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応用情報技術者 2023年 秋期 午後02


バランススコアカードを用いたビジネス戦略策定に関する次の記述を読んで、設問に答えよ。

   X社は、大手の事務機器販売会社である。複写機をはじめ、様々な事務機器を顧客に提供してきた。顧客の事業環境の急激な変化や市場の成熟化によって、X社の利益率は低下傾向であった。そこで、X社の経営陣は、数年前に複数のIT関連の商品やサービスを組み合わせてソリューションとして提供することで、顧客の事業を支援するビジネス(以下、ソリューションビジネスという)を開始し、利益率向上を目指してきた。ソリューションビジネスは拡大し、売上高は全社売上高の60%以上を占めるまでになったが、思うように利益率が向上していない。X社の経営陣は、利益率を向上させて現在5%のROEを10%以上に高め、投資家の期待に応える必要があると考えている。  X社の組織体制には、経営企画室、人材開発本部、ソリューション企画本部(以下、S企画本部という)、営業本部などがある。人事評価制度として、目標管理制度を導入しており、営業担当者は売上高を目標に設定し、達成度を管理している。営業本部がビジネス戦略を立案し、S企画本部が、IT関連の商品やサービスを提供する企業(以下、サービス事業者という)と協業してソリューションを開発していたが、X社の経営陣は、全社レベルで統一され、各本部が組織を横断して連携するビジネス戦略が必要と考えた。  X社の経営陣は、次期の中期経営計画の策定に当たって、経営企画室のY室長にソリューションビジネスを拡大し、X社の利益率を向上させるビジネス戦略を立案するよう指示した。   〔ソリューションビジネスの現状分析〕  Y室長は、X社の現状を分析し、次のように認識した。  ・ソリューションの品ぞろえが少なく、また、顧客価値の低いソリューションや利益率の低いソリューションがある。  ・新しい商品やサービスを取り扱っても、すぐに競合他社から同じ商品やサービスが販売され、差別化できない。  ・ソリューションの提案活動では、多くのソリューション事例の知識及び顧客の事業に関する知識を活用し、顧客の真のニーズを聞き出すスキルが求められるが、そのような知識やスキルをもつ人材(以下、ソリューション人材という)が不足している。その結果、顧客満足度調査では、ソリューション提案を求めても期待するような提案が得られないとの回答もみられる。  ・X社のソリューションビジネスの市場認知度を高める必要があるが、現状では、顧客に訴求できるような情報の発信力が不足している。  ・提案活動の参考になる過去のソリューション事例を、サーバに登録することにしている。しかし、営業担当者は、自らの経験を公開することが人事評価にはつながらないので登録に積極的でなく、現在は蓄積されている件数が少ない。また、有益な情報があっても探すのに時間が掛かり、提案のタイミングを逸して失注している。   〔ビジネス戦略の施策〕  現状分析を踏まえて、Y室長はビジネス戦略の施策を次のようにまとめ、これらの施策を実施することによって、ROEを10%以上に伸長させることとした。 (1) 人材開発  ・ソリューション人材を育成する仕組みを確立する。具体的には、ソリューション人材の営業ノウハウを形式知化して社内で共有するとともに、ソリューション提案の研修を開催し、ソリューションの知識や顧客の真のニーズを聞き出すスキル、課題を発見・解決するスキルが乏しい営業担当者の教育に活用する。  ・人事評価制度を見直し、営業担当者は売上高の目標達成に加えて、ソリューション事例の登録数など、組織全体の営業力を高めることへの貢献度を評価する。また、S企画本部の担当者に対しては、ソリューションごとの顧客満足度と販売実績の利益率を評価する。さらに、人材開発本部の担当者に対しては、開催した研修によって育成したソリューション人材の人数を評価する。 (2) ソリューション開発  ・顧客の事業環境の変化に対応してソリューションの品ぞろえを増やすため、専任チームを立ち上げ、多様な商品やサービスをもつサービス事業者との業務提携を拡大する。業務提携に当たっては、a権利を、そのサービス事業者から適法に取得することによって他社との差別化を図る。・利益率の高いソリューション事例を抽出し、類似する顧客のニーズ・課題及び同規模の予算に適合するソリューションのパターン(以下、ソリューションパターンという)を整備する。 (3) 営業活動  ・ソリューションパターンの提案を増やすことによって、顧客価値と利益率が高いソリューションの売上拡大を図る。  ・X社のソリューションの市場認知度を高めるために、ソリューション事例を顧客に訴求できる魅力的な情報として発信するなど、コンテンツマーケティングを行う。  ・顧客の真のニーズを満たす顧客価値を提供するために、営業本部とS企画本部とが協力して開発するソリューションを活用して、営業活動を展開する。   〔バランススコアカード〕  Y室長は、ビジネス戦略の施策を具体化するために、①各部門の中期経営計画策定担当者を集めて、表1に示すバランススコアカード案を作成した
応用情報技術者試験(令和5年度 秋期 午後 問02 表01)
〔SECIモデルの適用〕  Y室長は、バランススコアカードのアクションを組織的に推進する仕組みとして、②共同化(Socialization)、表出化(Externalization)、連結化(Combination)、内面化(Internalization)のステップから成るSECIモデルの適用を考え、表2に示す活動を抽出した
応用情報技術者試験(令和5年度 秋期 午後 問02 表02)
 Y室長は、SECIモデルの活動を促進するために、新たに経営管理システムに次の機能を追加することにした。  ・③ソリューション事例の登録数・参照数によって、その事例を登録した営業担当者にスコアが付与され、組織全体への貢献度を可視化する機能  ・④顧客のニーズ・課題及び予算を入力することで、該当するソリューションパターンとその適用事例を、瞬時に顧客に有効と考えられる順にピックアップする機能   〔財務目標〕  Y室長は、バランススコアカードに基づき、3か年の中期経営計画の最終年度の財務目標を設定し、表3の年度別損益の比較と表4の年度別財務分析指標の比較を作成した。
応用情報技術者試験(令和5年度 秋期 午後 問02 表3、4)
 Y室長は、まとめ上げたビジネス戦略案を含む中期経営計画案を経営会議で説明し、承認を得た。

