応用情報技術者 2017年 春期 午前2 問33
問題文
WANを介して二つのノードをダイヤルアップ接続するときに使用されるプロトコルであり、リンク制御やエラー処理機能をもつものはどれか。
選択肢
ア:FTP
イ:PPP(正解)
ウ:SLIP
エ:UDP
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PPPプロトコル【午前2解説】
正解の理由
正解は イ です。PPP(Point-to-Point Protocol)はダイヤルアップなどのシリアルリンクで用いられるリンク層プロトコルで、以下の点から設問の条件(リンク制御や誤り検出/処理機能を持つ)に合致します。
- フレーミングとFCS(フレームチェックシーケンス)による誤り検出を行うため、伝送上のビット誤りを検出できる。
- LCP(Link Control Protocol)によりリンクの確立・維持・終了、オプション交渉、リンク品質監視(リンク品質が悪ければ切断)などの「リンク制御」を行う。
- NCP(Network Control Protocol)で上位プロトコル(IP等)の設定をネゴシエートする。
- 認証(PAP、CHAP)やマルチリンクなどの拡張機能を持つ。
ただし、リンク層での誤り検出やリンク管理は行うものの、TCPのようなエンドツーエンドの再送・ウィンドウ制御による信頼性確保(トランスポート層の再送制御)は提供しない点に注意してください。
解法ステップ
- 問題の条件(ダイヤルアップで二つのノードを接続、リンク制御・誤り処理機能)を把握する。
- 選択肢のプロトコルの階層と役割を確認する(ア: アプリケーション層、イ/ウ: リンク層、エ: トランスポート層)。
- リンク制御や誤り処理を行うのは主にリンク層のプロトコルであることから、イとウに絞る。
- SLIPは非常に単純でフレーミングや誤り検出機能を持たないため除外。残るPPPが条件を満たすので正解と判断する。
選択肢別の誤答解説
-
ア: FTP
- FTPはファイル転送を行うアプリケーション層プロトコルであり、トランスポートにはTCPを利用する。ダイヤルアップ回線のリンク制御やフレーミングを行うものではない。
-
イ: PPP
- 正解。前述のとおり、ダイヤルアップ等の点対点リンク向けにフレーミング、FCSによる誤り検出、LCPによるリンク制御等を提供する。
-
ウ: SLIP
- SLIPは非常に古いシリアル点対点プロトコルで、「IPパケットのシリアル送出」を最小限で行うだけ。フレーム長情報・エラー検出・リンク制御といった機能を持たないため、設問の条件に合致しない。
-
エ: UDP
- UDPはトランスポート層のプロトコルで、軽量なデータグラムサービスを提供する。チェックサムによる誤り検出(IPv4ではオプション、IPv6では必須)はあるが、再送や接続管理などの信頼性確保機能や物理リンクの制御は行わない。
よくある誤解
- PPPは「TCPと同じように再送やウィンドウ制御で信頼性を保障する」と誤解する。PPPはリンク層での誤り検出やリンク品質管理を行うが、エンドツーエンドの再送制御はトランスポート層(例: TCP)の役割である。
- SLIPに誤り検出やオプション交渉機能があると思い込む。SLIPは非常に単純で、それらの機能を持たない。
- 「UDPはまったくエラー処理をしない」と表現するのは不正確。UDPはチェックサムによる誤り検出機能を備えるが、再送や順序制御などの信頼性機能は持たない。
補足コラム
- PPPの動作段階は概ね「リンク確立(LCP)→認証(任意、PAP/CHAP)→ネットワーク層プロトコルのネゴシエーション(NCP)→データ伝送→リンク切断」の順です。
- FCSは通常16bitまたは32bit(オプション)で、フレーム内のビット誤りを検出します。検出した場合はフレームを破棄し、LCPのリンク品質監視結果によっては再確立や切断が行われます。
- PPPの考え方は今でも使われており、PPPoE(PPP over Ethernet)やPPPoAといった形でブロードバンド環境の認証・セッション管理に応用されています。
FAQ
Q1: PPPは今でも使われていますか?
A1: 伝統的なダイヤルアップは減りましたが、PPPの認証やネゴシエーション技術はPPPoE等で現役です。
A1: 伝統的なダイヤルアップは減りましたが、PPPの認証やネゴシエーション技術はPPPoE等で現役です。
Q2: SLIPとPPPの主な違いは何ですか?
A2: SLIPは単純なパケットの境界識別のみ。PPPはフレーミング、誤り検出、LCP/NCPによるネゴシエーションや認証など多機能です。
A2: SLIPは単純なパケットの境界識別のみ。PPPはフレーミング、誤り検出、LCP/NCPによるネゴシエーションや認証など多機能です。
Q3: UDPにもチェックサムがあるのに「エラー処理しない」と言われる理由は?
A3: UDPのチェックサムは単にデータ破損を検知するだけで、破損が検出された後の再送や順序制御などの信頼性機構は提供しないため、「信頼性を保証する機能は持たない」と表現します。
A3: UDPのチェックサムは単にデータ破損を検知するだけで、破損が検出された後の再送や順序制御などの信頼性機構は提供しないため、「信頼性を保証する機能は持たない」と表現します。
関連キーワード: PPP、LCP、NCP、FCS、SLIP、UDP、FTP、ダイヤルアップ、リンク層、PAP、CHAP、PPPoE

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