応用情報技術者 2016年 春期 午後 問04
冗長構成をもつネットワークに関する次の記述を読んで、設問1〜4に答えよ。
S社は商社であり、図1のような業務ネットワークを5年前に構築し、現在も利用している。

業務サーバで実行する処理は二つある。一つは、社内LANに接続しているPCから、L3SWとL2SWを経由して送られる在庫問合せや発注といった処理(以下、対話処理という)であり、業務サーバとL2SWの間のトラフィックは3台の業務サーバの間でほぼ均等になっている。もう一つは、3台の業務サーバ間でL2SWを経由して通信し実行する日次のバッチ処理(以下、バッチ処理という)である。バッチ処理中は対話処理を禁止している。
経路の障害でこれらの処理を滞らせないよう、①業務ネットワークでは、スイッチ類を稼働系及び待機系の冗長構成とし、稼働系のスイッチ(L3SW1、L2SW1)に障害が発生した場合に、待機系のスイッチ(L3SW2、L2SW2)を経由して対話処理やバッチ処理を行えるようにしている。各スイッチのスループットは、現行の各処理が必要とする通信量に見合っている。
現在、営業日の夜間に実行するバッチ処理に8.0時間を要している。バッチ処理が長引くと対話処理に使える時間が短くなるので、これ以上バッチ処理に要する時間を延ばせない。
また、対話処理についても、在庫問合せや発注の件数が5年前に比べて増え、営業日のピーク時には社内LANと業務ネットワークの間の通信量は0.3Gビット/秒に達している。
〔業務の改善〕
S社は、業務の改善を目的として、次の(1)、(2)に取り組むことにした。
(1) 商品や顧客に関して、より詳細なデータを取り扱えるようにする。
(2) 取り扱う商品の品目数や数量を増やせるようにする。
(1)、(2)を行うと、業務サーバで取り扱うデータ項目数が増加して1レコード当たりのデータサイズが拡大するだけでなく、処理対象のレコード数も増加する。その結果、処理データ量は次の5年間で現行の10倍に増え、バッチ処理に掛かる時間、及び対話処理に必要となる社内LANと業務ネットワークの間の通信量もそれぞれ10倍に増えると予測した。
S社は、②バッチ処理が次の5年間にわたって現在と同じ時間内に完了することを目標として、新業務ネットワークを構築するプロジェクトを立ち上げ、業務ネットワークの管理者であるT君が担当することになった。
〔業務サーバの更新検討〕
新サーバの候補を選定した。諸元(抜粋)を表1に示す。

新サーバの実機を使ったバッチ処理の検証テストを行う前に、次の(1)〜(4)が成り立つものと仮定して、バッチ処理時間を机上で計算した。
(1) 新サーバのCPUの1コア当たりの処理速度は、現行サーバの2倍速い。さらに、内蔵するコア数に比例して速くなる。
(2) 新サーバのメモリの読み書き速度は、現行サーバの2倍速い。読み書き速度は、メモリサイズの違いによらない。
(3)サーバにおけるバッチ処理のスループットは、CPU の処理速度とメモリの読み書き速度のそれぞれの増加に比例して増加する。
(4) バッチ処理時間は、バッチ処理のスループットの増加に反比例して短くなる。現行サーバで 8.0 時間を要していたバッチ処理時間は、机上計算の結果、新サーバでは短縮されて a 時間になる。
〔業務サーバの更新に伴うネットワークの見直し〕
バッチ処理において、新サーバの性能を最大限発揮させるためには、サーバだけでなくネットワークも見直す必要がある。バッチ処理における新サーバ間の通信に必要な帯域を最大 1.6G ビット/秒と試算した。
現行の L3SW、L2SW 及び新サーバは、複数のリンクを論理的に束ねて 1 本のリンクとして扱うことができるリンクアグリゲーション機能(以下、LA という)を備えている。例えば LA を利用して 2 本のリンクで装置間を接続すると、その帯域は理論上 2 倍になる。T 君は、図2のア〜クのように、L3SW と L2SW の間、及び L2SW と新サーバの間を、LA を利用して 1 G ビット/秒のリンク 2 本で接続することを考えた。

T 君は、新業務ネットワークの構成について、システムアーキテクトである U 氏に相談した結果、次の(i)、(ii)のコメントを受けた。
(i) 図2中の新業務ネットワークも、スイッチ類は稼働系と待機系の冗長構成であるが、ア〜クのうち、営業日のピーク時に帯域不足となるリンクがある。
(ii) 現行の L2SW について確認しておくべき性能要件がある。確認の結果次第では、L2SW を更新する必要がある。
T 君は、これらのコメントについて検討を加え、本プロジェクトを成功裏に完了させた。
設問1:本文中の下線①について、(1)、(2)に答えよ。ここで、L3SW及びL2SWの稼働率はともにα(0<α<1)とし、L3SWとL2SW以外の機器の稼働率は1とする。
(1)L3SW、L2SWが1台ずつで冗長性がない構成の稼働率を答えよ。
模範解答
解説
解答の論理構成
-
前提条件の確認
