応用情報技術者 2019年 春期 午前2 問67
問題文
コアコンピタンスに該当するものはどれか。
選択肢
ア:主な事業ドメインの高い成長率
イ:競合他社よりも効率性が高い生産システム(正解)
ウ:参入を予定している事業分野の競合状況
エ:収益性が高い事業分野での市場シェア
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コアコンピタンス【午前2解説】
正解の理由
コアコンピタンスとは、企業が競争上の優位を生み出す「他社が模倣しにくい組織的能力や技術・ノウハウ」のことです。選択肢の中でこの定義に最も合致するのは、組織内部に存在する「競合他社よりも効率性が高い生産システム」を示す イ です。生産システムの効率性は組織に蓄積されたプロセスや技能、管理ノウハウの産物であり、顧客価値に貢献し、模倣が困難であれば持続的な競争優位をもたらします。
他の選択肢は市場環境や結果(成長率・市場シェア・競合状況)を示しており、コアコンピタンスそのもの(組織に内在する能力)ではありません。
他の選択肢は市場環境や結果(成長率・市場シェア・競合状況)を示しており、コアコンピタンスそのもの(組織に内在する能力)ではありません。
解法ステップ
- 問いのキーワード「コアコンピタンス」が指すものを明確にする(組織的能力・模倣困難・顧客価値貢献)。
- 各選択肢が「内部能力」か「外部環境/成果」かを判定する。
- 内部能力にあたるもののうち、「価値を生み、模倣されにくく、複数市場に応用できる」かを評価する。
- 最も条件に合致する選択肢を選ぶ(この場合は イ)。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 主な事業ドメインの高い成長率
- これは市場の特性や外部環境を示す指標であり、企業固有の能力ではありません。成長率が高くても、それ自体が競争優位の源泉とは限りません。
-
イ: 競合他社よりも効率性が高い生産システム
- 生産プロセスや管理ノウハウなど、企業内部に蓄積された能力であり、顧客にとっての価値(価格・品質・納期など)に直結します。模倣困難性があればコアコンピタンスになり得ます。よって正解です。
-
ウ: 参入を予定している事業分野の競合状況
- これも外部環境(競合構造)の情報であり、企業の「能力」そのものではありません。戦略判断の参照にはなりますがコアコンピタンスではありません。
-
エ: 収益性が高い事業分野での市場シェア
- 市場シェアや収益性は成果(アウトカム)であり、その背景にある能力がコアコンピタンスです。成果が高いからといって必ずしも核心的能力の存在を意味しません(例:一時的な価格優位や外部要因による可能性あり)。
よくある誤解
- コアコンピタンス=「売上や市場シェア」だと考える誤り:成果と能力を混同しないことが重要です。能力(プロセス・技術・ノウハウ)が先にあり、成果はその結果として現れます。
- 単一技術だけがコアコンピタンスだと思う誤り:多くの場合、複数のスキルや技術、組織の連携から成る「複合的な能力」がコアコンピタンスです。
- コスト効率だけがコアコンピタンスだと考える誤り:低コストは優位性になりますが、模倣されやすければ持続性が弱く、単独ではコアと呼べないことが多いです。
補足コラム
コアコンピタンスは、Prahalad と Hamel(1990)が提唱した概念で、評価のための「3つのテスト」がよく引用されます。
- 多くの市場にアクセスする可能性を提供しているか。
- 顧客にとっての重要な価値に大きく寄与しているか。
- 競合他社にとって模倣が難しいか。
例として、ホンダのエンジン開発能力や、ソニーの小型化技術、企業文化に根ざした生産方式(例:トヨタ生産方式)がコアコンピタンスの典型例です。コアコンピタンスは維持・進化させなければ陳腐化するため、継続的な投資と保護が必要です。
FAQ
Q: コアコンピタンスとコアコンピタビリティ(コア能力)の違いは?
A: 用語は近接しますが、実務では次のように区別されることが多いです。コアコンピタンスは企業の競争優位を生む中核的な集合的能力(戦略的視点)を指し、複数事業を横断して価値を生むことが期待されます。一方、コアコンピタビリティ(コア能力)はより具体的で、特定業務や機能における運用上の能力(オペレーショナルな視点)を指すことが多いです。どちらも重要ですが、コアコンピタンスは戦略的資産として位置付けられます。
A: 用語は近接しますが、実務では次のように区別されることが多いです。コアコンピタンスは企業の競争優位を生む中核的な集合的能力(戦略的視点)を指し、複数事業を横断して価値を生むことが期待されます。一方、コアコンピタビリティ(コア能力)はより具体的で、特定業務や機能における運用上の能力(オペレーショナルな視点)を指すことが多いです。どちらも重要ですが、コアコンピタンスは戦略的資産として位置付けられます。
Q: どうやって自社のコアコンピタンスを見つけるか?
A: 組織のリソースとプロセスを洗い出し、前述の「3つのテスト」で評価します。特に複数事業や製品で共通して価値を提供している能力、外部に真似されにくいノウハウ・文化・プロセスに着目します。
A: 組織のリソースとプロセスを洗い出し、前述の「3つのテスト」で評価します。特に複数事業や製品で共通して価値を提供している能力、外部に真似されにくいノウハウ・文化・プロセスに着目します。
Q: コアコンピタンスは永続的か?
A: 永続的とは限りません。技術進化や競合の模倣によって陳腐化するため、継続的な改善・保護・再投資が必要です。
A: 永続的とは限りません。技術進化や競合の模倣によって陳腐化するため、継続的な改善・保護・再投資が必要です。
関連キーワード: コアコンピタンス、競争優位、戦略的能力、Prahalad、Hamel、模倣困難、企業資源、製造システム、差別化、持続的優位

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