応用情報技術者 2017年 春期 午後 問04
仮想環境の構築に関する次の記述を読んで、設問1~4に答えよ。
N会計事務所は、数十人の公認会計士、税理士、司法書士を有する、中堅の公認会計士事務所である。所内では、業務用の会計システム、法務システム、契約管理システム及び総務システムが稼働している。業務拡大に合わせて所内システムの改修を行ってきたが、サーバ類の老朽化が顕著になってきたことから、サーバなどの業務システム基盤を再構築することになった。
〔現行システムの構成〕
N会計事務所の所内システムは、各業務の顧客経理支援業務に利用されるので24時間稼働している。業務要件として、会計システムは24時間無停止での稼働が必要で、業務が集中したときでも一定の性能が求められる。法務システムは30分以内の停止が許容されている。
会計システムと法務システムは、それぞれアプリケーションサーバ(以下、APサーバという)とデータベースサーバ(以下、DBサーバという)の2種類のサーバで構成されており、契約管理システムと総務システムは、それぞれAPサーバとDBサーバを兼用するサーバで構成されている。会計APサーバは負荷分散装置によるアクティブ/アクティブ方式、法務APサーバは手動によるアクティブ/スタンバイ方式で冗長化され、DBサーバは両システムともアクティブ/アクティブ方式のクラスタリング機能をとっている。会計APサーバで処理するトランザクションは、会計APサーバ1と会計APサーバ2に均等に分散される。法務APサーバで現用系サーバが故障した場合、20分以内に待機系を手動で起動し、アクティブな状態できる。現行システムの構成を図1に示す。

システム課のB課長は、現行システムのそれぞれのサーバの稼働状況を調査した。
現行システムは、10台のサーバから構成されており、いずれのサーバにもCPU数は1でコア数が2の機器である。現行システムのリソース使用状況を表1に示す。


〔仮想化システムの機能〕
B課長は、仮想化システムを利用して仮想サーバ環境を構築し、現行サーバ群を仮想サーバ上で稼働させることを検討した。各現行サーバは、再構築後の仮想サーバ環境において、いずれかの物理サーバに仮想サーバとして割り当てる。このとき仮想化システムの機能である、複数の物理サーバのリソースをグループ化して管理するリソースプールと呼ぶ仕組みを利用する。例えば、ある仮想サーバにCPUやメモリといったリソースを追加する場合、1台の物理サーバのリソースの制限にとらわれることなく、リソースプールからリソースを割り当てればよい。表2は、仮想化システムの機能の説明を抜粋したものである。

仮想化システムでは、各仮想サーバに割り当てるリソース量に上限値と下限値を設定できる。上限値を設定した場合は、設定されたリソース量までしか使用できない。下限値を設定した場合は、設定されたリソース量を確保し、占有して使用できる。上限値も下限値も設定しない場合は、起動時にリソースを均等に分け合う。
〔業務システム基盤の構成〕
B課長は仮想化システムの処理能力を次のように仮定して、業務システム基盤の構成を設計した。
・物理サーバに仮想サーバを動作させるための仮想化システムに必要なCPUとメモリは、十分な余裕をもたせて、物理サーバのCPUとメモリ全体の50%と想定する。CPUとメモリ以外のリソースの消費は無視する。
・仮想サーバのCPUの1コア1GHz当たりの処理能力は、現行システムのCPUの1コア1GHz当たりの処理能力と同等とする。
・CPUの処理能力は、コア数に比例する。
・CPU使用量は処理能力とその平均使用率の積とする。これをGHz相当として表す。
B課長は、業務システム基盤の拡張性を考慮し、クロック周波数が4.0GHzの8コアプロセッサを1個と64Gバイトのメモリを搭載した物理サーバを3台同一機種で用意することにした。また、2台以上の物理サーバが同時に停止しない限りは、システム性能の低下は発生させないことにし、全業務無停止でのメンテナンスを可能とする。現行システムの業務要件を踏襲し、今回導入する仮想サーバの構成から、各物理サーバのCPUとメモリの使用率を、65%以下の目標値を定めた。
