応用情報技術者 2021年 春期 午前2 問14
問題文
稼働率がxである装置を四つ組み合わせて、図のようなシステムを作ったときの稼働率を f(x) とする。区間 0≦x≦1 における y=f(x)の傾向を表すグラフはどれか。ここで、破線は y=xのグラフである。


選択肢
ア:
イ:
ウ:
エ:(正解)
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並列直列組合せの稼働率【午前2解説】
正解の理由
入力から左右に分かれ、左右それぞれに2つの装置が直列に並ぶ経路があり、両経路は出力で並列に合流しています。各装置の稼働率を として独立と仮定すると、片側経路の稼働率は直列接続により です。2つの経路が並列なので、システム全体の稼働率は
(両経路がともに故障する確率)=、
整理して となります。この関数は区間 で一次の直線 とちょうど二点()で一致するのではなく、内部で一度交差し、曲率が一度変わる(変曲点をもつ)S字形状を取ります。したがって図の中では、一度破線 を下から上へ交差する S 字状の曲線で表される選択肢、すなわち選択肢エが一致します。
解法ステップ
- 回路構成の読み取り
- 左右に分かれた2経路があり、各経路は装置2個の直列。経路間は並列接続。
- 各経路の稼働率計算(直列)
- 直列の稼働率は積:片側 = 。
- 並列合成(少なくとも1経路が動作)
- 全体 = 。
- 代数的整理と微分による形状解析
- 。
- 一階導関数: (増加関数、とで勾配0)。
- 二階導関数: 。変曲点は (曲率の符号が一回だけ変わる)。
- との比較
- 小さい では で 。中間域で は を一度横切り、その後は となり最終的に に収束。よって S 字(1回の曲率変化)で1回交差する形状。
選択肢別の誤答解説
- ア: 全域で破線()の上にある上凸の曲線。
- 問題の は小さい で より下にあり、曲率が単調ではなく変曲点を持つため一致しません。
- イ: 全域で破線より下方に位置し下に凸の形状。
- で破線と一致する点があるため「全域で下方」は成り立ちません。また は中間域で破線を越えて上方になるため形状が合いません。
- ウ: 2回の曲率変化(S字だが波打ち、破線を二度交差)。
- の二階導関数 は符号を1回しか変えない(変曲点は1つ)ので、曲率変化は1回。ウのように2回の変曲点を持つ図は不適合です。
- エ: 小さい領域で破線より下方、途中で交差して上方に転じる S 字(変曲点1回)。
- 上記の解析と一致するため対応します。
よくある誤解
- 「直列2つは単に 」と誤る:直列は確率の和ではなく積です。直列2つの稼働率は です。
- 曲率(凸凹)を観察せずに単に一次的に増減を見る:微分・二階導関数で変曲点の有無を確認すると形状判定が確実です。
- 並列系を「足し算で 」と誤解する:並列は「少なくとも1つが動作」の補集合計算 で扱います。
補足コラム
- 一般に「直列」は成功確率の積、「並列」は失敗確率の積に基づく補集合で合成します。今回の構成は「(直列 ×2)の並列合成」に相当し、同一確率 の独立事象であれば と短く書けます。
- 近似的な挙動: のとき (二次に縮退)、 のとき かつ接線の傾き で末端は平坦に近づきます。
FAQ
Q. 部品の稼働が独立でない場合は?
A. 相関があれば上の積・補集合の公式は使えません。共通故障や連鎖故障があると系全体の可用性は上式より低くなる場合があります。相関モデルや共通故障確率を導入して解析します。
A. 相関があれば上の積・補集合の公式は使えません。共通故障や連鎖故障があると系全体の可用性は上式より低くなる場合があります。相関モデルや共通故障確率を導入して解析します。
Q. 部品ごとに異なる稼働率 の場合は?
A. 同様に各経路の成功確率を積で求め、並列合成は (各経路が失敗する確率) で求めます。今回の構成なら のように書けます。
A. 同様に各経路の成功確率を積で求め、並列合成は (各経路が失敗する確率) で求めます。今回の構成なら のように書けます。
Q. どうやってグラフの形(凸凹)を手早く判別する?
A. 一階導関数で増減を確認し、二階導関数の符号変化の回数で変曲点の数を判定します。図の「何回 S 字に曲がるか」が決定要素です。
A. 一階導関数で増減を確認し、二階導関数の符号変化の回数で変曲点の数を判定します。図の「何回 S 字に曲がるか」が決定要素です。
関連キーワード: 稼働率、可用性、信頼性ブロック図、直列接続、並列接続、変曲点、曲率解析

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