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応用情報技術者 2016年 春期 午前249


問題文

作業成果物の作成者以外の参加者がモデレータとして主導すること、並びに公式な記録及び分析を行うことが特徴のレビュー技法はどれか。

選択肢

インスペクション(正解)
ウォークスルー
パスアラウンド
ペアプログラミング

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インスペクション【午前2解説】

正解の理由

作業成果物の作成者以外が第三者として主導し、かつ公式な記録を残して分析するという特徴は、伝統的な形式レビュー手法であるインスペクションに該当します。そのため選択肢のうち正しいのは です。インスペクションは外部のモデレータ(ファシリテータ)が進行を管理し、チェックリストや規程に従って欠陥を記録・分類し、後続の分析や品質管理に用いる点が特徴です。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワードを抽出する:「作成者以外の参加者がモデレータとして主導」「公式な記録及び分析」。
  2. 各手法の定義を思い出す:
    • インスペクション=形式的・第三者主導・記録重視
    • ウォークスルー=作成者主導・説明・討議型
    • パスアラウンド=成果物を回覧してコメントを集める簡易方式
    • ペアプログラミング=2人で共同作成(レビュー手法ではない)
  3. 定義とキーワードを照合し、条件に最も合致するものを選ぶ(インスペクション)。

選択肢別の誤答解説

  • ア(インスペクション)
    第三者モデレータ(検査長、ファシリテータ)が進行し、参加者は欠陥の検出に専念します。会議では公式な記録(欠陥リスト、分類、票決結果など)を残し、後続の分析・改善に用いる点で設問の条件と合致します。
  • イ(ウォークスルー)
    通常は作成者が主導して説明を行い、参加者との討議で理解を深めたり問題点を指摘したりします。形式は緩やかで記録や分析が主体ではないため、設問の「作成者以外がモデレータとして主導」かつ「公式な記録及び分析を行う」には当てはまりません。
  • ウ(パスアラウンド)
    成果物を回覧してコメントを募る手法で、非公式かつ非同期のレビューです。モデレータによる主導や公式な記録・体系的な分析を伴わないことが多く、設問の条件と合致しません。
  • エ(ペアプログラミング)
    2人が協力してコードを同時に作成するアジャイルの実践であり、レビュー手法そのものではありません。常時のレビュー効果はありますが、「作成者以外の参加者がモデレータとして主導」「公式な記録及び分析を行う」という形式的条件とは異なります。

よくある誤解

  • インスペクションとウォークスルーは同じだと考える誤解
    見た目は似ていますが、インスペクションは第三者主導で形式的・計量的に進められる点が決定的に異なります。ウォークスルーは作成者主導で教育的要素が強いです。
  • ペアプログラミングを「レビュー技法」と混同する誤り
    ペアプログラミングは共同開発手法で、常に公式な記録や独立した分析を行うわけではありません。レビューの目的・手順が異なります。
  • パスアラウンドでも十分に品質管理できると過信すること
    回覧のみでは欠陥の検出率や再現性が低く、重大欠陥の見落としが発生しやすいです。正式な検査が必要な場面があることを忘れないでください。

補足コラム

インスペクションはソフトウェア工学のレビュー手法として広く知られ、特に「Fagan inspection」として1976年にMichael Faganが提唱したものが有名です。Faganは正式な役割分担(作者、モデレータ/検査長、リーダー/リーダー的役割(reader)、記録者(recorder)、査読者)やプロセス(計画→概要→準備→検査会議→修正→フォローアップ)を定義しました。
典型的なインスペクションの流れ(簡易)
  1. 計画:対象成果物・参加者・日程の決定
  2. 準備:参加者が個別に成果物を精査、チェックリストで問題を抽出
  3. 検査会議:モデレータが進行、記録者が欠陥を公式に記録
  4. 修正:作者が欠陥を修正
  5. フォローアップ:修正確認と記録の完了
期待される効果例:
  • 早期の欠陥発見によるコスト削減
  • 欠陥の種類・発生箇所の統計化によるプロセス改善
  • ドキュメントの一貫性向上
実務上はコストと効果のバランスを考慮して、インスペクション(形式的レビュー)とウォークスルー(非形式的レビュー)を使い分けます。

FAQ

Q1: ウォークスルーとインスペクション、どちらが必ず良いですか?
A1: 目的によります。教育や早期共有にはウォークスルー、重要なリリースや安全性が問われる場合はインスペクションのような形式的レビューが適しています。
Q2: インスペクションはどのくらいの頻度で行うべきですか?
A2: プロジェクトの規模や重要度に応じて決めます。重要なマイルストーンや大きなモジュール完成時に実施するのが一般的です。
Q3: インスペクションの効果を測る指標は?
A3: 欠陥検出率、欠陥密度(欠陥/KLOCや欠陥/要件数)、検査率(レビュー行数/時間)などが使われます。

関連キーワード: インスペクション、レビュー技法、Fagan inspection、モデレータ、欠陥検出率、チェックリスト、正式レビュー
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