応用情報技術者 2021年 春期 午後 問09
プロジェクトのコスト見積りに関する次の記述を読んで、設問1〜4に答えよ。
L社は大手機械メーカーQ社のシステム子会社であり、Q社の様々なシステムの開発、運用及び保守を行っている。このたび、Q社は、新工場の設立に伴い、新工場の生産管理システムを新規開発することを決定した。この生産管理システム開発プロジェクト(以下、本プロジェクトという)では、業務要件定義を受注をQ社が担当し、システム設計から導入まで受入の支援をL社が担当することになった。L社とQ社は、システム設計と受入の支援を準委任契約、システム設計完了から導入まで(以下、実装工程という)を請負契約とした。
本プロジェクトのプロジェクトマネージャには、L社システム開発部のM課長が任命された。本プロジェクトは現在Q社での業務要件定義が完了し、これからL社でシステム設計に着手するところである。L社側実装工程のコスト見積りは、同部のN君が担当することになった。
なお、L社はQ社の情報システム部が、最近になって子会社として独立した会社であり、本プロジェクトの直前に実施した別の新工場の生産管理システム開発プロジェクト(以下、前回プロジェクトという)が、L社独立後にQ社から最初に受注したプロジェクトであった。本プロジェクトのL社とQ社の担当範囲や契約形態は前回プロジェクトと同じである。
〔前回プロジェクトの問題とその対応〕
前回プロジェクトの実装工程では、見積り時のスコープでは工程完了まで変更がなかったのに、L社のコスト実績がコスト見積りを大きく超過した。しかし、①L社は超過コストをQ社に要求することはできなかった。本プロジェクトでも請負契約となるので、M課長はまず、前回プロジェクトで超過コストが発生した問題点を次のとおり洗い出した。
・コスト見積りの機能の範囲について、Q社が範囲に含まれると認識していた機能が、L社は範囲に含まれないと誤解していた。
・予算確保のためにできるだけ早く実装工程に対するコスト見積りを提出してほしいというQ社の要求に応えるため、L社はシステム設計段階の途中でWBSを一旦作成し、これに基づいてボトムアップ見積りの手法(以下、積上げ法という)によって実施したコスト見積りを、ほかの手法で見積りを実施する時間がなかったので、そのまま提出した。その後、完成したシステム設計書を請負契約の要求事項として使用したが、コスト見積りの見直しをせず、提出済みのコスト見積りが契約に採用された。
・コスト見積りに含まれていた機能の一部に、L社がコスト見積り提出時点では作業を詳細に分解し切れず、コスト見積りが過少となった作業があった。
・詳細に分解されていたにもかかわらず、想定外の不具合発生のリスクが顕在化し、見積りの基準としていた標準的な不具合発生のリスクへの対応を超えるコストが掛かった作業があった。
次に、今後これらの問題点による超過コストが発生しないようにするため、M課長は本プロジェクトのコスト見積りに際して、N君に次の点を指示した。
・ a を作成し、L社とQ社で見積りの機能や作業の範囲に認識の相違がないようにすること。その後も変更があればメンテナンスして、Q社と合意すること
・実装工程に対するコスト見積りは、Q社の予算確保のためのコスト見積りと、契約に採用するためのコスト見積りの2回提出すること
(i) 1回目のコスト見積りは、システム設計の初期の段階で、本プロジェクトに類似したシステム開発の複数のプロジェクトを基に類推法によって実施して、概算値ではあるが、できるだけ早く提出すること
(ii) 2回目のコスト見積りは、システム設計の完了後に②積上げ法に加えてファンクションポイント(以下、FPという)法でも実施すること
・積上げ法については、次の点について考慮すること
(i) 作業を十分詳細に分解してWBSを完成すること
(ii) 標準的なリスクへの対応に基づく通常のケースだけでなく、特定したリスクがいずれも顕在化しない最良のケースと、特定したリスクが全て顕在化する最悪のケースも想定してコスト見積りを作成すること
〔1回目のコスト見積り〕
これらの指示を基に、N君はまず、Q社の業務要件定義の結果を基に a を作成し、Q社とその内容を確認した。
次に、1回目のコスト見積りを類推法で実施し、その結果をM課長に報告した。その際、L社が独立する前も含めて実施した複数のプロジェクトのコスト見積りとコスト実績を比較対象にして、概算値を見積もったと説明した。