共有ディスクは、RAID5構成のストレージユニットとし、20Tバイトの実効容量をもたせることにした。
会計システムの冗長化構成は維持する。具体的には会計システムを負荷分散装置によるアクティブ/アクティブ方式の構成とする。法務APサーバの待機系であるサーバ6は廃止する。サーバ6以外の仮想サーバのリソース使用量は、対応する現行サーバと同じとするが、上限値と下限値の設定は行わずに、仮想サーバに移行することにした。B課長の考えた業務システム基盤の構成を図2に示す。
〔CPU、メモリの使用率について〕
(1) 業務システム基盤は、仮想化システムの稼働に必要なリソースを差し引いて、CPUの処理能力の合計が48 GHz相当、メモリ容量の合計が96 Gバイトのリソースプールで構成される。現行システムのCPU使用量は26.2 GHz相当、メモリ使用量は42.8 Gバイトとなるが、サーバを廃止することからリソースプールの使用率は、CPU使用率がa% 、メモリ使用率がb% となる。
(2) ストレージユニットは物理サーバの共有ディスクとして接続する。各仮想サーバには現行システムと同容量をストレージユニットから割り当てるので、各仮想サーバに割り当てるストレージ容量の合計はストレージユニットの容量を超える。
〔資産査定システムの追加について〕
B課長が業務システム基盤の構成の設計を完了した後に、会計業務を統括する事務所長から、資産査定システムの追加を検討してほしいとの要望があった。B課長は資産査定システムを会計システムと同様なサーバ構成で構築することにし、必要なリソース量を調査した。資産査定システムのリソース使用量の見込みを表3に示す。
資産査定システムを業務システム基盤に加えた場合、メモリ使用量は68.4Gバイトとなることから、リソースプールのメモリ使用率が c %となり、物理サーバが1台停止すると、N会計事務所の会計システムの処理性能が低下してしまうことが判明した。
B課長は、当面の間、会計以外のシステムについては、障害発生時の性能低下を容認し、①1台の物理サーバが停止したとしても、物理サーバの増設やリソースの拡張をせずに、会計システムの性能を低下させないための対策をとることにした。
設問1:業務システム基盤の次の(1)〜(4)の各項目について、仮想化システムの機能を利用して実現している項目はその機能名を、それ以外の方法で実現している項目はその方法を、表2又は本文中の用語を用いて答えよ。
(1)全業務無停止でのメンテナンス
模範解答
ライブマイグレーション
解説
解答の論理構成
- 問題文の要件確認
本文には「2台以上の物理サーバが同時に停止しない限りは、システム性能の低下は発生させないことにし、全業務無停止でのメンテナンスを可能とする。」とあります。 - 無停止でメンテナンスする方法の候補整理
表2に示された仮想化機能を抜粋すると
・「自動再起動」…“再起動には数分の時間を要する。処理中のトランザクションは破棄される。”
・「ライブマイグレーション」…“稼働中の仮想サーバを、停止させることなく別の物理サーバ上に移動させる機能である。”
自動再起動は“数分の停止”が発生するため要件を満たしません。 - ライブマイグレーションが唯一の適合機能
「稼働中…停止させることなく…移動させる」という特徴が「無停止メンテナンス」で必要な“サービスを止めずに物理サーバを空ける”操作と一致します。 - 結論
よって、項目「全業務無停止でのメンテナンス」を実現する仮想化システムの機能は ライブマイグレーション となります。
誤りやすいポイント
- 「自動再起動」を選ぶミス
“自動”という語に引かれますが、問題文にある“再起動には数分の時間を要する”ため無停止要件を満たしません。 - 「オーバコミット」と混同
リソースの割当効率向上に注目してしまいがちですが、オーバコミットは停止時間の有無とは関係ありません。 - 物理クラスタリングと誤解
クラスタリングは冗長化手段ですが、仮想サーバを“動かしながら”移す機能ではない点に注意が必要です。
FAQ
Q: ライブマイグレーションを行うとき、ストレージはどうして無停止で使い続けられるのですか?