本設問では【問題文】中に
「L3SW及びL2SWの稼働率はともに α(0<α<1) とし、L3SWとL2SW以外の機器の稼働率は1とする」
と明記されています。
したがって可用性計算に影響するのは L3SW と L2SW のみです。 -
冗長性のない構成をイメージ
下線①では「スイッチ類を稼働系及び待機系の冗長構成」とありますが、問いは “冗長性がない構成” を想定しています。つまり L3SW 1 台と L2SW 1 台が 直列 で接続されている形になります。 -
直列システムの稼働率計算
直列構成ではシステム全体が動作する確率は「各要素が同時に動作する確率」の積です。- L3SW が動作する確率 … α
- L2SW が動作する確率 … α
- その他機器 … 稼働率 1(計算に影響なし)
よって全体稼働率 は
-
結論
冗長性がない場合の稼働率は となります。
誤りやすいポイント
- 「冗長構成だから加算」と思い込み、直列/並列の判定を誤る。今回は冗長を“外した”前提なので直列計算が正解です。
- その他機器の稼働率も掛け合わせてしまう。問題文に「L3SWとL2SW以外の機器の稼働率は1」とあるため無視してよい点を見落としがちです。
- が 2 台とも同じ値であることを読み飛ばし、別々の記号を使って複雑にしてしまう。
FAQ
Q: 並列(冗長)構成なら稼働率はどう計算しますか?
A: 2 台が並列の場合、停止確率 を求め、1 から引けばよいので になります。
A: 2 台が並列の場合、停止確率 を求め、1 から引けばよいので になります。
Q: 直列と並列を見分けるコツは?
A: “両方とも動かないとサービスが止まる”なら直列、“どちらか動けばサービスが続く”なら並列です。本文中の“待機系”があるかどうかをチェックすると誤りにくいです。
A: “両方とも動かないとサービスが止まる”なら直列、“どちらか動けばサービスが続く”なら並列です。本文中の“待機系”があるかどうかをチェックすると誤りにくいです。
Q: の具体値は必要ですか?
A: 設問は数式表現が求められているので、具体的な数値代入は不要です。 とだけ答えれば十分です。
A: 設問は数式表現が求められているので、具体的な数値代入は不要です。 とだけ答えれば十分です。
関連キーワード: 稼働率, 直列システム, 並列システム, 可用性計算, 信頼性設計
設問1:本文中の下線①について、(1)、(2)に答えよ。ここで、L3SW及びL2SWの稼働率はともにα(0<α<1)とし、L3SWとL2SW以外の機器の稼働率は1とする。
(2)図1のように、L3SW、L2SWが2系統に構成された業務ネットワークの稼働率を答えよ。
模範解答
解説
解答の論理構成
-
冗長化の前提を整理
問題文には
「①業務ネットワークでは、スイッチ類を稼働系及び待機系の冗長構成とし、稼働系のスイッチ(L3SW1、L2SW1)に障害が発生した場合に、待機系のスイッチ(L3SW2、L2SW2)を経由して対話処理やバッチ処理を行えるようにしている」
とあります。すなわち、2 系統(稼働系・待機系)のどちらか一方でも生きていればネットワークは利用可能です。 -
個々のスイッチの稼働率
小問の条件で
「L3SW及びL2SWの稼働率はともにα(0<α<1)」
と定義されています。その他の機器は稼働率1なので、可用性計算に影響するのはスイッチのみです。 -
1系統(L3SW+L2SW)の稼働率
1系統が使えるためには、その系統に属する両方のスイッチが稼働している必要があります。独立とみなせば
系統稼働率 = α(L3SW) × α(L2SW) = α² -
2系統冗長構成の稼働率
両系統が同時にダウンしている確率を求め、その補数を取れば全体の稼働率になります。
・1系統がダウンしている確率 = 1 − α²
・2系統ともダウンする確率 = (1 − α²)²
したがって
全体稼働率 = 1 − (1 − α²)² -
模範解答との一致
求めた式は問題に示された模範解答
「」
と一致します。
誤りやすいポイント
- 「2台あるので加算して 」と足し算してしまう
冗長構成では“どちらか生きていれば良い”ので補数を利用するのが定石です。 - 1台だけ生きている場合の重複確率を考慮せず二重に計上する
系統が排他的であることを意識し、最終的に補数で求めるとミスを防げます。 - 系統内のスイッチを“片方動けばOK”と誤解する
本問は L3SW と L2SW 両方が動作しないと経路が成立しない構成です。
FAQ
Q: 系統の内部でスイッチが直列か並列か迷います。
A: 「稼働系のスイッチ(L3SW1、L2SW1)」のように“組”で記載されているため、直列(両方必須)と読み取ります。並列なら“どちらか”という表現になります。
A: 「稼働系のスイッチ(L3SW1、L2SW1)」のように“組”で記載されているため、直列(両方必須)と読み取ります。並列なら“どちらか”という表現になります。
Q: 補数を使う理由は?
