応用情報技術者 2021年 秋期 午前2 問52
問題文
次のプレシデンスダイアグラムで表現されたプロジェクトスケジュールネットワーク図を、アローダイアグラムに書き直したものはどれか。ここで、プレシデンスダイアグラムの依存関係は全てFS関係とする。


選択肢
ア:
イ:(正解)
ウ:
エ:
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ダミー作業による依存表現【午前2解説】
正解の理由
正解は イ です。プレシデンスダイアグラムでは作業Fは作業Dと作業Aの両方の完了を先行条件としている(FS関係)ため、アローダイアグラムに変換する際は「Aが完了したことがFの開始に影響する」ことを表現しなければなりません。アローダイアグラムでは作業(活動)は矢印、事象はノードで表すため、Aの完了事象(A到達点)とFの開始事象(Dの到達点)が別ノードである場合、A→Fの依存を直接表せません。そこで、A到達点からD到達点へ長さゼロのダミー作業(破線矢印)を1本追加すると、Fの開始ノード(D到達点)にAの完了が伝搬され、PDMの依存(A→F)が忠実に再現されます。イはまさにこのダミー配置(A到達点→D到達点)を示しているため正解です。
解法ステップ
- PDMの各作業の先行・後続関係を整理する(ここでは全てFS)。
- 各作業をアローダイアグラムの矢印に対応させ、開始・終了の事象ノードを想定する。
- ある作業の開始ノードが複数の異なる完了ノードに依存する場合、開始ノードへ先行作業の完了を伝える経路が必要かを判定する。
- 直接表現できない先行関係(今回のようにAの完了がFの開始に影響するがノードが異なる場合)は、ダミー作業(ゼロ長)でつないで依存を表す。
- 必要最小限のダミーを追加し、余分な依存を与えないようにする。
選択肢別の誤答解説
- ア
- ダミーが全くないため、Fの開始はDの完了のみを前提とする構造になっている。これではPDMのA→Fという依存関係が失われ、誤りです。
- イ
- 正解。A到達点(Aの完了)からD到達点(Fの開始ノード)へダミーを引くことで、AがF開始に先行する条件を正しく表現しています。
- ウ
- Aから複数本のダミーが伸びており、A→D、A→F、A→H といった余分な依存を新たに作ってしまいます。特にA→Hのような依存は元のPDMには存在せず、工程順序を不必要に制約してしまうため誤りです。
- エ
- A到達点からFの到達点(=Fの終了ノード)へダミーを引いていると解釈されますが、これでは「AがFの終了に影響する」ことになり、Fの開始を制御できません。AがFの開始に先行するという元の依存を表せないため誤りです。
よくある誤解
- ダミー作業は「時間を要する作業」として扱ってしまう:ダミーは長さゼロで、順序(依存)だけを示す補助線です。日程には影響しません。
- ダミーを入れれば良いと何でも追加する:必要最小限にとどめないと余計な依存(不必要な遅延)を発生させます。
- 「どのノードに接続するか」を曖昧にする:開始ノードと終了ノードを正確に把握し、先行関係が開始ノードに伝わるよう接続する必要があります(今回のようにA→FならA完了の事象→F開始の事象)。
補足コラム
アローダイアグラム(ADM)は活動を矢印、事象をノードで表すため、複雑な分岐・合流を持つPDM(プレシデンス)を忠実に移すにはダミーの使用が不可欠になることがあります。ダミーは次の原則で使います:
- 目的は「依存関係の表現」であり、期間は0。
- ダミーは同じ始点・終点を持つ実線矢印とは置き換えられない(論理的に区別する)。
- 最終的に作成するADMは、各活動の開始ノードがその活動の全ての先行活動の完了を受け取れる構造になっていることを確認してください。これが満たされていれば、クリティカルパス解析も正しく行えます。
FAQ
Q. なぜダミーはDの終点ではなくDの到達点(=Dの終了後のノード)に繋ぐのですか?
A. Fは「Dが終わった事象(D到達点)」を出発点として矢印で表すため、Aの完了がFの開始(つまりD到達点)に届くようダミーを接続する必要があります。終点(Fの到達点)に繋ぐと「F終了にAが関係する」ことになり、意味が変わってしまいます。
A. Fは「Dが終わった事象(D到達点)」を出発点として矢印で表すため、Aの完了がFの開始(つまりD到達点)に届くようダミーを接続する必要があります。終点(Fの到達点)に繋ぐと「F終了にAが関係する」ことになり、意味が変わってしまいます。
Q. 同じ依存を表すのに、ダミーを別ノード経由で回す方法はダメですか?
A. 回避策として別ノードを冗長に増やすと可読性と解析精度を下げ、誤ったクリティカルパスを招くことがあります。最短で論理を満たすダミーの配置が望ましいです。
A. 回避策として別ノードを冗長に増やすと可読性と解析精度を下げ、誤ったクリティカルパスを招くことがあります。最短で論理を満たすダミーの配置が望ましいです。
関連キーワード: アローダイアグラム, プレシデンス図, ダミー作業, FS関係, 依存関係, ネットワーク図, クリティカルパス

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