A: 共有ディスクを複数の物理サーバから同時に参照できる設計にしているため、仮想サーバが他の物理サーバへ移動してもディスク接続は継続されます。
A: 共有ディスクを複数の物理サーバから同時に参照できる設計にしているため、仮想サーバが他の物理サーバへ移動してもディスク接続は継続されます。
Q: 自動再起動でも障害時にサービスは継続できますか?
A: 可能ですが“数分の停止”が発生し、処理中トランザクションが破棄される点で「無停止」とは言えません。メンテナンスや計画停止時にはライブマイグレーションが適します。
A: 可能ですが“数分の停止”が発生し、処理中トランザクションが破棄される点で「無停止」とは言えません。メンテナンスや計画停止時にはライブマイグレーションが適します。
Q: ライブマイグレーション実行中に性能劣化は起こりますか?
A: メモリ内容を転送するため瞬間的な余分な帯域やCPU負荷は発生しますが、通常は業務に支障がない程度に抑えられます。
A: メモリ内容を転送するため瞬間的な余分な帯域やCPU負荷は発生しますが、通常は業務に支障がない程度に抑えられます。
関連キーワード: ライブマイグレーション, 仮想サーバ, 無停止メンテナンス, 共有ディスク, 物理サーバ
設問1:業務システム基盤の次の(1)〜(4)の各項目について、仮想化システムの機能を利用して実現している項目はその機能名を、それ以外の方法で実現している項目はその方法を、表2又は本文中の用語を用いて答えよ。
(2)会計システムの24時間無停止稼働
模範解答
アクティブ/アクティブ方式
解説
解答の論理構成
- 問題文はまず業務要件として
「会計システムは24時間無停止での稼働が必要」
と明示しています。 - この要件を満たすために現行システムでは
「会計APサーバは負荷分散装置によるアクティブ/アクティブ方式、…DBサーバは…アクティブ/アクティブ方式のクラスタリング機能」
と記載されています。 - 表2の仮想化機能一覧には、同様の“無停止稼働”を直接保証する機能はありません。たとえば「自動再起動」は“再起動には数分の時間を要する”ため連続稼働を保証できず、「ライブマイグレーション」は無停止でサーバ移動ができますが、それだけでは多重障害時の継続稼働を担保しません。
- したがって、24時間無停止稼働という可用性は、仮想化機能ではなく「アクティブ/アクティブ方式」という冗長化構成で実現していると結論付けられます。
誤りやすいポイント
- 「ライブマイグレーション=無停止」と短絡し、可用性確保手段と誤解する。Live Migration は保守用であり、障害時の即時継続稼働を保証しない点に注意が必要です。
- 「自動再起動」に着目して無停止と判断してしまう。本文は“再起動には数分の時間を要する”と明示しており、“無停止”の要件を満たしません。
- AP サーバだけを見てしまい、DB サーバ側の冗長化を見落とす。会計システム全体としてアクティブ/アクティブで冗長化されていることを確認する必要があります。
FAQ
Q: アクティブ/スタンバイ方式では無停止稼働は実現できませんか?
A: 切替え時にスタンバイがアクティブ化されるまで短時間でも停止が発生するため、“24時間無停止”要件には不十分です。アクティブ/アクティブ方式が適切です。
A: 切替え時にスタンバイがアクティブ化されるまで短時間でも停止が発生するため、“24時間無停止”要件には不十分です。アクティブ/アクティブ方式が適切です。
Q: 仮想化環境に移行してもアクティブ/アクティブ構成は必要ですか?
A: はい。仮想化の可搬性やライブマイグレーションだけでは瞬断ゼロを保証できないため、同一もしくは類似の冗長化構成を維持する必要があります。
A: はい。仮想化の可搬性やライブマイグレーションだけでは瞬断ゼロを保証できないため、同一もしくは類似の冗長化構成を維持する必要があります。
Q: クラスタリングとアクティブ/アクティブは同じ意味ですか?
