応用情報技術者 2023年 秋期 午後 問10
サービスレベルに関する次の記述を読んで、設問に答えよ。
E社は防犯カメラ、入退室認証機器、監視モニターなどのオフィス用セキュリティ機器を製造販売する中堅企業である。E社の販売部の販売担当者は、E社営業日の営業時間である9時から18時までの間、販売活動を行っている。E社の情報システム部では、販売管理システム(以下、現システムという)、製品管理システム、社内Webシステムなどを開発、運用し、社内の利用者にサービスを提供している。現システムは、納入先の所在地、納入先との取引履歴などの納入先情報を管理し、製品管理システムは、製品の仕様、在庫などの情報を管理する。社内Webシステムは24時間365日運用されており、E社の従業員は、業務に役立つ情報を、社内Webシステムを用いて、いつでも参照することができる。
情報システム部には、サービス課、システム開発課及びシステム運用課がある。サービス課には複数のサービスチームが存在し、サービスレベル管理など、サービスマネジメントを行う。システム開発課は、システムの開発及び保守を担当する。システム運用課は、システムの運用及びIT基盤の管理を担当する。
販売担当者を利用者として提供される販売管理サービス(以下、現サービスという)は現システムによって実現されている。販売担当者は、納入先から製品の引き合いがあった場合、まず現システムで納入先情報を検索して、引き合いに関する情報を登録する作業を行う。次に、現システムと製品管理システムの両システムに何度もアクセスして情報を検索したり、情報を登録したりする作業があり、最後に表示される納期と価格の情報を取り込んだ納入先への提案に時間が掛かっている。販売部は16時までに受けた引き合いは、当日の営業時間内に納入先に納期と価格の提案を行うことを目標にしているが、引き合いが多いと納入先への提案まで2時間以上掛かることもあり、目標が達成できなくなる。販売部が行う納入先への提案は販売部の重要な事業機能であるので、販売部は現サービスの改善を要求事項として情報システム部に提示していた。
そこで、情報システム部は、販売部の要求事項に対応するため、現システムに改修を加えたものを新システムとし、来年1月から新サービスとして提供することになった。
〔新サービスとサービスマネジメントの概要〕
販売部のG課長が業務要件を取りまとめ、システム開発課が現システムを改修し、システム運用課がIT基盤を用いて新システムを運用する。販売担当者が現サービスと同様に引き合いに関する情報を新システムに登録して、提案情報作成を新システムに要求すると、新サービスでは新システムと製品管理システムとが連動して処理を実行し、提案に必要となる納期と価格の情報を表示する。
新サービスのサービスマネジメントについては、現サービス同様に、サービス課販売サービスチームのF君が担当する。サービス課では、従来からサービスデスク機能をコールセンター会社のY社に委託しており、新サービスについても、利用者からの問合せは、サービスデスクが直接受け付けて、利用者に回答を行う。問合せの内容が、インシデント発生に関わる内容の場合は、サービスデスクから販売サービスチームにエスカレーションされ、情報システム部で対応し、対応完了後、販売サービスチームは、サービスデスクに対応完了の連絡をする。例えば、一部のストレージ障害が疑われる場合は、販売サービスチームはシステム運用課にインシデントの診断を依頼し、システム運用課が障害箇所を特定する。その後、システム運用課で当該ストレージを復旧させ、販売サービスチームに復旧の連絡を行う。販売サービスチームはサービスデスクに連絡し、サービスデスクでは、サービスが利用できることを利用者に確認してサービス回復とする。
〔サービスレベル項目と目標の設定〕
社内に提供するサービスについて、これまで情報システム部は、社内の利用部門との間でSLAを合意していなかったが、新サービスではサービスレベル項目と目標を明確にし、販売部と情報システム部との間でSLAを合意することにした。そこで、情報システム部が情報システム部長の指示のもとで、販売部の要求事項と実現可能性を考慮しながらサービスレベル項目と目標の案を作成し、新サービスの利害関係者と十分にレビューを行って合意内容を決定することとなった。F君が新サービスのSLAを作成する責任者となり、販売部との合意の前に、新システムの開発及び運用を担うシステム開発課及びシステム運用課のメンバーと協力してSLAのサービスレベル項目と目標を作成することにした。
F君は、システム開発課がシステム設計を完了する前に、現システムで測定されているシステム評価指標を参考に、表1に示す販売部と情報システム部との間のサービスレベル項目と目標(案)を作成した。

F君は、表1を販売部のG課長に提示した。G課長は、販売部の要求事項に関連する内容が欠けていることを指摘し、表1に①サービスレベル項目を追加するように要求した。そこで、F君は、新システムに関わる情報システム部のメンバーと協議を行い、システム設計で目標としている性能を基にサービスレベル目標を設定し、追加するサービスレベル項目とともにG課長に提示し、了承を得た。