A: 「少なくとも1系統生きている」確率は直接求めにくくても、「両系統とも死んでいる」確率は独立事象の積で簡単に出せます。その補数を取ることで計算が楽になります。
A: 「少なくとも1系統生きている」確率は直接求めにくくても、「両系統とも死んでいる」確率は独立事象の積で簡単に出せます。その補数を取ることで計算が楽になります。
Q: αが高いほど可用性はどのように変わりますか?
A: α→1 に近づくほど各系統の稼働率 α² も1に近づき、(1−α²) が小さくなるので全体稼働率 も1に近づきます。冗長化により単体より高い可用性が得られる点が定量的に確認できます。
A: α→1 に近づくほど各系統の稼働率 α² も1に近づき、(1−α²) が小さくなるので全体稼働率 も1に近づきます。冗長化により単体より高い可用性が得られる点が定量的に確認できます。
関連キーワード: 冗長化, 稼働率, 補数確率, 並列システム, 可用性
設問2:〔業務サーバの更新検討〕について、(1)、(2)に答えよ。
(1)本文中のaに入れる適切な数値を答えよ。答えは、小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めよ。
模範解答
a:1.0
解説
解答の論理構成
- バッチ処理時間短縮の前提を整理します。
- (1) より「新サーバのCPUの1コア当たりの処理速度は、現行サーバの2倍速い。さらに、内蔵するコア数に比例して速くなる」。現行は「1コア/CPU」、新サーバは「2コア/CPU」なので、CPU性能向上係数は .
- (2) より「新サーバのメモリの読み書き速度は、現行サーバの2倍速い」。メモリ性能向上係数は .
- (3) によって「バッチ処理のスループットは、CPU の処理速度とメモリの読み書き速度のそれぞれの増加に比例して増加」します。したがってスループット全体の向上係数は
. - (4) によって「バッチ処理時間は、バッチ処理のスループットの増加に反比例して短くなる」。現行サーバの処理時間は「8.0時間」。よって新サーバの処理時間は
. - 小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求める指示がありますが、計算結果はちょうど 1.0 時間なので変化はありません。
- 以上より、a に入る数値は 1.0 です。
誤りやすいポイント
- CPU とメモリの性能向上を“加算”して 倍としてしまう。設問は「それぞれの増加に比例」なので乗算が正しいです。
- CPU のコア数を見落とし、CPU性能向上を 2 倍とだけ評価してしまう。
- 「8.0時間÷6倍=1.33時間」など、誤った倍率で割り算してしまう。
- 小数第1位に丸める際に 1.0 を 1 と書いてしまう。答案は小数点第1位まで必要です。
FAQ
Q: メモリサイズが「128Gバイト」と大幅に増えていますが、処理時間に影響しないのですか?
A: (2) に「読み書き速度は、メモリサイズの違いによらない」とあり、計算モデルでは容量増加は加味しません。
A: (2) に「読み書き速度は、メモリサイズの違いによらない」とあり、計算モデルでは容量増加は加味しません。
Q: CPU コア数が増えたら必ず性能が線形に伸びるのでしょうか?