A: クラスタリングは複数ノードを協調動作させる総称で、その構成形態の1つがアクティブ/アクティブです。本文では DB サーバがこの形態を採用しています。
A: クラスタリングは複数ノードを協調動作させる総称で、その構成形態の1つがアクティブ/アクティブです。本文では DB サーバがこの形態を採用しています。
関連キーワード: 冗長化, 負荷分散, アクティブ/アクティブ, 高可用性, 障害対策
設問1:業務システム基盤の次の(1)〜(4)の各項目について、仮想化システムの機能を利用して実現している項目はその機能名を、それ以外の方法で実現している項目はその方法を、表2又は本文中の用語を用いて答えよ。
(3)法務APサーバ(サーバ6)の廃止
模範解答
自動再起動
解説
解答の論理構成
-
現行方式の確認
- 問題文には「法務システムは30分以内の停止が許容されている。」とあり、さらに「法務APサーバは手動によるアクティブ/スタンバイ方式…現用系サーバが故障した場合、20分以内に待機系を手動で起動」と記載されています。
- この要件を満たすために、現行システムでは稼働率がほぼ “0”(表1の平均使用率「5%」)の「サーバ6」が待機系として置かれていました。
-
仮想化後の方針
- 再構築方針では「法務APサーバの待機系であるサーバ6は廃止する。」と明示されています。
- 代替策として利用できる仮想化機能を表2から探すと、「自動再起動」には「物理サーバに障害が発生した場合に、その物理サーバ上で稼働していた仮想サーバを、別の物理サーバで自動的に再起動させる機能…再起動には数分の時間を要する。」とあります。
-
要件を満たすかの検証
- 法務システムの許容停止時間は「30分以内」。
- 自動再起動は “数分” で復旧するため、30分制約を十分クリアします。
- よって待機専用の「サーバ6」を保持せずとも、仮想サーバ単体+自動再起動で同等以上の可用性が確保できます。
-
結論
- 「法務APサーバ(サーバ6)の廃止」を成立させているのは、仮想化システムの「自動再起動」である。
誤りやすいポイント
- ライブマイグレーションと混同する
稼働中に無停止で移動するのがライブマイグレーションですが、物理サーバ障害時に自動的に“再起動”するのは別機能です。 - “オーバコミットでリソース節約” と誤解する
オーバコミットはリソース割当効率の話で、可用性向上には直接関係しません。 - “手動起動でも30分以内だから残してもよい” と考える
問題の設計方針に「サーバ6は廃止」と明示されているため、代替手段を示す必要があります。
FAQ
Q: 数分で再起動しても処理中トランザクションが破棄されるのでは?
A: 法務システムは「30分以内の停止が許容」されるだけでデータ損失ゼロを要求していません。再実行で業務継続が可能と判断しています。
A: 法務システムは「30分以内の停止が許容」されるだけでデータ損失ゼロを要求していません。再実行で業務継続が可能と判断しています。
Q: ライブマイグレーションを使えば停止時間ゼロでは?
A: ライブマイグレーションは計画停止や負荷分散に有効ですが、“障害で電源が落ちた物理サーバ”上の仮想マシンは移動できません。障害対応には自動再起動が適切です。
A: ライブマイグレーションは計画停止や負荷分散に有効ですが、“障害で電源が落ちた物理サーバ”上の仮想マシンは移動できません。障害対応には自動再起動が適切です。
Q: 自動再起動に追加ライセンスや専用ハードは必要?