しかし、M課長は、“③自分がコスト見積りに対して指示した事項を、適切に実施したという説明がない”とN君に指摘した。
N君は、M課長の指摘に対して漏れていた説明を追加して、1回目のコスト見積りについてL社内の承認を得た。M課長は、この1回目のコスト見積りをQ社に提出した。
〔2回目のコスト見積り〕
N君は、システム設計の完了後に、積上げ法とFP法で2回目のコスト見積りを実施した。
(1) 積上げ法によるコスト見積り
N君は、まず作業を、工数が漏れなく見積もれるWBSの最下位のレベルであるbまで分解してWBSを完成させた後、工数を見積もり、これに単価を乗じてコストを算出した。
次に、この見積もったコストを最頻値とし、これに加えて、最良のケースを想定して見積もった楽観値と、最悪のケースを想定して見積もった悲観値を算出した。楽観値と悲観値の重み付けをそれぞれ1とし、最頻値の重み付けを4としてコストに乗じ、これらを合計した値を6で割って期待値を算出することとした。例えば、最頻値が100千円で、楽観値は最頻値−10%、悲観値は最頻値+100%となった作業のコストの期待値はc千円となる。
bのコストの期待値を合計して、本プロジェクトの積上げ法によるコスト見積りを作成した。
(2) FP法によるコスト見積り
N君は、FP法によってFPを算出して開発dを見積もり、これを工数に換算し単価を乗じて、コスト見積りを作成した。表1〜3は、本プロジェクトにおけるある1機能でのFPの算出例である。表1、表2を基に、表3でFPを算出した。



N君は、M課長に積上げ法とFP法によるコスト見積りの差異は許容範囲であることを説明し、積上げ法のコスト見積りを2回目のコスト見積りとして採用することについて、L社内の承認を得た。その際は、承認された2回目のコスト見積りをQ社に説明し、Q社の合意を得た。その際Q社に、業務要件の仕様変更のリスクを加味し、L社のコスト見積りの総額にfを追加して予算を確定するよう提案した。
設問1:
本文中のa、b、fに入れる適切な字句を解答群の中から選び、記号で答えよ。
解答群
ア:EVM
イ:活動
ウ:コンティンジェンシ予備
エ:スコープ規定書
オ:スコープクリープ
カ:プロジェクト憲章
キ:マネジメント予備
ク:ワークパッケージ
模範解答
a:エ
b:ク
f:キ
解説
解答の論理構成
-
a の選定
原文では“・ a を作成し、L社とQ社で見積りの機能や作業の範囲に認識の相違がないようにすること”とあります。機能・作業範囲を文章で明確化し合意形成する文書は PMBOK Guide でいう “スコープ記述書(Project Scope Statement)”です。解答群で該当するのは “エ:スコープ規定書” なので a=エ となります。 -
b の選定
原文では“WBSの最下位のレベルであるbまで分解して”とあります。WBS の最下位レベルは “ワークパッケージ(Work Package)”です。解答群 “ク:ワークパッケージ” が適合します。よって b=ク。 -
f の選定
原文では“業務要件の仕様変更のリスクを加味し、L社のコスト見積りの総額にfを追加して予算を確定するよう提案した”とあります。仕様変更は発生可能性は認識しているものの詳細な影響が未確定な“残余リスク”であり、コストベースラインの外側に積む“マネジメント予備(Management Reserve)”を充当します。解答群 “キ:マネジメント予備” が該当するため f=キ。
以上より模範解答は
a:エ
b:ク
f:キ
a:エ
b:ク
f:キ
誤りやすいポイント
- “a” に “カ:プロジェクト憲章” を選ぶミス
プロジェクト憲章は権限付与・大枠承認の文書であり、機能や作業の詳細範囲まで確定させる用途ではない点を混同しがちです。 - “f” に “ウ:コンティンジェンシ予備” を選ぶミス
コンティンジェンシ予備は“特定済みリスク”への備えでコストベースライン内に含めます。本文は“業務要件の仕様変更のリスクを加味し”と述べ、契約上まだ確定していない追加作業に備える趣旨なのでマネジメント予備が適切です。 - WBS 最下位を “イ:活動” と誤認
“活動(Activity)”はスケジュール作成時のタスクであり WBS 最下位=ワークパッケージとはレイヤが異なります。
FAQ
Q: スコープ規定書と WBS はどのように使い分けますか?
