応用情報技術者 2019年 秋期 午前2 問48
問題文
作業成果物の作成者以外の参加者がモデレータとしてレビューを主導する役割を受け持つこと、並びに公式な記録及び分析を行うことが特徴のレビュー技法はどれか。
選択肢
ア:インスペクション(正解)
イ:ウォークスルー
ウ:パスアラウンド
エ:ペアプログラミング
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インスペクション【午前2解説】
正解の理由
問題文が示す「作業成果物の作成者以外がモデレータとして主導し、かつ公式な記録と分析を行う」特徴は、正式かつ構造化されたレビュー手法であるインスペクションに当てはまります。インスペクションは明確な役割分担(モデレータ、作成者、リーダー/リーダー役、記録係、検査員など)と標準化されたプロセスに基づき、欠陥の発見と定量的な分析を目的として実施されるため、ここで求められている条件に合致します。したがって選択肢の ア が正解です。
(補足:インスペクションは1970年代中頃に Michael Fagan(マイケル・ファガン)によって体系化されました。)
解法ステップ
- 設問文のキーワード抽出:「作成者以外がモデレータ」「主導する」「公式な記録」「分析」。
- 各レビュー手法の特徴照合:
- フォーマルで記録・分析を重視 → インスペクション
- 作者主導で教育的・非公式 → ウォークスルー
- 単に配布して意見を募る → パスアラウンド
- 同席して共同開発 → ペアプログラミング
- 最も合致するものを選ぶ → フォーマルなインスペクション(ア)。
選択肢別の誤答解説
-
ア インスペクション
正解。形式的な手順と役割、公式な記録・分析を前提とするレビュー手法。欠陥数や欠陥種別などを定量的に扱い、再発防止やプロセス改善につなげる点が特徴。 -
イ ウォークスルー
作者がレビューを主導し、参加者と一緒に成果物を順に説明して問題点を議論する、比較的非公式で教育的な手法。モデレータが作者以外で主導し、かつ詳細な公式記録・分析を行う点はインスペクションと異なるため不適切。 -
ウ パスアラウンド
成果物を回覧してコメントを集める、非同期で軽量なレビュー方式。会議や公式な記録を必須としないため、設問の「モデレータ主導で公式記録・分析を行う」条件に合わない。 -
エ ペアプログラミング
2人の開発者が協働してコードを書き、即時の相互レビューが行われる開発手法。継続的なチェックはあるが、インスペクションのような外部モデレータによる公式な記録・分析のプロセスとは性質が異なる。
よくある誤解
- 「インスペクション=単なる会議での読み合わせ」と考える誤解
インスペクションは会議だけで終わるのではなく、事前準備、標準化されたチェックリスト、記録・分析、フォローアップ(再作業の確認)まで含む全体プロセスです。 - 「ウォークスルーとインスペクションは同じ」
両者は目的や主導者、記録の扱いが異なります。ウォークスルーは教育・共有が主目的で作者が主導することが多く、必ずしも公式な分析を行いません。
補足コラム
インスペクションはソフトウェア品質向上の古典的手法で、提唱者は Michael Fagan(マイケル・ファガン)であり、1970年代中頃に体系化されました。代表的なプロセスは次のような流れです:計画 → 概要説明 → 事前準備(個別検査) → インスペクション会議(欠陥記録) → 再作業 → フォローアップ。主要な役割としてはモデレータ(進行役)、作者、記録係(レコーダ)、リーダー(読み上げ役)、検査員(複数)があり、欠陥数や欠陥密度などの指標を収集してプロセス改善に活用します。近年はコードレビュー(プルリクエスト)やペアプログラミングといった軽量化手法が広まっていますが、安全性や信頼性が厳しく求められる分野では今もインスペクションが有効です。
FAQ
Q1: インスペクションの参加人数はどの程度が適切ですか?
A1: Faganの原則ではモデレータ、作者、記録係、リーダー+複数の検査員(合計で4〜6人程度)が推奨されます。人数が少なすぎると見落としが増え、多すぎると効率が落ちます。
A1: Faganの原則ではモデレータ、作者、記録係、リーダー+複数の検査員(合計で4〜6人程度)が推奨されます。人数が少なすぎると見落としが増え、多すぎると効率が落ちます。
Q2: ペアプログラミングはインスペクションの代わりになりますか?
A2: 短期的な欠陥検出や知識共有では有効ですが、インスペクションが持つ公式記録・定量分析・役割分担という目的は満たしにくいので、目的に応じて使い分けるのが良いです。
A2: 短期的な欠陥検出や知識共有では有効ですが、インスペクションが持つ公式記録・定量分析・役割分担という目的は満たしにくいので、目的に応じて使い分けるのが良いです。
Q3: インスペクションで取るべき記録には何がありますか?
A3: 欠陥の一覧(種類・発生箇所・深刻度)、参加者、所要時間、再作業の状況などを記録し、欠陥密度や処理時間などのメトリクスを算出して分析します。
A3: 欠陥の一覧(種類・発生箇所・深刻度)、参加者、所要時間、再作業の状況などを記録し、欠陥密度や処理時間などのメトリクスを算出して分析します。
関連キーワード: ソフトウェアレビュー、検査技法、インスペクション、ウォークスルー、ペアプログラミング、レビュー記録、欠陥管理

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