A: 問題文の前提では仮想化基盤が標準機能として提供しているため追加コストは論点外です。
A: 問題文の前提では仮想化基盤が標準機能として提供しているため追加コストは論点外です。
関連キーワード: 可用性, 冗長化, フェイルオーバー, 仮想サーバ, 影響範囲
設問1:業務システム基盤の次の(1)〜(4)の各項目について、仮想化システムの機能を利用して実現している項目はその機能名を、それ以外の方法で実現している項目はその方法を、表2又は本文中の用語を用いて答えよ。
(4)ストレージユニットの容量を超えた各仮想サーバへのストレージ容量の割当て
模範解答
シンプロビジョニング
解説
解答の論理構成
-
問題文は、ストレージユニットの実効容量を「20Tバイト」に固定しつつ、
「各仮想サーバに割り当てるストレージ容量の合計はストレージユニットの容量を超える」と明示しています。
これは実容量を超過する割当て=仮想化特有の“薄い(Thin)”割当てを示唆しています。 -
表2には次の機能説明があります。
― 「シンプロビジョニング ストレージを仮想化することによって、実際に使用している量だけを割り当てる機能である。この機能を利用することによって、物理的な容量を超えるストレージ容量を仮想サーバに割り当てることができる。」 -
本設問が求めるのは「ストレージユニットの容量を超えた各仮想サーバへのストレージ容量の割当て」を実現する方法です。
表2の説明と完全に一致する記述は「物理的な容量を超えるストレージ容量を仮想サーバに割り当てることができる」シンプロビジョニングのみ。 -
よって、解答は「シンプロビジョニング」となります。
誤りやすいポイント
- 「オーバコミット」はCPU/メモリにも使える一般用語ですが、表2の説明は「物理サーバに搭載された物理リソース量の合計を超えることができるようにする機能」と書かれており、ストレージではなくCPU/メモリ向けと読み取れます。混同に注意が必要です。
- RAID5構成などストレージ装置側の冗長化方式を答えとして書いてしまうミス。設問は“容量超過割当て”の仕組みを問うており、冗長化方式は論点外です。
- 「シックプロビジョニング」「フルプロビジョニング」といった逆概念を書いてしまうケアレスミス。問題文には“実際に使用している量だけ”のキーワードがあるため、Thin=シンプロビジョニングを選択します。
FAQ
Q: シンプロビジョニングを使うと容量不足になったときはどうなりますか?
A: 実ストレージが枯渇すると新規書き込みが失敗するリスクがあります。運用では監視を強化し、容量追加や不要データ削除を迅速に行う必要があります。
A: 実ストレージが枯渇すると新規書き込みが失敗するリスクがあります。運用では監視を強化し、容量追加や不要データ削除を迅速に行う必要があります。
Q: CPUやメモリでも「シンプロビジョニング」に相当する機能はありますか?
A: CPU・メモリについては、表2の「オーバコミット」で同様に物理量を超えて割当て可能です。ただし過負荷時は性能劣化が顕在化しやすいため、設定は慎重に行います。
A: CPU・メモリについては、表2の「オーバコミット」で同様に物理量を超えて割当て可能です。ただし過負荷時は性能劣化が顕在化しやすいため、設定は慎重に行います。
Q: 物理サーバが3台しかないのにストレージを1台に集約しても性能面で問題ありませんか?
A: I/O集中が懸念されますが、問題文では速度要件よりも容量と可用性に焦点があり、RAID5で冗長化を確保しています。性能が課題になる場合はRAID10やSSD追加など別途検討が必要です。
A: I/O集中が懸念されますが、問題文では速度要件よりも容量と可用性に焦点があり、RAID5で冗長化を確保しています。性能が課題になる場合はRAID10やSSD追加など別途検討が必要です。
関連キーワード: シンプロビジョニング, オーバコミット, リソースプール, RAID5, 仮想サーバ
設問2:
本文中のa〜cに入れる適切な数値を答えよ。答えは小数第1位を四捨五入して、整数で求めよ。
模範解答
a:54
b:44
c:71
解説
解答の論理構成
-
リソースプールの上限を確認
【問題文】には
・「CPUの処理能力の合計が48 GHz相当、メモリ容量の合計が96 Gバイトのリソースプール」
とあるので、計算の分母は CPU=48 GHz、メモリ=96 GB です。 -
現行システム側で削除されるサーバを把握
【問題文】「法務APサーバの待機系であるサーバ6は廃止する」と明言されています。
したがって表1の数値から“サーバ6”分を差し引きます。 -
CPU 使用量(GHz相当)の算出
表1の各行について
CPU使用量 = (周波数 × 2コア) × 平均使用率
を適用し、合計 26.2 GHz(問題文に明記)からサーバ6の 0.2 GHz を除くと
26.2 GHz − 0.2 GHz = 26.0 GHz -
メモリ使用量(GB)の算出
メモリ使用量 = 容量 × 平均使用率
表1合計 42.8 GB からサーバ6の 0.4 GB を除くと
42.8 GB − 0.4 GB = 42.4 GB -
リソースプール使用率を計算
a:CPU使用率
b:メモリ使用率
-
資産査定システム追加後のメモリ使用率
【問題文】「メモリ使用量は68.4Gバイトとなる」と与えられています。
c:
以上より
a=54、b=44、c=71 となります。
a=54、b=44、c=71 となります。
誤りやすいポイント
- 「CPU数は1でコア数が2」を見落とし、1コア分だけで計算してしまう。
- サーバ6の廃止を反映せず、表1の合計 26.2 GHz/42.8 GB をそのまま使ってしまう。
- リソースプール全体に対して「仮想化システムが50%消費する」条件を忘れ、48 GHz・96 GB ではなく 96 GHz・192 GB を分母にしてしまう。
- 「小数第1位を四捨五入」の指示に従わず、54.17… を 54.2 や 54.1 と記載して減点される。
FAQ
Q: 2コアを持つサーバは「周波数 × 2」で必ず計算するのですか?