A: スコープ規定書は“何を作るか・何を含めないか”を文章で定義し利害関係者と合意する文書、WBS はそのスコープを“どのような作業に分解するか”をツリー構造で示す図表です。
A: スコープ規定書は“何を作るか・何を含めないか”を文章で定義し利害関係者と合意する文書、WBS はそのスコープを“どのような作業に分解するか”をツリー構造で示す図表です。
Q: マネジメント予備はいつ承認を得るべきですか?
A: コストベースライン策定時にスポンサーや発注者へ提示し、プロジェクト予算(コストベースライン+マネジメント予備)として正式に承認を得ます。
A: コストベースライン策定時にスポンサーや発注者へ提示し、プロジェクト予算(コストベースライン+マネジメント予備)として正式に承認を得ます。
Q: ワークパッケージより下位の“活動”の工数も同時に見積もるべきでしょうか?
A: コスト見積りではワークパッケージ単位で十分ですが、スケジュール作成フェーズで活動分解し所要日数・リソースを洗い出すことで、作業順序やクリティカルパスを明確にできます。
A: コスト見積りではワークパッケージ単位で十分ですが、スケジュール作成フェーズで活動分解し所要日数・リソースを洗い出すことで、作業順序やクリティカルパスを明確にできます。
関連キーワード: スコープ規定書, ワークパッケージ, マネジメント予備, WBS, コスト見積り
設問2:〔前回プロジェクトの問題とその対応〕について、(1)、(2)に答えよ。
(1)本文中の下線①の理由を、契約形態の特徴を含めて30字以内で述べよ。
模範解答
請負契約は仕事の完成に対して報酬が支払われるから
解説
解答の論理構成
-
原因となる契約形態を確認
【問題文】には、
・「システム設計完了から導入まで(以下、実装工程という)を請負契約とした。」
とあり、実装工程は請負契約で締結されています。 -
請負契約の支払条件を確認
一般に請負契約は「仕事の完成」に対して報酬が支払われる固定価格契約です。したがって実際に要したコストが見積りを超過しても追加請求はできません。 -
下線部①が示す事実との結び付け
【問題文】には、
・「L社は超過コストをQ社に要求することはできなかった。」
と記述されています。これは請負契約の“完成成果物に対してのみ報酬”という性質によって説明できます。 -
以上より、解答は「請負契約は仕事の完成に対して報酬が支払われるから」となります。
誤りやすいポイント
- 「準委任契約」と混同し、請負でも追加精算が可能と誤解する。
- 「出来形変動契約(実費精算)」と請負契約を混同し、コスト増分を請求できると考える。
- 下線①の原因を“WBSの不足”や“見積りの甘さ”といった作業面だけで説明してしまい、契約形態を盛り込まない。
FAQ
Q: 請負契約でも契約変更を行えば追加請求できますか?
A: 契約変更を発注側が承認すれば追加請求は可能です。ただし本問では「スコープ変更なし」なので契約変更が成立しておらず、請負の原則が適用されます。
A: 契約変更を発注側が承認すれば追加請求は可能です。ただし本問では「スコープ変更なし」なので契約変更が成立しておらず、請負の原則が適用されます。
Q: 準委任契約との主な違いは何ですか?
A: 準委任は「役務の提供」に対して時間・工数ベースで報酬が支払われ、成果完成責任は負いません。請負は「成果物の完成」が求められ、報酬は固定されるのが一般的です。
A: 準委任は「役務の提供」に対して時間・工数ベースで報酬が支払われ、成果完成責任は負いません。請負は「成果物の完成」が求められ、報酬は固定されるのが一般的です。
Q: 見積り超過リスクを減らす方法は?