設問1〔バランススコアカード〕について答えよ。

(1)本文中の下線①について、バランススコアカード案の作成に当たり、各部門の中期経営計画策定担当者を集めた狙いは何か。本文中の字句を用いて25字以内で答えよ。

模範解答

全社レベルで統一されたビジネス戦略を描くこと

解説

解答の論理構成

  1. 問題文には、経営陣の考えとして
    「“全社レベルで統一され、各本部が組織を横断して連携するビジネス戦略”が必要」
    と明記されています。
  2. 下線①は「各部門の中期経営計画策定担当者を集めて、表1に示すバランススコアカード案を作成した」と記述されています。
  3. 各部門を“集める”目的は、上記の経営陣の要求──すなわち“全社レベルで統一されたビジネス戦略”の具体化にほかなりません。
  4. したがって、解答は「全社レベルで統一されたビジネス戦略を描くこと」となります。

誤りやすいポイント

  • 「バランススコアカードを作ること」が狙いと短絡すると、狙い(目的)と手段を取り違えます。
  • 「部門間の連携強化」「コミュニケーション活性化」と書くと抽象的すぎて、経営陣が求めた“全社レベルで統一されたビジネス戦略”というキーワードを外してしまいます。
  • “売上向上”や“利益率向上”など財務目標に焦点を当てると、バランススコアカード案作成の直接の目的からずれます。

FAQ

Q: 部門横断で担当者を集めるだけでは連携は生まれないのでは?
A: バランススコアカードは視点ごとに戦略目標・評価指標・アクションを共有する枠組みです。部門横断で策定すれば、目標と指標が共通言語となり連携が促進されます。
Q: 財務目標“ROE 10%以上”達成に直接結び付くのか?
A: はい。各部門の活動を「財務」「顧客」「業務プロセス」「学習と成長」の四つの視点に紐付けることで、組織全体が一枚岩となりROE向上へ向かう設計になっています。
Q: バランススコアカードと目標管理制度はどう違う?
A: 目標管理制度は個人目標の設定と評価が中心ですが、バランススコアカードは組織戦略を多面的に可視化し、部門や個人の行動を戦略に整合させるための経営管理手法です。

