応用情報技術者 2021年 秋期 午前2 問80
問題文
労働基準法で定める 36 協定において、あらかじめ労働の内容や事情などを明記することによって、臨時的に限度時間の上限を超えて勤務させることが許される特別条項を適用する36協定届の事例として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:商品の売上が予想を超えたことによって、製造、出荷及び顧客サービスの作業量が増大したので、期間を 3 か月間とし、限度時間を超えて勤務する人数や所要時間を定めて特別条項を適用した。(正解)
イ:新技術を駆使した新商品の研究開発業務がピークとなり,3か月間の業務量が増大したので、労働させる必要があるために特別条項を適用した。
ウ:退職者の増加に伴い従業員一人当たりの業務量が増大したので、新規に要員を雇用できるまで、特に期限を定めずに特別条項を適用した。
エ:慢性的な人手不足なので、増員を実施し、その効果を想定して1年間を期限とし、特別条項を適用した。
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36協定の特別条項運用【午前2解説】
正解の理由
選択肢アは、臨時的な業務量の増大という適用事由が明確であり、適用期間(3か月)や限度を超えて勤務させる人数や所要時間が届出で定められている点で、労働基準法に基づく「特別条項付き36協定」の要件を満たしています。特別条項は業種に限定されるものではなく、臨時的な業務増加があれば業種を問わず適用され得るため、販売増に伴う製造・出荷・顧客サービスの増大は典型的な適用事例です。一方、他の選択肢は「人数や時間の明示がない」「期限が定められていない」「慢性的な不足で一時的とは言えない」などの点で、特別条項の届出要件や趣旨を満たしません。
解法ステップ
- 「臨時的で一時的な増加か」を確認する(突発的・短期の事由であること)。
- 届出に必要な記載があるかを確認する(適用期間、対象人数や追加時間の明示、具体的な事情)。
- 期限が不明確、または無期限・慢性的な事由でないことを確認する。
- 上記を満たす選択肢があればそれを正答とする。
この手順で各選択肢を見ると、要件を満たすのはアのみです。
選択肢別の誤答解説
-
ア(正答)
臨時的な売上増による作業量増大という理由が明確で、適用期間(3か月)と人数・所要時間を定めている点が適切です。これにより特別条項の届出要件を満たします。 -
イ
「3か月間の業務量増大」とあるものの、届出に不可欠な「限度時間を超えて勤務させる人数や超過時間の具体的な明示」が記載されていません。特別条項を有効にするには期間だけでなく、適用の範囲(誰がどれだけの時間を超過するか)を明確にする必要があります。 -
ウ
「新規要員を雇用できるまで」という無期限の扱いは認められません。特別条項は臨時的・突発的な事由に限られ、適用期間を明確に定めることが前提です。期限を定めない運用は違法となるおそれがあります。 -
エ
慢性的な人手不足は「一時的な増加や突発的事由」とは性質が異なり、特別条項の趣旨に合致しません。また、事前に見込んで長期間(ここでは1年)を固定することは、慢性問題の解消(増員等)を求めるべきで、特別条項の適用事由として不適切です。
よくある誤解
- 「特別条項は製造業など特定業種だけが使える」は誤解です。臨時的な業務増加があれば業種を問わず適用され得ます。重要なのは事由の性質が一時的かつ具体的であることです。
- 「期間を示せば十分」という誤解。期間に加え、対象となる人数や超過させる時間(限度の範囲)など、具体的な記載が必要です。
- 「特別条項で青天井に残業させられる」は誤解です。法の趣旨や改正により上限規制や届出要件があり、特別条項でも無制限ではありません。
補足コラム
特別条項付き36協定は、事業場の一時的な繁忙や突発的な業務増を乗り切るための仕組みです。届出書には、適用する具体的事情、適用期間、対象者・人数、限度を超えて行う時間の範囲(または個別の上限)などを明記し、労働者の健康や労働条件保護のために再発防止策や代替措置も検討しておくことが望まれます。実務では労使協議の記録や適用時の管理・記録保存が重要です。
FAQ
Q: 臨時的な業務増かどうかの判断基準は?
A: 「通常の業務量の変動範囲を超える」「予測はできても発生時期や規模が突発的で対応が必要」「短期的に解消される見込みがある」などが目安です。慢性的・構造的な不足は該当しません。
A: 「通常の業務量の変動範囲を超える」「予測はできても発生時期や規模が突発的で対応が必要」「短期的に解消される見込みがある」などが目安です。慢性的・構造的な不足は該当しません。
Q: 期限は必ず必要ですか?
A: はい。特別条項は適用期間を定めることが前提です。無期限の適用は認められません。
A: はい。特別条項は適用期間を定めることが前提です。無期限の適用は認められません。
Q: 届出に書くべき具体項目は?
A: 主なものは事由の内容、適用期間、対象人数や追加で勤務させる時間の上限、再発防止措置などです。
A: 主なものは事由の内容、適用期間、対象人数や追加で勤務させる時間の上限、再発防止措置などです。
関連キーワード: 36協定、特別条項、時間外労働、臨時的増加、届出要件、労使協定、期限明示、超過時間の明示

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