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応用情報技術者 2022年 秋期 午前213


問題文

システムの信頼性設計に関する記述のうち、適切なものはどれか。

選択肢

フェールセーフとは、利用者の誤操作によってシステムが異常終了してしまうことのないように、単純なミスを発生させないようにする設計方法である。
フェールソフトとは、故障が発生した場合でも機能を縮退させることなく稼働を継続する概念である。
フォールトアボイダンスとは、システム構成要素の個々の品質を高めて故障が発生しないようにする概念である。(正解)
フォールトトレランスとは、故障が生じてもシステムに重大な影響が出ないように、あらかじめ定められた安全状態にシステムを固定し、全体として安全が維持されるような設計方法である。

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フォールトアボイダンス【午前2解説】

正解の理由

選択肢は、フォールトアボイダンス(fault avoidance)の定義を適切に示しています。フォールトアボイダンスは「故障が発生しないように事前に設計・開発・プロセスを改善し、故障の発生確率を低減する概念」です。したがって、個々の構成要素の品質向上や設計手法、検証・テストなどを通じて故障そのものを未然に防ぐことを指す記述は正しいため、選択肢が妥当です。

解法ステップ

  1. 各用語のキーワードを押さえる:
    • フォールトアボイダンス=「故障を起こさないようにする」
    • フォールトトレランス=「故障が起きても動作を続ける(許容する)」
    • フェールセーフ=「故障時に安全な状態にする」
    • フェールソフト=「故障時に機能を縮退してでも継続する」
  2. 選択肢の語句とキーワードを照合し、矛盾点を探す。
  3. 「故障を未然に防ぐ=品質向上・設計改善・検証」ならフォールトアボイダンス。
  4. 残りは定義と異なる記述を順に除外する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: フェールセーフについての説明が誤りです。フェールセーフ(fail-safe)は「故障や異常発生時にシステムを安全な状態に遷移させる」ことを指します。利用者の誤操作を未然に防ぐという説明は主にユーザビリティや入力検査の範疇であり、フェールセーフの本質ではありません。
  • イ: フェールソフトの説明が誤りです。フェールソフト(fail-soft)は「故障が発生した場合に機能を縮退(削減)してでも運用を継続する」考え方です。設問の「機能を縮退させることなく稼働を継続する」は逆の意味であり、誤りです。
  • : フォールトアボイダンスは「構成要素の品質を高め、故障発生を抑える」概念であり、設問文の記述と一致します。よって正答です。
  • エ: フォールトトレランスの説明としては不適切です。エの記述は「あらかじめ定められた安全状態にシステムを固定し、安全を維持する」という内容で、これはむしろフェールセーフに近い挙動を示します。フォールトトレランス(fault tolerance)は故障が発生してもシステム全体が機能を維持できるようにする設計(冗長化や代替経路などを含む)を指します。

よくある誤解

  • フォールトアボイダンスに冗長化を含める:誤り。冗長化は故障が起きた後も機能を維持するための手段であり、フォールトトレランスの領域です。フォールトアボイダンスは故障そのものの発生を減らす施策を指します。
  • フェールセーフは「故障が起きないこと」:誤り。フェールセーフは故障が起きたときに「安全な状態にする」方針であり、故障の有無とは別の概念です。
  • フェールソフトとフォールトトレランスを混同する:誤解しやすい点ですが、フェールソフトは機能縮退での継続、フォールトトレランスは冗長化等でほぼ通常通りの継続を目指す、という違いがあります。

補足コラム

フォールトアボイダンスの具体例としては次のような施策が挙げられます。設計標準やコーディング規約の採用、コードレビュー・ペアプログラミング、静的解析ツールの導入、単体テスト・結合テストの徹底、設計レビューや形式手法の利用、信頼性を重視したコンポーネント選定、開発プロセスの管理(変更管理・品質管理)などです。これらは「故障の発生確率を下げる」ための活動であり、故障の発生後に機能を維持するための冗長化等の対策とは役割が明確に異なります。

FAQ

Q. フォールトアボイダンスとフォールトトレランスは両方必要ですか?
A. 多くのシステムでは両者を組み合わせます。安全性が特に重要な領域では故障の発生を極力抑える設計(フォールトアボイダンス)を行いつつ、万一の故障時にはサービス継続や安全確保のためのフォールトトレランスやフェールセーフも導入します。
Q. フェールソフトはどんな場面で有効ですか?
A. リアルタイム性や連続稼働が重要で、一部機能を犠牲にしてでもサービスを継続したい場合に有効です(例:一部センサを失っても基本運行を続けるなど)。
Q. フォールトアボイダンスの代表的な手法は?
A. 設計時の詳細な仕様策定、静的解析、テスト駆動開発、コードレビュー、形式手法など、品質向上と欠陥の早期検出・除去に資する活動が中心です。

関連キーワード: フォールトアボイダンス、フォールトトレランス、フェールセーフ、フェールソフト、冗長化、設計レビュー、静的解析、FMEA
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