関連キーワード: バランススコアカード、部門横断、連携強化、戦略目標、評価指標

設問1〔バランススコアカード〕について答えよ。

(2)〔ビジネス戦略の施策〕の本文及び表中のaに入れる適切な字句を、15字以内で答えよ。

模範解答

a:独占的に販売できる

解説

解答の論理構成

  1. 問題文中の該当箇所
    ・「業務提携に当たっては、a権利を、そのサービス事業者から適法に取得することによって他社との差別化を図る。」
    ・「a権利の取得を含めたサービス事業者との契約交渉」
    いずれも “サービス事業者から何らかの権利を取得し、他社がまねできない形で販売する” ことが狙いであると明記されています。
  2. 差別化の手段としての “権利” の意味
    市場で同一商品・サービスが氾濫する場合、他社との差別化を実現する典型的な方法は「独占販売」です。競合が扱えない状態を作ることで、価格競争を避け利益率を高められます。
  3. 権利の種類を特定
    意匠権・特許権なども候補ですが、X社は“販売会社”であり「販売できるか否か」が主眼です。したがって取得すべきは “独占的に販売できる権利” であると判断できます。
  4. 以上より a に入る語句
    → 「独占的に販売できる」

誤りやすいポイント

  • 「特許権」「ライセンス」など曖昧に書く
    権利取得による差別化は多数ありますが、販売会社の立場を踏まえると“販売行為”に直結する文言でなければ部分点も得にくいです。
  • “顧客価値向上”と“差別化”を混同
    顧客満足度向上は別の戦略目標で、ここでは競合排除がテーマです。
  • 権利の主体を誤認
    サービス事業者が持つ権利を「適法に取得」する点が肝心で、自社が権利を創出するわけではありません。

FAQ

Q: なぜ「独占販売権」ではなく「独占的に販売できる」なのですか?
A: 設問は“字句”を求めており、動詞句を含む形が模範解答として示されています。「独占販売権」も趣旨は同じですが、過去問では模範解答に合わせることが重要です。
Q: 提案活動の質を高めても権利取得は不要では?
A: 品ぞろえ拡充と差別化は別問題です。質の高い提案があっても、競合が同じ商品を扱えれば価格競争に陥ります。独占販売があれば高利益率を維持しやすくなります。
Q: 独占権取得はコストが掛かるのでは?
A: コストは掛かりますが、他社が参入できず利益率を確保できるため、中長期的にROE向上へ寄与するという判断です。

関連キーワード: バランススコアカード、独占販売権、差別化戦略、ライセンス契約、利益率向上

設問1〔バランススコアカード〕について答えよ。

(3)表1中のbdに入れる適切な字句を、それぞれ15字以内で答えよ。

模範解答

b:コンテンツマーケティング d:業務提携するサービス事業者

解説

解答の論理構成

  1. 【問題文】の施策(3)営業活動
    >「X社のソリューションの市場認知度を高めるために、ソリューション事例を顧客に訴求できる魅力的な情報として発信するなど、コンテンツマーケティングを行う。」
    ここで市場認知度向上の手段として明言されているのが「コンテンツマーケティング」です。
    よって、表1「顧客」視点‐市場認知度向上のアクションb
    ⇒ コンテンツマーケティング
  2. 【問題文】の施策(2)ソリューション開発
    >「…多様な商品やサービスをもつサービス事業者との業務提携を拡大する。」
    また、表1「業務プロセス」視点‐「ソリューションの品ぞろえの増加」の重要成功要因には
    >「業務提携の拡大」
    が掲げられています。拡大状況を測る評価指標としては、どれだけの相手先と提携できたかを数えるのが自然です。したがってd
    ⇒ 業務提携するサービス事業者

誤りやすいポイント

  • bを「情報発信」など一般名詞で埋めてしまう。原文では具体的施策「コンテンツマーケティング」が示されている。
  • dを「ソリューション数」や「提携数」だけで記載し、誰との提携かを明確にしない。評価指標なので“何を数えるのか”を示す必要がある。
  • 表の「重要成功要因」と「評価指標」を混同し、施策名を指標欄に書いてしまう。

FAQ

Q: コンテンツマーケティングとは何を指しますか?
A: 【問題文】が示すように「ソリューション事例を顧客に訴求できる魅力的な情報として発信する」活動全般を指し、ブログ・動画・SNS 等で価値ある情報を継続的に提供して認知度を高める手法です。
Q: dを「提携先数」だけにすると減点になりますか?
A: 評価指標は “誰” を数えるかまで明示してこそ具体性が出ます。原文にある「サービス事業者」と結び付けて「業務提携するサービス事業者」とするのが確実です。
Q: バランススコアカードと SECIモデルはどのように連携していますか?
A: バランススコアカードで設定したアクション(例:事例登録の促進)を、SECIモデルの各ステップ(共同化→表出化→連結化→内面化)で知識化し、組織学習を通じて実行力を高める流れで連携しています。