〔サービス提供者とサービス供給者との合意〕
新サービスは、サービス課がサービス提供者となって、SLAに基づいて販売部にサービス提供される。サービス提供に際しては、外部供給者としてY社が、内部供給者としてシステム開発課及びシステム運用課が関与する。
サービスデスクについてのサービスレベル目標の合意は、従来、サービス課とY社との間でaとして文書化されている。この中で、サービス課は、合意の前提となる問合せ件数が大きく増減する場合は、1か月前にY社に件数を提示することになっている。Y社は、提示された問合せ件数に基づき作業負荷を見積もり、サービスデスク要員の体制を確保する。
F君は、②新サービスを契機として、サービス課と内部供給者との間で、サービスレベル項目と目標を合意することにした。新サービスについてのサービス課とシステム開発課との間の主要なサービスレベル項目と目標(案)を表2に示す。

F君は、表2を上司にレビューしてもらった。すると、上司から、表1項番4のサービスレベル目標を達成するためには、“③表2項番2のサービスレベル目標は見直す必要がある”という指摘を受けた。
〔受入れテストにおける指摘と対応〕
システム開発課による開発作業が完了し、新サービス開始の2週間前に販売部が参画する新サービスの受入れテストを開始した。受入れテストを行った結果、販売部から情報システム部に対して、次の評価と指摘が挙がった。
・機能・性能とも大きな問題はなく、新サービスを開始してよいと判断できる。
・新サービスの操作方法を説明したマニュアルは整備されているが、提案情報作成を要求する処理に関してはサービスデスクへの問合せが多くなると想定される。
F君は、サービスデスクへの問合せ件数が事前の想定よりも多くなる懸念を感じた。Y社担当者とも検討し、④新サービス開始時点の問合せ件数を削減する対応が必要と考えた。そこで、利用者が参照できる⑤FAQを社内Webシステムに掲載することによって、新サービスの操作方法についてマニュアルで解決できない疑問が出た場合は、利用者自身で解決できるように準備を進めることにした。
設問1:
〔サービスレベル項目と目標の設定〕について、本文中の下線①でG課長が追加するよう要求したサービスレベル項目として適切な内容を解答群の中から選び、記号で答えよ。
解答群
ア:製品の引き合いを受けてから提案するまでに要する時間
イ:納入先情報の検索時間
ウ:販売担当者が提案情報作成を新システムに要求してから納期と価格の情報が表示されるまでに要する時間
エ:販売担当者が提案情報作成を新システムに要求するときの新システムにおける同時処理可能数
模範解答
ウ
解説
解答の論理構成
-
追加が求められた背景
- 販売部が最も改善を望んでいるのは、提案までのリードタイム短縮です。問題文には
「販売部は16時までに受けた引き合いは、当日の営業時間内に納入先に納期と価格の提案を行うことを目標」
とあり、ここが未達になるケースが挙げられています。 - 新システムはこの課題を解消するために「提案情報作成」を自動実行します。
「販売担当者が現サービスと同様に引き合いに関する情報を新システムに登録して、提案情報作成を新システムに要求すると、新サービスでは…納期と価格の情報を表示」
と記述されています。
- 販売部が最も改善を望んでいるのは、提案までのリードタイム短縮です。問題文には
-
既存の表1に不足している項目
- 表1には「サービス時間」「サービス稼働率」「登録処理の応答時間」などはありますが、肝心の“提案情報作成”の応答時間を測る項目がありません。
- G課長は「販売部の要求事項に関連する内容が欠けている」と指摘しています。よって追加すべきは提案情報作成プロセスの応答性能です。
-
選択肢の検証
- ア:業務全体(引き合い受付~提案)の所要時間であり、ITサービス単独ではコントロールしにくいのでSLA項目には不適。
- イ:検索時間は業務ボトルネックではなく、新システム改修の中心でもない。
- ウ:「販売担当者が提案情報作成を新システムに要求してから納期と価格の情報が表示されるまでの時間」──まさに新機能の性能を直接測定でき、販売部の要求とも一致。
- エ:同時処理可能数はキャパシティ設計の指標であり、現時点のボトルネック解消には直結しない。
-
結論
以上より、追加すべきサービスレベル項目は
「ウ:販売担当者が提案情報作成を新システムに要求してから納期と価格の情報が表示されるまでに要する時間」
となります。
誤りやすいポイント
- 「業務時間全体」か「システム応答時間」かを混同する
業務処理全体の所要時間(選択肢ア)は複数部門の作業が絡むためSLAに適さないことを見落としやすいです。 - 既に表1に「平均3秒以内」の応答時間があるので十分と早合点する
表1項番3は「引き合い登録」の応答時間であり、提案情報作成とは別処理である点を区別しましょう。 - キャパシティ系指標(同時処理数)を性能指標と誤解する
体感性能を保証したい場合は応答時間を指標にします。同時処理数は裏側の設計パラメータです。
FAQ
Q: 登録処理と提案情報作成処理の応答目標を両方定めるのは冗長では?