A: 早期にWBSを精緻化し、リスクバッファを計上した上で発注側と合意すること、また準委任契約や変動型契約の活用も有効です。
A: 早期にWBSを精緻化し、リスクバッファを計上した上で発注側と合意すること、また準委任契約や変動型契約の活用も有効です。
関連キーワード: 請負契約, 固定価格, コスト超過, 契約リスク, 成果物責任
設問2:〔前回プロジェクトの問題とその対応〕について、(1)、(2)に答えよ。
(2)本文中の下線②について、積上げ法に加えてもう一つ別の手法で見積りを行う目的を、30字以内で述べよ。
模範解答
複数の手法を併用して見積りの精度を高めるため
解説
解答の論理構成
- 問題文では、前回プロジェクトで「L社のコスト実績がコスト見積りを大きく超過」した原因の一つに、積上げ法のみで見積もりを行い精度が不足した点が挙げられています。
――【問題文引用】「そのまま提出した。その後…コスト見積りの見直しをせず…超過コストが発生」 - この反省を踏まえ、M課長は「②積上げ法に加えてファンクションポイント(以下、FPという)法でも実施する」と指示しました。
――【問題文引用】「積上げ法に加えてファンクションポイント(以下、FPという)法でも実施する」 - 異なる前提・尺度を持つ二つの手法で見積もりを行えば、互いの結果を突き合わせて妥当性を検証できます。
- よって目的は「複数の手法を併用して見積りの精度を高めるため」と導けます。
誤りやすいポイント
- 「2回行う理由=顧客向けと社内向け」と勘違いし、手法間比較の意図を読み落とす。
- 積上げ法とFP法を“合算”すると誤解し、精度チェックという本来目的を外す。
- FP法を「規模算出だけのため」と捉え、コスト見積もり全体の検証に使う点を見逃す。
FAQ
Q: なぜ積上げ法だけでは不十分なのでしょうか?
A: WBSの粒度次第で漏れや過小見積もりが起こりやすく、別の尺度(FP)の結果と比較することで偏りを補正できます。
A: WBSの粒度次第で漏れや過小見積もりが起こりやすく、別の尺度(FP)の結果と比較することで偏りを補正できます。
Q: FP法は工数見積もりにも使えますか?
A: はい。機能規模(FP)を開発生産性で割り、工数へ換算し単価を掛けることでコスト試算が可能です。
A: はい。機能規模(FP)を開発生産性で割り、工数へ換算し単価を掛けることでコスト試算が可能です。
Q: 二つの結果が大きく乖離した場合はどう対処しますか?
A: 見積り条件を洗い直し、要件漏れや生産性設定の誤りを洗い出したうえで、リスク対応や再見積もりを行います。
A: 見積り条件を洗い直し、要件漏れや生産性設定の誤りを洗い出したうえで、リスク対応や再見積もりを行います。
関連キーワード: WBS, ボトムアップ見積り, 類推法, ファンクションポイント法, リスク分析
設問3:
〔1回目のコスト見積り〕について、本文中の下線③で漏れていた説明の内容を40字以内で答えよ。
模範解答
本プロジェクト類似の複数のシステム開発プロジェクトと比較していること
解説
解答の論理構成
-
指示内容の再確認
【問題文】には、1 回目見積りについて
「“①類似したシステム開発の複数のプロジェクトを基に”類推法によって実施」
と明記されています。 -
M 課長の指摘
同じ段落で M 課長は
「“③自分がコスト見積りに対して指示した事項を、適切に実施したという説明がない”」
と述べています。 -
“指示した事項”とは何か
前段の指示には
「“本プロジェクトに類似したシステム開発の複数のプロジェクトを基に類推法”」
が含まれており、これが説明されていない点が課題です。 -
解答の導出
よって欠けていた説明は、“1 回目見積りが類似プロジェクトとの比較に基づく”という内容になります。
以上より、模範解答は
「本プロジェクト類似の複数のシステム開発プロジェクトと比較していること」
となります。
誤りやすいポイント
- 「類推法=過去データを参照する」だけでは不十分で、「複数のプロジェクト」との比較まで求められている点を見落としやすいです。
- M 課長の指示を“実施したかどうか”ではなく“実施したことを説明したかどうか”が問われている点に注意が必要です。
- 類推法と積上げ法を混同し、積上げ法の説明を記述してしまうケースがあります。
FAQ
Q: 類推法で“複数”とあるが、具体的な件数を示さないと減点される?
A: 件数は問われていません。“複数のプロジェクトと比較した”旨が明確なら十分です。
A: 件数は問われていません。“複数のプロジェクトと比較した”旨が明確なら十分です。
Q: 類似プロジェクトが社外実績でも良いのか?
A: 問題では「L社が独立する前も含めて実施した」とあり、社外・社内は限定されていません。
A: 問題では「L社が独立する前も含めて実施した」とあり、社外・社内は限定されていません。
Q: M 課長への説明不足を防ぐ方法は?