関連キーワード: バランススコアカード、コンテンツマーケティング、業務提携、SECIモデル、指標設定

設問1〔バランススコアカード〕について答えよ。

(4)表1中のcに入れる適切な字句を解答群の中から選び、記号で答えよ。
解答群  ア:顧客への訪問回数を増やす営業活動  イ:サービス事業者との協業によるソリューション開発  ウ:ソリューションパターンを活用した営業活動  エ:利益率を重視した営業活動解答群

模範解答

c:ウ

解説

解答の論理構成

  1. 表1の該当行
    • 視点:業務プロセス
    • 戦略目標:「顧客価値と利益率が高いソリューションの提案」
    • 評価指標:「提案件数」
    • 重要成功要因に c が入る
  2. 重要成功要因は、戦略目標を達成するための鍵を示すものです。問題文には、営業活動に関する施策として次の記述があります。
    • 「ソリューションパターンの提案を増やすことによって、顧客価値と利益率が高いソリューションの売上拡大を図る。」
  3. ここでは「ソリューションパターンの提案を増やす」ことが、まさに戦略目標を支える重要成功要因になります。
  4. 解答群との照合
    • ア:「顧客への訪問回数を増やす営業活動」 … 訪問回数は提案件数の直接要因とは限らない
    • イ:「サービス事業者との協業によるソリューション開発」 … 開発フェーズであり提案フェーズではない
    • ウ:「ソリューションパターンを活用した営業活動」 … 問題文の施策と一致
    • エ:「利益率を重視した営業活動」 … 抽象的で「ソリューションパターン」の明示がない
  5. よって c には「ウ:ソリューションパターンを活用した営業活動」が適切です。

誤りやすいポイント

  • 「提案件数」という評価指標だけを見て「顧客への訪問回数を増やす営業活動(ア)」を選んでしまう。
  • 「利益率を重視した」という文言に引きずられ「エ」を選び、ソリューションパターンというキーワードを見落とす。
  • ソリューション開発とソリューション提案を混同し「イ」を選んでしまう。

FAQ

Q: ソリューションパターンとは何を指しますか?
A: 「利益率の高いソリューション事例を抽出し、類似する顧客のニーズ・課題及び同規模の予算に適合するソリューションのパターン」です。提案活動で再利用するテンプレートのようなものです。
Q: バランススコアカードで「重要成功要因」と「アクション」はどう違いますか?
A: 重要成功要因は目標達成に不可欠な条件を示し、アクションはその条件を実現する具体的な施策を示します。
Q: 提案件数が増えても利益率が上がらない場合はどう対処すべきですか?
A: 提案件数だけでなく「ソリューションパターン別の利益率」など品質面の指標も併用し、高付加価値提案に絞り込む必要があります。

関連キーワード: バランススコアカード、ソリューションパターン、重要成功要因、業務プロセス視点、評価指標

設問2〔SECIモデルの適用〕について答えよ。

(1)本文中の下線②について、表2の記号A〜Dを、SECIモデルの共同化、表出化、連結化、内面化のステップの順序に“,”で区切って並べて答えよ。

模範解答

C, D, B, A

解説

解答の論理構成

  1. SECIモデルの各ステップの定義を整理します。
    • 共同化(Socialization):暗黙知 ⇨ 暗黙知
    • 表出化(Externalization):暗黙知 ⇨ 形式知
    • 連結化(Combination):形式知 ⇨ 形式知
    • 内面化(Internalization):形式知 ⇨ 暗黙知
  2. 【問題文】から各活動の内容を引用し、どのステップに該当するかを判定します。
    • 「営業本部において、ソリューション人材とソリューションの提案に必要な知識やスキルが乏しい営業担当者を組んで行動させることで、営業ノウハウを広める。」(記号C)
      → ノウハウを対面で伝え“暗黙知を暗黙知へ”共有=共同化。
    • 「営業本部では、ソリューション人材の営業活動の実績を、ソリューション事例として登録し、営業本部内及びS企画本部と共有する。」(記号D)
      → 実績という暗黙知を事例という文書にし“暗黙知を形式知へ”変換=表出化。
    • 「S企画本部は、ソリューション事例を体系化しソリューションパターンとして社内で共有し、顧客の真のニーズに基づく営業活動の展開に活用する。」(記号B)
      → 登録済み事例という形式知を整理統合し“形式知を形式知へ”再構築=連結化。
    • 「営業担当者は、ソリューションパターンを活用した営業活動の実経験を通じて、顧客の理解を深める。」(記号A)
      → パターンという形式知を用い現場経験を通じて自分の暗黙知に吸収=内面化。
  3. 以上をSECIモデルの順序に並べると
    共同化=C, 表出化=D, 連結化=B, 内面化=A
  4. よって解答は「C, D, B, A」です。