A: 処理内容が異なり利用者の体感に直結するポイントも別です。登録は“入力の快適さ”、提案は“業務の本丸”を左右するため、両方を明示することで期待値を明確化できます。
A: 処理内容が異なり利用者の体感に直結するポイントも別です。登録は“入力の快適さ”、提案は“業務の本丸”を左右するため、両方を明示することで期待値を明確化できます。
Q: SLAに業務全体の時間(引き合い→提案完了)を入れてはいけないのですか?
A: 可能ですが、その場合は販売部側作業も含むため“共同責任指標”になります。ITサービス単独の可否判断が難しく、管理と改善策が曖昧になるため、通常はシステム応答時間などIT部門が直接制御できる指標を採用します。
A: 可能ですが、その場合は販売部側作業も含むため“共同責任指標”になります。ITサービス単独の可否判断が難しく、管理と改善策が曖昧になるため、通常はシステム応答時間などIT部門が直接制御できる指標を採用します。
Q: 同時処理可能数を指標にした方がピーク対策になるのでは?
A: キャパシティ指標は内部の運用・設計ドキュメント(OLAやキャパシティ計画)で管理し、SLAでは利用者が理解しやすい応答時間で示すのが一般的です。
A: キャパシティ指標は内部の運用・設計ドキュメント(OLAやキャパシティ計画)で管理し、SLAでは利用者が理解しやすい応答時間で示すのが一般的です。
関連キーワード: SLA, 応答時間、サービスレベル管理、キャパシティ計画、インシデント管理
設問2:〔サービス提供者とサービス供給者との合意〕について答えよ。
(1)本文中のaに入れる適切な字句を解答群の中から選び、記号で答えよ。
解答群
ア:契約書
イ:サービスカタログ
ウ:サービス要求の実現に関する指示書
エ:リリースの受入れ基準書
模範解答
a:ア
解説
解答の論理構成
- 【問題文】では
“サービスデスクについてのサービスレベル目標の合意は、従来、サービス課とY社との間でaとして文書化されている。”
と記載されています。 - Y社は “外部供給者” と明記されており、サービス課(自社)と “別法人” です。別法人間でサービスレベルを取り決める場合、ITサービスマネジメントでは法的拘束力を持つ “契約書(アウトソーシング契約)” に落とし込むのが一般的です。
- 選択肢を検討します。
・ア:契約書 … 外部企業との責任範囲・サービスレベルを定める文書。
・イ:サービスカタログ … 利用者向けに提供サービスを一覧化した内部文書。外部企業との合意文書ではありません。
・ウ:サービス要求の実現に関する指示書 … 運用現場向けの作業指示であり、合意を示す文書ではありません。
・エ:リリースの受入れ基準書 … システム変更時の品質基準を定める文書であり、サービスデスク業務の合意と無関係です。 - したがって最も適切なのは “ア:契約書” となります。
誤りやすいポイント
- “サービスカタログ” を選んでしまう
内部利用者向けの公開資料と混同しがちですが、外部委託先との正式な合意文書ではありません。 - “サービス要求の実現に関する指示書” を合意文書と誤解する
指示書は作業手順を示すものであり、サービスレベル達成を保証する法的効力は持ちません。 - 内部供給者との OLA(運用レベル合意書)と外部供給者との契約書を混同する
同じ “合意” でも組織境界が異なれば文書種別も変わります。
FAQ
Q: 契約書と SLA はどう違うのですか?