A: 指示事項をチェックリスト化し、報告時に一つずつ根拠とともに説明するのが効果的です。
A: 指示事項をチェックリスト化し、報告時に一つずつ根拠とともに説明するのが効果的です。
関連キーワード: 類推法, コスト見積り, WBS, リスク管理, ベンチマーク
設問4:〔2回目のコスト見積り〕について、(1)〜(3)に答えよ。
(1)本文中のcに入れる適切な数値を答えよ。計算の結果、小数第1位以降に端数が出る場合は、小数第1位を四捨五入せよ。
模範解答
c:115
解説
解答の論理構成
- 【問題文】では、期待値の算出方法として
“楽観値と悲観値の重み付けをそれぞれ1とし、最頻値の重み付けを4としてコストに乗じ、これらを合計した値を6で割って期待値を算出”
と指示されています。 - 対象作業の三点見積りは【問題文】に明示されています。
• “最頻値が100千円”
• “楽観値は最頻値−10%” → 100千円 × (1−0.10) = 90千円
• “悲観値は最頻値+100%” → 100千円 × (1+1.00) = 200千円 - 重み付け平均を取ります。
- したがって “c” に入る値は “115” となります。
誤りやすいポイント
- 楽観値・悲観値を“−10千円”“+100千円”と勘違いし、割合を金額に直さず代入してしまう。
- 重み付けの係数 “4” を掛け忘れ、(90+100+200)÷6 と計算してしまう。
- 楽観値と悲観値の重みを “0.5” と誤読し、PERT β分布の式と混同する。
FAQ
Q: 重み付け 1–4–1 は PERT の標準形ですか?
A: PERT/β分布の代表的な重み付けは 1–4–1 ですが、組織や案件により 3 点見積りのウエイトは調整される場合があります。本問では【問題文】の指定に従います。
A: PERT/β分布の代表的な重み付けは 1–4–1 ですが、組織や案件により 3 点見積りのウエイトは調整される場合があります。本問では【問題文】の指定に従います。
Q: 最頻値が 100 千円でなかったら計算方法は変わりますか?
A: 変わりません。楽観値・最頻値・悲観値を求め、同じ重みで合計し 6 で割るだけです。金額が変わるだけで手順は同一です。
A: 変わりません。楽観値・最頻値・悲観値を求め、同じ重みで合計し 6 で割るだけです。金額が変わるだけで手順は同一です。
Q: 小数点以下が出たときの処理は?
A: 【小問説明】に“小数第1位を四捨五入”とあるので、端数が出た場合は必ず四捨五入してください。
A: 【小問説明】に“小数第1位を四捨五入”とあるので、端数が出た場合は必ず四捨五入してください。
関連キーワード: PERT三点見積り, 楽観値, 悲観値, 重み付け平均, コスト期待値
設問4:〔2回目のコスト見積り〕について、(1)〜(3)に答えよ。
(2)本文中のdに入れる適切な字句を、2字で答えよ。
模範解答
d:規模
解説
解答の論理構成
- 【問題文】には「N君は、FP法によってFPを算出して開発dを見積もり、これを工数に換算し単価を乗じて、コスト見積りを作成した。」とあります。
- FP(ファンクションポイント)は、機能数や複雑さからシステムの“規模”を数量化する手法です。FPを算出した後は、その規模を工数へ換算し、さらに単価を掛けてコストにします。
- したがって FP 法で直接求めるのは「開発規模」であり、ここに入る適切な2字は「規模」です。
誤りやすいポイント
- 「工数」や「費用」と混同しがち
FP 法はまず規模を求める手法であり、工数は規模を変換して初めて算出できます。 - 漢字2字への置換ミス
「開発量」「開発規模」など似た語が浮かびますが、実務でも使われる正式な表現は「開発規模」です。 - FP 法の流れを逆に覚える
いきなり工数換算から入るのではなく、①機能分析→②FP算出→③規模→④工数→⑤コストの順序です。
FAQ
Q: FP 法で求まる「規模」と LOC(行数)の違いは何ですか?
A: FP はユーザ機能を基準にした論理的な規模、LOC はソースコード量という物理的な規模です。FP の方が言語や技術に依存しにくい利点があります。
A: FP はユーザ機能を基準にした論理的な規模、LOC はソースコード量という物理的な規模です。FP の方が言語や技術に依存しにくい利点があります。
Q: 規模を工数へ換算する係数はどのように決めますか?