A: 現実にはスレッド制御やI/O待ちで線形にならない場合がありますが、本問は (1) の仮定で「内蔵するコア数に比例」と明示されているため、理論通りに 2 倍と扱います。
A: 現実にはスレッド制御やI/O待ちで線形にならない場合がありますが、本問は (1) の仮定で「内蔵するコア数に比例」と明示されているため、理論通りに 2 倍と扱います。
Q: スループット向上係数を掛け算する根拠は?
A: (3) の「それぞれの増加に比例して増加」が“独立要因の積”であることを意味します。CPU とメモリの性能が同時に高まると、全体処理能力は両者の積で伸びる前提です。
A: (3) の「それぞれの増加に比例して増加」が“独立要因の積”であることを意味します。CPU とメモリの性能が同時に高まると、全体処理能力は両者の積で伸びる前提です。
関連キーワード: スループット, ボトルネック, 並列処理, 仮定条件
設問2:〔業務サーバの更新検討〕について、(1)、(2)に答えよ。
(2)新サーバの諸元は本文中の下線②の目標を満たしているか。満たしていない場合は1CPU当たりのコア数を最少幾つにすればよいか。2のべき乗(4、8、16、32、…)で答えよ。満たしている場合は表1と同じ“2”と答えよ。
模範解答
4
解説
解答の論理構成
-
前提条件の整理
- データ量増加について
【問題文】より
「処理データ量は次の5年間で現行の10倍に増え、バッチ処理に掛かる時間 … もそれぞれ10倍に増える」 - 目標時間について
下線②で 「バッチ処理が次の5年間にわたって現在と同じ時間内に完了することを目標」
現在の所要時間は「現行サーバで 8.0 時間」。
⇒ 5年後も 8.0 時間以内に収める必要があります。
- データ量増加について
-
新サーバの性能向上要因
【問題文】の仮定(1)〜(3)より
a. CPU
「新サーバのCPUの1コア当たりの処理速度は、現行サーバの2倍速い。さらに、内蔵するコア数に比例」
1CPU当たりコア数を とすると CPU性能倍率は 。
b. メモリ
「新サーバのメモリの読み書き速度は、現行サーバの2倍速い」
⇒ メモリ性能倍率は 2。
c. スループット
「バッチ処理のスループットは、CPU の処理速度とメモリの読み書き速度のそれぞれの増加に比例」
⇒ 全体スループット倍率は 。 -
所要時間の算定
- データ量が10倍
- スループットが 倍
- 「バッチ処理時間は … スループットの増加に反比例」
したがって所要時間は
。
-
目標値との比較
目標は 8.0 時間以内。
-
コア数の決定
- 解答は 2 のべき乗で求める。
- を満たす最少の 2 のべき乗は 4。
よって、表1の「2コア/CPU」では目標未達。最少 4コア/CPU が必要です。
誤りやすいポイント
- 「10倍速くすればよい」と短絡し、メモリの2倍向上を重複計算してしまう。
- 8.0時間×10=80時間をそのまま比較し、スループット向上を加味し忘れる。
- コア数を整数で考え、2.5以上だから「3」と回答してしまう(2のべき乗条件を失念)。
FAQ
Q: メモリサイズが「128Gバイト」と大幅に増えていますが、速度向上に影響しないのですか?
A: 【問題文】の仮定(2)で「読み書き速度は、メモリサイズの違いによらない」と明記されているため、容量拡大は計算に含めません。
A: 【問題文】の仮定(2)で「読み書き速度は、メモリサイズの違いによらない」と明記されているため、容量拡大は計算に含めません。
Q: 複数CPU構成にすればコア数要件は変わりますか?
A: 本問では「サーバのCPU数 1CPU」と固定されています。CPU数を増やす設計変更は与えられていないので、1CPU内のコア数で性能を調整します。
A: 本問では「サーバのCPU数 1CPU」と固定されています。CPU数を増やす設計変更は与えられていないので、1CPU内のコア数で性能を調整します。
Q: ストレージI/Oの影響は無視して良いのですか?