A: はい。本問では【問題文】に「CPU数は1でコア数が2」とあるため、周波数は1コア分、処理能力は2倍にして計算します。
A: はい。本問では【問題文】に「CPU数は1でコア数が2」とあるため、周波数は1コア分、処理能力は2倍にして計算します。
Q: サーバ6が廃止されるのに、ストレージ容量は計算対象外なのでしょうか?
A: 設問(1)は CPU とメモリのみを対象としており、ストレージについては(2)で別途議論されています。したがってサーバ6のストレージは本設問の計算に影響しません。
A: 設問(1)は CPU とメモリのみを対象としており、ストレージについては(2)で別途議論されています。したがってサーバ6のストレージは本設問の計算に影響しません。
Q: 四捨五入するタイミングはどこですか?
A: まず小数点以下第2位まで求め、四捨五入して整数化します。途中計算で丸めると誤差が拡大するので、最後に一度だけ丸めると安全です。
A: まず小数点以下第2位まで求め、四捨五入して整数化します。途中計算で丸めると誤差が拡大するので、最後に一度だけ丸めると安全です。
関連キーワード: リソースプール, オーバコミット, メモリ使用率, CPUコア, シンプロビジョニング
設問3:
図2の業務システム基盤の構成案の右表について、物理サーバと各システムの組み合せを採用した理由を解答群の中から全て選び、記号で答えよ。
解答群
ア:CPUの負荷を最小化する。
イ:各物理サーバのリソース使用量を平均化する。
ウ:ストレージユニットの容量を最小化する。
エ:物理サーバの障害時に備えてシステムを冗長化する。
オ:物理サーバの増設を容易にする。
模範解答
イ、エ
解説
解答の論理構成
-
物理サーバごとの負荷目標
【問題文】には「各物理サーバのCPUとメモリの使用率を、65%以下の目標値を定めた。」とあります。したがって仮想サーバの配置は、物理サーバ間で CPU/メモリをできるだけ均等に分散する必要があります。
→ 解答群「イ:各物理サーバのリソース使用量を平均化する。」が採用理由となります。 -
システム冗長化の保持
会計システムは「負荷分散装置によるアクティブ/アクティブ方式」、法務DB も「アクティブ/アクティブ方式のクラスタリング機能」と記載されています。また「2台以上の物理サーバが同時に停止しない限りは、システム性能の低下は発生させない」との要件があります。
図2では同一システムのペアサーバが必ず別々の物理サーバに配置されており、1台障害時でも他方が稼働し続ける構成です。
→ 解答群「エ:物理サーバの障害時に備えてシステムを冗長化する。」が採用理由となります。 -
他の選択肢を除外できる理由
・ア:CPU負荷の“最小化”ではなく“均等化”が目的。
・ウ:ストレージは共有ディスク「20Tバイト」で一括管理しており、配置変更で容量は変わりません。
・オ:増設の容易さは本設問の配置基準として言及がありません。
以上より「イ、エ」が正答です。
誤りやすいポイント
- 「CPUの負荷を最小化」と「リソース使用量を平均化」を混同しやすい。最小化は総量削減を指すが、本要件は分散です。
- 会計AP と 会計DB のペアが同一物理サーバに並んでいると見えて「冗長化できていない」と早合点するケース。実際にはペアごとに1台ずつ別 PS に配置されている点を確認。
- 共有ストレージ方式では容量は物理サーバ配置と無関係であることを見落とし、「ウ」を選択してしまう。
FAQ
Q: 65%以下という目標値はどこから来たのですか?