誤りやすいポイント

  • 「共同化=ペア行動」と「内面化=実経験による学習」を逆にしてしまう。
  • 「表出化」と「連結化」を“登録”と“体系化”で正確に切り分けられない。
  • SECIモデルを「知識変換プロセス」ではなく単なる“共有手順”と勘違いし、暗黙知⇔形式知の流れを軽視する。

FAQ

Q: 「登録」と「共有」はどちらも形式知化に見えますが?
A: 登録(記号D)は暗黙知を文書化して初めて形式知にする表出化、体系的に再編する(記号B)は既にある形式知を加工・統合する連結化です。
Q: 共同化の代表的な手法は何ですか?
A: 現場のOJT、メンタリング、ペアワークなど、経験を共にすることで暗黙知を直接伝える活動が典型です。
Q: SECIモデルは一巡したら終わりですか?
A: いいえ。知識創造は循環的で、内面化で得た暗黙知が再び共同化を促し、組織学習が継続します。

関連キーワード: SECIモデル、暗黙知、形式知、ナレッジマネジメント、OJT

設問2〔SECIモデルの適用〕について答えよ。

(2)本文中の下線③について、この機能は、営業担当者のどのような行動を促進できるか。15字以内で答えよ。

模範解答

事例を登録する行動

解説

解答の論理構成

  1. 下線③の機能の内容
    引用:「③ソリューション事例の登録数・参照数によって、その事例を登録した営業担当者にスコアが付与され、組織全体への貢献度を可視化する機能
    ― 登録数・参照数を“見える化”し、スコアを与える仕組みです。
  2. スコアリングの効果
    • スコアが高い=“組織全体への貢献”が高いと評価される。
    • 人事評価制度について問題文では「営業担当者は、自らの経験を公開することが人事評価にはつながらないので登録に積極的でなく」と課題が指摘されています。
    • 新機能により「登録⇒スコア⇒評価」へとインセンティブが生まれます。
  3. 促進される具体的行動
    スコアを獲得する最短手段は「ソリューション事例を登録する」ことです。
    したがって、営業担当者に促す行動は「事例を登録する行動」と結論づけられます。

誤りやすいポイント

  • 「参照数の増加」や「閲覧促進」と答えてしまう
    → 参照は結果であり、機能が直接促すのは“登録”です。
  • 下線③とSECIモデルの活動を混同して「ノウハウ共有」など抽象的に書く
    → 設問は“営業担当者の行動”を問うている点に注意します。
  • 「スコアを獲得する行動」など曖昧な表現
    → 具体的に「事例を登録する」と明示する必要があります。

FAQ

Q: 参照数にもスコアが付くなら「閲覧」も促進されるのでは?
A: 閲覧は副次的効果です。スコア取得の直接行動は「登録」であり、設問も営業担当者が自ら行う行動を問うています。
Q: なぜ15字以内で答える必要があるのですか?
A: 文字数指定は設問の制約です。指定を守りつつ具体的に書くことが評価基準になります。
Q: SECIモデルとの関連は?
A: 事例登録は「表出化(Externalization)」を加速させる活動で、知識を形式知として共有する土台となります。