A: 本問は仮定(1)〜(4)でCPUとメモリを主要因とするモデルを採用しています。試験では与えられた前提に従って計算することが求められます。
A: 本問は仮定(1)〜(4)でCPUとメモリを主要因とするモデルを採用しています。試験では与えられた前提に従って計算することが求められます。
関連キーワード: スループット, メニーコア, 性能評価, ボトルネック, 倍率計算
設問3:本文中のU氏のコメント(i)について、(1)、(2)に答えよ。
(1)どのリンクが帯域不足となるか。ア〜クの記号で全て答えよ。
模範解答
ア、イ
解説
解答の論理構成
-
対話処理ピーク時の通信量を確認
- 現在のピークは【問題文】「0.3Gビット/秒」。
- 5年間で「10倍に増える」とあるので、将来は
。
-
ボトルネック候補となるリンクを絞り込む
- 対話処理は社内LAN → L3SW → L2SW → 新サーバの順で流れる。
- この経路で LA(リンクアグリゲーション) を採用する箇所は、図2の
「ア L3SW1―L2SW1」および「イ L3SW2―L2SW2」。 - 【問題文】「LA を利用して 1 G ビット/秒のリンク 2 本で接続すると、その帯域は理論上 2 倍になる。」
よって各リンク集合の帯域は 。
-
必要帯域との比較
- 必要帯域:
- 提供帯域:
- 供給 < 需要 なので帯域不足。
-
冗長構成を考慮
- 稼働系(通常時)[ア]だけでなく、稼働系故障時は待機系[イ]が主経路になる。
- いずれも 2 Gbit/s であり、同じく不足。
-
結論
- 帯域不足となるリンクは「ア、イ」である。
誤りやすいポイント
- 「LA だから 2 Gbit/s×2経路で 4 Gbit/s」と誤算する
LA は“装置間”の集合帯域であり、並列化できるのは同一装置間の2本だけ。稼働系と待機系は同時に使わない。 - 対話処理とバッチ処理を混同する
バッチ処理は夜間のみで、ピーク帯域を支配するのは対話処理。 - サーバ間 LA(ウ〜ク)が不足すると早合点する
サーバ間は 1.6 Gbit/s の試算なので 2 Gbit/s で十分。ボトルネックは上位層。
FAQ
Q: LA は理論上 2 Gbit/s でも実効帯域は落ちませんか?
A: 実際は制御フレームや負荷分散方式で若干下がりますが、本問は理論帯域比較なので 2 Gbit/s とみなします。
A: 実際は制御フレームや負荷分散方式で若干下がりますが、本問は理論帯域比較なので 2 Gbit/s とみなします。
Q: 稼働系と待機系を同時に流用して計 4 Gbit/s にできないのですか?
A: 冗長構成は通常、いずれか一方をアクティブにします。負荷分散目的の MLAG 等を導入しない限り、同時使用はしません。
A: 冗長構成は通常、いずれか一方をアクティブにします。負荷分散目的の MLAG 等を導入しない限り、同時使用はしません。
Q: サーバ増設でピークトラフィックは分散しないのですか?
A: 社内LANと業務ネットワーク間の合計トラフィック量は 3 Gbit/s と試算済みであり、経路が1系統なら集中します。分散には上位スイッチや経路制御の追加が必要です。
A: 社内LANと業務ネットワーク間の合計トラフィック量は 3 Gbit/s と試算済みであり、経路が1系統なら集中します。分散には上位スイッチや経路制御の追加が必要です。
関連キーワード: リンクアグリゲーション, 帯域設計, 冗長構成, ボトルネック解析
設問3:本文中のU氏のコメント(i)について、(1)、(2)に答えよ。
(2)LAを利用する場合、1Gビット/秒のリンクを最少何本束ねればよいか。数字で答えよ。
模範解答
3(本)
解説
解答の論理構成
- 現行ネットワークのピーク値
問題文には「営業日のピーク時には社内LANと業務ネットワークの間の通信量は0.3Gビット/秒に達している。」とあります。 - 5 年後の増加予測
さらに「処理データ量は次の5年間で現行の10倍に増え、…通信量もそれぞれ10倍に増えると予測した。」と記載されています。したがって将来のピーク通信量は
となります。 - ボトルネックとなるリンク
U 氏のコメント(i)にある「稼働系と待機系の冗長構成」を踏まえると、通常は稼働系(図2 の [ア] または [イ])のみで通信を処理します。ピークトラフィック 3 Gbit/s が一方向に集中するため、このリンクの帯域を 3 Gbit/s 以上に確保する必要があります。 - LA(リンクアグリゲーション)の帯域拡張効果
問題文より「1Gビット/秒のリンク 2 本で接続すると、その帯域は理論上 2 倍になる。」と示されており、束ねた本数に比例して帯域は増加します。 - 必要本数の計算
1 本あたり 1 Gbit/s なので、 を満たす最小の整数 は 3。 - 結論
よって、LA で束ねる 1 Gbit/s のリンクは「3(本)」が最少となります。
誤りやすいポイント
- 冗長構成だからといって稼働系と待機系の帯域を合算してもよいと勘違いする。通常運用では待機系にトラフィックは流れません。
- 「1.6G ビット/秒」のバッチ処理用帯域とピーク時の対話処理用帯域を混同し、必要本数を 2 本と誤算する。
- LA のスループットを “2 本で 1G+1G=1G” のように誤ってシリアル計算してしまう。
FAQ
Q: 待機系も同時に使えば 2 本で足りるのでは?