A: 契約書は法的拘束力を持つ包括的な文書で、価格・支払条件・責任分担などを含みます。SLA は主にサービス品質指標と目標値をまとめた文書です。外部委託の場合、SLA を契約書の一部として組み込む形が一般的です。
A: 契約書は法的拘束力を持つ包括的な文書で、価格・支払条件・責任分担などを含みます。SLA は主にサービス品質指標と目標値をまとめた文書です。外部委託の場合、SLA を契約書の一部として組み込む形が一般的です。
Q: 内部部門との合意は何と呼ばれるのですか?
A: 同じ企業内で部門間のサービスレベルを定める場合は OLA(運用レベル合意書)や SL-OL(サービスレベル運用合意書)と呼ばれることが多いです。
A: 同じ企業内で部門間のサービスレベルを定める場合は OLA(運用レベル合意書)や SL-OL(サービスレベル運用合意書)と呼ばれることが多いです。
Q: サービスカタログは契約書がなくても作れますか?
A: はい。サービスカタログは利用者に提供内容を説明するためのドキュメントであり、契約の有無にかかわらず作成できます。ただし外部委託の場合は別途契約書でサービスレベルを定義する必要があります。
A: はい。サービスカタログは利用者に提供内容を説明するためのドキュメントであり、契約の有無にかかわらず作成できます。ただし外部委託の場合は別途契約書でサービスレベルを定義する必要があります。
関連キーワード: SLA, 契約管理、外部委託、サービスデスク
設問2:〔サービス提供者とサービス供給者との合意〕について答えよ。
(2)本文中の下線②で、F君が、サービス課と内部供給者との間でサービスレベル項目と目標を合意することにした理由は何か。40字以内で答えよ。
模範解答
表1のサービスレベル目標の達成には、内部供給者との目標の合意が必要だから
解説
解答の論理構成
- 新サービスでは、販売部と情報システム部の間でSLAを締結し、表1に示す各「サービスレベル目標」を確実に達成することが前提です。
引用:「新サービスではサービスレベル項目と目標を明確にし、販売部と情報システム部との間でSLAを合意することにした」 - その達成には、実作業を担うシステム開発課・システム運用課(=内部供給者)の協力が不可欠です。
引用:「サービス提供に際しては…内部供給者としてシステム開発課及びシステム運用課が関与する」 - そこでF君は、②の通り「サービス課と内部供給者との間で、サービスレベル項目と目標を合意する」ことにしました。これは内部供給者の具体的な責任・目標を明文化し、表1の目標を確実に満たすための手段です。
引用:「F君は、②新サービスを契機として、サービス課と内部供給者との間で、サービスレベル項目と目標を合意することにした」
したがって解答は
「表1のサービスレベル目標の達成には、内部供給者との目標の合意が必要だから」
となります。
「表1のサービスレベル目標の達成には、内部供給者との目標の合意が必要だから」
となります。
誤りやすいポイント
- 「外部供給者(Y社)との合意」と混同し、内部供給者が対象であることを見落とす。
- 目標を追加する理由を「新システムの性能向上」と解釈し、SLA達成という本質を外してしまう。
- ②の下線部を“作業手順の統一”など運用ルールの話と誤読し、サービスレベル目標とのつながりを示せない。
FAQ
Q: 内部供給者との合意は必ずSLAと呼ぶのですか?
A: 一般には「OLA(運用レベル合意書)」や部門間協定など別名称で交わす場合もあります。本問では形式名よりも“合意して責任を明確化する”点が重要です。
A: 一般には「OLA(運用レベル合意書)」や部門間協定など別名称で交わす場合もあります。本問では形式名よりも“合意して責任を明確化する”点が重要です。
Q: 外部供給者との契約と何が違いますか?
A: 外部とは法的な契約(例:アウトソーシング契約)で拘束しますが、内部は同一組織内の部門間合意で、責任と報告ラインを調整するのが主目的です。
A: 外部とは法的な契約(例:アウトソーシング契約)で拘束しますが、内部は同一組織内の部門間合意で、責任と報告ラインを調整するのが主目的です。
Q: 表1の目標を達成できなかった場合、内部供給者はどうなりますか?
