応用情報技術者 2018年 春期 午前2 問21
問題文
図の論理回路と等価な回路はどれか。


選択肢
ア:
イ:
ウ:(正解)
エ:
🔒 解説は解答すると表示されます
否定付きANDの等価変形【午前2解説】
正解の理由
与えられた回路は左のAND(出力にバブル)から分岐して右側に3つのAND(いずれも出力にバブル)が連結された構成です。各AND+出力バブルはNANDを表し、回路全体をブール式で表すと最終的に
(排他的論理和)に簡約されます。選択肢ウは入力線にバブルが付いている表現とゲート記号の描き方によって、与えられた図と等価な論理(すなわち排他的論理和を実現する記法)を示しているため等しいと判断します。
(以降で式変形と回路変形手順を示します。)
解法ステップ
-
回路を変数で表す
左側のAND(出力バブル)を N1 とし、右上・右下の各NANDを N2, N3、最終段をYとする。
N1 = ¬(A ∧ B) -
右側の中段出力を式で表す
N2 = ¬(A ∧ N1) = ¬(A ∧ ¬(A ∧ B))
N3 = ¬(N1 ∧ B) = ¬(¬(A ∧ B) ∧ B) -
N2, N3 を簡約する(分配・恒等を利用)
A ∧ ¬(A ∧ B) = A ∧ (¬A ∨ ¬B) = A ∧ ¬B
よって N2 = ¬(A ∧ ¬B) = ¬A ∨ B
同様に N3 = ¬(¬A ∧ B) = A ∨ ¬B -
最終出力 Y を求める
Y = ¬(N2 ∧ N3) = ¬((¬A ∨ B) ∧ (A ∨ ¬B))
右辺を展開すると (A ∧ B) ∨ (¬A ∧ ¬B) となり、これの否定は排他的論理和(XOR)になる。
したがって Y = A ⊕ B -
回路等価の視覚的/記号的変換
NAND の出力バブルは De Morgan の法則により「入力側にバブルを付け、AND ↔ OR を入れ替える」ことで移動可能です。この操作を繰り返し、適切に簡約すれば選択肢ウと同等の表現に辿り着きます。
選択肢別の誤答解説
- ア:記号が漠然としており、元図のバブル(否定)が示す論理を満たしていません。単純なAND/ORのどちらかの一段で表現しているため、XORには一致しません。
- イ:ゲート形状が平坦な入力側を持つ(AND系)記号を示していますが、入力側・出力側のバブル配置や分岐の構成が元図と一致せず、等価になりません。
- ウ:元回路をDe Morganで変換・簡約した結果と一致します(問題の正解)。図中の入力バブルとゲート形状の組合せが、与えられたNANDの連結から得られる等価回路を表しています。
- エ:元図における出力バブル(NAND)をそのまま一段のゲートで表しただけのように見え、右側の2段構成と分岐を反映していないため等価ではありません。
よくある誤解
- 「入力にバブルが付いたANDはNANDになる」
誤りです。入力にバブルが付いたANDは であり、これはNOR()に相当します。出力バブルと入力バブルの違いはDe Morganで明確に区別されます。 - De Morgan の適用を符号(バブル)の移動だけで直感的に扱い、ゲートの種類(AND↔OR)を変換し忘れる
出力にバブルがあるAND(NAND)は「出力バブルを入力側へ移すとORに入力バブルが付いた形」になる、という点を確実に押さえてください。
補足コラム
- De Morgan の法則(基本形)
回路図上では「出力側に付いたバブル」を「両入力側のバブル」に移して、ゲートの種類をAND↔ORの間で交換する操作がこれに対応します。視覚的にバブルを移動させる練習をしておくと、回路の等価変形が速くなります。
FAQ
Q. 「出力バブルのついたAND(NAND)を、入力バブルのついたORに変えていいのはなぜか?」
A. De Morgan の法則により だからです。回路図上では出力側の否定(バブル)を入力側に移し、ANDをORに置き換えると同じ論理になります。
A. De Morgan の法則により だからです。回路図上では出力側の否定(バブル)を入力側に移し、ANDをORに置き換えると同じ論理になります。
Q. 「バブルを移動する際にゲート形状は必ず変えるのか?」
A. はい。出力バブルを入力側に移すときはAND⇔ORの変換が伴います(De Morgan)。出力バブルを移動してもゲート形状を変え忘れると誤った回路になります。
A. はい。出力バブルを入力側に移すときはAND⇔ORの変換が伴います(De Morgan)。出力バブルを移動してもゲート形状を変え忘れると誤った回路になります。
Q. 「今回の回路がXORになることは直感的に分かりますか?」
A. 分岐して同じ中間信号と各入力を組み合わせる構成は「入力が等しいとき片方の経路が不活性となり、最後の否定で否定された同値判定が行われる」などの観点からXOR/XNOR系に帰着しやすく、真理値表で確認すると確実です。
A. 分岐して同じ中間信号と各入力を組み合わせる構成は「入力が等しいとき片方の経路が不活性となり、最後の否定で否定された同値判定が行われる」などの観点からXOR/XNOR系に帰着しやすく、真理値表で確認すると確実です。
関連キーワード: De Morgan、NAND変形、回路等価、バブル移動、XOR、論理簡約、記号解釈

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