応用情報技術者 2016年 秋期 午前2 問54
問題文
PMBOK によれば、脅威となるマイナスのリスクと、好機となるプラスのリスクのどちらのリスクに対しても採用される戦略はどれか。
選択肢
ア:回避
イ:共有
ウ:受容(正解)
エ:転嫁
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リスクの受容【午前2解説】
正解の理由
PMBOK における「受容(accept)」は、脅威(マイナスのリスク)にも好機(プラスのリスク)にも適用できる対応方針です。すなわち、あるリスクについて現時点で積極的な対応(回避・軽減・転嫁・追求など)を取らず、その影響を受け入れることを選ぶ点で共通しています。選択肢の中でこの性質を持つのは ウ の「受容」であるため正解です。
解法ステップ
- 各選択肢が「脅威(マイナス)」と「好機(プラス)」のどちらに主に使われるかを確認する。
- 「両方に使える」性質を満たすものを選ぶ。
- 回避・転嫁・共有は片方に偏るため除外し、受容を選ぶ。
短く言うと、問題は「どの戦略が両方に適用可能か?」を問うているため、両側に適用できる「受容」を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 回避
回避(avoid)は主に脅威に対する戦略です。リスク要因を除去するか、プロジェクト方針を変更して発生可能性をなくすことであり、好機の活用方法ではありません。 -
イ: 共有
共有(share)は PMBOK では主に好機(プラスのリスク)に対する戦略です。好機を第三者やパートナーと共有して実現性を高める(例:ジョイントベンチャーや協業)という扱いであり、脅威に対する代表的対応ではありません。 -
ウ: 受容
受容(accept)は、脅威でも好機でも採用できる方針です。影響が小さい、対応コストが見合わない、あるいは他の対応策の発動を条件付きで保留する場合などに使用します。これが正答です。 -
エ: 転嫁
転嫁(transfer)は主に脅威に対する手法(例:保険や契約によるリスクの移転)で、好機の「移す」戦略とは概念が異なります。好機を第三者に任せる(共有)とは別のカテゴリです。
よくある誤解
-
「受容 = 無策」と考える誤解
受容は単に放置することだけを意味しません。アクティブ受容(コンティンジェンシーやトリガー付き対応計画を持つ)とパッシブ受容(何もしない)に分かれ、管理や監視を伴うことが多いです。 -
「共有は脅威にも使える」との誤認
共有は PMBOK の文脈では好機向けの戦略です。脅威に対しては転嫁や回避、軽減が主な選択肢になります。 -
「転嫁と共有を混同する」こと
転嫁はリスクの負担(通常は脅威)を第三者に移すことであり、共有は好機を共同で実現するためにリスクやリソースを分担することです。目的と方向が異なります。
補足コラム
PMBOK に示される代表的なリスク対応策(簡潔)
- 脅威(マイナス)の主な対応:回避(avoid)、転嫁(transfer)、軽減(mitigate)、受容(accept)
- 好機(プラス)の主な対応:活用(exploit)、強化(enhance)、共有(share)、受容(accept)
受容を採る場合の実務ポイント例:
- リスク登録簿に「受容」と明記する。
- 発生時の影響度や対応トリガー、資金(予備費)や責任者を記載する(アクティブ受容の場合)。
- リスク監視の頻度を定め、状況が変われば再評価して他の対応策に切り替える。
FAQ
Q: 受容したリスクは何もしなくてよいですか?
A: いいえ。受容にはパッシブ(何もしない)とアクティブ(コンティンジェンシー計画・予備費の設定など)があり、監視やトリガー設定は必要です。
A: いいえ。受容にはパッシブ(何もしない)とアクティブ(コンティンジェンシー計画・予備費の設定など)があり、監視やトリガー設定は必要です。
Q: 共有と転嫁は似ていますか?
A: 目的が異なります。共有は好機を共同で生かすための協業で、転嫁は脅威の負担を第三者に移す行為(例:保険、契約)です。
A: 目的が異なります。共有は好機を共同で生かすための協業で、転嫁は脅威の負担を第三者に移す行為(例:保険、契約)です。
Q: 受容はいつ使うべきですか?
A: 影響が小さい、対応コストが高すぎる、またはリスク発生後に対処すればよい場合などに選択されます。意思決定はコスト・便益と影響度で行います。
A: 影響が小さい、対応コストが高すぎる、またはリスク発生後に対処すればよい場合などに選択されます。意思決定はコスト・便益と影響度で行います。
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