応用情報技術者 2019年 春期 午前2 問77
問題文
図に示す標準原価計算の手続について、a〜cに該当する適切な組合せはどれか。


選択肢
ア:
イ:(正解)
ウ:
エ:
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標準原価計算の手順【午前2解説】
正解の理由
標準原価計算の実務的な流れは、まず設定した標準に対して実際にかかったコストを算出し、その実際原価と標準原価との差額(標準原価差額)を算出し、その差額について詳細な原価差異分析を行って原因と対策を明らかにする、という順序になります。したがって、設問のフローチャート中の a → b → c に対応する処理として、実際原価の算出 → 標準原価差額の計算 → 原価差異分析 の順になる選択肢が正答です。表の中ではこの順序になっているのが イ です。実際原価を出さずに差額を計算したり、差額の算出前に分析を行ったりするのは手続き上不適切だからです。
解法ステップ
- 各用語の意味を確認する
- 実際原価の計算:実際に発生した材料費・労務費・経費などを集計して原価を算出する工程。
- 標準原価差額の計算:標準原価と実際原価の差(差額)を金額として算出する工程。
- 原価差異分析:差額を材料価格差、数量差、効率差、賃率差などに分解して原因を分析する工程。
- フローチャートの下流処理(差額算出→分析)には、上流で実際原価の算出が必須である点に注目する。
- 各選択肢の a→b→c の順序が上記の実務順序に一致するかを検証する。順序が前後しているものは誤りとなる。
選択肢別の誤答解説
-
ア:a=実際原価の計算、b=原価差異分析、c=標準原価差額の計算
→ 実際原価の計算の後に直接「差異分析」を行い、その後で差額を計算するという順序になっており不適切です。差異分析は差額(金額)を素材として行うため、先に「標準原価差額の計算」が必要です。 -
イ:a=実際原価の計算、b=標準原価差額の計算、c=原価差異分析
→ 実務的な順序(実際原価算出 → 差額算出 → 差異分析)に合致します。よって正答は イ です。 -
ウ:a=標準原価差額の計算、b=原価差異分析、c=実際原価の計算
→ 差額の算出および差異分析を行った後で実際原価を計算する順序になっており、現実的に成立しません。差額は実際原価に依存するため、実際原価が最後に来るのは誤りです。 -
エ:a=標準原価差額の計算、b=実際原価の計算、c=原価差異分析
→ ここは誤答の理由として「標準原価差額の計算が抜けている」とするのは誤りです(問題表には項目は存在します)。正しくは順序の誤りです。標準原価差額の計算(a)が実際原価の計算(b)より前に置かれており、実際原価がまだ算出されていない段階で差額を計算しようとしているため不適切です。差額算出は実際原価の算出後に行う必要があります。
よくある誤解
- 「標準原価差額の計算」と「原価差異分析」は同じ工程だと混同する
→ 前者は単に差(数値)を算出する作業、後者はその差を要因別に分解・分析する作業で目的が異なります。 - 差異分析は大まかな判断なら差額がなくてもできると思い込む
→ 分析は差額を素材に詳細に分解する作業なので、差額算出は省けません。 - 手順は任意に並べ替えてよいと考える
→ 実務上の前提データ(実際原価など)が揃っていないと次工程は成立しないため、基本的な順序は固定です。
補足コラム
差異分析でよく使われる代表的な分解例(製造材料を例に):
- 材料価格差 = (実際単価 − 標準単価) × 実際使用量
- 材料使用差(数量差) = (実際使用量 − 標準使用量) × 標準単価
これらを合計すると総材料差異(標準と実際の差額)に一致します。数式例:
実際原価の算出では、材料・労務・経費の実績を正しく集計し、配賦基準(特に間接費)を統一することが差異分析の信頼性に直結します。
FAQ
Q1: 標準原価差額はどの時点で算出すべきですか?
A1: 実際原価が確定した後、集計期間ごと(例:月次)に速やかに算出します。差額がなぜ発生したかを早期に把握するためです。
A1: 実際原価が確定した後、集計期間ごと(例:月次)に速やかに算出します。差額がなぜ発生したかを早期に把握するためです。
Q2: 原価差異分析はどこまで細かく行う必要がありますか?
A2: 経営判断や改善の目的に応じて層別(材料の種類別、生産ライン別、操業条件別など)に行うのが望ましいです。過度に細分化するとノイズが増えるため目的に応じた粒度を選びます。
A2: 経営判断や改善の目的に応じて層別(材料の種類別、生産ライン別、操業条件別など)に行うのが望ましいです。過度に細分化するとノイズが増えるため目的に応じた粒度を選びます。
Q3: 標準原価差額の符号はどちらが良い?
A3: 符号の約束は組織ごとに違います(標準超過を正、標準未満を負など)。重要なのは一貫した定義を用いて比較・分析することです。
A3: 符号の約束は組織ごとに違います(標準超過を正、標準未満を負など)。重要なのは一貫した定義を用いて比較・分析することです。
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