関連キーワード: ナレッジマネジメント、バランススコアカード、インセンティブ設計、表出化、スコアリング

設問2〔SECIモデルの適用〕について答えよ。

(3)本文中の下線④について、この機能は、営業担当者の提案活動において、どのような効果を期待できるか。40字以内で答えよ。

模範解答

顧客の真のニーズに合ったソリューションをタイムリーに提案できる。

解説

解答の論理構成

  1. 追加機能の内容を確認
    • 【問題文】では、下線「④」について
      「“顧客のニーズ・課題及び予算を入力することで、該当するソリューションパターンとその適用事例を、瞬時に顧客に有効と考えられる順にピックアップする機能”」
      とあります。
  2. 何が改善されるかを抽出
    • 「顧客のニーズ・課題及び予算」をキーに検索するため、営業担当者は顧客要求と自社のソリューションパターンを即座にマッチングできます。
    • 「瞬時に」抽出できるので、提案のタイミングを逃しやすいという現状課題(「“探すのに時間が掛かり、提案のタイミングを逸して失注”」)を解消できます。
  3. 効果をまとめて言語化
    • 上記より、営業担当者は「顧客の真のニーズ」に合致する高付加価値ソリューションを「タイムリーに」提示でき、提案品質とスピードが向上します。
  4. したがって解答は
    • 「顧客の真のニーズに合ったソリューションをタイムリーに提案できる」となります。

誤りやすいポイント

  • 「瞬時にピックアップ」の効果を“社内共有の効率化”など内部視点だけでまとめてしまい、顧客への提案スピード向上まで言及しない。
  • 「顧客の真のニーズ」を落として「最適なソリューション提案が可能」とだけ書き、真のニーズというキーワードを欠く。
  • 機能④と機能③(「スコアが付与され、貢献度を可視化」)を取り違え、評価制度やモチベーション向上を効果として挙げてしまう。

FAQ

Q: 機能④は営業担当者以外にも効果がありますか?
A: はい。S企画本部が開発する新規ソリューションパターンの妥当性検証にも使え、全社で顧客価値を高めるサイクルを加速できます。
Q: 機能④でピックアップされたパターンが必ず採用されるのですか?
A: 必ずではありません。営業担当者が顧客との対話を通じて最終提案をブラッシュアップし、最適解に仕上げる前提です。
Q: 提案速度が上がると品質が下がるのでは?
A: ソリューションパターンと適用事例が体系化されているため、過去の成功知見を活用しつつスピードも確保でき、品質低下のリスクを抑えられます。

関連キーワード: バランススコアカード、SECIモデル、ソリューションパターン、顧客ニーズ、ナレッジマネジメント

設問3

表4中のeに入れる適切な数値を、小数第1位を四捨五入して整数で答えよ。

模範解答

e:15

解説

解答の論理構成

  1. ROE (自己資本利益率) は、DuPont 分析により
    ROE = 売上高当期純利益率 × 総資本回転率 × 財務レバレッジ
    で計算できます。
  2. 【問題文】表4には、中期経営計画最終年度の
    ・「売上高当期純利益率(%)」=「4.0」
    ・「総資本回転率(回転)」=「1.5」
    ・「自己資本比率(%)」=「40」
    が提示されています。
  3. 財務レバレッジは総資本 ÷ 自己資本、すなわち
    1 ÷ 自己資本比率 = 1 ÷ 0.40 = 2.5
    です。
  4. 以上を式に当てはめると
    ROE = 0.04 × 1.5 × 2.5 = 0.15
  5. ROE を百分率で表すと 15%。小数第1位を四捨五入する指示ですが、すでに整数のためそのまま「15」となります。

誤りやすいポイント

  • 財務レバレッジを「自己資本比率そのもの」で代入してしまい、0.04 × 1.5 × 0.40 としてしまう。
  • 総資本回転率「1.5」を 150%と誤変換し掛け算を二重計上する。
  • 自己資本比率「40」を 0.40 に置き換えず 40 のまま使い、極端に大きな値を算出してしまう。

FAQ

Q: 自己資本比率が与えられていない場合、どうやって財務レバレッジを求めますか?
A: 自己資本と総資本(総資産)が分かれば、財務レバレッジ=総資本 ÷ 自己資本で算出できます。
Q: 売上高当期純利益率がパーセント表示でも式に入れる時はどうしますか?
A: %を外し小数化します。たとえば「4.0%」は 0.04 として代入します。
Q: DuPont 分析を使うメリットは?
A: ROE を「収益性」「効率性」「安全性」の3要素に分解でき、どの要素を改善すべきか戦略的に判断できる点です。

関連キーワード: ROE, DuPont分析、財務レバレッジ、自己資本比率、総資本回転率
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