A: 障害時に切り替えるための待機系なので、通常は稼働系のみが使用されます。したがって稼働系単独で 3 Gbit/s を保証する設計が必要です。
A: 障害時に切り替えるための待機系なので、通常は稼働系のみが使用されます。したがって稼働系単独で 3 Gbit/s を保証する設計が必要です。
Q: LA は理論値どおりに帯域が倍増しますか?
A: 問題文は「理論上 2 倍になる」と前提を与えています。本試験ではこの前提のもとで計算します。実運用ではプロトコルやフロー分散方式の影響を考慮します。
A: 問題文は「理論上 2 倍になる」と前提を与えています。本試験ではこの前提のもとで計算します。実運用ではプロトコルやフロー分散方式の影響を考慮します。
Q: 3 本ではなく 4 本にしてもよいですか?
A: もちろん設計上は可能ですが、「最少何本束ねればよいか」という設問なので、必要条件を満たす最小値 3 本が解答となります。
A: もちろん設計上は可能ですが、「最少何本束ねればよいか」という設問なので、必要条件を満たす最小値 3 本が解答となります。
関連キーワード: 冗長構成, リンクアグリゲーション, 帯域幅計算, トラフィック予測, スループット向上
設問4:
本文中のU氏のコメント(ii)について、確認しておくべき性能要件を20字以内で答えよ。
模範解答
スループットが通信量に見合うこと
解説
解答の論理構成
- 問題が指す箇所の特定
U氏は「(ii) 現行の L2SW について確認しておくべき性能要件がある」と述べています。 - なぜ L2SW の性能確認が必要か
新業務ネットワークでは「バッチ処理における新サーバ間の通信に必要な帯域を最大 1.6G ビット/秒」と試算されています。 - 既存スイッチについての記述
もともと「各スイッチのスループットは、現行の各処理が必要とする通信量に見合っている」とあり、スイッチは通信量をさばけることが前提でした。 - 性能要件の本質
処理データ量が『現行の10倍』になるため、L2SW が「新たに増える通信量」を捌けるかどうかを確認する必要があります。スイッチで最も基本的な性能指標はポートあたり・装置あたりの「スループット」です。 - したがって、確認すべき性能要件は
「スループットが通信量に見合うこと」
となります。
誤りやすいポイント
- ポート数や冗長方式を要件と誤解し、通信性能という本質を外してしまう。
- 「遅延」「フレームサイズ」など細部の指標を挙げてしまい、問題が求める大枠(帯域能力)を外す。
- 新サーバの 1.6G ビット/秒という数字に引きずられ、具体的な値を回答しようとして字数超過や表記ぶれを起こす。
FAQ
Q: レイヤ2スイッチの性能には遅延もありますが、なぜスループットが最重要なのですか?
A: 本問は「通信量が10倍」「帯域を最大 1.6G ビット/秒」と増加量を示しており、フローを滞らせないことが主眼です。よって最も基本的な転送能力=スループットが要件になります。
A: 本問は「通信量が10倍」「帯域を最大 1.6G ビット/秒」と増加量を示しており、フローを滞らせないことが主眼です。よって最も基本的な転送能力=スループットが要件になります。
Q: スループットはポート単位か装置全体か、どちらを見るべきですか?
A: 実務では両方を確認しますが、本問では「通信量に見合うこと」という表現で十分に意図を満たします。
A: 実務では両方を確認しますが、本問では「通信量に見合うこと」という表現で十分に意図を満たします。
Q: LA で帯域を増やすから L2SW のスループットは気にしなくてもよいのでは?
A: LA はリンク速度を論理的に束ねますが、スイッチ本体の転送能力が不足していればボトルネックになります。したがってスループット確認は必須です。
A: LA はリンク速度を論理的に束ねますが、スイッチ本体の転送能力が不足していればボトルネックになります。したがってスループット確認は必須です。
関連キーワード: スループット, 帯域幅, リンクアグリゲーション, 冗長構成, レイヤ2スイッチ


