応用情報技術者 2016年 秋期 午前2 問21
問題文
フラッシュメモリに関する記述として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:高速に書換えができ、CPUのキャッシュメモリに用いられる。
イ:紫外線で全内容の消去ができる。
ウ:周期的にデータの再書込みが必要である。
エ:ブロック単位で電気的に内容の消去ができる。(正解)
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フラッシュメモリの特性【午前2解説】
正解の理由
選択肢エは、フラッシュメモリの基本的な動作単位を正しく表しています。フラッシュメモリは電気的に消去・書込みが可能な不揮発性メモリで、消去は通常「ブロック(セクタ)単位」で行われます。内部ではページ単位で書込み(プログラム)し、複数ページを含むブロック単位でしか消去できないため、消去単位がブロックである点が特徴です。
解法ステップ
- フラッシュは「揮発性か不揮発性か」を確認する(不揮発性)。
- 消去・書込みの単位を思い出す(書込みはページ、消去はブロック)。
- CPUキャッシュやDRAMの特徴と混同していないか確認する(キャッシュはSRAM、DRAMは別)。
- 選択肢を上の知識で照合して最も合うものを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 「高速に書換えができ、CPUのキャッシュメモリに用いられる。」
- 誤りです。フラッシュは書換え(プログラム/消去)が可能ですが、書換え速度はSRAMやDRAMより遅く、消去にブロック全体を必要とするため「高速に頻繁に書換える」用途には向きません。CPUキャッシュに用いられるのは主にSRAMであり、高速なランダムアクセスと低遅延が要求されるためフラッシュは使われません。
- イ: 「紫外線で全内容の消去ができる。」
- 誤りです。紫外線で消去するのはウィンドウ付きのEPROM(UV-EPROM)であり、フラッシュメモリは電気的(電圧)に消去・書込みを行います。UV消去はフラッシュの特徴ではありません。
- ウ: 「周期的にデータの再書込みが必要である。」
- 誤りです。これはDRAMのリフレッシュ(定期的に電荷を補充する必要がある)の性質に関する記述で、フラッシュは不揮発性で電源を切ってもデータは保持されるため定期的な再書込みは不要です(ただし、書込み可能回数に上限がありウェア対策は必要)。
- エ: 「ブロック単位で電気的に内容の消去ができる。」
- 正答です。フラッシュは電気的に消去でき、消去はブロック単位(セクタ単位)で行う点が代表的特徴です。したがって選択肢エが正しい説明となります。
よくある誤解
- フラッシュは「RAMと同様に周期的なリフレッシュが必要」と誤解する。
- 実際はフラッシュは不揮発性でリフレッシュ不要。周期的再書込みが必要なのはDRAM。
- 「CPUキャッシュにフラッシュが使われる」と思う。
- キャッシュは高速かつ低遅延が要るためSRAMが使われる。フラッシュは遅く消去・書込みに制約がある。
- EPROMとフラッシュの消去方法を混同する。
- UVによる全体消去はUV-EPROM、電気的なブロック消去がフラッシュの方式。
補足コラム
- NAND型とNOR型:フラッシュには主にNAND型とNOR型があり、NANDはページ書込み・ブロック消去で高密度・安価・書込み性能がよくSSDやUSBメモリに使われ、NORはランダム読み出しが得意でBIOSなどの実行ストレージ用途に使われます(ただし消去はどちらもブロック単位)。
- 書込み/消去の粒度:一般に「ページ(小粒度)で書込み」「ブロック(大粒度)で消去」。そのため既存データの更新時は、ブロック読み出し→変更→ブロック全書換えのような処理をコントローラが行います。
- 耐久性:フラッシュは書換え回数に上限(消去/書込みサイクル)があり、SLC/MLC/TLCで目安が異なる(SLCが最も高耐久)。SSD等ではウェアレベリングやガベージコレクションが実装されます。
- CPUキャッシュについて:CPUキャッシュは高速度のSRAMで実装されます。SRAMはトランジスタ・フリップフロップで構成され、電源維持が必要ですがアクセスが非常に高速です。
FAQ
Q. フラッシュメモリは何回くらい書き換え可能ですか?
A. タイプによりますが、概ねSLCで数万〜10万回、MLCで数千〜1万回、TLCはさらに少ない耐久性の目安です。実装やコントローラで見かけの寿命は伸ばせます。
Q. フラッシュとEEPROMは同じですか?
A. 概念的には両方とも電気的に消去できる不揮発性メモリですが、EEPROMはバイト単位での消去/書込みが可能なものを指すことが多く、フラッシュはブロック消去で高密度・低コストを実現した発展型と考えられます。
Q. フラッシュに保存したデータはデータ劣化しますか?
A. 長期間の保持や高温などで少しずつデータ保持力が低下することがありますが、通常の使用で数年〜十年単位で保たれるよう設計されています。耐久限界(書換回数)とは別の劣化要因です。
Q. なぜ消去がブロック単位なのですか?
A. フラッシュ内部のセル構造と消去駆動の都合上、複数ページをまとめたブロック単位で高電圧を印加して消去する構造になっているためです。これがブロック消去の理由です。
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