A: OLA違反として原因分析と是正措置が求められ、再発防止のためのプロセス改善や体制見直しが行われます。
A: OLA違反として原因分析と是正措置が求められ、再発防止のためのプロセス改善や体制見直しが行われます。
関連キーワード: SLA, OLA, インシデント管理、サービス可用性、内部供給者
設問2:〔サービス提供者とサービス供給者との合意〕について答えよ。
(3)本文中の下線③でサービスレベル目標を見直すべき理由は何か。40字以内で答えよ。
模範解答
サービス回復時間にはシステム開発課以外で実施する作業の時間も含まれるから
解説
解答の論理構成
- 【問題文】では、利用部門との SLA として
表1項番4「サービス回復時間」「8時間以内」が設定されています。ここでの定義は
「サービスデスクが受け付けてからサービスが回復するまでの経過時間」
と明記され、サービス課・システム開発課・システム運用課など複数組織の一連作業が対象です。 - 一方、内部供給者であるシステム開発課との合意案(表2項番2)は
「システム開発課がサービス課からのインシデントの診断依頼を受け付けてからシステムを復旧するまでの時間」「8時間以内」となっています。 - サービス回復時間(表1)は“受付~回復”全体、表2は“システム開発課作業”のみ。
受付前後の
・サービスデスクでの受付・切分け
・サービス課からのエスカレーション/復旧連絡
・利用者への回復確認
といった工程は表2の範囲外です。 - したがって、表2を外部 SLA と同じ「8時間以内」にすると、その他工程に必要な時間の余裕がなく、結果として表1の「8時間以内」を達成できないリスクが高まります。
- このギャップを防ぐために「③表2項番2のサービスレベル目標は見直す必要がある」と指摘され、模範解答の理由
「サービス回復時間にはシステム開発課以外で実施する作業の時間も含まれるから」
が導かれます。
誤りやすいポイント
- 表1と表2の「8時間」の起点・終点が同じだと誤認し、内部目標を短縮しないまま合意してしまう。
- サービス回復=システム復旧と短絡的に考え、サービスデスクやサービス課の作業を勘案しない。
- 内部 SLO と外部 SLA の関係を逆に捉え、内部目標を外部より緩く設定しても問題ないと判断する。
FAQ
Q: 内部供給者との SLO は外部 SLA と同値でも良いのでは?
A: 受付連絡・利用者確認など付随作業の時間を確保するため、内部 SLO は外部 SLA より厳しく設定するのが原則です。
A: 受付連絡・利用者確認など付随作業の時間を確保するため、内部 SLO は外部 SLA より厳しく設定するのが原則です。
Q: システム運用課にも別途 SLO を設定すべきですか?
A: はい。ストレージ障害など運用課が主体となるインシデントもあるため、開発課とは異なる指標で合意すると確実です。
A: はい。ストレージ障害など運用課が主体となるインシデントもあるため、開発課とは異なる指標で合意すると確実です。
Q: “余裕時間”をどう算出すれば良いですか?
A: 過去のインシデント対応実績から、受付・切分け・回復確認に要した平均時間を分析し、SLA から逆算して内部目標を設定します。
A: 過去のインシデント対応実績から、受付・切分け・回復確認に要した平均時間を分析し、SLA から逆算して内部目標を設定します。
関連キーワード: SLA, SLO, サービス回復時間、インシデント管理、エスカレーション
設問3:〔受入れテストにおける指摘と対応〕について答えよ。
(1)本文中の下線④で、F君が、問合せ件数を削減する対応が必要と考えた理由は何か。サービスデスク運用の観点で、25字以内で答えよ。
模範解答
サービスデスク要員の体制が確保できないから
解説
解答の論理構成
-
受入れテストの結果
─ 「新サービスの操作方法を説明したマニュアルは整備されているが、提案情報作成を要求する処理に関してはサービスデスクへの問合せが多くなると想定される。」
→ 想定より問合せ件数が増える懸念が発生。 -
サービスデスク体制の前提
─ 「サービス課は、合意の前提となる問合せ件数が大きく増減する場合は、1か月前にY社に件数を提示することになっている。Y社は、提示された問合せ件数に基づき作業負荷を見積もり、サービスデスク要員の体制を確保する。」
→ 急激な件数増には即応できず、要員確保が難しい。 -
推論
・開始直前に件数増を伝えても「1か月前」の条件を満たせない。
・要員不足のままでは SLA 達成が危うい。
⇒ 問合せ件数そのものを減らす施策が必要。 -
よって、F君が④で対応を決めた理由は
「サービスデスク要員の体制が確保できないから」となる。
誤りやすいポイント
- 「利用者の利便性向上」が主目的と誤解し、要員確保の問題を見落とす。
- システム性能やインシデント対応 SLA と混同し、サービスデスク運用の前提条件を読み飛ばす。
- 1か月前通知ルールの存在を見逃し、増員申請すれば解決すると短絡的に考える。
FAQ
Q: なぜ FAQ 掲載が選ばれたのですか?
