応用情報技術者 2019年 秋期 午前2 問49
問題文
(1)〜(7)に示した七つの原則を適用して、アジャイル開発プラクティスを実践する考え方はどれか。
(1) ムダをなくす (2) 品質を作り込む
(3) 知識を作り出す (4) 決定を遅らせる
(5) 早く提供する (6) 人を尊重する
(7) 全体を最適化する
選択肢
ア:エクストリームプログラミング
イ:スクラム
ウ:フィーチャ駆動型開発
エ:リーンソフトウェア開発(正解)
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リーンソフトウェア開発【午前2解説】
正解の理由
提示された七つの原則(ムダをなくす、品質を作り込む、知識を作り出す、決定を遅らせる、早く提供する、人を尊重する、全体を最適化する)は、Mary と Tom Poppendieck が提唱した「リーンソフトウェア開発」の7原則と完全に一致します。したがって選択肢のうち該当するのは エ です。Poppendieck夫妻は、製造業のリーン思想(トヨタ生産方式)をソフトウェア開発に適用し、上記のような原則群を示してアジャイルプラクティスの実践指針として位置づけました。
解法ステップ
- 問題に並ぶ各原則を一つひとつ読み取る。
- それらが既知の方法論のどれに対応するかを照合する(キーワードで照合)。
- 「ムダをなくす」「決定を遅らせる」「全体を最適化する」→リーン的な語彙
- 「品質を作り込む」「知識を作り出す」→ソフトウェア特有の原則訳
- 各選択肢(XP、スクラム、FDD、リーン)を原則と照合して一致度が最も高いものを選ぶ。
- 一致度が最も高いのがリーンであるため、選択肢 エ を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: エクストリームプログラミング(XP)
XPはペアプログラミング、テスト駆動開発、リファクタリングなど具体的な開発プラクティスを重視します。品質向上や早い提供に貢献しますが、「決定を遅らせる」「全体を最適化する」といったリーンの7原則そのものを体系的に示すものではありません。 - イ: スクラム
スクラムはプロジェクト管理のフレームワーク(役割、イベント、アーティファクト)であり、短いイテレーションと継続的改善を促します。リーンと親和性は高いものの、問題文の7原則をそのまま列挙したのはスクラムではなくリーンです。 - ウ: フィーチャ駆動型開発(FDD)
FDDは「機能(フィーチャ)」を単位とした設計・実装プロセスを重視します。特定の実践法に焦点を当てており、7つのリーン原則を包括的に示す説明には当たりません。 - エ: リーンソフトウェア開発(正解)
Mary と Tom Poppendieck が提示した7原則が問題の列挙と一致します。ムダ削減、品質構築、学習(知識作成)、遅延決定、早期提供、人の尊重、全体最適化という順序・内容はリーンの典型的な表現です。
よくある誤解
- 「リーン=単なるムダ取り」だけと考える誤解
ムダをなくすことは重要ですが、リーンは品質構築や知識の創出、組織やプロセスの最適化といった広範な原則を含みます。単一の技法に還元しないことが重要です。 - 「スクラムやXPとリーンは別物で、使い分ける必要がある」とする極端な見方
実務ではスクラムやXPのプラクティスはリーン原則と組み合わせて使われることが多く、排他的ではありません。試験問題では「原則そのもの」が問われればリーンと判断します。 - 「決定を遅らせるは消極的な先延ばし」と誤解すること
リーンでの「遅延決定(defer commitment)」は情報が十分になるまで重要な決定を後回しにすることで、誤った早期固定を避ける戦略です。先延ばしとは目的が異なります。
補足コラム
リーンソフトウェア開発の7原則は、Mary Poppendieck と Tom Poppendieck による書籍「Lean Software Development: An Agile Toolkit」(Addison-Wesley, 2003)で体系化されました。彼らはトヨタ生産方式に代表されるリーンの考え方をソフトウェア開発に適用し、実践的なツールや原則を提示しています。学習の際は原書または信頼できる和訳・解説資料で「原則の意図」を確認すると理解が深まります。
FAQ
Q: 問題文の7項目は必ずリーンを指すのですか?
A: はい。この組合せはPoppendieck夫妻の7原則として知られており、試験でもリーンを選ぶのが正答になります。
A: はい。この組合せはPoppendieck夫妻の7原則として知られており、試験でもリーンを選ぶのが正答になります。
Q: スクラムやXPと迷った場合の判定基準は?
A: キーワード照合です。「ムダをなくす」「全体を最適化する」「決定を遅らせる」などリーン特有の語が含まれていればリーンを優先します。スクラムは役割・イベント、XPは技法に関するキーワードが出やすいです。
A: キーワード照合です。「ムダをなくす」「全体を最適化する」「決定を遅らせる」などリーン特有の語が含まれていればリーンを優先します。スクラムは役割・イベント、XPは技法に関するキーワードが出やすいです。
Q: 覚え方のコツはありますか?
A: 「Eliminate、Build、Create、Defer、Deliver、Respect、Optimize」の頭文字(EBCD D R O)など英語頭文字で覚えるか、日本語で「ムダ・品質・知識・遅延・早供・人尊重・全体最適」を反復して記憶すると試験での照合が速くなります。
A: 「Eliminate、Build、Create、Defer、Deliver、Respect、Optimize」の頭文字(EBCD D R O)など英語頭文字で覚えるか、日本語で「ムダ・品質・知識・遅延・早供・人尊重・全体最適」を反復して記憶すると試験での照合が速くなります。
関連キーワード: リーン、Poppendieck、7原則、ムダ削減、品質構築、遅延決定、全体最適化、アジャイル、スクラム、XP

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