A: 「各物理サーバのCPUとメモリの使用率を、65%以下の目標値を定めた。」と明示されています。障害時に2台で全システムをまかなう前提で、余裕を残すための値です。
A: 「各物理サーバのCPUとメモリの使用率を、65%以下の目標値を定めた。」と明示されています。障害時に2台で全システムをまかなう前提で、余裕を残すための値です。
Q: 会計AP が2台とも停止したらどうなりますか?
A: 図2では会計AP1 と 会計AP2 が別々の物理サーバ(PS1 と PS2)に配置されています。1台障害時でも他方が動くため、要件「会計システムは24時間無停止」を満たします。
A: 図2では会計AP1 と 会計AP2 が別々の物理サーバ(PS1 と PS2)に配置されています。1台障害時でも他方が動くため、要件「会計システムは24時間無停止」を満たします。
Q: 共有ディスクが1本だけだと単一障害点になりませんか?
A: 本設問はストレージの冗長構成に触れていませんが、RAID5で「20Tバイトの実効容量」を確保しており、ディスク単体故障には耐えられる構成と読み取れます。
A: 本設問はストレージの冗長構成に触れていませんが、RAID5で「20Tバイトの実効容量」を確保しており、ディスク単体故障には耐えられる構成と読み取れます。
関連キーワード: リソースプール, アクティブ/アクティブ, クラスタリング, 負荷分散, RAID5
設問4:
本文中の下線①について、資産査定システム追加後も会計システムの性能を低下させない適切な対応方法を、40字以内で述べよ。
模範解答
会計システムを構成する各サーバに割り当てるリソースの下限値を設定する。
解説
解答の論理構成
- 資産査定システムを追加すると「メモリ使用量は68.4Gバイト」となり、物理サーバが1台停止したときに会計システムまで資源不足となる。
─ 表3と本文の記述「資産査定システムを業務システム基盤に加えた場合、メモリ使用量は68.4Gバイトとなることから、…会計システムの処理性能が低下してしまう」 - しかし会計システムの性能は絶対に落とせない要件である。
─ 本文「会計システムは24時間無停止での稼働が必要で、業務が集中したときでも一定の性能が求められる」 - 仮想化システムは各仮想サーバに「上限値」「下限値」を設定でき、
─ 本文「下限値を設定した場合は、設定されたリソース量を確保し、占有して使用できる。」
よって下限値を利用すれば、他システムが資源を奪っても会計システム分は確保される。 - 会計以外は“性能低下を容認”する方針なので、会計サーバだけに下限値を与えれば要件を満たす。
→ 会計システムを構成する各サーバのリソースに下限値を設定するのが最適解となる。
誤りやすいポイント
- オーバコミットで乗り切れると考え、確保(Reservation)と共有(Share)の違いを取り違える。
- 上限値を下げることで他システムを抑制しようとするが、停止時は絶対量が不足するため根本解決にならない。
- ライブマイグレーションで空きサーバへ逃がせば良いと誤解するが、停止中は物理資源自体が不足している。
FAQ
Q: 下限値はCPUとメモリの両方に設定すべきですか?
A: はい。本文の性能低下要因はメモリ不足ですが、CPUも同様に確保しておくと安全です。
A: はい。本文の性能低下要因はメモリ不足ですが、CPUも同様に確保しておくと安全です。
Q: 下限値を設定すると通常時の余裕が減りませんか?
A: 減りますが、会計以外は性能低下を容認しており、全体の可用性を優先するという方針に沿っています。
A: 減りますが、会計以外は性能低下を容認しており、全体の可用性を優先するという方針に沿っています。
Q: オーバコミットと下限値は併用できますか?
A: できます。オーバコミットで論理的には多く割り当てつつ、重要サーバには下限値で実リソースを確保する運用が一般的です。
A: できます。オーバコミットで論理的には多く割り当てつつ、重要サーバには下限値で実リソースを確保する運用が一般的です。
関連キーワード: リソースプール, 下限値, 予約制御, オーバコミット, 仮想サーバ