A: 問合せ発生自体を抑制でき、増員リードタイム制約を回避できる手段だからです。
A: 問合せ発生自体を抑制でき、増員リードタイム制約を回避できる手段だからです。
Q: 既にマニュアルがあるのに問合せが増えるのはなぜ?
A: 操作が複雑な「提案情報作成」処理はマニュアルだけでは解決しにくく、利用者が具体的な事例で迷うためです。
A: 操作が複雑な「提案情報作成」処理はマニュアルだけでは解決しにくく、利用者が具体的な事例で迷うためです。
Q: 1か月前通知を守れない場合、他の対策は?
A: 一時的なヘルプデスク要員の社内応援やチャットボット導入などがありますが、準備期間が短い場合は即効性の高い FAQ が現実的です。
A: 一時的なヘルプデスク要員の社内応援やチャットボット導入などがありますが、準備期間が短い場合は即効性の高い FAQ が現実的です。
関連キーワード: SLA, KPI, サービスデスク、FAQ, コールセンター
設問3:〔受入れテストにおける指摘と対応〕について答えよ。
(2)本文中の下線⑤の方策は、サービスデスクへの問合せ件数削減が期待できるだけでなく、利用者にとっての利点も期待できる。利用者にとっての利点を40字以内で答えよ。
模範解答
サービスデスクのサポート時間帯以外でも、利用者が疑問を解決できる。
解説
解答の論理構成
- 【問題文】では、サービスデスクの対応時間について、表1項番5に「サービスデスクのサポート時間帯」「問合せ受付業務を実施する時間帯:E社営業日の9時から18時まで」と明示されています。
- 一方、下線⑤の対応として「FAQを社内Webシステムに掲載する」とあります。社内Webシステムは本文冒頭で「社内Webシステムは24時間365日運用されており、E社の従業員は…いつでも参照することができる」と説明されています。
- つまり FAQ を公開すると、サービスデスクが稼働していない 18時以降や休日であっても、利用者は社内Webシステムを通じて自力で疑問を解消できます。
- この点をまとめると「サービスデスクのサポート時間帯以外でも、利用者が疑問を解決できる」という利点が導かれます。
誤りやすいポイント
- FAQの目的を「オペレーター負荷軽減」だけと捉え、利用者側のメリットを忘れる。
- サービスデスクの受付時間「E社営業日の9時から18時まで」を見落とし、24時間対応と誤解する。
- 社内Webシステムが「24時間365日運用」である事実を引用せず、利点を裏付けられない。
FAQ
Q: FAQ の掲載は SLA のどの種別に影響しますか?
A: 主にサービスデスク項目の品質向上に寄与し、間接的に可用性や満足度向上にもつながります。
A: 主にサービスデスク項目の品質向上に寄与し、間接的に可用性や満足度向上にもつながります。
Q: FAQ を作成する際、誰が責任を持つべきですか?
A: 本文では言及がありませんが、実務ではサービス課が主体となり、システム開発課と協力して内容を検証する形が一般的です。
A: 本文では言及がありませんが、実務ではサービス課が主体となり、システム開発課と協力して内容を検証する形が一般的です。
Q: FAQ だけで問い合わせがゼロになりますか?
A: いいえ。操作が複雑なケースやシステム障害など、個別対応が必要な問い合わせは残ります。FAQ はあくまで一次解決率を高める手段です。
A: いいえ。操作が複雑なケースやシステム障害など、個別対応が必要な問い合わせは残ります。FAQ はあくまで一次解決率を高める手段です。
関連キーワード: FAQ, インシデント管理、サービスデスク、可用性、自己解決


