価を補完します。
Q: リハーサルで問題が出た場合、変更管理プロセスに戻すのですか?
A: はい。「変更の承認」後でも重大な問題が見つかれば再度評価・承認を取り直すのが望ましい運用です。
A: はい。「変更の承認」後でも重大な問題が見つかれば再度評価・承認を取り直すのが望ましい運用です。
Q: 予備日の設定は必須ですか?
A: サービス提供時間外だけで収まらない事態に備え、切替日翌日の予備枠を確保するのが一般的です。
A: サービス提供時間外だけで収まらない事態に備え、切替日翌日の予備枠を確保するのが一般的です。
関連キーワード: リリース計画、変更管理、リハーサル、移行方式、可用性
設問3:〔システム切替計画〕について、(1)〜(3)に答えよ。
(3)本文中の下線③について、考慮すべき作業を35字以内で答えよ。
模範解答
展開作業中に発生するインシデントに備えた切り戻し作業
解説
解答の論理構成
- サービス変更方針の確認
- 【問題文】には、N部長の指示として
“・展開作業中にインシデントが発生するなどの不測の事態に備えて、必要な作業項目を設けて計画を立案する。”
と明記されています。これは切替え失敗時にサービスを元の状態へ戻す“切り戻し”手順を必ず計画に組み込むべきことを示しています。
- 【問題文】には、N部長の指示として
- M君のシステム切替計画案の確認
- M君が示した作業項目は、
“① 今回のシステム切替えは、dしやすい一斉移行方式を採る。”
“② …eを実施する。”
“切替日に必要な作業は、データの移行作業及び稼働確認作業である。”
に留まり、切り戻し作業が具体的に記載されていません。
- M君が示した作業項目は、
“① 今回のシステム切替えは、dしやすい一斉移行方式を採る。”
- N部長の指摘
- 下線③の通り、N部長は“システム切替計画で考慮しておくべき作業が漏れている”と指摘しました。漏れているのは前述のサービス変更方針に従った“インシデント発生時の対応”です。
- 以上より、設問の答えは「展開作業中に発生するインシデントに備えた切り戻し作業」となります。
誤りやすいポイント
- 「一斉移行方式なら戻しやすい」とあるので切り戻しを記載しなくてもよいと誤解しがちですが、計画書に具体的な作業工程が無ければ方針違反になります。
- 稼働確認作業を入れているので問題ないと判断してしまうケースがありますが、“確認”と“切り戻し”は目的も手順も別です。
- データ移行時間や稼働確認時間を優先し、時間内に終わらない場合の“撤退判断ポイント”を設けることを忘れがちです。
FAQ
Q: 一斉移行方式でも切り戻しは必須ですか?
A: はい。不測の事態は方式に関係なく起こり得るため、サービス変更方針で明示された切り戻し手順を計画に含める必要があります。
A: はい。不測の事態は方式に関係なく起こり得るため、サービス変更方針で明示された切り戻し手順を計画に含める必要があります。
Q: 稼働確認後に問題が発覚した場合はどう対処しますか?
A: 稼働確認で重大な問題を検知した時点で切り戻し判断基準を満たすかを確認し、基準超過なら計画済みの切り戻し手順を実行します。
A: 稼働確認で重大な問題を検知した時点で切り戻し判断基準を満たすかを確認し、基準超過なら計画済みの切り戻し手順を実行します。
Q: 切り戻し作業を計画に入れると時間超過が心配です。どう管理すべきですか?
A: 切り戻しに必要な手順と所要時間を事前に測定し、深夜0時〜6時の制約内で実行可能かを評価したうえで、撤退判断のタイムリミットを明確化します。
A: 切り戻しに必要な手順と所要時間を事前に測定し、深夜0時〜6時の制約内で実行可能かを評価したうえで、撤退判断のタイムリミットを明確化します。
関連キーワード: 変更管理、リスク対応、ロールバック、SLA, サービス設計


