応用情報技術者 2020年 秋期 午前2 問61
問題文
情報戦略の投資効果を評価するとき、利益額を分子に、投資額を分母にして算出するものはどれか。
選択肢
ア:EVA
イ:IRR
ウ:NPV
エ:ROI(正解)
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投資利益率(ROI)【午前2解説】
正解の理由
投資に対する利益の割合を求める指標は、投資利益率(ROI)です。具体的には、得られた利益額を投資額で割って百分率にしたもので、問題で求められている「利益額を分子、投資額を分母にして算出するもの」に該当するのはエのROIです。数式では と表されます。
解法ステップ
- 問題文が示す「分子=利益額」「分母=投資額」という定義を確認する。
- 各選択肢の指標定義を思い出す:ROI、NPV、IRR、EVA の違いを整理する。
- 「利益/投資」の形になる指標が ROI であることを照合して選択する。
選択肢別の誤答解説
- ア: EVA
- 説明: Economic Value Added(経済的付加価値)。EVA = 税後営業利益(NOPAT) − 資本コスト×投下資本。単なる利益÷投資ではなく、資本コストを考慮した「超過利益」を示す金額指標。よって該当しない。
- イ: IRR
- 説明: Internal Rate of Return(内部収益率)。将来のキャッシュフローを割引いて NPV = 0 となる割引率を求める指標で、時間価値を考慮する率。計算方法が異なり、単純な「利益÷投資」ではない。
- ウ: NPV
- 説明: Net Present Value(正味現在価値)。将来のキャッシュフローを割引現在価値で合計した値から初期投資を引いた金額。金額(額)で表す指標で、割合(利益÷投資)とは異なる。
- エ: ROI
- 説明: 投資利益率。投資に対してどれだけ利益が得られたかを割合で示す指標で、問題の計算式に一致する。例えば投資額100に対して利益20なら 。
よくある誤解
- ROI と IRR を混同する
- 両者とも「何%」で表されることがあるため混同しやすいが、ROI は単純な割合(時間価値を無視)で、IRR は将来キャッシュフローの時間価値を考慮した割引率である点が異なる。
- EVA を「率」だと誤解する
- EVA は通常金額(価値)の概念であり、単純な率ではない。資本コストとの差分を示すため目的が異なる。
- ROI の算出時に「利益」をどれにするか曖昧にする
- 利益は「税引後利益」「営業利益」「キャッシュフロー」など用途によって異なるため、必ず定義を明確にして計算する必要がある。
補足コラム
- ROI の利点と限界
- 利点: 計算が簡単で比較が直感的。短期投資や単発投資の評価に便利。
- 限界: 時間価値やリスクを考慮しないため、複数年にわたる投資評価やキャッシュフローが異なる案件の比較には不適切な場合がある。そのような場合は NPV や IRR を用いる。
- 実務での使い分けの例
- 単年の販促投資効果評価 → ROI
- 長期システム投資の採否判断 → NPV または IRR
- 経営全体での価値創造評価 → EVA
- 簡単な計算例
- 初期投資 500 万円、利益(純利益) 75 万円 の場合: 。
FAQ
Q: ROI は高いほど良いですか?
A: 一般には高いほうが望ましいですが、期間やリスクが異なる投資同士を単純に比較すると誤判断するので、補助指標(NPV、IRR)と併用すべきです。
A: 一般には高いほうが望ましいですが、期間やリスクが異なる投資同士を単純に比較すると誤判断するので、補助指標(NPV、IRR)と併用すべきです。
Q: ROI が負になることはありますか?
A: はい。利益がマイナス(損失)の場合は ROI は負の値になり、投資損失を示します。
A: はい。利益がマイナス(損失)の場合は ROI は負の値になり、投資損失を示します。
Q: ROI と利益率は同じですか?
A: 概念的には「投資に対する利益の割合」で同義に使われることが多いですが、どの「利益」を用いるか(営業利益、税引後、キャッシュベース等)で値は変わるため定義を明確にする必要があります。
A: 概念的には「投資に対する利益の割合」で同義に使われることが多いですが、どの「利益」を用いるか(営業利益、税引後、キャッシュベース等)で値は変わるため定義を明確にする必要があります。
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