A: 自社や業界の過去プロジェクト実績を統計分析し、FP あたりの平均工数を求めて設定します。標準値をそのまま使うより、自社データでキャリブレーションすると精度が向上します。
A: 自社や業界の過去プロジェクト実績を統計分析し、FP あたりの平均工数を求めて設定します。標準値をそのまま使うより、自社データでキャリブレーションすると精度が向上します。
Q: FP 法と積上げ法で差が出るのは正常ですか?
A: はい。算定アプローチが異なるため一定の幅は生じます。本文でも「積上げ法とFP法によるコスト見積りの差異は許容範囲であることを説明」とあり、両者を比較・検証して整合を取るプロセスが推奨されています。
A: はい。算定アプローチが異なるため一定の幅は生じます。本文でも「積上げ法とFP法によるコスト見積りの差異は許容範囲であることを説明」とあり、両者を比較・検証して整合を取るプロセスが推奨されています。
関連キーワード: ファンクションポイント法, 規模見積り, 工数換算, ボトムアップ見積り, リスク期待値
設問4:〔2回目のコスト見積り〕について、(1)〜(3)に答えよ。
(3)表3中のeに入れる適切な数値を答えよ。
模範解答
e:55
解説
解答の論理構成
- FP 合計は、ファンクションタイプ別の「個数 × 重み」を足し合わせて求めます(【問題文】「表3 FPの算出表」)。
- 個数は、【問題文】「表1 データファンクションの一覧表」「表2 トランザクションファンクションの一覧表」から取得します。
- 重みは、【問題文】「表3 FPの算出表」に記載されている値をそのまま用います。
- 各ファンクションタイプごとの計算過程
- EIF:低が「1×3」、中が「1×4」、高が「0×6」
→ 3 + 4 + 0 = 7
(表3の行に既に「7」と記載) - ILF:低が「2×4」、中が「1×5」、高が「0×7」
→ 8 + 5 + 0 = 13 - EI :低が「0×3」、中が「2×4」、高が「0×6」
→ 0 + 8 + 0 = 8 - EO:低が「1×7」、中が「0×10」、高が「0×15」
→ 7 + 0 + 0 = 7 - EQ:低が「2×5」、中が「0×7」、高が「1×10」
→ 10 + 0 + 10 = 20
(表3の行に既に「20」と記載)
- EIF:低が「1×3」、中が「1×4」、高が「0×6」
- 以上を合計
- よって、表3「総合計(FP)」欄のeには「55」が入ります。
誤りやすいポイント
- 「ILF」の個数を見落とし、「D2」「D4」を 1 つと数えてしまう。実際は 2 個なので注意が必要です。
- 「EI」「EO」「EQ」をすべて“トランザクション”だからと一括りにし、重みを取り違えるケースがあります。ファンクションタイプごとに重みが異なります。
- 既に表3に書かれている「EIF 7」「EQ 20」を再計算せずに流用し、他タイプの合計を足し忘れるミスが起こりやすいです。
FAQ
Q: ILF の「低」が 2 個になる根拠は何ですか?
A: 【問題文】「表1」で「D2」「D4」がともに「ILF:内部論理ファイル」「複雑さの評価 低」と明示されています。したがって 2 個です。
A: 【問題文】「表1」で「D2」「D4」がともに「ILF:内部論理ファイル」「複雑さの評価 低」と明示されています。したがって 2 個です。
Q: 重みは覚えていないのですが、どう判断すれば良いでしょうか?
A: 本問は重みが【問題文】「表3」に明示されています。試験では表や設問中の情報を参照し、暗記に頼らずに解答できます。
A: 本問は重みが【問題文】「表3」に明示されています。試験では表や設問中の情報を参照し、暗記に頼らずに解答できます。
Q: FP 合計算出後の工数換算は必要ありませんか?
A: 設問は「表3中のeに入れる数値」を問うています。工数換算や単価計算は別設問で扱われるため、本設問では不要です。
A: 設問は「表3中のeに入れる数値」を問うています。工数換算や単価計算は別設問で扱われるため、本設問では不要です。
関連キーワード: ファンクションポイント, 重み付け, 内部論理ファイル, 外部入力, 外部照会


